高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

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はじめての一般質問「音楽療法について」

□一般質問 □高齢者福祉 議会活動 / 2007年12月19日

12月度本会議一般質問「音楽療法について」

介護されない身体づくりで健康寿命アップ!!

開催日:平成191219

会議名:平成19年第5回定例会(第31219日)

○議長(藤田頼夫)

次に、吉田章浩議員。

〔吉田章浩議員登壇〕

○(吉田章浩議員) 公明党の吉田章浩でございます。私は音楽療法について、特に介護施設に重点を置きながら一般質問をさせていただきたいと思います。

初めに、皆様ご存じのとおり、急速に進む少子高齢化社会の中、我が国の人口は平成18年10月現在で1億2,777万人となり、前年比ほぼ横ばいとなっております。65歳以上の高齢者人口は過去最高の2,660万人で、総人口に占める割合は20.8%となっており、5人に1人が高齢者という現状であります。約50年後には、高齢化率は40.5%と国民の2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されております。

政府報告の高齢者白書によりますと、平均寿命が年々延びており、平成17年現在で男性78.56歳、女性85.52歳が、50年後には男性83.67歳、女性90.34歳と見込まれています。平均寿命が延びるという一面では、非常に喜ばしいことでありますが、反面、医療サービスの利用状況は、ご自身は健康と考えつつも、ほぼ毎日から月に1回ぐらいの割合が56.8%と、国際的に見ても非常に高い数値になっております。また、高齢者の要介護等は急速に増加して、高齢者人口の16.6%を占めております。

また、介護する側も配偶者の割合が最も高く、要介護者が65歳以上の高齢者の場合、その主な高齢者の半数以上が60歳以上となっており、老老介護のケースも相当数存在しているようで、前例のない高齢社会に向けた対策、取り組みの方向性として、健康で長生きするためには、若いころから健康に留意し、健康づくりに励み、高齢期になっても病気や要介護状態にならないための予防に取り組むことが必要であるとうたわれております。思うに、平均寿命とともに健康寿命を延ばすことが重要と感じ、介護予防、介護されない体づくりが必要と感じます。

次に、介護サービスと施設の現状を確認いたします。

施設を利用される要介護の方々も、病院退院後の利用者がふえており、ADL(日常生活動作)の低下、気管切開(気管より直接呼吸)、胃ろう(胃に直接栄養を注入)、在宅酸素、人工肛門などの重度の利用者がふえてきていると施設の方にお伺いをしました。その中でサービス施設での問題点として、職員の負担が増大し、個人の技能にも差があらわれている。家族が高齢のため利用者の情報が聞き取りにくく協力が得にくい。訪問を受けて利用するサービスがふえてきている中、訪問看護、訪問介護、訪問入浴、訪問リハビリテーション等がありますが、施設との横の連携がとりにくく、利用者の様子、情報がわかりにくい。ADLの低下予防などのため音楽療法を実施されているところがあるが、ボランティアとしての扱いも多く、認知度が低いと、そんな声を聞きました。

中でも注目したいのは、音楽療法です。個人のスキルアップ、職場改善も当然必要であると思いますが、まず利用者の介護サービスまたは施設の利用をする中での満足度アップ、ご本人の健康寿命の延長、介護予防、介護されない体づくりが必要だと感じるからです。音楽を聞いて楽しい気持ちになったり、すっきりした経験はだれにでもあることだと思います。

日本音楽療法学会の理念として、音楽療法とは音楽の持つ生理的、心理的、社会的動きを心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の内容に向けて、治療者が意図的、計画的に活用して行う行為と位置づけられています。

また、対象とされているのは、精神障害、情緒障害、機能障害、発達障害、老年期障害、ターミナルケア、予防医療、更生とし、精神障害への心理療法やリハビリテーション、神経症や心身症などに対する心理療法的音楽療法、障害児に対する発達療法的音楽療法、認知症等の高齢者に対する音楽療法、ターミナルケアにおける音楽療法などが行われています。

音楽療法の効果として、1つ目には、身体機能のリハビリテーションとして呼吸や心肺機能の維持、改善。嚥下、発音、構音機能の維持、改善。2つ目に、歌のメッセージ性や身体エネルギーの開放や、その表現様式として感情の放出、感情のコントロール、カタルシス(特定の観念、記憶、情緒を発散させる)。3つ目には、ともに歌うとして、一体感情、普遍的安心感、協調と所属感等が挙げられています。

