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岡山市 竹之内則夫
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7月26日、ホテルグランヴィア岡山で、岡山県三田会(会長武田修一先輩、30年経済学部卒)が開催されました。
今回の講演で清家篤塾長は、東日本大震災に言及され、福澤先生が明治の地震や津波の災害にいち早く義捐の活動をされた史実を紹介され、実学・公智・徳心により、日本の復興と再生のために慶應義塾が貢献していかなければならないと訴えられました。以下がその要旨です。
◆実学
福澤先生は実学ということを強調しましたが、サイヤンス(中津弁でなまっていますがサイエンスのこと)とルビを振ったことからも分かるように、実証可能な科学ということでありました。実証的な学問にもとづき考える能力を養うことをなによりも大切にしたわけです。
大きな変化のときには過去の延長線上でものを考え、問題を解決することはできません。その意味でも、実学はこれからの日本の経済社会の回復とさらなる発展のためにも不可欠です。
◆公智
社会や組織のリーダーとなるような人たちには、そうした自分の頭で考える知力によって、社会や組織を正しい方向に導く間違いない判断力が求められます。どんな場合にも希望的観測や精神論などに走らず、冷静、合理的にものごとを判断することのできる知的強靭さです。福澤先生はこれを公智と呼びました。つまり知と徳をさらに私と公すなわち「わたくし」と「おおやけ」に分け、私智、私徳、公智、公徳の四つとしたとき、私智というのは勉強ができるといった私的な知、私徳というのは律儀といった私的な徳であるのに対して、公徳というのは人に対して公平であるといった対外的な徳義、そして公智というのは、重要なことを先にそうでないことを後にするような、ものの軽重大小を見分ける判断力であるとして、この公智を聡明と大智ともいえると言って重要だと述べています。
◆徳心
困難な状況を乗り越え、あらたな発展を目指すためには、実学にもとづく人の知力、そして公智の判断力が重要であります。しかしそれだけでは十分ではありません。もうひとつ大切なのが災害などにあって困難な状態にある人を思いやる同情心で、福澤先生はこれを「徳心」として強調しています。明治の時代にもやはり三陸沖で起きた地震で大津波の被害がありましたが、そのときにも福澤先生は『時事新報』などで救援のキャンペーンをはり、大々的に義捐金などを募っています。興味深いことに同時に福澤先生は、合理的に考えれば、本格的な政府の出動が無ければ被災者を救うことはできないと冷静に判断しています。にもかかわらず一方で義捐活動を積極的に展開したのは、福澤先生がそれを「人の徳」の問題、つまり人を思いやるモラルの問題であり、それなしには人間社会は成立しえないと考えたからです。
◆まとめ
このように福澤先生の示された実学・公智・徳心を紹介され、
最後に、イギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルの「Cool Heads & Warm Hearts」を引き合いに、実学・公智はクールヘッド、徳心はウォームハートであり、全く符合していると、労働経済学がご専門の立場から指摘をされたうえで、これからの日本の発展への塾生、また卒業生への期待で話を結ばれました。
尚、東京から山本博司参議院議員(52年、政治学科卒)が出席されました。

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