あきひろ日記 「地球大進化」を観て 第6集
皆さんこんばんは。2016年1月、寒い日が続きますね…今回は、「地球大進化・46億年・第6集・ヒト果てしなき冒険者」をリポートします。
私たち生命は、大きさ1mmにも満たない微生物からはじまりました。長い進化を経て、3,000万種の多様な生命が息づいてきたのです。しかし、その数百倍、数千倍の生命が途中で絶滅してきました。地球生命の歴史は、生命絶滅の歴史でもあったともいえます。絶滅を引き起こしたのは、それは地球の大変動でした。
ヒトも猿の進化から多くの絶滅を繰り返していたと最近の研究で判ってきたようです。700万年前にはじまった人類の進化、20種類もの人類が生まれては消えていったそうです。そして、その最後に現れたのが「ホモサピエンス」、私たち「ヒト」へと至る46億年の旅です。
ここで、山崎努さん。「今回、ご先祖様はヒトになる」、「ヒトといっても二足歩行の猿」、さて…
進化の舞台は、アフリカ大陸中央部にわずかに残る「亜熱帯林」、ここに私たちの仲間、「チンパンジー」が暮らしています。主な食料は果実。700万年前、チンパンジーと分かれ、二本の足で歩きはじめた人類。理由は、まだ、はっきりしていないようですが…
チンパンジーと分かれ300万年経った祖先。「アウストラロピテクス」と呼ばれていました。二足歩行をしていたため、背骨がまっすぐ伸びていて、身長は140cmほど、長い腕で樹に登っては果実を採っていました。人類は、チンパンジーと分かれてもあまり変わらない森の暮らしをしていたようですね。
しかし、人類は生まれてから、果実の不足という深刻な食料問題にも直面していたようです。当時のアフリカは果実の宝庫でしたが、熱帯雨林がしだいに消滅していったようです。その原因は、はるか4,000km離れた東にありました。
世界の屋根8,000m級の山々が連なる「ヒマラヤ山脈」。この山脈は大陸の衝突によって誕生しました。
時間を遡って2億年前の地球、当時、アフリカ、インド、南極が集まり巨大な大陸を形成していました。そして、巨大大陸が分裂をはじめます。インド北上、およそ5千万年前、アジアに衝突、これが地球史上最大といわれるヒマラヤ山脈の誕生となりました。隆起をはじめたヒマラヤは、人類の進化がはじまった700万年前頃、標高5,000mを超え、地球の気候を大きく変えはじめました。
ヒマラヤ一体の上空には、暖かく乾燥した大気が、強い上昇気流をつくり、この乾燥した大気がアフリカへと吹き降ろします。一年中、雨の多かったアフリカには、その影響で雨が少ない環境が生まれました。急速に熱帯雨林を減らしていきます。この絶滅の危機を生き延びるため、私たち人類はおよそ200万年前に劇的な変化を遂げました。まったく違った二種類の人類が登場したのです。
その証拠は、アフリカ大陸の最南端に、南アフリカ・ノースウエスト州にありました。この辺はたくさんの人類化石が発見されることから「人類のゆりかご」といわれ、ユネスコの世界遺産に登録されているそうです。発見は地下15m下、170万年前から150万年前の地層、なんと、ここから二種類の人類化石が発見されました。二つの人類が共存したいたということです。
一種類だと考えられていた人類が…科学者はショックを覚えます。一つは「ホモ・エルガステル」、身長はおよそ170cm、すらりとした体型。もう一つは、「パラントロプス・ロブストス」、頭の上に突起が特徴、顔の筋肉を支える突起、筋肉でまん丸な顔、身長は150cmほど、ズングリな体型。寒冷化と乾燥化の時代、人類のゆりかごも熱帯雨林は縮小、草原は拡大、厳しい環境の中から二種類の人類が進化していったと科学者は言います。食料不足を生き抜くための独自の進化。二つの人類は果実に変わる新しい食料を見つけます。
新しい食料?? その答えは、東アフリカ・タンザニア、ここに暮らす狩猟民族にヒントが…「ハザ族」です。
複数の家族が共同生活、今尚、文明と一線を画した生活。乾季の間の食べ物、干からびた樹木の間、地面の下? 食料? 栄養いっぱいの「樹の根っこ」です。一年中、手に入れることができる貴重な食べ物なのです。
丸顔の「パラントロプス・ロブストス」も同様に樹の根っこを食していたと。それは、化石に証拠が。奥歯の表面に細かなキズ、それ以前の人類「アウストラロピテクス」は滑らかなのです。パラントロプス・ロブストスは砂の着いた食料を食べていたからだと考えられます。200万年前に食べていた植物が現存も、「ハイポクセス」という植物です。硬い球根を噛み切るための歯と顎の筋肉の発育。丸顔も筋肉のせいだとか。噛む力は私たちの3倍以上? パラントロプス・ロブストスは誰も食べないものを主食にし生き延びていました。
一方、長身のホモ・エルガステル、別の戦略に出ます。その食料もハザ族は見逃していませんでした。それは動物の死骸。ライオンなどは柔らかい内臓などを好んで食べます。骨についた肉や、骨の中にも栄養のある「髄」が。これが、肉食のはじまりです。ハザ族の生活習慣から200万年前の推測。狩りも何もしらない人類は、死骸を求めて。ホモ・エルガステルは食料を探して毎日長い距離を歩き続けました。肉食のホモ・エルガステルと草食のパラントロプス、二種類の人類の出現は仲間を増やすための生命の必然なのか?
