吉田ただのり
大阪府議会議員 (高槻市・島本町)

平成21年9月29日 9月定例議会にて一般質問しました!

■一般質問 / 2009年9月29日

テーマ:第5次高槻市総合計画の策定について

公明党の吉田忠則です。

私は、「第5次高槻市総合計画の策定について」をテーマに質問をさせていただきます。

現在本市は、現総合計画第4次の目標年次を来年平成22年度に控え、

平成23年度を初年度とする新総合計画第5次の策定に着手されようとしておられます。

昨年、橋下知事が誕生して以降、大阪府政が大きく変化しております。また今月、国においても政権交代が行われ、長年の行政システムが大きく変わろうとしております。

そのような中で、これまでの市民生活をサポートされてきた市政運営を踏まえ、次の10年をどう見据えて、実行性のある計画を策定するのか、大変重要な新総合計画の役割であります。

本市は、すでに庁内で策定委員会を設置され、策定のためのさまざまな観点から基礎調査を実施し計画の方向性について検討されています。今後は、審議会の審議を経て、議会の議決後、決定されていくものと思います。

このような時期ですので答弁には、限界があると思っておりますが、行政素案をつくる段階において少しでも役立てていただくためにも提案型の質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

【1問目】

1問目は、現在の第4次総合計画について4点お伺いします。

第4次総合計画は、「基本構想」、「基本計画」、「実施計画」から構成されています。

1、「基本構想」については、実現に向けたまちづくりの基本的な考え方を示しておられましたが、第4次策定時、時代背景や当時の課題などを本市としてどのように踏まえた上での策定であったのでしょうか。

2、「基本構想」の中身については、都市の将来構図として、前総合計画を継承しつつ、さらに地域間の連携や広域的な交流の展開をめざして、

4つのゾーン(森・人と自然の交流・まち・水辺)による空間形成、

4つの都市拠点(広域交流・交流レクリエーション・高槻中核都市・富田都市)の形成、5つの都市軸(広域連携・高槻生活文化・富田生活文化・地域連携・芥川都市シンボル)の形成という。3つの要素から新しい都市構造の枠組みを設定されています。

3つの要素の内、都市拠点について本来の考え方と現状をお聞かせください。都市拠点は4つありますが、その内の

「高槻中核都市拠点」「富田都市拠点」についてお願いします。

3、「基本計画」については、基本構想を実現するために基本的な方向を体系的に示され、「総論」「部門別計画」「地区生活圏構想」の3つで構成されていました。3つの内、「地区生活圏構想」についての本来の考え方についてお聞かせください。

4、「実施計画」については、社会経済状況の変動に対応できる短期の計画を定めるとしています。

(1)現総合計画は3ヵ年計画ですが、そのあり方など、

他市の期間設定はどのような状況にあるのでしょうか。

(2)10年間の進行管理はどのように実施されてきたのでしょうか。

(3)これまでの総括としてはどのようにされているのでしょうか。

 【2問目】

1点目、2点目の基本構想で、「高槻中核都市拠点」「富田都市拠点」についての答弁をいただきました。

「高槻中核都市拠点」は、本市の顔になる都心地区であるとのことでした。

実施計画では、阪急高槻市駅南地区における道路・駅前広場などの都市機能について、本市南の玄関口にふさわしいものとなるよう、そのあり方の検討を行うとされています。新総合計画で明確な位置づけをされるもの思っておりますが、

それよりも「富田都市拠点」の方を本日、最優先課題として取り上げさせていただきます。

現在の実施計画では、JR摂津富田駅前行政サービスコーナー設置事業、同じく駅前バスターミナル高度化事業が、21年度検討、22年度基本構想。となっております。

20年前につくられた第3次総合計画で、JR摂津富田駅と阪急富田駅を中心とする市街地を副都心として位置づけ、市域西部の生活活動の拠点としての整備を進める。と明記されていました。

現在、さまざま状況下から計画が目に見えて進んでいない実感があります。次の総合計画に引き継ぐべき課題であるということは明白であると思っております。その理由として、

高槻市駅と富田駅を比較した場合、電車の乗降客数の1日の平均で高槻では、JR・阪急合わせて*****人、富田では、JR・阪急合わせて*****人、で約3分の1の利用客です。芥川を単純に東西で見た人口比率から見ても、相当な方が、富田駅を利用されています。

これまで高槻市駅周辺は、中心市街地として整備されてきました。言い換えればお金を使ってきました。例に挙げれば、北の再開発、北東地区区画整理事業、関西大学の受入れ、駅前には、総合交流センター、カンガルーの森、文化ホール等、挙げられます。

一方、富田駅周辺を見れば富田支所、図書館、西部保険センター、ひかり診療所がある程度で、他に何があるでしょうか。計画されているのは、行政サービスコーナー、駅前バスターミナル高度化事業が挙がっているだけで、まだそれも計画段階です。さまざまな要因はあるにせよ20年間、目に見えて進んでいない。悪い言い方をすれば、ほったらかしにしてきたと言われても仕方がありません。

