台湾視察 台湾団結連盟・台湾環境保護連盟との意見交換会

台湾団結連盟
2001年、李登輝を支持する国民党台湾本土派の立法委員(国会議員)が離党して結成。国家アイデンティティや対中関係では民進党と似た「台湾本土・主体性」を強調し、「台湾独立」を主張する中道右派政党と見做されていた。しかし、黄昆輝(3代目 写真中央)が主席になってからは、中道左派へと軸足を移し始めている。台湾環境保護連盟が進める台湾第4原発廃止の国民投票を支援する。

台湾環境保護連盟
1990年代より世界の緑の党と連携し、環境保護、反原発運動を行っている。台湾第4原発の廃止、国民投票の実施を求める署名運動を展開中。

出席者
台湾団結同盟 黄昆輝
台湾環境保護連盟 高成炎(台湾大学教授・工学博士)、徐光容(台湾大学教授)、
寥氏、李秀容氏、

台湾団結同盟 黄昆輝 主席の歓迎挨拶
「日本と台湾は歴史的にも非常に密接な関係にあります。今回の原子力発電にかかわる視察を大いに歓迎いたします。去る、3月11日の東日本大震災は日本に甚大な被害をもたらしました心よりお見舞いを申し上げます。しかしながら日本人の落ち着いた行動、冷静な行動に感心し、敬服しました。日本と台湾の国民は兄弟みたいなものです。台湾国民はそういった思い出できるだけの支援を行ってきました。日本国、被災者の皆さんの復旧復興をお祈りします。
高教授は台湾の原子力発電に関する知識では権威であり、皆さんとの意見交換は意義がある。国民投票をして非核しようと高教授は活動しており、台湾団結連盟もサポートしていく。意見の違いがあることがよいことだ。」とのご挨拶をいただく。

台湾環境保護連盟の高成炎教授からは、「東日本大震災に心からお見舞いを申し上げます。地震発生後5月と7月に日本に行き、仙台、東京、福島を視察した。福島の原発事故は大変大きな問題だ。日本でも原子力発電所の問題を議論してきた。
台湾環境保護連盟は環境問題を20年間取り組んできた。昨日も台湾で地震があった新聞には出ていないが心配だ。今日は地震への対応を聞きたい。」との挨拶があった。
私は、東日本大震災では、台湾の皆さんから世界で一番のご支援をいただいたことに感謝を申し上げ、本日は原子力発電に賛成、反対を乗り越えた意見交換の意義を述べ挨拶の言葉としたうえで、「原子力発電所は安全が大前提である。人間の英知で原子力発電所をコントロールできるのか否か。安全にコントロールできなければ止めるべきだ。安全にコントロールできても再生エネルギーなどの代替エネルギーよりもコストが大きければ止めざるを得ないだろう。日本でも脱原発の議論が高まっているが、タイムスケジュールがないまま、脱原発の言葉だけが大きくなっている。エネルギーセキュリテーの議論が必要である。地球温暖化CO2の問題も私たちに課せられた重要な課題だ。」と原子力発電、エネルギーに関する意見を述べた。

