吉田ただのり
大阪府議会議員 (高槻市・島本町)

平成21年3月27日3月定例議会にて一般質問しました!

■一般質問 / 2009年3月27日

【一般質問】 テーマ:学校教育について

1、確かな学力を育む教育の推進

2、学校園運営の推進

3、開かれた学校園づくり

私は、本日、学校教育をテーマに一般質問させていただきます。ポイントにおいているのは、「学校の評価」そのための「校区内の連携」について、最終的にお聞きすることを目的としております。

平成181215日、新しい教育基本法が、第165回臨時国会において成立しました。昭和22年に教育基本法が制定されてから61年が経過し、新しい時代の教育の基本理念が明確になりました。文部科学省では、「新しい教育基本法では、国民一人一人が豊かな人生を実現し、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の平和と発展に貢献できるよう、これまでの教育基本法の普遍的な理念は大切にしながら、今日求められる教育の目的や理念、教育の実施に関する基本を定めるとともに、国及び地方公共団体の責務を明らかにし、教育振興基本計画を定めることなどについて規定した」としています。

 本市は、この新しい教育基本法が策定されて以後、平成19年に引き続き、平成20年度についても、教育努力目標を挙げ「知」「徳」「体」の調和のとれた人間形成を目指し、学校、家庭、地域社会が協働して子どもたちを育成していくことを教育努力目標として掲げられました。

 私の一般質問は、その中で、重点目標の3点について、お聞きをしたいと思います。

一つ目には、確かな学力を育む教育の推進について

二つ目には、学校園運営の推進について

三つ目には、開かれた学校園づくりについてであります。

まずは、確かな学力を育む教育の推進という観点から4点お聞きします。

1、教育委員会は、平成20年度「全国学力・学習状況調査」結

 果分析と改善方策を平成212月に報告書としてまとめられ

 ました。そこには、冒頭に、「高槻市教育委員会では、児童生

 徒の学力向上や学校における授業の工夫・改善のためプロ

 ジェクト・チームを立ち上げ、授業力の向上をさらに進めてま

 いります」とあります。これは、教育センターが新年度から新

 規で行う3ヵ年事業ある「授業改善推進事業」のことと思いま

 す。プロジェクト・チームのメンバー構成、各学校へは、どの

 ような取り組み方針を出したのでしょうか?

<答 弁>

 吉田忠則議員の一般質問につきまして、関係部局と調整 

    の上、私からご答弁を申し上げます。

授業改善推進プロジェクトについてですが、国語と算数・数学、英語について、それぞれの教科の指導力に優れた教員、指導主事、大学教員等で構成するワーキング・グループを組織するとともに、小・中学校各2校をモデル校に指定し、実践的な研究を行い、授業改善を進めようとするものです。各学校においても、全市的な取組の成果も活用しながら、指導の充実を図ってまいります。

2、「新学習指導要領」完全実施に向けて、平成21年度から小

 学校は2年間、中学校は3年間が「新学習指導要領」実施に

 向けての移行期間となります。新しい学習指導要領では、小

 学校は、外国語活動が5・6年生で必修化され、中学校は、

 現在週3時間の英語の時間が4時間となると示されました。

 全国の公立小学校の校長を対象に、調査をされた結果、移

 行措置期間の課題として挙がったのは、「5、6年生の外国語

 活動の指導」が一番多く、8割の校長が、授業時間数増に対

 応するために人的措置が不可欠と受け止めているとの結果

 が全国連合小学校長会で明らかになっています。国際化が

 ますます進む中、英語の重要度が増しています。高槻市とし

 て、これまで取り組んできた英語学習の内容についてお示し

 いただき、これまでの総括、評価についてお聞かせください。

 また、21年度の英語教育事業(7523万円)の内容につ

 いてお聞かせください。

<答 弁>

 英語教育事業については、外国人のAETを小中学校に配置することによりまして、子どもたちが積極的にコミュニケーションをとろうとする態度が図られ、「話す」や「聞く」ことに大きな成果がありました。また、AETとのティームティーチングを行う中で、授業改善が進み、教員の指導力の向上につながったものと考えております。21年度には、小学校の外国語活動が始まることから、小学校において言語や文化について体験的に理解を深め、コミュニケーション力の素地を養うことを目的に、国際交流員8名を小学校に、民間派遣契約によるAET9名を中学校に配置することを予定しております。