過日、介護施設で音楽療法の現場を見学させていただきました。活動記録として、しっかりとしたプログラムを組まれ活動されている、日本音楽療法学会認定音楽療法士と、そのアシスタントの方にお会いしました。8月の目標と記された進行表には、夏の風物詩を味わい、音楽で心身の活性化を図るとあり、「こんにちは」の歌、「我は海の子」「栄冠は君に輝く」「故郷」「憧れのハワイ航路」「さよならの歌」とピアノ演奏、アコーディオン、テープ、太鼓、ふろしきと自前の道具を持ち込まれ、雰囲気づくり、ウォーミングアップ、声を出す体勢づくり、肺機能の維持、強化、回想による大脳機能の賦活、ストレス発散、集中力を養うなど、それぞれの曲にねらいを持ち、5人のスタッフは手弁当で取り組みをされていました。

見学の折、音楽療法士は、利用者の方々と1人ずつ笑顔であいさつをしてから始め、最初は恥ずかしそうだったり無関心そうな利用者がいたりで、プログラムは進んでいきます。皆さんの真剣な取り組みは、少しずつ一人一人に伝わっていき、私も楽しんでいる自分を発見したとき、周りを見渡せば、ある人は口を大きくあけながら、ある人は手を取り合って、ある人は太鼓をたたきながら、スタートのときと表情ががらりと変わって、満足し、活性化されていることが強く伝わってきました。終了後、部屋から出ていかれる利用者の方々が口々に、きょうは楽しかったねと一言。療法終了後には、5人のスタッフが反省会として、利用者の方々の反応、変化、喜んでくれたことや、話をしてくれたことを話し合い、次の機会に生かしていける対応をされていました。

こんな記事の紹介を受けました。奈良教育大学、アルツハイマー病における音楽療法の科学的効果を解明、奈良市社会福祉協議会音楽療法推進室との共同研究、音楽療法は少子高齢化社会の到来の中、低コストの代替医療として国内外で注目を集めています。奈良市では、全国に先駆けて、自治体として音楽療法を導入した音楽療法の先進地域です。奈良教育大学の福井一教授は、地域性を生かして奈良市社会福祉協議会音楽療法推進室と長年にわたり共同研究を実施され、平成14年にはアルツハイマー病患者を対象として、音楽療法の科学的効果を検証する調査を実施し、音楽療法が細胞の活性化を促す性ホルモンの分泌を促進することが明らかとなりました。その成果は、第1回日本音楽療法学会学術大会で発表され、注目を浴びました。

ここで、1番目の質問でありますが、高槻市における高齢化率は何%なのか。また、平均寿命は何歳なのか。高齢者のうち要介護を認定されている方々は何人なのか。施設の問題点に対して介護サービス、施設の状況を市として把握されているのか。また音楽療法の現状をご存じでしょうか。

ここまでを1番目の質問としてお答えください。よろしくお願いします。

〔健康部長(吉里泰雄)登壇〕

○健康部長(吉里泰雄) 吉田章浩議員の音楽療法に関する質問にお答えいたします。

平成18年度に施行されました改正介護保険法において、予防重視型システムへの転換が介護保険制度の改革の中の一つとして創設されたところでございます。この予防重視型システムへの転換の中に要支援、要介護状態になる前からの介護予防を推進するとともに、地域における包括的、継続的なマネジメント機能を強化する観点から、市町村が実施します地域支援事業の創設もなされ、本市といたしまして介護予防事業、包括的支援事業に取り組んでいるところでございます。

介護予防事業として、介護予防のスクリーニングの実施後、要支援、要介護になるおそれの高い方などを対象とします介護予防サービスの提供を実施しているところでもございます。質問要旨にもありましたとおり、急速な少子高齢化社会の進展に伴いまして、高齢者人口の増大、また要介護の増加は避けて通れない課題でもございます。

我が国全般の状況は、高齢者白書でお示しいただいておりますが、本市における数値としまして数点ご質問をいただいておりますので、お答えをいたします。

まず、本市の高齢化率でございますが、平成19年9月末の数値としまして、人口35万9,063人に対して、高齢者人口は7万3,396人でありますので、率にしますと20.4%でございます。本市の平均寿命については、統計をとっておりませんので把握しておりませんが、厚生労働省で作成しております生命表の市区町村別生命表がございまして、平成13年12月31日時点の数値でございますけれども、本市の男性が78.5歳、女性が84.8歳として示されておるところでございます。

