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岡山市 竹之内則夫
no.1city@pure.ocn.ne.jp
バックナンバー 2009年 12月

12月9日、代表質問に続いて行われた個人質問の2人目に登壇しました。高谷市政2期目の予算編成は「政令市発展枠」が目玉です。

急激に進む少子高齢化に対して、本市は何をすべきなのか、何からしなければならないのか。自治体としての課題を明確に示し具体的な解決策に言及しました。

1.社会全体での子育て支援について

いくら家庭や地域の教育力や育児力の低下を非難しても課題は解決しません。それは都市化した日本の社会全体の変化の結果だからです。

ところが、子育ての責任は家庭、とりわけ母親の責任との前提を改める施策は実施されていません。母親はたった一人で社会全体の問題に立ち向かわなければならないのです。

これを解決するためには、もう一度、かつての地域共同体に代わる子育ての社会的サポートを充実させるしかないのです。

まさにこれが、公明党が長年かけて「子育ての社会化」を政治課題に押し上げてきた所以です。

ちなみに、現政権では、社会全体で子育てを支援していく「子育ての社会化」という言葉が、子ども手当を保護者の収入に関係なく支給することへの大義名分として用いられていますが、これは間違いです。社会化とは本来、子育てを直接担う保育園の完備を意味しているからです。

11月18日のOECD(経済協力開発機構)の提言でも、子ども手当については、保育や就学前児童の支援により重点を置いて再検討すべきと、グリア事務総長が見直しを求めていました。

 

さて、「子育ての社会化」つまり保育園の完全整備がなされると、そこからどのような流れができるのかをみておきましょう。

現状、育児休暇だけでは長期にわたる子育てを充足できません。しかし保育園がコンビニや郵便局なみに手近にできれば、子育ての第一関門は突破できます。出産退社や育児退社が消えていきます。

この段階で、女性の就業が継続され、男女の就業面での格差解消がテーブルに載る環境が整います。

そこから、企業内での男女平等へのプロセスがスタートすることになります。

こうした就業形態での男女平等が進んでこそ、家庭内での役割分業が解体され、その先に、子育てへの意欲が出てくるのです。

これが、「子育ての社会化」による少子化対策です。

私は、いままでの個人質問でも、少子化対策として、保育園整備から始まって、「日本一男性が家事・育児をする都市」を提案したこともありましたが、ボトルネックを突き止めていくと、このように保育園整備に戻り着きました。

ワークライフバランスも男女共同参画も起点は保育園なのです。

 

保育園は基本的な生活習慣の獲得から社会性の学習まで保育士が幅広い役割をこなしています。一方、幼稚園は幼児教育の場です。基本的な生活習慣の学習は親の責任、多彩な人間関係による社会性の習得は地域社会の役割です。

ところが、これがちゃんとできていないとすると、「保育に欠ける」のは保育園児よりも幼稚園児であるというパラドックスが起こっていることになります。

であれば、幼稚園での保育に力を入れる必要があるということになります。

先般の市のアンケートでも「長時間利用したい」という声が高まっていますし、三歳児保育のニーズも高い訳です。

ですから幼稚園の時間と年齢の拡大へ舵を切るべきであると訴えました。

 

次に、民間保育園の新設についてです。

民間事業者は総論賛成でも、各論では反対なさいます。それを、周囲の園の承認がないと認可しないのではいつまでたっても保育園は増えません。

必要な事業が途中で潰されないためには、市長が公式に見解を発表することが最も有効です。

市長の決意をうかがいました。

→答弁では、市の保育に対する姿勢は、残念ながら後ろ向きです。来年出てくる整備計画を突破口にして、風穴を空けて行きたいと思います。

 

2.高齢者施策について

 

1)「高齢者標準」社会(シルバー・ニューディール)

 

これからの日本社会の将来像を考える際には、人口の3割から4割が高齢者であるという前提が必要になります。

一方、厚労省の調査では、70代後半で71%、80代前半では57%が介護・医療を利用しておらず、健康な高齢者(健康人口)が多いことが分かります。

となると、高齢者こそ多数派です。若者や中年層を標準に考えてきた社会の仕組みを見直し、「高齢者標準」の構造へとシフトすることが、これからの行政には求められることになります。

また、「高齢者標準」は単に行政に止まらず、高齢者が快適と感じる新しい商品やサービスにより、需要と供給の両面から経済成長を促すことになります。これは「シルバー・ニューディール」と呼ばれ、国内での需要を創出するだけではなく、次世代の輸出産業の核になる可能性も期待されています。

 

さてそこで、総合福祉の拠点都市を標榜する、わが岡山市は、高齢者福祉はもとより、高齢者を積極的に呼び込み、人口と需要と消費の拡大等を目指す戦略、題して、「日本一、高齢者に快適な街・岡山」プロジェクトを検討すべきではないでしょうか。

岡山市には高齢者向けの「地の利」があります。温暖で、平らです。この地の利に立ってインフラを整備できれば国内で無敵の、元気な高齢者タウンも夢ではありません。

私は、具体的に、医療、交通、成年後見人制度、行政、企業誘致についての政策を示したうえで、高齢化という課題を乗り越え、都市の発展を導く可能性を提示しました。

→庁内で検討の場を設け、取り組んでいくとの回答でした。

 

2)健康づくり(アクティブ・エイジング)

 

「アクティブ・エイジング」は活力ある高齢化とも訳されますが、「高齢者は扶養されるべき」との旧来の発想から、高齢者が健康寿命を伸ばし、継続的に社会に参加していくことを目指すもので、「高齢者が長年にわたって培ってきた知識・経験を活用し、高齢者の希望や能力を活かす社会」へと転換を図ることを意味しています。

WHOも高齢者が健康で活動的でいられるための政策は、贅沢品ではなく必需品である」との前提に立つとともに、健康増進と疾病予防の財政的効用を説いています。

恐らく、行政が何よりも恐れているのは、人口の急速な高齢化によって医療費と社会保障費が膨れ上がって手に負えなくなることです。

しかし、慢性疾患の予防や健康増進プログラムによって高齢者は自立して長生きできるとともに、経済に貢献し続けることができるという訳です。

こうした財政的視点を踏まえた上で、行政が高齢者福祉政策をどのように行えばいいのか、質しました。

 

(1)健康増進と介護予防については、

高齢者の三人に二人は運動習慣がありません。

・高齢者が活動的になるような政策やプログラム

・高齢者による地域活動へのアドバイスや支援

・介護予防のプログラムや環境の提供

について今後どのように充実していくのか。

 

(2)疾病予防については、

日本の場合、平均寿命は世界一、さらに身体機能からみた健康寿命も世界一長い。ところが、精神機能からみると、平均余命に占める認知症に罹る期間は世界一長い訳です。

・がん、心疾患、脳血管疾患の推進や改善

・認知症ケアと予防対策

・予防接種の推進

への取り組みをどう加速するのか。

 

(3)高齢者にやさしい安全な環境については、

高齢者が何を不満に思っていらっしゃるかを、まず聞くよう求めました。

 

(4)介護する人への支援では、

在宅で介護している家族への支援として

・ショートステイが通常でも予約が取りにくい状況を改善すること

・小規模多機能型居宅介護の今後の整備と、ケアマネや市民への浸透について要望しました。

 

(5)健康づくりについての行政の狭間については、

高齢者背策を一体的に進めるうえで、組織の見直しを求めました。

→予防に重点を置いた政策を財政面で評価していただくとともに、高齢者や介護者に対するニーズ調査やアンケート、マーケティングを行うとの回答をいただきました。また、タテ割りではなく課題解決に向け、組織のあり方を検討していただきます。