「琵琶湖の保全再生」について研修
今日は、公明党滋賀県本部の議員研修会が行われた。
研修のメインは「琵琶湖の保全再生」について、公益社団法人滋賀県環境保全協会の仁連孝昭会長からお話を伺った。
琵琶湖をきれいにすると言うが、いわゆる汚濁物質をすべて取り除けば良いのか?
それは違うでしょう。
なぜなら、例えば食物連鎖で考えると、植物性プランクトンを動物性プランクトンは食べるだろうし、植物性プランクトンはリンも必要だろう。魚は動物性プランクトンを食べる。動物性プランクトンいわゆる赤潮といわれる原因物質だが、このプランクトンが減ることで漁獲量も減ることも分かっている。
つまり、琵琶湖の水は真水であっては生物が生息できない。
大事なことは、生物が生息するために必要な物質が適度に含まれた状態が望ましいということだ。
では、様々な物質が適度に含まれた状態とは何か?
これがまだ分かっていない。
当協会の「琵琶湖保全再生施策計画」※の提言書には、具体策として「森林保全」の取り組みを掲げているが、
果たして効果はあるのだろうか。
なぜかというと、森林保全をすれば琵琶湖は昔のように生物が生息するための相応しい環境になるのだろうか?
そのことは検証はされていないのではないか。
100年以上前のことであれば、豊かな森林など存在していなかった可能性が高い。※
少なくとも、昔は山の木は伐採されて燃料に使われていた。そのため全国の多くの山は、はげ山であったとの説がある。これは信憑性が高い。石油など化石燃料のなかった時代、山の樹木は貴重なエネルギー源として使われていただろう。
また、瀬田シジミが生息しなくなったのは、湖床を下げるために底の砂をさらってしまったことが原因のようだ。
このことも、山がはげ山になっていたために、雨によって山の土が琵琶湖に流れでて、砂となって堆積したのだと考えられる。
海岸の砂浜が消滅するのも、山からの土砂が海に流れ込まなくなったことが原因と考えられる。
こうして考えると、環境を守ると言ってもどの様な環境を目標とすべきか分からなくなってくる。
※参考>日本には木が多すぎる『森林飽和』の著者、太田猛彦・東大名誉教授に聞く