相模原市議会議員
大崎ひではる

熊本地震視察

未分類 / 2017年2月11日

2017211

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月の1日2日は熊本地震の発生から復旧復興へ向かう熊本県・熊本市を視察しました。

 私たちも、支援金を募り応援させて頂いたり、昨年も発信しましたが、受援だけで無く他市の被害地へ応援する事も出来る施設の必要性を平成24年に一般質問し「相模原市救援物資・集積配送センター」の実現を見たのですが、そこからの迅速な救援物資の発送も行われました。
相模原市も、首都直下型地震、東南海トラフ地震による被害が想定されています。もちろん無いにこしたことはありませんが、備えは絶対に必要です。
そこで、昨年「議会運営委員会」で「防災特別委員会」の設置を提唱し実現しました。

 今回この、防災特別委員会の視察を行ったのですが、その概要をご報告します。

(1)熊本地震による被災の状況とその対応について(熊本県)
昨年4月14日及び16日に発生した震度7を記録した2回の大地震を前震・本震として、その後今日に至るまで、4,200回に及ぶ余震が続く中、やや落ち着いてきており、様々な教訓の整理もついてきた時期と考えられ、視察が実現しました。
熊本県においては、防災企画監よりご説明がありました。
熊本地震対応の教訓として、下記のように説明がありました。
□良好だった点
1 分掌(役割分担)が明確であったこと。
2 オペレーションにおいて、自衛隊方式を導入したこと。
3 初任者用資材を創意工夫して作成し使用したこと。
4 熊本県庁内危機管理転出者復帰制度の存在
5 クロノロジー(時系列記録)作成の徹底
□改善を要する点
1 “災害発生後における行政事務”訓練の実施(特に市町村)
2 プッシュ型物資配送における“リュックセット・パック方式”と“餅まき方式”の提案(国家として拠点備蓄)
3 避難所位置の見直しと各避難所担当住民リーダーによる運営
以上の説明を通し、意識改革、組織改革、システム改革、そして防災教育の重要性が示されました。
今後、車中泊の問題も含め、本市での検討に必要な内容が多く、大変参考になりました。

(2)熊本地震による被災の状況とその対応について、及び
熊本市震災復興計画の概要について(熊本市)
災害発生時においては、基礎自治体である市がその運営を指揮することとなるため、熊本市の対応は大いに参考になりました。
まず最初に、熊本地震の被害状況と復興の展望の説明がありました。
熊本市の沿革から始まり、4月14日の地震の概要、4月16日の地震の概要、避難者・避難所の推移、被害状況、被害額(試算)の説明がありました。
現在1兆6千億円を超える被害が算定されています。
復旧と再生については、学校の再開、水前寺成趣園に水が戻り、白川橋が通行可能になり、健軍商店街の七夕祭りの開催、ロアッソ熊本ホームゲームの開催、第39回火の国まつりの開催と進められてきた経緯をお聞きしました。
また、復興については「熊本市震災復興計画」(10月14日議決)を元に進められているとのことです。
復興計画は、1.計画の位置づけ、2.基本方針、3.復興重点プロジェクト、からなり、特に復興重点プロジェクトにおいては、下記の様になっています。
① 一人ひとりの暮らしを支えるプロジェクト
② 市民の命を守る「熊本市民病院」再生プロジェクト
③ くまもとのシンボル「熊本城」復旧プロジェクト
④ 新たな熊本の経済成長をけん引するプロジェクト
⑤ 震災の記憶を次世代へつなぐプロジェクト
特に熊本市においては、従来、風水害に対する対策に重きを置いていいたため、地震への備えを次世代につなげることの大切さを強調されていました。現に120年前に大地震が発生した記録があったが、忘れられがちな経緯を教訓としたいとの事でありました。
また、避難所運営での反省点として地域が違う避難者が来ても排除しない事、「お互い様」の精神の大事さを強調されていました。
レクチャーの後、熊本城の状況を現地視察させていただきました。
天守閣や、飯田丸五階櫓を始め、石垣の大半は崩れ、構築物も損傷は甚大なものがありました。今後天守閣等は3年計画で、その他も20年計画で復興を図っていくとのことでした。復興のシンボル熊本城の一日も早い復旧を祈らずにはおられません。
本市においても、特に避難所運営において、誰も排除しない「お互い様」「助けられる側から、助ける側へ」の精神で進められることを基本に、計画・啓発を進めることが重要であると感じました。
また、本市は広域防災拠点の位置づけも有り、受援体制・応援態勢の整備も必要とされるところであります。
震災復興のお忙しい中、時間を割いて下さった熊本県・熊本市の職員の皆様に感謝申し上げます。