Twitter
外部リンク
サイト管理者
岡山市 竹之内則夫
no.1city@pure.ocn.ne.jp
バックナンバー 2011年 11月

今年もかも(?)の仲間がやってきました。

朝晩ずいぶん冷え込んでまいりました。今朝は第4日曜日のボランティア清掃日。街路樹(銀杏や桜)の枝払いを大胆にしていただいたので、思いの外落ち葉が少なく、気分を変えてごみばさみ(トング)とゴミ袋を持って脇道を散策することにしました。幼稚園近くの池には、渡り鳥なんでしょうか今年も大勢の鳥たち(50羽くらい)がいくつかの集団をつくりながら概ね同じ方向へと泳いでいます。清々しく気持ちが洗われる景色は、毎年楽しみにしている冬の朝のごちそうです。
ところで、空には鳥の道、海には魚の道があるといわれますが、5年間、行政とお付き合いをしておりますと、行政にも役所の道とでもいいましょうか、陥りやすい行動や思考パターンがあるように感じます。
市民サービスといえば、応対する職員の心がけや挨拶の徹底。
子どもの教育といえば、教師の意識改革やレベルアップ。
市民への働き掛けを強化するには広報と街頭イベント。
守備範囲の仕事は一所懸命やるが線引きの向こう側にはあっさりしていて連携も苦手。
あるいは対症療法は得意だけれども、予防的な先回りは苦手、等々。
すなわちパターンとは精神論と前年踏襲。
そろそろ、このパターンを変えないと、市民や子どもや財政が持たない社会になります。
「精神論と前年踏襲を乗り越える仕組みをつくりましょう」というテーマで、昨夜、11月議会での個人質問原稿を書き上げました。いよいよ明後日から本会議がはじまります。

西大寺グリーンテラスがオープンし、交通量が増えた旧カネボウ跡地。11月20日は、冷え込みも風もきつい夜でしたが、すぐ西に隣接する「碧い森」は赤々と賑やかでした。
ここは4年前の春―ちょうど私が初当選した頃―にオープンした、なかなかおしゃれなカフェです。
この夜は、ウクライナ出身の奏者によるビオラのミニコンサートがおこなわれました。カフェのマスター・景山さんは、オープン以来一貫して、この西大寺の中心部が、人が集う街になることを願って活動してこられた方です(というか、そのために脱サラしてカフェをはじめられたようです)。また、企画&MCは同級生の成本剛君。もう40年近く前、私がはじめて白いギターを手にしたキッカケは、確か成本君でしたが、その彼が、演奏の合間に(MCですから当然ながら合間にしゃべるのですが)「街を元気に」「施設(たぶん隣の商業施設)だけじゃなく、文化や芸術で街づくりを」と地元・西大寺への愛着と想いを語っていたのが印象的でした。
さて、当地の「元気な新拠点事業」は26年完成予定の公共エリアを残すのみとなりましたが、活性化事業はむしろこれからになります。巣鴨地蔵通り商店街のような賑わいは目指すつもりもありませんが、高齢化がすすんでいる西大寺中心部に住むみなさまと、周辺からお越しくださる方々が徒歩で過ごせる(楽しめる)街というのが、このエリアには似合うように感じます。
映画等のロケや会陽というインパクトは大事にしながらも、起伏よりはむしろ「日常が魅力」の街を地域の方々とともにつくるお手伝いをしたいと思ったコンサートでした。

障害者の就労支援、うつ・自殺対策、認知症対策という3つの課題について、九州へ視察に行きました。 

「ウェルとばた」は支援がてんこ盛りの施設です

◆11/8(火) 北九州市「障害者しごとサポートセンター」

ここはJR戸畑駅に隣接した好立地の施設に、様々な課題に対する相談窓口等が集合しており、利用者にとってはとても便利。
また、センターは、国・県・市から一括して事業を受けており、求人力を高めることに成功。
他にもこの施設内には、成年後見に関する県(みると)と市(らいと)のセンターが同室で事業を行うなど、タテ割りを超えて仕組みをつくるのが上手い都市だなと感心した。
しごとサポートセンターでは、まず「ゆっくりと話を聞いてもらえた」と利用者に喜んでいただけるなど、丁寧に障害者からの相談に寄り添うことからはじめ、その後もケース会議→登録→職業準備訓練と支援のステップが用意されている。
また、平成22年の法改正後、企業から法定雇用率達成に向け、「障害者への接し方、障害者ができる仕事の見つけ方」など、採用のプレ段階での相談が増加しており、こうした企業への対応も行っている。
通常、就労支援はまずはハローワークということになるが、このセンターの相談の傾向をみると、知的18~35歳、精神30歳~、精神50歳~と「ハローワークとは真逆に近い」傾向にあること、また、手帳のない方の相談が増加していることなど、補完機能を果たしていることが判る。
岡山市においても強化が求められている事業分野であり、現状、職場開拓が体系的に行われていないことから、マッチング推進の参考になる事業である。