その後の研究で人類には複数の祖先がいたこともわかりました。700万年で出現した人類は20種類だとか、そのうちたった一つを除いて絶滅してしまいました。パラントロプスも100万年後突然絶滅。原因は不明だとか? 偶然、生き延びたのはホモ・エルガステル。多くの仲間をつくることで、一種るだけが生き残る、人類もまた他の生命と同じだったとか。
生き残ったホモ・エルガステルが成し遂げた劇的な進化。それは、アフリカの独特の地形によってもたらされたと。アフリカ東部100kmにも及ぶ大渓谷。「大地構帯」、縦断するように6000kmも延びています。その南端近くの「ビクトリアフォール」、滝です。水の落ちる落差は109m。この大地構帯ができたのは地球内部のエネルギー、地球はひと皮剥けばマントルが対流する火の玉、この対流の最も激しいところが、今、アフリカの真下にあります。大陸はこのマントルの上昇流によって大きく持ち上げられ引き裂かれました。これが、大地構帯。周辺は高原となり、その両側には高さ2000mの山々が連なりました。このため、海からの水蒸気は遮られ、内陸の乾燥化は一層進みました。そして200万年前には、現在と同じ草原「サバンナ」が出来上がったのです。このことでアフリカの生物の勢力図が一変します。草原に暮らす草食動物とそれを狙う肉食獣が一斉に進化しました。
私たちの祖先、ホモ・エルガステルも肉食獣が支配する弱肉強食の世界へ進出、それは危険と隣り合わせの選択でした。当時、巨大な牙を持つ「サーベルタイガー」は、この時代一大勢力を誇っていました。人類は格好の獲物です。しかし、この選択が思わぬ進化への道を開いたのです。
それこそが「脳の巨大化」でした。肉を主食とした祖先だけが何故か脳を巨大化させました。初期の人類、アウストラロピテクスでは、チンパンジーとあまり変わらない500ml、ホモ・エルガステルは900ml、絶滅したパラントロプスは500mlのまま、人間の脳が巨大化した理由はまだわかっていません。しかし、肉食が脳の巨大化に有利だったことは確かのようです。私たちの脳は体で最もエネルギーを必要とする機関。そのエネルギーを補うために、肉という高カロリーの食物が役に立ったと言うのです。そして肉を確保するため人類は知恵を絞り始めます。「狩りのはじまり」、それがさらなる脳の巨大化を。もし、祖先が肉を食べていなければ…
その後も、アフリカでは新しい人類が誕生します。その度に脳は大きく、ホモ・エルガステルの次に現れた「ホモ・エレクトス」では、脳が1000mlを突破、このエレクトスはアフリカを出てアジアへと、その子孫はインドネシアで「ジャワ原人」となり、やがては中国に達して「北京原人」となりました。そしておよそ20万年前、「ホモ・サピエンス」がアフリカ中央部で誕生します。その脳は1400mlまで大きくなっていました。
しかし、その脳の大きさだけが、私たちが繁栄してきた理由ではないことがわかりました。実は、私たちの祖先と同じ大きさの脳を持っていた祖先がいました。およそ30万年前に登場した「ネアンデルタール人」です。身長も同じくらいで一回り大きな体格だったとか。ネアンデルタール人は氷河期の真っ最中だったヨーロッパに進出した寒さに適応した人類です。私たち、ホモ・サピエンスと長く共存していました。しかしおよそ3万年前に絶滅したのです。
ホモ・サピエンスとネアンデルタール人。二つの祖先が似通っていた証拠、フランス南西部・ペリゴール地方に、ネアンデルタール人の遺跡が数多く発見されています。「レグルドュー遺跡」、偶然の発見、7万年前、最盛期にあったネアンデルタール人が残したもの、使っていた石器、肉を切るため、皮を剥ぐための多様な石器。ホモ・サピエンスが使っていた石器と性能はほとんど変わらないものだとか。
ネアンデルタール人は氷河期、バイソンなどの大型の生物を狩り生きていました。遺跡はヨーロッパ全体に広がり、最盛期の人口は50万だとか。遺跡からネアンデルタール人の骨が綺麗に揃って発掘されました。これは、死者を埋葬していた証拠ではないかと考えられ、心も私たちに似通っていたのではないかと。似通っていた二つの祖先、何故、ネアンデルタール人だけが絶滅してしまったのか? 運命を分けた理由とは?
