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岡山市 竹之内則夫
no.1city@pure.ocn.ne.jp
バックナンバー 2013年 12月

大森市長就任後、初となる本格的な論戦が行われました。「子育て」・「子育ち」に絞った私の個人質問の概略を以下お知らせいたします。

◆岡山市の活力と未来のための最優先施策
保育園に空きがないという理由で、岡山市でも多くの女性が仕事を辞め、そして同様の理由で出産後の復職や再就職を諦めています。
今や結婚や出産は女性の一生にとって大きな負担やリスクの側面を持ち、それは未婚化や少子化という社会的課題として表出しています。
従って保育ニーズの充足は、女性への支援にとどまらず、岡山市の活力と未来のための最重点施策としなければなりません。

◆あとどれだけ保育を充実すれば良いか。
岡山市が行ったアンケート調査や総務省統計局「労働力調査」のデータから、今より4500人分の受け皿整備が必要です(データ処理は私が行いました)。

◆整備にはスピードが求められています。
岡山市は公立園が多いという特異なまちです。そこで単に保育定数を増やすだけではなく、今後の財政上の負担や、幼稚園の空き教室といった無駄をより抜本的に見直すため、かなり壮大な改革を行う考えです。方向は私も支持していますが、今の手順では小回りが利かずスピードが求められている「保育ニーズ」に応えられません。団塊ジュニアの子どもたちの多くが小学校に上がってしまうのは遠い先の話ではありません。早急な解決策こそが必要なのです。

◆既存の施設と仕組みを活用すべき。
本市特有の資産である公立幼稚園に着目し、「3歳児教育」と「預かり保育」を最優先施策とするよう市長に提案しました。以下がその理由です。
①市民ニーズはどうでしょうか?
岡山市の調査をはじめニーズは明白です。例えば市内の公立幼稚園のPTAが保護者を対象に行った調査によると、8割以上が「3歳児教育」を、7割以上が「預かり保育」を希望されています。
②他の自治体はどうでしょうか?
人口が少ない政令市・10市を調査しましたところ、表のように、幼稚園・保育園を合わせた3歳児の就園率が、本市だけ極端に低くなっています。公立幼稚園が70園、「3歳児教育」を行っていない園が52園と、どちらも飛び抜けて多いからです。
仮に全ての公立幼稚園が「3歳児教育」を実施したらどうなるのでしょう。私の試算では、低めに見積もっても、就園児は今よりも1200人以上増えます。
さらに、「預かり保育」を実施するとどうかを試算したところ、就労している親の子どもたち700人以上が「預かり保育」を利用することとなります。これは、幼稚園に、700人の保育機能が増えることを意味します。
③幼児教育の現場にもメリット。
市が計画している子ども園への移行に際して、多くの幼稚園教諭の心配のひとつは4歳以上しか経験がない、3歳児や保育は未体験だということです。「3歳児教育」「預かり保育」は子ども園への移行に向けた試行の役割にも最適です。

◆本市はどう考えているのでしょうか?
公立幼稚園の「3歳児教育」・「預かり保育」は、「どちらもニーズが高い」「市民ニーズに対応できていない」「今後、子育て支援の観点から検討していく必要がある」、というのが岡山市の現状認識です。
しかしながら、私立幼稚園・保育園との関係などから「実現は困難」であるとしています。
市民ニーズが高くても民業を圧迫することはできないというのが岡山市のスタンスです。

◇◇大森市長の視点と判断◇◇
市長は少子高齢・人口減少という社会の変化を見定めながら中長期の視点をベースに今の施策を判断しようと考えているようです。極めて妥当な手法です。
しかし、「将来、子どもの数が減るのに、今よりも『官』が受け皿を増やすのは民業圧迫につながる」との判断を示されたことについては、「今」への配慮を欠いており、適切ではなかったと感じます。

◆◆実現へのポイント(私の主張)◆◆
一番の難点は「市民ニーズが優先されていない」ということです。誰のための市政でしょうか。
次に、子育ての社会化という今日的課題の優先順位(扱い)が低いままだということです。都市の発展の勘所を外してはなりません(評価基準はスピードです)。
①市民ニーズと事業者配慮の狭間。
どの政策でも利害関係者の納得を得る努力は必要です。誰の目線で判断すべきかを指摘している好事例を紹介します。
消費税の軽減税率導入で、与党税制改正大綱に「税率10%時に導入する」と盛り込んだことに対して毎日新聞(12月13日)は、「事業者の反対に耳を傾けることは必要だが、実際に税金を負担する立場の消費者は多くが軽減税率導入を求めていることを忘れてはならない」と、「10%に引き上げた時点で、同時に軽減税率を導入するのが当然だ」と述べています。
②印象ではなく的確なデータと分析を。
私は「ニーズがある以上、民業圧迫にはならない」と申し上げました。ニーズは4500人、対する受け皿増は700人分、心配は要りません。
長い目で見れば、確かに岡山市の年少人口は30年間で20%弱減少します(ただし、縮小幅は全政令市中もっとも少ないと予測されています。岡山市は今も将来も若いまちなのです)。
一方、私の推計では、今よりも11%の需要拡大が見込まれます(恐らく労働人口の減少で女性の就業率はさらに高くなるでしょうが)。差し引きすると、中長期で生じる差額は9%未満です。これは、推移に応じて公立が段階的に縮小してマイナスを吸収することで解決できます(本市は私立園にそう説明しています)。
事業者の不安を解消するのは客観的なデータです。

◆そして、日本や世界の知見はどうでしょうか?
近年、コミュニケーション能力の低下、キレる子など子どもたちの心身の育ちが阻害されています。
日本学術会議は「授乳期を終えるころ以降、子どもは仲間と群れて遊ぶうちに仲間との関わり方等を学ぶとともに、運動能力のような基礎的な力を身につけてゆく。現代の子ども達は群れて遊ぶ機会を失っており、群れて社会性を育む場の再構築が早急に求められる。」としています。
他にも、早く保育園・幼稚園に就園することで教育的効果が高まるとの調査(文部科学省)報告や、ユニセフなど脳科学分野の資料を今回提示しました。

 

幼児期に脳の発達が臨界期(その時期を過ぎると学習が成立しなくなる限界の時期)を迎え、今では子どもたちは学校園でしか集団を形成できなくなっている以上、幼稚園・保育園の充実に、次世代への責任として取り組まなければならないというのが私の決意です。