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立川市 山本美智代
yamamotomichiyo@tbz.t-com.ne.jp

がん教育について

 

◆13番(山本みちよ君)


次に、3件目、がん教育について伺う。

日本人の死因の第1位を占めるがん対策は、我が国にとって大きな課題であるとして、平成18年「がん対策基本法」を制定。その後、平成19年度から5年間の「がん対策推進基本計画」に続き、平成24年度から平成28年度までの5カ年を対象とした新たな「がん対策推進基本計画」が閣議決定。がん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会を目指すとした。

このように、国を挙げたがん対策を進める中で、がん教育については、この「第2次がん対策推進基本計画」で、初めてがんの教育、普及、啓発が盛り込まれた。そして、平成26年度、文部科学省に設置した「がん教育のあり方に対する検討会」が取りまとめた報告書が平成27年3月に「学校におけるがん教育のあり方について」として提示された。

その中で今後、モデル校などにおける取り組みを中心に、教材の作成や外部指導者の活用について検討し、その成果を踏まえたがん教育を平成29年度以降、全国に展開することを目指すという背景のもと、平成28年度がんの教育総合支援事業をスタートした。

これまでにも、健康については、子どものころからの教育が重要であるとし、学校においても健康の保持、増進、また疾病の予防といった観点から、がんの予防も含めた健康教育に取り組んできたが、がんそのものや、がん患者に対する理解を深める教育は不十分であることから、がんの教育総合支援事業が、全国21地域、70校でのモデル事業として実施された。その中で、副次的効果として、がん教育を受けた子どもの約半数が親に検診を受けるよう勧めたという調査結果もあり、がん教育ががん検診促進の決め手となり得るといった評価もあると伺っている。

今後の全国展開に向けて、文部科学省は、小中高生を対象に、がんを正しく知り、理解を深めるがん教育について、事業の進め方などを示した指導案を完成。文科省ホームページからは、動画を使ったクイズ方式の教材も活用できるようになっている。

また、平成28年7月には、がん教育推進のための教材、外部講師を用いた「がん教育ガイドライン」を示すなど、児童生徒が健康や命の大切さを学び、生活習慣の改善などを考える重要な機会としてのがん教育が全国に展開されようとしている。がん教育の重要性や推進については、これまでにも立川市議会においてさまざまな提案、そして要望があった。

がん教育の今後の全国展開に当たり、現在、立川市教育委員会では、どのような準備段階なのかについて伺う。

また、あわせて、これまでの立川市教育委員会におけるがん教育に対する取り組みについてお伺いいたします。

 

◎教育長(小町邦彦君)


がん教育についてであります。
健康教育の一環として、がんについての正しい理解と、がん患者や家族などのがんと向き合う人々に対する共感的な理解を深めることは重要であるというふうに捉えております。
現在、小学校では、第6学年の体育科、保健領域の「病気の予防」の単元で、喫煙の害として肺がんを取り上げております。また、中学校では、第3学年の保健体育科において、「生活習慣病とその予防」の単元で、日本人の三大死因であるがんを取り上げ、がんを防ぐための生活習慣について学習しております。
今後につきましても、自他の健康と命の大切さについて主体的に考えることができるように、学校、家庭はもとより、医療機関等含めまして、連携した健康教育の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 

◆13番(山本みちよ君)


がん対策推進基本条例を制定している日野市では、平成27年度には、がん教育教材作成委員会を設置し、私立病院の医者、中学校の校長、保健体育科の教員、養護教員の代表者をメンバーとして、日野市独自の市内中学校で活用できるがん教育の教材、指導案の先進的な取り組みを進めている。

また、鴻巣で行われました、がんの研究授業では、6年生の担任とがん経験者の方が担当し、がんの正しい知識について学び、続いて身近な人ががんになった時に自分に何ができるかといったグループ交換会、その後に、全体で発表し、最後に自分の言葉でまとめるといった流れの授業を行った。その授業を通して一人一人の子どもたちが、心の奥に持つ優しさ、そうしたものが引き出され、とても感動的なすばらしい命の授業になったとのこと。

がん教育イコールがんの知識教育といった面だけではなく、この「命を育む」といった、まさに自分の命も大事、他人の命も大事といった人間教育の根幹をも学べる授業となり得ると考える。

最後に、教育長にお尋ねする。これから立川市として、こうした人間教育の根幹といった視点を持った展開を行っていっていただきたいと思うが、このことについての教育長の見解を伺う。

 

◎教育長(小町邦彦君)


がん教育に関するガイドラインの中でも、がん教育の進め方の基本方針として、講師の専門性が十分に生かされるように工夫することであるとか、学校教育活動全体で健康教育の一環として行うことであるとか、発達段階を踏まえた指導を行う等の基本方針が示されているところでございます。市教育委員会といたしましても、議員御提案の部分を含めまして、先進市の研究もあわせて、子どもたちにまず心の教育と、それから健康教育をどう結びつけていくかということを主たる柱として検討を進めてまいりたいというふうに考えております。