次に、認定者数でございますけれども、1万733人ということで、14.6%の認定率でございます。

次に、介護サービスの施設等における提供状況に関連するご質問でございます。介護職員の業務量増加、サービス提供の質の関係につきましては、定例的に開催しております介護事業者連絡会を通じまして、適正な人員配置、研修等によります技術の習得に向けての取り組みを指導しており、また、介護相談員制度を導入しまして、市内の介護保険サービス事業所を訪問し、利用者と事業者の橋渡しとしての役割を担っていただきながら、よりよい介護サービス提供に資しているところでございます。

また、在宅で介護をされるご家族とのコミュニケーションや事業者間の連携などにつきましても、介護保険事業者連絡会において、課題別研修会を開催するなどしまして、よりよいネットワークづくりに向けた取り組みも行っているところでございます。

また、通所介護、デイサービス、特養や老健等における介護サービスにつきましては、各事業者がその提供内容に特色を持った取り組みを行っておられまして、議員仰せの音楽療法につきましても、取り入れている事業者もあるということは承知をいたしております。

以上でございます。

○(吉田章浩議員) 答弁では介護事業者連絡会議を開催され、課題別研究をされているということですが、全国的に介護事業の現場では、仕事の割に低賃金と、働く上での悩みとして賃金の問題、休憩がとりにくい、健康面での不安があるなど、介護に対する魅力が薄れ、離職率が2割と、深刻な人員不足が問題となって、介護の担い手の待遇改善が望まれています。

また、音楽療法を取り入れて活動されている事業者もご存じのようですので、現状をお聞かせいただければありがたいと思います。

先ほどご紹介させていただきました日本音楽療法学会認定音楽療法士と、そのアシスタントの方々も現場で地道な活動を続けており、エールを送りたいと思います。

その上で、他市の情報ですが、先ほどご紹介させていただきました奈良市の人口は、高槻市と似た36万8,223人、高齢化率は21%と聞きました。取り入れたきっかけは、平成5年、オーストラリア・キャンベラ市と友好都市を結んだときに、音楽療法の現場を見聞し、音楽療法の効果を直感的に感じ取られたことによるそうです。

全国に先駆けて福祉施策として取り入れ、社会福祉協議会に委託し、約1年8か月かけて奈良市音楽療法士養成コースを実施され、その後、奈良市公認の音楽療法士として認定後、社会福祉協議会職員として採用、音楽療法推進室を拠点として、心身障害児の発達促進やリハビリテーションの一環としての療法部門と、健康な市民にも日常的に張りと潤いを与え、地域での触れ合いを進める予防・保健部門を柱として音楽療法を実施されています。中でも奈良市が高齢者の健康づくりや社会参加を目的に取り組んでいる合唱団のシルバーコーラスは、参加者の38%がよく眠れる、26%が家族との会話がふえた、16%が医者に行く回数が減ったと新聞記事になるなど、健康へのプラス効果が出ているようです。

また、兵庫県では、阪神淡路大震災を期に、音楽療法を取り入れ、活動を展開、兵庫県音楽療法士会が県の補助を受けて、医療、福祉施設等に対し、音楽療法の実施経費の一部を補助されています。さらに、東京都墨田区では、ぜんそく児を対象とした音楽療法教室。岐阜県、福井県、吹田市と取り組む町は、ホームページから町の様子がうかがえます。

先日テレビのニュースで音楽療法が取り上げられていました。愛知県大府市にある国立長寿医療センターでの音楽療法活動です。家を出るのはこの日だけと、毎週水曜日、軽度認知症の方々のあるがままを受け入れていく音楽療法。プロが歌う流行歌や童謡ではなく、音楽療法士が歌う童謡で楽しい時間は過ぎていきます。ニュースでは人間関係の大切さを訴えていました。時間をかけて音楽療法士の方々は、利用者と、その家族を知っていこうと努力されます。大切なのは、介護を受ける皆さんと毎日向き合っている家族だからです。音楽の特性を活用して、心と体に働きかけ、高齢者や病人、心身障害者、障害児が心の豊かさや健康を取り戻す音楽療法は、日本では急速に関心が高まっています。しかし、音楽療法士は、まだ国家資格化されていません。