鹿児島県精神保健福祉センター

◆11/9(水) 鹿児島市「精神保健福祉交流センター」・鹿児島県「精神保健福祉センター」

うつ・自殺の予防対策として両施設を視察、特に県のセンターはほぼオールインワンになっていた。(ちなみに長崎県は3障害+女性センターまでまさにオールインワンと教えていただいた。)
自殺と関連が深いのがうつ。しかしながら、県自殺予防センターで「自殺する方のうち精神科に行くのは1%くらい」と。自ら治療に向かうことが難しい実態が見て取れる。とすれば、まわりが早く気付いてあげることで、予防・早期治療につなげることが大事。例えば体の不調を訴えて病院に来る患者の中で、看護師が「病んでるかな?」と気になる方を保健センターにつなぐなどの連携等。
そこで鹿児島県では医療に関わる方々に対する人材育成や研修会、講習会を通じて対策の強化に取り組んできている。また、職場も早期発見のキーになることから職場のメンタルヘルス対策として、特にこうした研修などの機会が乏しい中小企業の管理者向けの講座等も開催しており、参加者が多かったとのこと。
また、うつに対する治療効果が認められている「認知行動療法」の研修会を昨年から開催(基礎研修、フォローアップ研修)しており、これには精神科の病院スタッフや看護師、精神保健福祉士(PSW)などが参加し好評とのこと。
こうした現場の理解やスキルをアップする施策を推進する上では、(現在、12年度の診療報酬改定について、公明党が厚生労働省に対して、チーム医療(看護師、PSW等)による認知行動療法を保険適用するよう求めているが)、保険適用が認められれば大きな追い風になるに違いない。
現在、全国のセンターで認知行動療法を行っているのは68か所のつい12か所と聞く。岡山での実施に取り組みたい。

熊本県庁は豊かな自然に囲まれた美しい庁舎でした

◆11/10(木) 熊本県「認知症疾患医療センター」

増加する認知症。
しかし課題が。家族が症状に気付いても「精神科」に行くのは敷居が高い。従って、症状が重くなって手に負えなくなって病院に行くケースが多いこと。また、全国的に認知症専門医が不足。患者の増加に医療体制が追い付いていないこと。そして、認知症が脳の疾患であることを含めまだまだ広く正しく理解されていないこと。
そこで、高齢化率が高いという現実と危機感を背景に、こうした課題に対応するために、熊本県は「熊本モデル」と呼ばれる先進的取り組みを進めている。
結果からいうと、今現在は「患者が、認知症かどうかという診断を受けに、つまり非常に軽い段階で病院に来るようになった」と成果が出てきている。
ではどうやってきたのかというと、認知症の早期診断や診療体制を充実するために、地域での拠点機能を担う「地域拠点型」と県全体を統括する「基幹型」の2層構造の認知症疾患医療センターを整備した(平成21年7月)。基幹型センターは関連する医療スタッフの技術向上を目的に専門講習をみっちり行い認知症に関する専門性を高めるとともに、医療と介護の連携に取り組んでいる。一方、地域拠点型センターは、地域のかかりつけ医など医療関係者に対する支援や連携を強化するとともに、包括支援センターとの連携も強化している。特筆すべきは、医療側と介護側双方に専従の連携担当者を配置し、医療と介護の「重なり」をいかに広げていくかに心を砕いている点である。このことは医療=県、介護=市町村、つまり県と市町村の連携強化ともいえる。
こうした取り組みを通じて、医師に限らず医療職また介護職や介護事業者など幅広い認知症疾患に対する専門性の習得とネットワークが生まれ、前述した早期発見や早期のつなぎ、対応が進んだのである。
岡山市においても本年10月より地域拠点型センターが開設されたが、熊本モデルのような県市の連携も、また医療と介護の連携を強化する事例検討会をはじめとした支援力の向上策も、まだまだこれからといえる。仕組みづくりを進めたい。