 

富田のJRと阪急の駅が大変近く、日中で7000人の往来があり、大変にぎわっています。大阪府の財政難で、阪急高架化も頓挫している状況から、個別の事業をちょこちょこ行うのではなく、

土地区画整理事業と再開発を組み合わせて行うような、ダイナミックな計画も考えられます。

富田を副都心というのであれば、例えば、駅前に役所の分庁舎を置くことによって、そのビル内に保健センターなどの施設を入れることも可能になります。そういう意味から地域の活性化、にぎわいのまちづくりを行政主導で行うべき課題と言えます。

是非、次の10年、というよりまず一番に優先すべき施策と考えます。

行政内でプロジエクトチームをつくり、副都心としてふさわしい街づくりをお願いしたいと思います。

今回は、大きくふれませんが、今後の高槻で重要なポイントは、「広域交流拠点」の位置づけがされている第二名神自動車の整備による交通条件を活かした周辺のまちづくりであると思っております。

 

3点目では、「地区生活圏構想」についての本来の考え方について答弁がありました。

「地区生活圏構想」は、7つの地区生活圏に区分され、それぞれの地域行政を展開してこられ、第3次総合計画から20年間進められてきました。

答弁の冒頭で、第4次策定時の時代背景を述べていただきましたが、

その10年前の第3次総合計画は、1990年〜2000年の10年間です。バブル景気は、1980年代後半〜1990年代初頭にかけてみられた好景気の期間から見て、策定時は、まだバブルがはじけておらず、

策定後、バブルが崩壊した時期となっており、第3次計画で実施できなかった計画がそのまま第4次に引き継げられたものも多かったのではないかと思っております。

この20年間の地区生活圏構想のあり方については、何も否定するものではありません。

これからの10年間を考えるとき、7つの生活圏の区分は、変わる必要はありませんが、中身、考え方については、位置づけ等も含めて、新たな時代の要請から議論が必要ではないか。と思っております。

 

2問目は、第5次高槻市新総合計画の策定についてお伺いします。

1、新総合計画策定に際し、現在の時代背景をどのように受け止めておられるのかお聞きいたします。

 

2、本年6月の委員会協議会で「新総合計画等の策定に係る基礎調査等の報告書」が説明されました。

(1)各種の統合データからの分析と市民アンケートからの分析をどのようにされているのかお聞きします。

ちなみに市民アンケートについては、市民ニーズの把握のために、高槻市民20歳以上で5000人を対象に調査を実施されました。郵送による方法で、回収数は2422人、回収率48.4%となっておりました。

(2)策定に当たり、他の基礎資料はどのようなものがあるのかお聞きします。

 

3、現在の第4次総合計画は、その前の第3次総合計画から引き継いでいるものがあります。

例えば、1問目でお聞きした「4つの都市拠点」「7つの地区生活圏構想」も引き継いでいるものですが、すでに20年を経過することになりますので、次の新総合計画においては、さらにすべて継承されるのか、部分的に継承されるのか、議論を呼ぶところと思います。

そこでお聞きします。新総合計画策定に当たり、引き継ぐべきものの整理の仕方、課題をどのように認識し、新総合計画をどのような視点で策定されるのでしょうか。

 

4、行政素案策定及び、計画策定までの取組みについては、「市民参加」「職員参加」「教育関係者」の参加等、どのような予定でしょうか。策定スケジュールも含めてお聞かせください。

 

3問目《要望》

1点目の現在の時代背景の認識については、

「人口減少や少子高齢化などを背景に、商業の衰退や地価の下落、税収の減少など、様々な課題が予想されるところであり、中長期的視野に立った、的確な行財政運営が求められる」との答弁でした。私もその様に認識しております。その上で、

2点目の質問の市民アンケートの分析の答弁は、市の施策の満足度と重点度の結果においては、世代間による違いが現れている。という程度のお答えでした。

私なりに分析をするとすれば、順位を紹介させていただきますと、市の施策の満足度上位は、上下水道の整備、消防・救急、市営バスとなっており、重点度の上位として、保健・医療、高齢者福祉、防犯、道路となっています。

逆に満足していない施策としては、勤労、農林工業、観光、消費生活でした。

この結果から見えてくるものは、ハード面については満足しているが、ソフト面は、行政のサポートがまだ、し尽くされていないという見方ができます。

言い換えれば、ハード面は、行政主導でいくらでも実行できるという行政の得意分野であり、ソフト面は、勤労や消費生活に不満足、保健・医療、高齢者福祉対策は、重点度として高いという結果から、本市が優先する施策もおのずと見えてくると思われます。

 

現総合計画の最終計画である、第5次実施計画がすでに示されています。

実施年度は、今年度と来年度の2ヵ年ですが、大きな事業については、新総合計画に引き継がれると思いますが、何点か、注目する点を要望として申し上げます。

 

