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岡山市 竹之内則夫
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バックナンバー 2010年 11月

11月21日、暖かな晩秋の一日、角山学区で開催された「食と芸術の文化祭(クウ&マイアート フェスティバル)」には地域の大勢の方々が参加してくださり、賑やかなおまつりとなった。これは岡山市が本年スタートさせた地域交流事業に地元が手を挙げていただいたもので、実行委員長の池本さん(連合町内会長)をはじめ日頃地域で活躍されている多くの皆さまのご協力に感謝申し上げたい。そして元気な地域づくりは、こうした実行委員のみなさまだけでできるものではなく、今日楽しみに集まってくださった方々すべてが主役となって可能になります。その意味においても、これから第2回、第3回と回を重ねるごとに盛大になっていくよう念願しつつ、会場を後にしました。

11月3日、昨年5月に続いて鳥取市を訪問しました。目的はもちろん「芝生」です。(ちなみに、市議選のポスター掲示場がすでに設置されていました)
午前は、TVカメラを回しながら帯同されていた日本海テレビの福浜キャスターやグリーンスポーツ鳥取の中野理事からもお話を聞かせていただきながら現地視察をさせていただきました。
もちろんニール・スミスさんが説明をしてくださるのですが、八千代橋付近の河川敷の視察でニールさんが激怒。国土交通省が管理している河川敷へのチェーンを外すカギが、開かないのです。「先週までは開いた。今日の視察に対する嫌がらせだ」
顛末を聞くと、国交省管理の河川敷は、年2回の草刈り予算があり、概ね30円/㎡。ところが事業仕分けで予算が1割カットになったので、国交省は法面はやるけれども平地の草刈りを止めにした。
一方、このうちニールさんが平地部20000㎡を月に2回草刈りしているのですが、シルバー人材センターに委託して15円/㎡で済む。
どうしてか。年2回だと、かなり伸びるので人の手で刈る、運ぶ、処理する。しかし月2回だと、乗用カートでさっと片付く。
つまり、工夫すれば、減らされた予算よりも安く手入れできるのに、役所はやらない。しかも実際にできているので嫌がらせまでする。
こんな構図だそうです。(谷合議員、もし聞かれてなかったら一度ご確認ください)
さて、芝生化校のひとつ美保小学校。校長の熱意で実現したとのこと。
ここでは多いときは200人以上(児童数615人)が裸足で遊んでいる。
午後からコカコーラウエストスポーツパークで開催された芝生化シンポジウム
「すべての子どもたちに芝生のグラウンドを」と題した、日本サッカー協会・川淵キャプテンと鳥取県・平井知事の対談で、
川淵キャプテン:「今の時代は、意識的に、『子どもたちにどう外遊びをさせるか』を考えないといけない時代だ。
平井知事:「学校では体を動かすということを、意識的につくらないといけない。」
お二人とも、「意識的に」とおっしゃいました。
子どもの体力の低下、心身の発育という課題対応が成果を挙げられないまま、さらに悪化している状況にあって、今の施策の延長線上ではない具体策が必要だというメッセージが「意識的に」という表現になったのでしょう。
また、川淵キャプテンが、「20年前、『すべての子どもたちに芝生のグラウンドを』」言っても誰も相手にしてくれなかった。それは1校の芝生化には数千万円の財源が必要で、しかも結局そのほとんどが維持できなくて枯らせてしまったからだが、しかし、安価な鳥取方式ができたから全国的にも一挙に広がり始めた」と評価を口にされると、平井知事は、コスト面で手の届く芝生化を可能にした点について「身の丈経営の芝生化が鳥取方式だ」と、応じられていました。

もうひとつ鳥取方式が優れているのは、生育が早く踏圧にも強いティフトンを使ったこと。

川淵キャプテンはこの点についても、「10年前、ティフトンを使った競技場はほとんどなかった。それが2002年、日韓共催のワールドカップを境に急激に増えた」と述べ、それと同様に、校庭で普及が進んだのは、休息を必要とする芝生から、耐えられるティフトンになったことが大きいと指摘されました。

