高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

明日の 希望は ひとりの人を 思う心から

筑後市の視察報告

□ホームページ □一般質問 □公明新聞 党活動 視察・研修会 高槻市HPへリンク / 2018年3月3日

会派視察一日目は筑後市

180211012月8日、会派視察として福岡県筑後市へ。報告書がまとまりましたので、あきひログでは、概略のご報告をさせていただきたいと思います。

人口48,339人で面積41・78平方キロメートル。県南部、筑後平野のほぼ中心に位置するまちで、新幹線の久留米駅から南へ20分程で羽犬塚駅に到着。車で少し走ると、筑後市役所があり、南北に広がるまちです。

年間10万人以上が利用する、スポーツ・レクリェーション施設として整備が進み、市南部には、「筑後広域公園」があり、公園の中に新幹線の駅「筑後船小屋駅」があることで有名なまちのようです。また、近くには、「福岡ソフトバンクホークス(2軍・3軍)」の本拠地球場が開業(平成28年)されていて、芸術文化の交流と併せてスポーツ文化の一大拠点として「元気で豊かな筑後市づくり」を目指されています。

今回の視察テーマ①は「人工内耳の助成について」、②は「北部交流センターについて」です。

まずは、人工内耳の助成についてを学ばせていただきました。

人工内耳の助成事業については、公明新聞を通して、公明党の地方議員から議会質問での意見や要望をよく目にします。そこでは、地方自治体が検討を進め事業化され、経済的な負担の軽減について喜びの声が掲載されています。

実は、私も平成28年3月定例会で「障がい福祉について(人工内耳の助成)」一般質問をさせていただきました。

課題として、人工内耳の装用つにいては、初期費用は保険適用されるものの、劣化等による買い替えやバッテリー購入は自己負担で高額。特に幼少の頃に装用することで、言語獲得に大きな期待があることを考えると、自治体による助成事業が重要なことだと感じていて、今回の視察となりました。

当時、筑後市では、全国調査を行いながら厚労省への確認もされ、私が同感したのは、補聴器と人工内耳は何が違うのか。「日常生活用具」よりも「補装具」の一つとして国や県、自治体が取り組むべきでなないかと。

本市も市長会等を通じて要望活動をしていただいておりましたが、実は、この3月定例会で・・・。

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20180208_074321838_iOS次に、「北部交流センターについて」、筑後市は南北に距離のある平地。市南部は、「筑後広域公園」があり、公園の中には、新幹線の駅や「福岡ソフトバンクホークス」があって充実しています。(前述)

しかし、北部の土地利用については、国立病院廃業後の景観的な問題があり、市民の北部充実の要望が市を動かし、事業計画が進んできたようです。

跡地利用からの、「北部交流センター」計画は全域252haの広大な公園。中でも、市民の交流センター「チクロス」は全国公募で愛称を決定した施設。他にも、野球やサッカーコート、防災時のヘリポートと充実しています。

「チクロス」は平成29年11月に開業、こちらの施設で「人工内耳の助成について」や「北部交流センターについて」を学ばせていただきましたが、交流センターの全面開業は平成31年4月の予定で、高槻市においては、現在、進行中の「安満遺跡公園」の完成に期待を寄せながら、共有できる情報を調査させていただきました。

北部地域は、短期大学や小学校、水辺公園があるだけで、ほかに公共施設がない地域。現地視察で感じることは、「チクロス」は市民の交流と生涯学習の場として設置されており、車では八女インターチェンジ等があり利便性も確保。また、ヘリポートが設置される計画で、周辺に住宅があることから、地域との調整は重要だと感じました。災害時には大型トラックで物資搬入も考えておられるようで、万が一の時のドクターヘリ等の活用も可能となっています。

「チクロス」開館時のイベントでは、地元の中学生による合奏や絵画展、地域の方々がお食事の用意もされながら、食事は、あっという間に売り切れたとエピソードもお聞きしました。

現在の稼働率はまだ19・46%のようですが、地元に密着した施設となることは間違いないと感じました。高槻市でいうと、コミセンの大型版のようです。

本市の「安満遺跡公園」は、駅近でアクセスも良好だと思いますし、新名神インターチェンジも供用開始されましたので、多くの方々にご利用いただき、市民から愛され、交流人口の中心になるようにと期待をしています。ただ、完成までの取り組みは丁寧にしていただきたいと思います。

筑後市の関係者の皆さま、貴重なお時間ありがとうございました。

(参考)あきひログ 筑後市と大牟田市

大牟田市の視察報告

視察・研修会 高槻市HPへリンク / 2018年3月8日

2月はじめの会派視察、二日目は大牟田市

本日は高槻市議会3月定例会での本会議質疑、様々な質疑がありましたが大綱的なこと。詳細は常任委員会で審議。我が会派は、各常任委員会に所属していますので細かく確認をしていきたいと思います。

さて、3月3日の「あきひログ」で、会派視察、筑後市の視察報告をさせていただきました。今日のあきひログでは、大牟田市の視察報告をさせていただきます。

人口117,360人、面積81・45平方キロメートル、福岡県の南端で有明海に臨み、老年人口比率34・54%、高齢夫婦世帯6,724世帯、高齢単身世帯8,811世帯で高齢化が進んでいるようです。

昨年、市制施行100周年を迎えられた大牟田市、歴史の中では、明治時代より石炭の採掘により日本の近代化をけん引。三池炭鉱などの関連施設が、明治日本の産業革命遺産として世界文化遺産に登録され、歴史を感じる大牟田市役所が印象的でした。

