高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

明日の 希望は ひとりの人を 思う心から

文化の華をさらに

□議長公務 視察・研修会 / 2020年3月27日

高槻市包括外部監査結果報告を受けて

IMG_9312桜の花が咲き出しましたね。文化の華もさらに・・・。

26日(木)、高槻市包括外部監査人より「高槻市包括外部監査結果報告書の概要」をもって、ご報告をお受けしました。

今回の包括外部監査のテーマは、「市民協働[交流]と文化芸術・生涯学習に係る財務事務について」

選定理由として、本市では平成26年3月に「高槻市文化振興ビジョン」を公表しており、市民や関連団体、企業、行政等が協働して“文化”の力を活かしたまちづくり、文化芸術を通じて心豊かな市民生活など、文化振興の基本的な考え方や方向性が示されました。

一方、人口減少と少子高齢化の進行等、社会環境が大きく変化する中で、地域の活力の低下、人と人のつながりの希薄化が懸念され、本市も例外ではないということです。

また、市民の文化芸術・生涯学習に対する意識やニーズも多様化し、本市の財政状況が厳しい中で施策を効果的に実施する必要があるところです。

今般、成立した「第9次地方分権一括法」において、公民館等を教育委員会から市長部局の所管とすることが可能となり、文化・観光振興や地域コミュニティの持続的発展等に資する一体的な対応が期待されるところであります。

このことから、市と市民がどのうように協働し、文化芸術・生涯学習や社会教育に係る施策及び事務事業を効果的・効率的に実施しているかについて、経済性・効率性・有効性の観点から検討を行うことは有用であると判断され、特定の事件として選定されました。

監査の結果及び意見についての総論では、地域でのコミュニティセンターや公民館の利用状況を数値をもって客観的に評価をされ、19館あるコミュニティセンターでは、利用者が減少傾向にあることが理解でき、ご報告では高齢化の進展や、エレベーター設置工事期間等、その他の要因が考えられること。また、グループ活動などの貸館的な利用が約30%を占めていることなどがわかりました。

IMG_9383ちなみに、「コミュニティ高槻第86号」(写真右)には、4施設にエレベーターが設置された記事が掲載されており、平成28年度から令和元年度までの4カ年計画が終了しましたと。

高齢化が進む中で安心感、利便性等が確保され、今後さらにたくさんの方々の利用につながることが期待されていると記されています。

また、監査人のご報告では、中学校区にコミュニティセンターはあるが公民館がないなど、地域によっては行政サービスの差が生じる可能性があるとの指摘や、立地条件や駐車場の有無などが、今後の利用状況にも影響していることなどが考察されました。そして今後、更新時期を迎えていく中では、統合や複合的な考え方も重要になってくるものと感じた次第です。

次に、市域全体として、文化会館や生涯学習センター、総合市民交流センター等、ハード面においては、市全体及び地域の拠点として面的な整備は実施されていますが、ソフト面ではどのような棲み分けがされているのかとの課題。

市では、実施計画において各施設のそれぞれの設置目的に基づき事業等の開催をされていますが、市全体から見てどのような方針で開催されているのかがわかりにくいと指摘されています。

事業効果の測定手法として、市民アンケートなどを取っていないため、文化芸術、市民交流及び生涯学習の事業の成果が見えにくくなっている。例えば、料理や音楽分野の講座・教室を開催する際に、各施設の位置付けからどのうように区分されているのか。

一定の情報は把握されているものの、各施設の担当者が連携し全庁的な調整がなされているとはいいがたいとも。

さらに、財政的な支援策の検討が必要とされ、文化芸術活動に対する補助金は、平成30年度の予算では、2,700千円に留まっており、充分な補助とは言い難いと。市の予算の制約の中で、補助や助成の制度創設だけではなく、ふるさと納税を活用した「クラウドファンディング」による資金調達の方法などの提案をいただきました。

例えば、「京都市若手アーティスト応援プロジェクト」や「佐賀県のふるさと納税を利用したNPO支援」など事例の紹介。民間の資金を活用することで、市はより多くの文化芸術活動の支援を拡大する可能性が高くなると。また、市も市民団体への追加的な財政負担をすることなく、市民協働をより一層促進させることが可能になるといわれています。

市議会としても、しっかり研究していく必要性が。

2020-03-28 (2)感想として、本市では従前より「市民協働[交流]」を先進的に取り組んできこられたと感じています。コミュニティ組織づくりや、エレベーター設置事業等は高く評価されるところです。

しかし、現状の諸課題や今後の時代の変化にどのように対応していく必要があるのか。どのように充実させるのか、課題は残っていると思われます。

“文化”は私たちの人生を豊かにしてくれます。市民憲章(昭和52年制定)の一つに、「高槻は  文化の華を  咲かすまち」、わたくしたちは、人間性豊かな教養を高め、輝く市民の文化を創りますと謡われている通り、この理念が色あせることはありませんが、ハードやソフトの面で、今後の見直しなどに期待を寄せるところです。

時代背景は変化してきています。明るい未来を築いていくためにも、全体感に立って、みんなで考えていかなければならない“テーマ”ではないかと・・・

追伸
令和2年3月20日付けで大阪府から新型コロナウィルス感染症の感染拡大が懸念される状況にあるとして、公共施設の休館等に係る協力要請があったため、3月31日(火)までとしていた施設の休館等については、4月3日(金)まで期間延長することになっています。