3、本市が取り組んできた、少人数授業では、少人数加配と少

 人数指導員の配置が学校ごとで異なると思いますが、指導計  

 画などは、どれくらい共有されているのでしょうか?また、これ

 までの総括、評価と21年度の事業内容(126476千 

 円)についてお聞かせください。

<答 弁>

 少人数授業事業については、基本的生活習慣や生活規律の確立、学習意欲の向上等で成果があったものと認識しております。指導計画や指導方法については、少人数指導員の連絡会や授業研究会を開催し、各校の取り組みを共有することで、充実を図っております。なお、21年度の事業内容につきましては、本年度と大きな変更点はございません。

4、20年度途中に一部の学校で実施された、放課後学習室事 

 業(12449千円)ですが、新年度は、全小中学校で実 

 施へと拡充されています。それだけの効果があったと推察し

 ますが、現段階での評価を踏まえ、各学校において若干の取 

 り組み方も異なると思われますが、21年度、どのような取り組

 み方が、好ましいと思われているか伺います。

<答 弁>

 放課後学習室事業については、本年度の実施校22校の成果を踏まえ、子どもたちが主体的に参加し、積極的に学習に取り組み、それぞれの力を伸ばしていけるよう、適切な環境や教材の整備を行ってまいります。

 

二つ目の学校園運営の推進という観点からの3点質問をさせていただきます。

 

 新年度になりますと、新たに学校園長のポストに就く人もおら 

 れると思います。学校の最高責任者は、校長であります。学

 校内では、校長の後ろには誰もおりません。特に、学習指導

 要領も新しくなるこの時に、新しく校長になる人は、大変、重

 要で、難しい局面でのスタートになると思われます。

1、教育委員会から学校園に対して、「校長、園長のリーダーシ

 ップの下に、全教職員が一体となった組織体制を確立し、特

 色ある教育活動と自律的な学校園運営に努めること」とあり

 ます。そのリーダーである学校園長ですが、今年度で、定年

 を迎える校長、園長は、それぞれ何人でしょうか?

<答 弁>

 次に、学校園運営についてですが、今年度末の小中学校の校長、幼稚園長の定年退職者は、小学校・校長が9名、中学校・校長が6名、幼稚園・園長が2名でございます。

2、小中学校において、校長、教頭の次の役職として、首席と

 いう立場の方が配属されています。この首席の配置人数をお

 示しいただき、配置目的、役割についてお聞かせください。

<答 弁>

 首席については、小学校6校、中学校12校に配置されており、来年度も小学校2校、中学校1校に新たに配置を予定しております。配置の目的は、学校運営組織において、校長の学校運営を助け、教職員のリーダーとして組織を円滑に機能させるとともに、他の教職員に対して、必要な指導・助言にあたることでございます。

3、本市が取り組んで来た、学校評価事業運営委員会につい

 てですが、関連する学校評価システム構築事業、学校教育

 自己診断、外部評価委員会設置も含めて、これまでの取り組

 みについて、概要をお聞かせください。

<答 弁>

 学校評価についてですが、平成18・19年度文部科学省委嘱により2校で「学校評価システム構築事業」に取り組んでまいりました。これは、学校が自らの教育活動その他の学校運営について自律的、継続的に改善を図るため、学校評価システムを構築することを目的として実施したもので、市全体の情報共有や課題等の検討のため「学校評価事業運営委員会」を設置しておりました。事業完了後は、学校教育法に示されている学校評価を適切に行うよう、学校教育自己診断の改善等に成果を活用しております。

 

三つ目の開かれた学校園づくりという観点から2点質問させていただきます。

 

1、本市は、18学校区ありますが、校区内の小、中学校の管

 理者が集まって、管理職会議的なことを行っているかお聞き

 します。何学校区開催されているでしょうか?開催されている

 校区は、開催頻度と参加メンバーをお聞かせください。また、

 開催されていない校区は、その理由をお聞かせください。

<答 弁>

 最後に、開かれた学校園づくりですが、管理職会議は、すべての中学校区で、年間3回〜10回程度開催しております。多くの中学校区では小中学校の校長と幼稚園長が参加しております。

2、本市は、これまで、統廃合実施されてきました。実施の際の

 現行の基準はどのようなものでしょうか?また、その現行基

 準以外で統廃合を検討する校区、学校は、無いのでしょう

 か?

