バックナンバー 2012年 2月

〈金沢21世紀美術館〉
個人的にも「ぜひ行ってみたい」楽しみにしていた施設でした。
近年、開館されている美術館は、これまでのように閉塞感ただよう建物の中で、ひたすら道順に従って、もの静かに鑑賞するという形から変わってきています。

たとえば、外観からして透明性を重視するガラスの壁面を採用し、光を取り入れるなど明るさや開放感を演出する試みがされています。また平面的に絵画を鑑賞するスタイルではなく、鑑賞する部屋全体の空間までもが1つのアートとして完成されており、五感で体感する!そんな仕組みが随所に配置されていたり、鑑賞する側も参加する現在進行形のアートなど、様々な試みがなされている、自由で楽しい空間というものです。まさに何度も訪れたくなるような工夫が沢山あって、賑やかな子ども達の声があふれている美術館。金沢21世紀美術館はそんな場所でした。

特に印象に残ったのは、
★入館料がいらないフリースペースがあり、自由に人が集いあえること。
★全学校の子ども達が鑑賞に訪れますが、子ども達はクラスごとの団体鑑賞ではなく、1グループ6~7名に1人のボランティアがついて、マナーを学びながら、自由度の高い鑑賞ができるようにしているとのこと。100名にも及ぶ登録ボランティアの方々が運営を支えているというのも驚きでした。

この美術館を設計した建築家の一人が妹島和世氏であり、2年後に着工予定の「すみだ北斎美術館」の設計者でもあります。観光客の為の美術館ではなく、地域の拠点として、区民はもとより子ども達からも愛される美術館にしていくヒントをいただきました。
歴史はもとより、美しい伝統と文化が息づき、戦前より共助の意識が高い人に優しい金沢の街-
保育園の待機児もゼロ!!こんな町に住みたいなあと実感しつつ、我が愛する墨田でも実現したいことがいっぱいの充実の視察でした。

13日の「金沢市教育プラザ富樫」視察の続きです…
★5号館・・・こども総合相談センター
ここではあらゆる育児や発達に対する悩みや相談に、専門スタッフが対応し、総合的な支援を行なっています。このセンターには児童相談所が設置され、年末年始をのぞく、一年中、24時間体制で虐待や育児放棄された子どもたちを受け入れることができます。

金沢市のすごいところは、通常、県で設置している児童相談所を市独自で移管して、運営しているところです。かなり大きな経費を使い、職員の体制も大変なのですが、県という広域より職員の動きも早く、機動的な対応ができているとのこと。市長の英断に拍手です!

教育委員会と子育て、福祉と役所での所管は別でも、そのタテ割り行政をとり払って、事務所は一か所に設置。常に職員が顔を合わせて、連携をとりあうことができる。
金沢市が「子ども条例」で目指している、乳幼児から中学生まで子ども達の健全な育ちを一貫して見守るネットワークが確立していました。マニフェストに掲げた「総合教育センター」のモデル施設として、とても学ぶところの多い視察となりました。

12月に金沢を訪れ、13日に「金沢市教育プラザ富樫」翌14日に「金沢21世紀美術館」を視察してきましたので、リポートします。

〈金沢市教育プラザ富樫〉
NTTの元社員研修所を改修し、1号館~6号館、体育館までそろっている子どもの為の総合施設です。

★1号館&体育館・・・研修相談センター
小・中・高の教職員だけでなく、保育所や幼稚園職員の研修も行なうとともに、不登校や発達障害の教育相談も行なっています。

保育から教育へ続く一貫教育の体制が文字通り整備され、退職されたベテランの先生にる経験を基にした実践的な研修を行うなど、今、問題になっている教職員の質の向上を目指す研修体制もありました。言葉ではよく耳にしますが、着実な実践の場があるということは、すばらしい!の一言です。

★2号館&3号館&調理室・・・地域教育センター
ここでは就学前の子育てに関する相談や実際に親子でふれあえる広場を設置。送り迎えができないお母さんのためのファミリーサポートセンターの機能も有しています。また、地域の皆さんが自由に交流できる研修室が設置されています。

核家族化の中で、ママひとりで子育てに不安を抱えてしまわないように、万全の体制が整っていました。これなら安心です!

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