高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

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それぞれの役割に応じた施策を

□議長公務 式典・イベント / 2020年2月5日

議題「都市における観光、インバウンド等への対応」に関する調査研究報告書(案)について

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3日(月)、東京都千代田区の“都市センターホテル”において開催された「都市行政問題研究会役員会並びに第111回総会」に“理事市”の議長として出席。議題について、重要だと思われるポイントをまとめてみましたので、ご報告をさせていただきます。

議題⑴「都市における観光、インバウンド等への対応~交流人口の拡大が地方創生を推進し、都市の活力向上に貢献する~」に関する調査研究報告書(案)について

《背景》
わが国では、2003(平成15)年に観光立国の実現を掲げ、“ビジット・ジャパン・キャンペーン”を開始し、それ以来、訪日外国人旅行者の増大を重点施策のひとつに位置付け、国を挙げてインバウンド観光施策の取り組みを進めている。

《訪日旅行の動向》
“ビジット・ジャパン・キャンペーン”を開始した際の訪日外国人旅行者数は約500万人。その数が、2017(平成29)年には、2,869万人になるなど、5年連続で過去最高を更新。現在、2020(令和2)年に4,000万人にするとの政府目標に向けて推移している。

うち、東アジアからの旅行者数は4分の3を占め、中国と韓国が4分の1ずつを占めています。次いで台湾。また、訪日外国人旅行消費額(貿易統計)の観光では、4兆4,162億(2017年)となっており、大きな経済波及効果があるだけでなく、潜在的な能力や可能性が大きい産業といえる。

《観光立国の実現》
インバウンド観光施策は、経済波及効果や雇用創出効果が高く、縮小した国内観光消費を補い、消費の拡大が期待される。今後は、わが国の観光消費の8割を占める日本人による国内旅行消費の維持、拡大に努め、地域への経済波及効果をより一層高めることが求まられ、さらに急増するインバウンド観光需要等をいかに地域活性化につなげていくか、各都市には、インバウンド観光振興による地域活性化のビジョンと達成のシナリオを検討し、実践することが求められる。

《わが国における観光施策》
わが国おける観光施策と東日本での観光復興の調査研究を実施。

《持続可能な観光に向けて》
観光における連携の取り組みを行っている都市の調査研究。地域の成長発展のためには、わが国の主要な産業として観光を確立し、持続可能な観光立国を実現させることが重要。持続可能な観光の確立に向けては、規制だけではなく、インセンティブ政策や税制、価格政策、的確な情報発信等の手法を組み合わせ、国や地方公共団体、産官学金労言等の関係機関の連携・協力のもとで地域の課題に対応。

《観光施策に関し先進的な取り組みを行っている都市》
金沢市:東山ひがし地区まちづくり協定、松山市:インバウンド観光施策、長崎市:アジア・国際観光戦略の策定、京都市:嵐山地域における混雑緩和。

~まとめ~
0676F360-0C60-46DB-AA97-9997028C4BDE《国の観光関連施策に関する活動状況等》
・84市中55市の都市が、国の施策を活用して観光関連施策を実施。
・観光に関する都市宣言や観光振興に関する条例を定めている都市は少数。
・84市中78市が、県境を越える連携や都市圏連携、都道府県の連携等、多様な連携を実施。

《インバウンド観光施策における留意点》
・インバウンド観光施策においては、宿泊客数や観光消費額だけでなく、観光案内所に来訪する国別外国人観光客数の集計数のデーターが必要。
・インバウンド観光施策においては、分かりやすい数値目標を掲げ、満足度調査等の毎年のマーケティング調査で進捗状況をチェックするなど、PDCAサイクルを進めることにより、実効ある成果が達成可能。
・近年の訪日外国人旅行者の急速な増加により、観光地でのマナー違反や文化財・環境への影響等の問題が見られる中、オーバーツーリズム(観光公害)への対応は急務。
・混雑やマナー違反に関する個別課題を強く意識し、課題に対する様々な対応を実施。
・昨今の国際関係等に伴う急激な観光客の減少に対応するため、韓国、中国だけではなく、他国に対する観光プロモーションや、国内観光客の誘致を含めた情報発信、観光地の魅力発掘・磨き上げにも努力。
・観光地においては、地域の観光資源の価値の見極めと主体的な保全・活用方法の検討に即した手法や実施体制を選択しその上で効果的なオーバーツーリズム等への対応を模索することが課題。

《インバウンド観光施策における効果》
・インバウンド観光施策を展開するに当たっては、施策の効果を分かりやすい目標として掲げ、住民や観光事業関係者に提示することで、地域ぐるみの取り組みが具体化。
・東アジア諸国からの宿泊客数や都市イメージ魅力度等の分かりやすい目標を設定し、インバウンド観光施策を進める必要

《インバウンド観光施策における具体的事業》
・海外メディア、旅行関連事業者航空会社への直接PRや海外関係機関へのトップセールス等にも取り組み、イメージアップや認知度向上を目的としたプロモーションから、ターゲットを明確にしたプロモーションへの進化が必要。
・外国語を話せるスタッフ・ガイドの配置や観光施設への無線LAN整備、外国人向け観光メニュー・滞在施設の設定、公共交通の利便性向上に向けた整備等の事業にも取り組むことが必要。

《インバウンド観光施策におけるMICE戦略》
・MICEの開催に伴う高い経済波及効果を踏まえ、観光地域づくりを行うかじ取り役である日本版DMOの設立と合わせて、地域の多様な関係者と連携してMICEによる地方創生を目指していくことが重要。

《インバウンド観光施策における議会の役割》
・インバウンド観光施策の推進には、日頃から住民目線で活動を行い、住民の生活実態に接しつつ、地域全体を広く見渡すことができる議会への期待大。
・地域の問題が多様化し、合意形成が困難な課題が増加することが見込まれ、民主的に合意形成を進めていく上で、団体意思の決定機能をはじめとする議会が担う役割は重要。
・議会においては、審議等の公開を通して細目に発信しつつ、住民に対し丁寧に説明していくことが重要。

《おわりに》
・名実ともに観光立国を目指し、実行するのは各都市をはじめとする地域。
・各都市が観光の意義を認識し、地域が豊かになるインバウンド観光施策を実現するためにも、関係機関と連携しつつ、それぞれの役割に応じた施策を進めることが重要。
・インバウンド観光施策に関しては、オーバーツーリズム等の困難な課題の解決に向け、監視機能や政策形成機能等を担う議会の役割が重要。
・インバウンド観光施策に関する取り組みが、各都市の活力向上に貢献し、魅力ある都市が生まれることに期待。