<答 弁>

統廃合の現行の基準でございますが、平成13年5月に出されました高槻市学校規模等適正化審議会答申の考え方が、基本になっております。

すなわち、学校規模の適正範囲は12学級から24学級までとし、30学級までを許容範囲とする。12学級未満の小学校については、統廃合を含む検討対象とし、中学校については、12学級未満であっても1学年1学級とはならないこと等により、統廃合の検討対象とはしない。校区のあり方に関しては、1中学校区は2小学校区以上から成ることが望ましく、同一小学校区から同一中学校に進学できる校区調整が望ましい、といたしております。  また現在のところ、当該答申以外の考え方で統廃合を検討する校区・学校はございません。

 

以上で、1回目の質問を終わります。

 

【2回目】

今回、私が「学校教育について」をテーマに一般質問させていただいたきっかけは、2つあります。

 一つは、本年、1月、会派で教育をテーマに2つの市を訪れました。茨城県鹿島市、東京荒川区です。高槻市の教育は、他市に劣らない、取り組みをされていると、思っております。その上で、高い評価を受けている自治体を訪問させていただきました。後ほど、一部紹介をさせていただきたいと思いますが、決して、まねをしろと申し上げるものではありません。

 もう一つの理由は、先日、地元の学校園の卒業式に参加させていただきました。中学校、小学校、幼稚園ともに、大変すばらしい感動的な卒業式でした。学校長を中心にして、教職員の皆さんの総決算の場として、大変にご苦労をされて卒業式を迎えられた。生徒児童園児、そして、保護者の姿を拝見する中で、なんとも言えない充実感を感じました。そんな学校現場をもっと応援したいな。そんな思いで一般質問しようと思ったわけであります。

 

確かな学力を育む教育の推進という観点から4点お聞きし、答弁をいただきました。

それぞれに対して、2問目の質問をさせていただきます。

1、教育委員会がまとめた「結果分析と改善方策」から、各学

 校は、自学校の分析をさらに行っていると思うが、確認、吸い

 上げなどは、どうされるのでしょうか?

<答 弁>

全国学力・学習状況調査については、各学校においても、本市の結果概要や全国、大阪府の結果を参考に、自校の学習や生活習慣等の状況や課題を分析し、改善に向けた対応を検討しております。分析結果や改善方策は、教育委員会事務局に報告するとともに、学校だよりや学年だより、保護者集会等で報告し、保護者の理解を得ながら取り組みを進めるよう努めております。

2、中学校英語教員の指導力向上のための取組は、どのよう

 なものがあるか?ちなみに他市では、夏季などの休業中に海

 外に派遣(1週間程度)する事業も活発に行われているところ

 もあります。

<答 弁>

中学校英語教員の指導力向上については、本市教育センターにおきまして、英語教員を対象とした悉皆研修を実施する等、研修の充実を図っているところです。また、全中学校に外国人英語指導助手を配置し、指導主事による指導助言も行いながら、英語でのコミュニケーションを中心とした授業作りを進めており、英語教員の実践的な指導力の向上が図られていると考えております。なお、現在、海外派遣は計画をしておりません。

3、少人数授業の評価は、学校生活、学習面、保護者等の反

 応などの学校報告書からよくわかります。19年度の23人か

 ら、20年度は40人に増員され、新年度も40人で変更されて

 いません。実態として、あと何人増員が必要と思われていま

 すか?

<答 弁>

 少人数授業事業については、平成20年度から40名体制で実施しております。各学校には、国や府からも少人数授業や習熟度別指導を実施するための加配措置等があり、そうしたものも効果的に活用しながら本事業を実施しておりますので、現在、増員は考えておりません。今後については、各学校の指導の充実に向けた効果的な支援のあり方について、状況を見極めながら判断してまいりたいと考えております。

4、放課後学習室事業については、3年間の府事業と聞いてお

 ります。新年度は、全学校で実施ということで私は、評価した

 いと思っております。只、対象者が小学校は、5年生。中学校

 は、2・3年生を原則とされています。対象者については、もっ

 と拡大をされていいのではないでしょうか?また、学習支援ア

 ドバイザーの増員を考えてもいいのではないでしょうか?