現在は、人口減少への対策を最優先課題とされ、「子どもを産み育てたいと思ってもらえるような環境づくり」等、「あらゆる世代が成長できるまち」を目指すために、人を中心に据えたまちづくりを展開されています。

大牟田市でのテーマは、①大牟田モデルについて、②福祉収集についてです。

「大牟田モデルについて」
18021102平成12年に関係12省庁が共同で策定された「新オレンジプラン」に沿って、各自治体でも認知症対策を進めておられますが、大牟田市は、先進的な取り組みから「大牟田モデル」と称されているようで、市の普及啓発や介護者への支援の推進等を学ばせていただきました。

まず、驚いたのは、健康福祉推進室長が介護保険がはじまった当時より、この部署に携わって18年になること。「大牟田モデル」そのものではないかと感じました。

ご説明の中であった「月の砂漠」のお話しが印象的。介護保険制度がはじまって間もない頃、認定調査員が涙ながらに調査事項をまとめていたそうです。

交通事故で全身麻痺となったご高齢の方、長年の夢だった夫婦でエジプトを旅し、帰国したばかりだったよう。若い加害者は毎日のように謝罪に。「あなたの誠意はわかったから、もうこなくていい。これからは自分の分まで頑張って生きてほしい」、「ただ、もう一度、エジプトの砂漠でラクダに乗り、月の砂漠を歌いたかった」と・・・

当時の介護保険課の方が、友人のバイオリニストに事情を話し、その方の自宅でホームコンサートを実現。目をつぶれば、そこには月の砂漠が・・・

たとえ介護が必要になっても人生は続く、これまでどおりの生活を続けることこそが、諦めていた夢を叶えること。介護サービスはそれを応援するものだと。

当初の苦労話しも聞かせていただきながら、10年前に他市で実施されていなかったことが「大牟田モデル」といわれる由縁のよう、「認知症コーディネーター養成研修」等、現場の職員が核となり市が事務局となっての介護施設のバックアップ等々。

認知症の人とともに暮らすまちづくりの原点、「いつでも、どこでも、誰とでも、自分らしく、幸福に暮らしてほしい」という願い。自分の施設だけ良くてもだめ⇒大牟田市認知症ケア研究会の発足。市内介護事業所に勤務する職員と市保健福祉部長寿社会推進課、地域認知症ケアコミュニティ推進事業へ

取り組みとして、「認知症コーディネーター養成研修」は修了生126名、現在受講中11名、「小規模多機能型居宅介護と地域交流施設」、介護予防拠点と地域交流施設の併設を義務付け現24事業所、「ほっと安心ネットワークと模擬訓練」、警察と連携した組織づくり、平成28年度訓練参加者数2,945人、「子どもたちと学ぶ認知症・絵本教室」、平成16年度から12年目、8000人を超える子どもたち。等々

認知症から広がる地域包括ケア、「認知症フレンドシップキャンペーン」、本人ネットワーク支援イベントの開催。認知症でも安心して外出できるまちへ

高槻市も頑張っています。資料では、人口:351,829人、面積:105・29平方キロメートル、老年人口比率:27・48%、高齢夫婦世帯数:21,354世帯、高齢単身世帯数:17,460世帯。

日常生活自立支援事業や認知症サポーター養成講座をはじめ12事業を展開。「認知症の方へのサービス」、「たかつきオレンジガイド~たかつき認知症ガイドブック~をご活用ください」、「認知症について」等々、ご参照を。

本市のさらなる取り組みに期待して代表質問でも。

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次に「福祉収集について」
20180210_042351195_iOS高槻市でも、市民からゴミの個別収集を望むお声をいただきますが、莫大な費用を必要とすることも現実問題。そんな中で、今後、高齢化が進展する中、ゴミ出しも厳しくなるのではないかと感じているところから、大牟田市に学ばせていただきました。

大牟田市のごみ収集については直営もあり、現場作業の中で、困っておられる方の声を聴き、対応されたことがきっかけとなったそうです。そこから、ゴミの排出が困難な高齢者や障がい者の皆さんにとっては負担となることも感じるとことから、福祉的な視点での施策が求められ事業展開に至ったようです。驚いたのは、清掃業務担当課の中に福祉部門を設けられていることでした。

市の人口は平成9年の炭鉱閉山に伴い減少、29年4月には11万7千人(将来42年には9万3千人と予測)、高齢化率は35・1%で福岡県内で11位。また、高齢者単身世帯も14,171世帯で24・9%となっています。

「福祉収集」は平成16年から試行開始。その後、福祉関連部局と協議・連携しながら23年に制度化、現在に至っているそうです。

「大牟田市福祉収集実施要綱」を定め、対象規準として、市内に居住し、近隣や地域、親族等の協力が得られない高齢者及び障がい者で、ゴミの排出が困難な世帯、①要介護・要支援認定を受けている方、②身体障害者手帳の交付を受け、1、2級に該当する方、③精神障害者保健福祉手帳の交付を受け、1級に該当する方、④自分で外出が困難な方と、いずれかに該当する方となっています。

所定の用紙で申請いただき、面談などでヒアリングを行い、審査、認定・非認定と通知をされているそうです。

市は昭和60年から戸別収集を実施されていますが、資源物や一般ゴミとの区分け、集積場所の設置も課題のようでした。また、「福祉収集」について、「公助」が入ることで、「共助」である地域コミュニテー、人と地域のつながりについてはどうなのかと・・・

本市も、今後、地域の中での「福祉収集」の、あり方を考えていかなければいけないのではと感じます。

大牟田市の関係者の皆さま、貴重な時間をありがとうございました。

(参考)あきひログ 筑後市と大牟田市