令和元年10月から
10月から消費税率が10%に引き上げられますが、家計の負担を軽減し、景気を下支えするための施策も数多く実施されます。公明党の主張を踏まえて実現した政府の消費税率引き上げ対策と増収分の使途について紹介します。
最大5000円分お得に買い物ができる低所得者・子育て世帯向け「プレミアム付き商品券」が10月から各市区町村で利用できます。対象は、住民税非課税の人と、3歳半未満の子(2016年4月2日から19年9月30日までに生まれた子)がいる世帯です。住民税非課税の世帯については申請手続きが必要となります。商品券の購入限度額は1人当たり最大2万円で、この場合は2万5000円分の買い物ができます。5000円単位での分割購入もできます。額面も1枚当たり500円など小口での設定が可能で、使い勝手が良い仕組みになっており、商品購入やサービス利用の際に使用できます。
有効期限は19年10月から20年3月末までの半年間です。
【キャッシュレス決済にポイント】支払額の最大5%を付与
中小の飲食店や小売店での買い物の際、電子マネーやクレジットカード、スマートフォンのQRコードといったキャッシュレス決済で支払った場合に、現金代わりに使用できるポイントを還元する制度が10月から始まります。
還元率は購入額の5%で、大手コンビニなどのフランチャイズチェーン店では2%となります。期間は2020年6月末までの9カ月間。税率引き上げ分以上を還元することで、消費を下支えします。
クレジットカード会社や大手コンビニでは、利用者に代金を請求する段階で、得られるポイント分を代金から即時に差し引く実質的な値引きを実施する動きも広がっています。
【住宅・車を対象に減税】10月以降の購入支援手厚く
消費税率引き上げの影響を受けやすい高額な住宅や自動車の購入を巡っては、手厚い支援策が講じられます。
例えば住宅では、2020年12月末までに購入・居住する物件を対象に、これまで10年間だった住宅ローン減税期間が、13年間に延長されます。合わせて、すまい給付金も拡充し、年収775万円以下の人を対象に最大50万円給付します。
自動車については10月以降の購入車を対象に、排気量に応じて最大で年4500円減税されます。自動車取得税が廃止されて新たに導入される「環境性能割」に関しては、1年間に限り1%軽減となります。
【軽減税率対応レジの導入支援】補助金で中小事業者後押し
軽減税率の円滑な実施には、軽減税率に対応したレジ導入など事業者側の準備が不可欠です。このため政府は、レジ導入・改修費用の一部を補助する軽減税率対策補助金を創設し、中小・小規模事業者を支援しています。
同補助金は、レジ1台当たり20万円を上限に原則4分の3を補助。受発注システム改修も、発注1000万円、受注150万円を上限に、原則4分の3を補助します。
支給要件も、9月末までにレジ導入を完了することが必要だった条件を緩和し、同月末までにレジ購入・改修の契約を済ませれば補助金が交付できるよう改善しました。
【増収分で実現へ】
〈幼児教育・保育の無償化〉3〜5歳児(就学前3年間)の全世帯、0〜2歳児の住民税非課税世帯を対象に、10月から認可外施設なども含めて無償化されます。
併せて、待機児童の解消へ向けた取り組みも加速し、保育の受け皿を、2020年度末までに新たに約32万人分整備します。
〈高等教育の無償化〉所得の低い世帯の学生を対象に、大学などの無償化が来年4月から、返済不要の給付型奨学金と授業料減免を拡充する形で実施されます。
〈年金生活者支援給付金の支給〉低年金の人を対象に、保険料を納めた期間に応じて月最大5000円(年間6万円)が10月分から年金の支給額に上乗せされます。
〈その他〉介護人材の処遇改善に向け、今年10月から、勤続10年以上の介護福祉士に月額8万円相当の処遇改善を行える規模の公費が投入されます。また、所得の低い65歳以上の高齢者の介護保険料を軽減します。