「くらしをみつめる・・・柏桃の輪」主催の講演会「福島第一原子力発電所事故に関わる今後の課題」が開催された。 講師は、京都大学原子炉実験所の山名元教授。

山名教授は、深層防護の研究やその話をしていたが、今回の東日本大震災によって、深層防護が破られた。私自身が嘘を言っていたことになり、悩みながら当地に来たが、原発事故は技術者としては冷静に考えようと思っている。
世論については、日本人の特性なのか、原子力安全神話から原子力危険神話に極端に揺れている。どっちも行き過ぎに感じている・・・と冒頭述べた。

福島原発の安定化は時間を要するとし、後段では、原発が担う計画の電力を火力で1/2、再生エネルギーで1/2を担うとしてもかなりの事業費になる。
2010年基本計画では、12050万kwの再生可能等発電設備の設置に、26.1兆円の投資が必要と計算している。実際には、陸上風力や洋上風力発電の増加による送電線の設置などを含め、さらに倍以上の多大な資金が必要となるとし話た。

安全とコスト、経済活動とコスト、企業や利用者の負担では経済活動に大きな影響が出る。脱原発ならぬ脱日本にならないよう、安全の確保に国は全力を尽くすべき。

山名教授の講演の主な内容は以下のような内容でした。

<重要な課題>
1.福島第一原子力発電所の安定化と長期的な対策
2.美しい福島を必ず取り戻す(国レベルの事業としての環境修復と汚染物対策)
3.原子力災害特有の困難を克服して行う賠償と救済
4.当面の電力不足を乗り切る措置
5.エネルギー戦略と原子力の位置づけ(エネルギー安全保障での脱原子力の現実性を問う)
6.原子力の国際問題対応戦略の見直し
7.実効性のある原子力安全規制へのシフト(技術が生きる安全規制の実現)
8.原子力研究開発の抜本的構造改革(原子力技術開発体制の革新)
9.政府による原子力危機管理能力の抜本強化(原災法の改正)
10.福島第一原子力発電所事故の収束
1)汚染水の循環注水冷却
2)格納容器の破損(高濃度汚染水の建屋への漏洩と蓄積)
3)閉じた循環冷却ラインの確保
4)燃料プールの循環冷却の確保
5)地下水の汚染と漏洩対策(海洋汚染防止)
6)汚染瓦礫の蓄積と汚染土壌
7)建屋の保護と隔離
8)放射線モニタリングの強化
9)作業者の健康管理・作業環境改善(被ばく低減)
10)炉心燃料(デブリ)の措置(長期)
11)使用済燃料の措置(長期)

2.広域のセシウム汚染について(資料クリックしてください)
・チェルノブイリと同じにしないこと
・セシウムの土中への移行・ベラルーシの例
・汚染の程度
・空間占領と居住の目安:山名教授の捉え方
・静岡がんセンター山口総長の資料 
・積極的土壌洗浄
・汚染土壌の処理と処分
 

3.深刻な電力不足
・周波数変換所経由で100万kw、北海道電力から60万kwの電力を融通。
・その他、関西電力・中部電力一部水力発電所の50Hz運転により電力を融通。
・関西方面では、浜岡4号(113.7万kw)、5号(138万kw)の停止を加味すると 、予備力は実質200万kw(2.1%)にまで低下する。

4.原子力とエネルギー計画
・事故後の世界の状況
・原子力フェイズアウトによる発電容量の欠損は、2010年エネルギー基本計画における2030年発電電力量に対し、45年寿命で廃止した場合は31%、45~60年寿命で廃止した場合は26%が不足する。
・原子力発電をフェイズアウトさせた場合、石炭とガスで半分ずつ、ガスと再生可能エネルギーで負担するケースなどが考えられるが、コストは増加する。
・2010年基本計画では、12050万kwの再生可能等発電設備の設置に、26.1兆円の投資が必要と計算している。実際には、陸上風力や洋上風力発電の増加による送電線の設置などを含め、さらに倍以上の多大な資金が必要となる。

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