11月4日、厚生労働省委託事業として山陽新聞さん太ホールで開催された「がん検診企業アクション中四国セミナー」に参加しました。
このセミナーは国民のがん検診受診率50%超をめざす国家プロジェクトとして展開されているものです。
皆様よくご存じのとおり、日本は先進7カ国のうち、唯一がんによる死亡割合が増加し続けている世界一のがん大国でありながら、がん検診の受診率が20%台と最低水準のがん検診後進国です。
行政から住民への主なアプローチは、最近になって無料の検診やワクチン接種のラインナップが加わりはじめましたが、いずれにしても基本は検診を呼びかける「広報による啓発」です。
しかし、3月の大震災以降ACジャパンが子宮がん予防を啓発するなどを大量放送しましたが、検診率を押し上げる効果がみられなかったように、がん検診についていえば広報は効力を発揮しないようです。
行政が使うもうひとつの手法は、学区などで任命されている役員や町内会のルートで地域に伝えたりアクションを期待するものです。しかしながらクーポンの対象年齢である20~60歳の住民は、高齢者と比べると地域の網の目から漏れやすく、やはり効果は限定的です。
実はこれらの対象者に効果的にアプローチできるのは職域、つまり企業や団体です。
がん検診企業アクションとは、こうした角度から検診を推進しようとする取り組みなのです。
しかしながら11月1日現在で、この推進パートナー企業に登録している企業は岡山県下でまだ10社しかありません。

何もがん検診に限った話ではありません。すぐに思いつく項目でも、子育て支援(産休、育休、企業内保育)、ワークライフバランス、健康診断、障害者雇用、男女共同参画などの推進が挙げられます。
つまり、なかなか課題解決が進まない分野においては、企業は行政にとって重要なパートナーなのです。

一方企業にとっても女性の能力を十分に発揮できる環境を整備することは企業価値を高め利益にも貢献しますし、心身の健康等、貴重な人材の損失を回避する取り組みは有効なリスクマネジメントです。
今まで企業は行政のお願いを簡単には聞いてくれないかも知れませんが、しかしそうした企業の体質や制度を変えるために、岡山市は何としてきたのか、何ができるのかを問い直し、積極的に関わっていかなければ、従来の行政チャンネル・行政手法では課題はますます手に負えなくなります。課題を解決するにはその責任を担うポストか人を配置することからはじめるべきです。

芝生と紅葉のコントラストが美しいスポーツ公園入口

晴天の文化の日、昨年に続きコカ・コーラウェストスポーツパーク県立布勢運動公園へ行ってまいりました。昨年は川淵キャプテンや平井知事をゲストに体育館での開催でしたが、なんと今年は陸上競技場。好天の下、天然の芝生の上です。会場に到着してみれば、親子連れがいっぱいで鳥取のゆるキャラ、カニータやナシータたちや風船があちこちに浮かんでいる中、アトラクションでは陸上短距離界から福島千里、北風沙織両選手が参加して「ダッシュ王決定戦(30メートル走)」が行われていました。

ダッシュ王決定戦で小学生を追う福島選手と北風選手

ハンディを設けて小学生と競争、「今年、初めて日本人に負けました」とは福島選手の弁でした。

競技場は遊びのワンダーランド状態で、ちゃんと開催されるのかちょっぴり心配しましたが、申し込み時に電話で話をしていた鳥取県の担当者・寺杣さんを見つけてひと安心。開催時間前には全国からの熱心な参加者が思い思いに裸足になって芝生に腰を下ろしてスタンバイ。芝生化アカデミーが無事スタートしました。以下その模様です。

こちらに来るまではちょっと「鳥取」をなめてました。校庭の芝生化は素晴らしいですと小宮山氏

◆基調講演
(元プロ野球投手 小宮山悟さん)
「アメリカに渡って、芝のにおいの中で野球できることに最高に幸せを感じた。37歳のおっさんが野球小僧に変わった。」と。
また、「子どもの頃からこういう芝生の上でプレーしたかった。是非これからの子どもたちのために校庭の芝生化に尽力したい。」

◆パネルディスカッション
(鳥取市立美保小学校 校長西尾幹雄さん)
教育目標は「夢・学・遊」とのこと。遊ぶことを評価していらっしゃるのが「エライ」です。
同校は平成21年の6月にポット苗で校庭を芝生化。
3年目で、子どもたちの変化について校長は次のように。
「校庭に出て遊ぶ子供たちが増えた(何しろ1日3回校長はその人数をカウントしていらっしゃる)」。そして「欠席率が減った。怪我が減った。給食の残量が減った。」と話されました。

熱のこもったディスカッション、壇上のおふたりは裸足です。

(NPO法人グリーンスポーツ鳥取 代表ニール・スミスさん)
芝生を特別扱いしないで欲しい。(芝生化を)やらない言い訳は山ほどある。やる理由はひとつでいい。子どもたちのため。でもこれをやらなかったら日本はおしまい(子どものことを未来のことを優先しない社会になってしまうという意味)。
(日本海テレビ放送 アナウンサー福浜隆宏さん)
進行役をしながら芝生のうえで遊ぶことで土踏まずの形成が促進された事例を紹介されたり、スポーツをする子としない子の2極化が進んでいる今、芝生の校庭に子どもたちがどう反応しているのかを西尾校長に尋ねたり(もちろん着実に外遊びをする子が増えていました)。