謎に迫る一つの仮説。科学者は頭蓋骨からわずかな違いを発見します。それは頭蓋骨の裏側、ネアンデルタール人は平な形状、ホモ・サピエンスは同じところが大きく凹んでいます。ちょうど、のどの上側部分に違いがあったと。この違いにどんな意味があるのか?
ヒントはチンパンジーなどの霊長類から推測されました。皆、ネアンデルタール人と同様に平らな形状で、そしてもう一つの共通点は「喉仏」が高い位置にあったのです。気管と食道が分かれる場所。一方、ホモ・サピエンスと私たちの喉仏は低い位置に。喉の長さが「話しをする」ことに大きく関係しているということらしいです。
喉仏の内側には「声帯」があり、声帯から上の部分は「気道」と呼ばれます。「言葉」を話す時、声帯で「音」をつくり、気道で「共鳴」させます。気道が短いとうまく共鳴させられないため、話せる音が限られてしまいます。ネアンデルタール人も言葉を喋っていましたが、うまく母音が発音できなかったと、「あ・い・う・え・お」、おそらく、私たちのようにうまく言葉を操ることができなかったとか。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの違いは話す能力にあったと言うのです。
私たち、ホモ・サピエンスが手に入れた言葉。
狩猟民族のハザ族は、緊密な言葉の連携で効率良く狩りをします。そして、狩りが終わった時、改めて言葉の大切さがわかります。その日の狩りを皆で振り返る時、その言葉は活発に交わされます。狩りが失敗した理由を考え新しい工夫を話し合います。その話しを子どもたちが聞いて学びます。言葉をもって、世代を超え知識を共有できるようになったのです。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの大きな溝は言葉を操る能力でした。
研究でも、複雑な言語を使い始めたのはホモ・サピエンスからだと言われています。
言葉によって、二つの人類の運命を分ける時代がやってきました。4万年前、ヨーロッパは200万年続いていた最後の氷河期のピークを迎え、この時代を生きるため、言葉はホモ・サピエンスにとって大きな味方になりました。寒冷地に住む動物たちは季節の移り変わりに大きな群れをつくって移動します。そして移動する時期や場所の情報交換をするのです。それに備えて狩りの計画を練っていました。言葉が未来を予測する力に。3万5千年前の遺跡、動物の骨に規則的な傷(印)が刻まれています。狩りの獲物が来る時期を記録したカレンダーとか。さらに、フランス・ラスコー洞窟、動物の壁画が。言葉だけでなく様々な手法で未来につないでいたようです。
言葉こそ、人類の新しい進化。言葉は第二の遺伝子。言葉は進化を飛躍的に早めました。それこそ、第二の進化「文化の進化」、新たな進化のシステム。ネアンデルタール人には叶わぬ夢でした。
フランス南西部に、ネアンデルタール人の最後の遺跡が。「サンセゼール遺跡」、ネアンデルタール人の化石の上に、ホモ・サピエンスの化石が。ホモ・サピエンスが最後の人類だったのです。
1万年前、厳しい氷河期が終わり、温暖な気候が。ホモ・サピエンスの繁栄がはじまります。それは、絶滅していった19種類の人類の存在があったからの結果です。
山崎努さん、「(ホモ・サピエンス⇒現在の人類)君たちは生き残った。何と楽しそうな、何の心配もないその笑顔、忘れるな進化と言う名の命のリレー、そのバトンは君たちが受け取った。君たちは無限の未来を描ける。それは、そこに46億年の歴史があるからだ。進化の歴史は地球の終わりまで続く、ここがゴールではない、まいったな…
悲しさや喜び、楽しさや夢、様々な思いに揺れ動きながら、この星で暮らす60億を超える人々…(私も感じること)サルからヒトへ、20種類の人類、肉食による脳の巨大化、考える力、そして言葉という命をつなぐ手段、すべて生き続けるための進化なのですね…今日はここまで…
次回は最終回です。「地球大進化・46億年・第7集・最終回そして未来へ」、ここまでの、お付き合いありがとうございました。
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バックナンバーですヽ(・∀・)ノ
46億年前から(5) 第5集・人類の旅・大陸大分裂・目に秘められた物語 1億5千万年前
46億年前から(4) 第4集・「大量絶滅・巨大噴火がほ乳類を生んだ」 2億5千万年前
46億年前から(3) 第3集・「大海からの離脱・そして手が生まれた」 4億5千万年前
46億年前から(2) 第2集・「全球凍結・大型生命誕生の謎」 6億年前
46億年前から(1) 第1集・「生命の星・大衝突からの始まり」 46億年前