意見交換会の要旨は以下のとおりであります。
台湾:七月から八月まで日本を訪問し、現地の人と話をした。原発被害にあった人が今後どうしていくのか、誰も分からない。将来のエネルギーを考えていくうえで、福島県議会が廃炉の議決の効果はについて。
日本:福島県議会の議決について、法的拘束力はないが、民意としての重みはある。
台湾:県知事はその権限はあるか。
日本:知事は議会の判断、立地地域住民の理解がなければ再稼働はできない。
台湾:柏崎市議会では脱原発の決議をしたか。2007年の中越沖地震の影響からは回復しているのか。使用済み核燃料の処理、原子力を無くしたとして、原子力関連従事者のために政策や補助金を日本政府考えているか。
日本:日本:柏崎では5基が止まっている。自動停止は4基で、1号、5号、6号、7号機が動かせる状態にある。定期検査が1号と7号。2、3、4号機は修復途中。東日本大震災よりも実は中越沖地震の方が揺れは大きかった。
台湾:本当の話か。東日本大震災が最大の地震ではないのか。
日本:地震の大きさ、エネルギーはもちろん東日本大震災が大きいが、実際の揺れは中越沖地震の方が大きい。原子力発電所がなくなった場合の雇用対策は、議論されていない。台湾:我々緑の党は、2007年に世界大会で、台湾と日本の共同で原発の廃止を提言した。ドイツでは、1998年から原子力発電所の閉鎖をはじめた。3.5万人の原子力発電所の従事者が、自然エネルギーに転換することで、雇用が35万人に増えた。
台湾の現状だが、西の方では原子力発電所や廃棄物の場所を建設している。台湾政府は一時借り受けで、核施設を作っておきながら、一旦作ったら使い続けるという詐欺のような事をやっている。日本政府も国民を欺いているのではないか。
日本:柏崎では約7000人が原子力発電所の関係で働いている。即時、廃炉になったら、この人たちの就職口をどうするかという現実の問題がある。柏崎市の年間予算530億円のうち15%が原子力に関する財源である。まちづくりと大きく関連する問題である。
台湾:それは原子力発電所の安全に市がかけている金額か、それとも市に入ってくる金か。
日本:入ってくる金。使用済みの核燃料にも税金をかけている。安全対策は、原子力発電に関する立場は別に国や事業者に強く求めている。
日本:第四原子発電所はどのように考えているか。
台湾:建設に反対であり、国民投票で決めたいと思う。住民投票の提案には、署名は1万6000が必要。新北市自体は住民投票自体を反対している。住民投票が実現しないため、国民投票実現に向けた運動に作戦を切り替えた。
台湾:津波のあとに現地に行った。私は20数日現地にいて、日本国民は苦情を言うことはなく、日本政府も積極的に救出することはなかった。道路、鉄道の修復は早いが被災者へは不十分ではないか。原子力発電所の近くなら、余計、無力感が被災者にでたと思う。チェルノブイリでは5時間後にメルトダウンしたのを明らかにしたのは2、3ヶ月後だった。こういった隠蔽もあるので、日本は原子力はやるべきではない。
日本:国民性もあり、津波や地震は天災だから仕方ないという話が現地にいった感想。国の対応は、民主党が政権をとってリーダーシップがなかった。阪神淡路大震災は即対応したという経緯があるので、政権や政治の問題もあると思う。
日本:国の発表が遅れたのは事実。SPEEDIなどのシステムが活用されなかった。農作物の汚染の問題など事前の予想ができた可能性もある。日本政府の対応は不可思議。日本政府への不信感がでてしまうのは仕方がないと思う。
台湾:代替エネルギーについては考えていないのか。
日本:原子力発電所1基分だと山手線内すべてがソーラーパネルとなる。現実的に代替する費用は26兆円以上といわれるので、それを誰が負担するかが問題。
台湾:柏崎市や新潟県のレベルではどうか。
日本:日本のどこの自治体も代替エネルギーを政策的に掲げている。実際には数%の発電しかないのが事実。
台湾:福島原子力発電所の事故は冷却ができていない。4号機の燃料プール危険ではないか。
日本:燃料プールの冷却についてはまだ模索している状況にあって、今後も真剣に取り組む。
感想
・台湾団結連盟は、李登輝元総統を指導者としているとされているが、現在の黄昆輝主席になり中道左派的なスタンス。台湾環境保護連盟とは台湾環境保護連盟が進めている、第4原発廃止の国民投票の実施を支援する立場。
・東日本大震災に対しての関心は高く、被災地の視察やボランテァ活動も行っている。被災者支援の遅れを憂慮している。特に福島の原発事故による健康や環境への影響、日本政府の対応に不信を持っている。
・中越沖地震の際の柏崎刈羽原発の揺れが、今回の福島第一原発の揺れよりも大きかった情報が伝わっていなく、原発の耐震、安全対策に対する誤認があるようだ。
・福島第一原発4号機の低温冷却に対しても懸念を示すとともに、使用済燃料の処理対しても日本の核燃サイクルは失敗だとの見解を示した。
・再稼働に対しては、安全の確保・確認が大前提であり、法的根拠はないが立地自治体及び地域住民の理解が必要との考え方には共感を示した。
・再生エネルギーに対しては、ドイツを引き合いに出していたが期待感だけが大きい感がある。
・日本の原発反対派の主張と同じであったが、柏崎刈羽原発視察の要望が出るなど安全対策等は共通な認識を持てた。

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