◆ワークショップ(テーマ2、行政が取り組む鳥取方式の芝生化) 
(鳥取県教育委員会教育環境課 課長 田嶋健一さん)
・学校は何もしない。業者との契約をはじめ維持管理など窓口は全て教育委員会。
・維持管理業務は平成22年度から民間事業者へ委託(1校あたり年間約27万円)。
・芝生化については、今までいくら予算要求しても蹴られたことはない(知事が推進)。
・どこの自治体もそうだが、昔、高麗芝でやったところは全部ダメになった。これがトラウマになっている。ティフトンじゃないとムリです。つまり過去の失敗は芝の種類を間違えたため。
(鳥取県未来づくり推進局鳥取力創造課 副主幹 寺杣祐以さん)
・鳥取県内の幼稚園39園のうち14園(35.9%)、保育所192園のうち94園(49.0%)、小学校140校のうち26校(18.6%)が芝生化。
・芝生化した私立幼稚園・保育園では約90%が満足。公立幼稚園・保育園では約78%が満足と回答している。
(鳥取市児童家庭課 主任 清水高則さん)
・保育園26園のうち、すべてポット苗の鳥取方式で芝生化している訳ではなく、園庭の広さ、園児数を勘案し、約1/3の園はロール芝で芝生化した。
・初期投資で①ポップアップ式のスプリンクラー設置、②専用芝刈り機を購入、③園庭に盛土による勾配をつける、の3点セットを導入したので、水遣りは蛇口をひねるだけという風に、維持管理の負担を軽くした。
・芝生化によるこどもの変化についての保育士の意見(感想)では、進んで裸足で外に出る、外遊びの時間が増える、全身を使って遊ぶ、群れ遊びが増える、足指を使って草を踏みしめる、などが挙がっている。
・周辺環境への効果では、園舎への砂塵の吹き込み、民家への飛散がない(床の痛みが緩和)、側溝、周辺道路への土砂流出がなくなる、などが挙がった。
(鳥取市都市環境課 主幹 米原和昭さん)
・平成20年度から「はだしで遊べる公園づくり」に取り組んでおり、4年間で26か所、約3.6haをポット苗で芝生化した。
・この事業は、①協働:地元で植え付けや管理。行政はポット苗・肥料の支給や芝刈り機を貸出。②常緑:秋に冬芝の種まき(オーバーシーディング)をすることで一年中緑を保つ。③低コスト:植え付けは100円/㎡、維持管理は初年度150円/㎡、2年目以降50円/㎡。
(地域の公園ですから、仮に500㎡だと初年度125000円、2年目以降25000円というコストになります。)

スタンドの一角がワークショップ会場。バックにはファミリーで賑わうスタジアムの芝生が。

◆ワークショップ(テーマ3、園庭・校庭芝生化の効果) 
(前出の西尾校長、福浜アナウンサーと私立のぞみ保育園 園長山本克宝さんの3人)
ここのワークショップはやっぱり維持管理の話になって、山本園長が園庭が900㎡なので、芝刈りはだいたい50分で1年間に20回程度と現状を話された。一方福浜アナウンサーは小学校のPTA会長として芝生化を行った体験から維持管理について次のように。
校庭が5000㎡あるうち、まず1年目に1000㎡(100m×10m)だけ芝生化したところ好評で、2年目に残りを全部芝生化した。去年が3年目で、あの猛暑だったが水遣りは年間で6回しただけ。今年は1回しか水遣りをしていないが大丈夫です。これは結構衝撃的な話だったので、補足をしていただいたところ、3年目は芝生に厚みがでてくるので保水力が高くなり、ほぼ天然雨水だけで乗り切れたとの説明でした。かなりチャレンジングな感じはしましたが(ニールさんよりも大胆でローコスト、ローワークなので)ひとつの手法ではありそうです。
それでも、岡山は晴れの国で降水量が少なく、参考になるかどうか気になりました。福浜さんから、夏場は山陽も山陰も大差はないのではないですかと聞かれ、これは帰ってすぐに調べました。確かに、夏場を中心に気温が高い7ヶ月間を比較すると、降水量は鳥取市の90%前後と思ったよりも近い数値でしたし、気温や日照時間も同様でした。どうやら鳥取の水遣りは参考にできそうです。
ちなみに、グリーンフィールドの芝には水遣りはまったく行いませんし、7年目からは冬芝のオーバーシーディングをしなくても自生するようです(芝はホントに強い)。
そしてもうひとつ。今年から鳥取市は芝刈りを業者委託。ますます先生方は負担を気にせずすむことになりました。

私にとって芝生化というのは、基本的には子どもを取り巻く課題を解決するためのアプローチです。今年も、芝生化を信念持って推進する決意を固めて特急いなばに乗り込みました。