ただ、JFAグリーンプロジェクトでポット苗の支援を始めた川淵キャプテン自身も、初めてポット苗を植える行事に参加した際には、「(芝生の校庭をつくるのに)こんな苗を植えてうまくいくわけがないと思いながら植えたんですよ」というエピソードを紹介されながら、「9月には緑一面になってびっくりした」と、今までの常識を打ち破った鳥取方式に期待を寄せられていました。
また、校庭の芝生化については、川淵キャプテンが、「日本は世界で一番、小学生が運動しない国」と言われているとの話に続き、「芝生を敷いた学校は、どこでも同じ現象ですが、わずか一年で、子供が前傾姿勢で走るようになっている、裸足で走り回る、滑り込む、子供が休み時間外に出てくる」と紹介。
平井知事は、「(私たち大人が)子どもたちにプレゼントできることのひとつが校庭の芝生だ」と応じておられました。

鳥取市と鳥取県の報告に続いて、鳥取市・竹内市長が参加されてのパネルディスカッションが行われました。
「ドイツの広場は全部芝生でした」とおっしゃる山本さんは、帰国して、土のグラウンドに違和感を覚え、地元の小学校を芝生にされた方ですが、毎日、用水からポンプで水を汲み上げて、水遣りされている苦労話をされながら、それでもそうした「維持管理以上に芝生化への理解を得る方が大変だった」と語っておられました。そして今、小学校では女の子が外で遊ぶことが劇的に増えたそうです。
和歌山県職員の大橋さんは、いまでは各地の学校を訪問して、土の校庭に「変な感じ」がするようになっているそうです。また、芝生化後のデータとして、水道代は、「初年度増える学校もあるが、翌年度から概ね土の時よりも下がります」と報告されました。
すかさずニールさんが、上がろうが下がろうが「水道代は学校が払う、水道局が受け取る、小学校ならどちらも同じ市の財布だ」と突っ込みを入れていました。
竹内市長は、現在進めている保育園・公園に続いて、来年の市長選に向けて小学校の芝生化をマニフェストに入れているとアピールするとともに、市民協働の芝生化の重要性を述べられましたが、少なくとも今まで、鳥取市が小学校の芝生化に消極的だったことを登壇者(パネリストやコーディネーター)はご存じなので、ここから具体的な反撃が始まりました。(まるで議会のようでした)
特に焦点になったのは、芝生の維持管理に関するコストについてで、竹内市長が、地域の協力がベースになっているが、市としても予算措置をして支援体制をとっている旨、発言されたのに対して、福浜キャスターから、年間25円/㎡では4000㎡の小学校でも年間10万円しか出ないのでは、肥料や冬芝のオーバーシード、芝刈り機の燃料などにはとても追いつかない。初期投資だけでなく(むしろ初期はtotoをはじめ様々な補助がある)、維持管理への理解が必要だとの訴えがあり、会場の中野理事から、多くの実績を踏まえて、年間100万円が支援の目安だとの指摘がありました。
竹内市長は、実際に苦労しておられる山本さんの話(前述)にも感じるところがあったようで、みなさまが足りないということであれば検討する旨、答弁があり、まるでこのために開催されたのではないかと思えるほど真剣勝負のパネルディスカッションとなりました。
もちろんニールさんも口を開き、日本はなんでもかんでも作りっぱなし。維持管理費を出さないなら作らない方がましだと一刀両断にされていました。
また、芝生化するときはPTAや地域の協力が得られることが多いが、その世代が卒業すると、「芝生ははじめからあるもの」になって、結局なんで地域(自分たち)が世話をさせられるのか、という気分が支配的になりがちであり、将来的に持続可能な芝生化には、スタート時にスプリンクラーの設置と乗用芝刈り機の購入を盛り込んで計画することが望ましいとも指摘されていました。私も、この夏の芝生行脚で同様の結論を得ていましたので、ここへ収斂してくるのは納得でした。
鳥取方式は全国で昨年までに600校園以上で普及していましたが、中野理事にお聞きしたところ本年だけで400校園を超えたそうですので、1000を突破し急速に広がっています。
芝生化はお金がかかります(昔ほどではないにしろ)。しかし、しかしそれは平井知事がおっしゃるように「身の丈」程度の投資であり、しかも子どもたちの心身の健全な成長という、持続可能な未来のための必要経費です。
この稿の最初に戻りますが、私たちは、「意識的に」子どもたちを外に出す、身体を動かすことが求められているという現実に対する回答を出さなければならないのです。
さらには生涯スポーツだって、お題目はいらないのです。芝の環境さえ作れば黙っていてもやるようになるのです。
意を強くして帰途についた視察でした。