<答 弁>

 放課後学習室の対象学年は、原則小学校5年生と、中学校2・3年生としておりますが、各校の実態や取り組み状況、児童生徒の参加状況等をみながら、各校で工夫することはできるものとしております。21年度から全校での実施に拡大いたしますので、実施状況や課題等を把握しながら、今後の充実に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。

 

学校園運営の推進という観点からの3点の質問に対して、答

弁をいただきました。

 

学校園長で、定年を迎えられる先生は、小学校長で41校中9名、中学校長で18校中6名、園長で23園中2名。とのことでした。首席については、小中59校中18名が配置されており、新年度は、3名追加されるとのことでした。

 

首席の役割については、校長を助け、教職員にも指導、助言にあたるということで、大変重要なポストであることが伺えます。

 

先ほど申し上げた卒業式では、学校側からは、来賓として 

教育委員会を迎えておられます。

でも児童生徒、保護者は、学校も教育委員会も同じ側の立場と思っておられます。

たとえば学校に要望して、改善されなかったら、教育委員会に要望されるのが実態です。

日頃は、教育委員会として、サポートチームや教育専門員が、各学校のサポートをされていることはお聞きしております。特に、この新学期を迎える、新任校長の学校園については、教育委員会として、責任ある取組をお願いしたいと思っております。

 

まもなく新学期を迎えますので、どうか、万全の体制で、入学式にのぞんでいただきたいと思います。

 

1、平成18、19年度、2校で行った「学校評価システム構築事

 業」ですが、事業完了後、学校教育自己診断の改善に成果

 として活用した。との答弁でした。実践した学校は、学校の

 ホームページで公表しているとのことですが、それで終わり

 でしょうか?答弁では、学校運営について自律的、継続的 

 に改善を図るため、学校評価システムを構築することを目

 的とした。とあります。実践校で取組んだこの事業は、各学

 校で取り組むことはしないのですか?

<答 弁>

「学校評価システム構築事業」については、事業を委嘱し

た2校では学校教育自己診断の評価項目や自己評価、

外部評価についての研究を進め、学校運営の改善サイク

ルの確立に努めてまいりました。2校の成果は、研究発表

会や校園長を対象にした研修等で周知を図り、全校での

自己評価の充実に活かしております。外部評価について

は、学校園評議員の活用も含めて、今後、研究を進めて

まいります。

2、視察に行った荒川区では、学校毎に「学校向上マニュフェス

 を作成して、それを公表しています。荒川区に限らず、

 「学校向上マニュフェスト」的な取り組みを各学校ごとで実施

 している自治体も数多くあります。本市としては、どのように

 評価しておられますか?また、今後、各学校として、取り組

 み目標を公表していかれる予定はありますか?

 ご見解をお聞きします。

<答 弁>

「学校向上マニフェスト」については、学校長が明確な方針や目標を作成し、保護者や地域に公表することは、学校の取り組みの理解を深めて頂くとともに、学校運営の改善を図る上で重要であると考えております。本市において、学校経営目標や取り組みの重点について、わかりやすく示す方法を検討する必要がありますので、その際の1つの参考としたいと考えております。

 

三つ目の開かれた学校園づくりという観点から2点の質問に答弁をいただきました。

 

1、18学校区の小、中学校間での管理職会議については、3

 回〜10回程度開催しているとの答弁でした。事前にお聞き

 すると議事録は無いとのことでしたが、個別の案件は、別にし

 て、校区内で共通する課題解決に向けて目標をもたれて取り

 組んでおられると思います。当然、教育委員会も関わってい

 かれると思います。管理職会議については、議事録作成の必

 要性は、有ると思いますが、見解をお聞きします。

<答 弁>

 次に小・中学校の管理職による会議についてですが、本市では、子どもたちの健全な育成を目的として小中学校の連携した取り組みを重視してきたことを受け、校園長により自発的に実施されているもので、議事録の作成はなじまないものと考えおります。

2、統廃合についての基準、今後の見通しについての答弁をい

 ただきました。校区のあり方に関して、同一小学校区から同

 一中学校に進学できる校区調整が望ましい。とのことでした。

 ここでいう望ましくない校区は、6校区あることになります。6

 つの小学校が2つの中学校にまたがって進学しているの実態

 です。現行基準は、平成13年5月に出された答申が基本の

 考え方となっております。校区のあり方に関して、望ましくない

 校区があるという現状から、見直しの必要があると思います。

 只、これまで4回統廃合の計画がされ、4回目は、平成18年

 諸事情から当面存続となっている経緯があります。この4回

 目の統廃合の計画の際に、審議会において、当然現行基準

 のあり方もふれておられると思いますので、今回は意見のみ

 にしておきます。