杭打ち偽装対策にボーリングデータ公表を
連日新聞紙面のトップに杭打ち偽装についての記事が掲載されている。
どうすればくい打ち偽装をなくすことが出来るのか。
杭の設計長は、代表的なボーリング調査の結果に基づいて決定される。
しかし、あくまで設計であり、施工時には杭支持層に到達しているか確認が必要である。
杭掘削機などが支持層に達した時には、先端にかかる圧力や電流値の変化によって確認することが出来る。
信頼を得るには、これらの記録を確実に記録保管して、マンションであれば購入者に公表して確認出来るようにすることも必要だろう。
今回の事件で、国や自治体などの発注者が、報告されているくい打ちのデータについて調査したところ、幾つもの不正や疑わしいデータが確認されたという。
このことは、発注者が施工業者からの報告書のチェックを出来ていなかったと言っているようなものである。
つまり、発注者は工事が終わり引き渡しを受ける前におこなう工事完了検査が不十分であったことになる。
すべての書類を検査するのは困難であることは分かるが、特に杭に関しては今後確実に行う必要があろう。
また、施工中に支持層までの深さが設計より深くなった場合にはその時点での変更対応が難しくなることもある。
このことから、設計段階で十分な本数のボーリング調査を行っておく必要があるだろう。
参考に下図は建築学会の出している建築面積に対するボーリング本数の目安である。
私は今年の8月議会で、公共事業のボーリング調査結果の公表について質問したが、民間事業についても公表の協力をしてもらうことも良いだろう。
このことで、施工業者に対する信頼性が高まることや、本来の地域の地盤特性を広く活用できるようになるだろう。
こうした、官民土質ボーリングデータ公表の流れに期待をしたい。