まず、公共施設の老朽化に対する耐震化対策は、この10年間においても行うべき課題であります。

特に学校校舎の2次診断後の耐震工事の優先順位の考え方は、少子化による統廃合の必要性や中学校区の見直し等、大きな議論が必要ではないかと思っております。

 

次に、市民会館建替え事業については、これまで検討をされてきましたが、第5次実施計画では、22年度からいよいよ基本構想が開始となっています。これも大きな事業であり、市民の理解が得られる建替えが望まれます。今年度の常任委員会での視察も決定されております。

今後の箱物公共施設の新たな建設については、複合的な考え方を含めた構想がされるものと思います。知恵を出し合って、市民にとって何が必要か、文化振興を進める観点からしっかりとした検討をお願いしたいと思っております。

 

実施計画にあがってこないものですが、

本市が誇る、三島救命救急センターについても、3月の代表質問でも要望させていただいておりますが、手狭の上、老朽化が進んでおります。

近隣市の利用も大変多くなっていることから、本市独自で検討できる範囲ではありませんが、大阪府との連携も含め、救命都市たかつきを全国にアピールする上でも建て替え、費用負担や運営形態を含めた議論をお願いしたいと思っております。是非、新総合計画に一歩進んだ位置づけをお願いしたいと思っております。

 

安満遺跡芝生公園の整備については、本年6月に国土交通省へ事業化要望調書を提出されました。その後の予定では、9月末を目指して、京都大学・高槻市・都市再生機構との間で、事業化に向けた基本的な方向性を確認する覚書の締結の予定でしたが、本日の報道で、昨日その覚書が3者間で締結されています。

総事業費も相当な額になると思われます。今回防災公園街区整備事業として国の事業補助を検討されておられますが、防災公園として中身について、市民の理解が必要です。

気になる点は、今度の新政権で独立行政法人は、原則廃止。との方針が出ております。

この点から、今後、慎重な検討が必要と考えるものです。貴重な高槻市の財産をどう活かしていくか。大変重要な事業として位置づけるものと思っております。

 

市がまとめておられる「社会的潮流の整理」の中で、

地域におけるまちづくりは、地域の実情・地域住民のニーズを熟知している基礎自治体が自ら、市民とともに知恵を絞り様々な工夫を重ねながら、決断・行動することが必要不可欠となっている。と明記されています。是非その意気込みで、がんばっていただきたいと思います。

 

3点目の質問で、前総合計画から引き継ぐべきものの整理の仕方、課題の認識、新総合計画をどのような視点で策定されるか伺いました。

特に新総合計画の視点について、4点明言していただきました。

(1)豊かな自然、多くの歴史遺産、知の拠点である大学など、さまざまな高槻の特長を活かした創造性のあるまちづくりの推進

(2)いずれの世代にとっても住み訪れたいと望むような魅力あるまちづくりの推進

(3)市民・事業者・行政との適切な役割分担による地域の活力を引き出すまちづくりの推進

(4)本市の更なる発展を生み出すための積極的かつ持続可能な行政運営の推進

とのことで、思ったより突っ込んだ答弁をいただきました。

特に4つ目の積極的かつ持続可能な行政運営の推進という視点が、本市の取り巻く状況からさまざまな危惧を行政としてもされているのかな。と思われるところです。

 

「新総合計画等の策定に係る基礎調査等の報告書」の最終ページに、重点分野の絞込みや施策の優先順位づけを戦略的に検討する必要がある。と明記されています。戦略的な政策立案の必要性について、渡邉政策統括監がブログで問題提起されています。今後の歳入アップの取組み、今後の歳出カットの取組みの具体策が策定にあたっての基本になるものと思います。

 

是非、限られた財源、資源を活かし、何よりも市民の目線でサービスの向上を効果的に上げていかれるよう計画の策定をお願いしたいと思います。

実施計画の期間設定などについて伺いましたが、策定にあたっては、市民にわかりやすい具体的な目標と成果指標の設定をお願いしたいと思います。

マニュフエストが総選挙で定着しているように、高槻市への市民の眼もそういう見方になってくることは、当然であると思います。

 

4点目の質問でも、計画策定までの取組みについては、「市民参加」「職員参加」「教育関係者」の参加等、どのような予定でしょうか。と伺いました。是非、役割分担を明確にしつつ多くの市民、多くの職員が計画の段階から関わっていける、

そんな新総合計画の策定を要望します。

 

最後に、新総合計画を通じて、本市が目指すまちの姿やまちづくりの考え方を市民の皆様に示すことは、非常に重要なことであると思います。次の10年は、将来の道州制を見据え、何が起こっても微動だにしない基盤整備が求められます。本市の自然環境、また、歴史、文化、伝統、教育など、蓄積された都市資源の個性や独自性を再認識、再発見する、新たな高槻市を発掘する作業が大きなテーマであると考えます。

 ★最後に新総合計画策定に向けての決意をお聞きして私の質問を終わります。