2番目の質問ですが、高槻市でも音楽療法を取り入れて運営されている施設などあると聞きました。施設の現状をご存じでしょうか。また、他市のような事業展開は簡単にできないかもしれませんが、前向きに検討をお願いできるでしょうか。高槻市健康部として、音楽療法についてどう考えられるのか、お示しください。

よろしくお願いします。

○健康部長(吉里泰雄) 2問目の、2点の質問でございます。

まず、音楽療法が高齢者ケアだけにとどまらずに、発達障害者あるいは身体障害者、またひきこもりなどの児童ケアなどに対しましても、医療行為あるいは演奏による活動的、聴取による受動的な療法として、幅広い分野での導入がなされてきており、音楽の持つ効用あるいは特性を生かした心身の療法で、非常に有効な治療手段であると欧米では認められているということについては、十分理解をしております。

また、我が国においても、日本音楽療法学会がその普及に向けまして、認定音楽療法士の育成に取り組み、音楽のさまざまな効果を使い、乳幼児から高齢者までの人たちに対しまして、精神的あるいは肉体的な部分を療法するという活動が行われるということにつきましても、認識をしているところでもございます。

音楽療法の本市における状況でございますけれども、高齢者介護の分野で申し上げますと、通所介護、デイサービスあるは特養、老健等において、提供するサービスにつきましては、各事業者がサービス計画に基づきまして、利用者の状況に適した内容で提供されておるところでございます。特に、利用者の心身の状況等に応じまして、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、またはその減退を防止するための訓練を各事業者が事業所として特色を出しながら取り組まれているという状況が実情でございます。

その中におきまして、音楽療法を一つの訓練として取り入れておられる施設が複数あるということについては把握をしております。また、利用者に対するレクリエーションや行事の一環として、ボランティアなどによります音楽療法を受け入れて、利用者の機能の改善の一翼を担うという取り組みをなされておる事業所も複数あるということについても把握をしておるところでございます。

そして、次に、本市における事業展開というお話でございます。高齢者介護にかかわる分野で申し上げますと、先ほども申し上げましたけれども、利用者の心身の状況等に応じまして、事業者がサービス計画に基づき介護サービスを提供するといった現状からしますと、利用者のニーズを反映しながら、事業者が的確なサービスを決定していくことになりますので、音楽療法も一つのサービスメニューであると言えます。事業者がサービス内容の特色をアピールする中で、利用者の方が選択されるものではないかと考えておるところでございます。

いずれにいたしましても、介護サービスメニューは多種多様でございますので、音楽療法を初め、事業者が利用者のニーズを反映しながら創意工夫を重ねられて、適切なサービスが提供されるように、保険者として事業者と連携をとりながら研究をしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。

以上でございます。

○(吉田章浩議員) 音楽療法を初め、利用者のニーズを反映しつつ、適切なサービスの提供に事業者と連携をとりながら研究をいただけるとのことですので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

最後に、要望でございます。まずは、冒頭に述べさせていただきましたとおり、高齢者介護にかかわる健康寿命の延長、介護されない体づくりを目指し、高槻市の中での音楽療法の実現を明確にしていただき、療法面より音楽療法の推進、啓発活動にご努力願いますよう、お願いをいたします。

また、日本音楽療法学会では、音楽療法士を国家資格にとの思いで日々活動を展開されております。平成18年、20年の公明党の予算要望でも音楽療法士の導入を要望しておりますが、市として音楽療法士導入への研究展開が進んでいきますよう、お願いをいたします。

さらに、介護されない体づくりでは、高槻市で実施されている地域支援事業による介護予防の事業も、市民へのアピールが弱いように感じるところから、音楽療法の専門家の推進を望み、予防の観点から介護予防に対しても音楽療法に力を注いでいただき、高槻市として、もっと強くアピールしていただきますようにお願いします。

12月4日の新聞で、介護施設で虐待498件、自治体把握の10倍という記事が目にとまりました。寂しい内容だと感じます。高槻市では、このようなことがないよう、バックアップをよろしくお願いしまして、一般質問を終わらせていただきます。

以上です。ありがとうございました。

高槻市議会会議録より