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岡山市 竹之内則夫
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バックナンバー 2009年 10月 31日

10月30日と31日の2日間、私にはジェンダーについての充分な見識がありませんでしたので、男女共同参画・次世代育成調査特別委員長をさせていただくこの機に、まずはじっくりと現状について学び、国において、また市においての課題を形成するために、日本女性会議に参加しました。

 

参加したコマは次の3つです。

(1)全体会(女性差別撤廃条約と国際社会の役割)

(2)分科会(ジェンダー平等教育を考える)

(3)全体会(ワーク・ライフ・バランスはすてきな経済対策)

 

まず、与謝野晶子の詩から100年の時を経て、「山の動く日きたる」を大会テーマとした堺市が、ジェンダー平等に対して日本では最も早くから取り組んだ先進都市であることを知りました。

 

以下、今回の学びについてポイントを要約して記します。

◆固定的性別役割意識

日本は、男女の固定的性別役割意識が、実は最も根強い国です。私は指摘としては知っていましたが、今回、育児休業率が女性90.6%、男性1.23%というデータをその端的な事例として再認識することで、その根強さ根深さを理解することができました。

また、結局その意識が、就業や家事における役割分業をいびつに特徴づけてしまっていることも再認識しました。

 

 

◆学校教育の現状と男女共同参画社会に向けた課題

 

(1)学校教育の現状

兵庫県が中学2年生を対象に行っている「トライやる・ウィーク」は、生徒が学習先として選ぶ企業はジェンダーバイアスがかかっているということ、「選択に違い」が起こっているという事例でした。(私は、1週間にわたる職場学習そのものにも興味を持ちましたが)

これは、風景やロールモデル(お手本)が、ジェンダー差別を再生産してしまっているという指摘です。

幼稚園から大学まで、校長・園長などのトップも職員も女性比率には特徴があります。また、大学の職位別(教授〜助手)にみても、専攻科目(人文科学、理学、工学・・・)でみても女性の比率には同様に著しい特徴があります。男性はテクノロジー系へ、女性はケア系へといった具合です。例えば研究者に占める女性割合の国際比較をしてみても、日本は女性の能力が最も活かされていない国になっています。

バイアスを見て育つ流れを断ち切るためには性に中立な環境を作る必要がありますが、すでに社会にバイアスがかかっている以上、教育の課題として取り組むしかありません。

また教育だけでなく、「トライやる・ウィーク」の事例で学んだのですが、行政や企業などがバイアスを是正するためのメッセージを出す必要があります。例えば女性が選択しそうにない場合「男女」双方に呼びかけるなど意図的なアプローチが、改善のためには重要となります。

次に、いわゆる「進路」の問題ですが、卒業したら多くの男女の人生はまるで違うということを生徒は教わりません(私も習いませんでした)。例えば労働3法は教えても(習ったはずだけど覚えていません)、M字カーブについては知らないままです。私自身、学生時代は男女ともにテストの点数で性差なく絶対評価でしたから、男女は対等というのが肌間隔ですけれども、その延長で進路指導が行われますから、女性にしてみれば、社会に出てどう生きるのかを教えてはもらえないし、触れられもしない、というのが現実であり(教育の)課題でもあります。

 

(2)ジェンダー教育

一方、男性も男が家族を養うという意識を背負わされていますので、経済的役割を果たす十字架を背負って社会に出ます。この「当たり前」が立ち行かなくなると、自信喪失、うつ、自殺などとして社会問題化することになります。

また、役割に忠実に働く一方で、仕事以外の生活の自立ができなかったり、地域生活や子育てに関わらなかったことが、定年後の生き甲斐喪失や暮らしにくさとして顕在化することになります。

そこで、男らしさとか、役割期待の生き辛さから男性を開放するのもジェンダー教育の役割です。

さらに、今「女性の側に起こっている」問題は、女性の側に問題があるのではなく、男性の側の問題、つまり男性が女性の問題をつくる原因になっている(女性問題=実は男性問題)ことについても、男の子を将来加害者にしないために教育が率先して取り組むべき課題です。

 

(3)政治的課題

今から15年ほど前、1990年代の半ばまでは、「自分は定職につけない・つかない」、あるいは「自分は結婚できない・しない」ことを想定している男性はほとんどいませんでした。しかし今は、男性の自立や男女の格差を言う以前の状態です(限られた雇用のパイ)。

ちょうど同じ15年ほど前、経済界が、1995年の「新時代の日本的経営」という日経連の提言に沿う形で雇用の3分化を図り、非正規雇用を拡大してきたことについては政治が一定の役割を果たしてきたことを考えれば、雇用に関する法整備についても一定の検討が必要になると思われます。

 

 

◆その他の学び

 

(1)多文化共生社会について

日本在留外国人220万人、海外在留邦人110万人、まずデータでその人数の多さを認識、そして日本では16組に1組が国際結婚です。

結果、日本に暮らすマイノリティ女性やその子どもは様々なハイリスクに直面していることを知りました。ここは行政の役割です。

 

(2)CEDAW女性差別撤廃委員会)

選択議定書批准については、国内における法的判断が国際スタンダードに照らしてどういう位置にあるのか。つまり、自分の権利が国際的にどういう位置に置かれているのかを判断できるようにするには、批准が不可欠であることを理解しました。

 

(3)無防備な性教育

2000年以降、性教育へのバッシング(ジェンダーバックラッシュ)があってから、日本の先生は憶病になっているとの指摘がありました。しかし、先進国でHIV感染者数が増えているのは日本だけです。また若者の15人に1人は性感染症です。こちらも対策が急務です。

北欧では、地域で子どもたちが無料で相談できるのセクシャルヘルスクリニックが開設されており、市営病院の一角がアドバイスセンターになっているといった環境整備についても比較がありました。性教育のあり方と併せ、行政として対応のあり方を検討する必要があると感じました。

以上