第19回自治政策講座では、11月7日~8日にかけて5つの課題に対する講義が開催されました。

 日程の関係で私はそのうちの一つ、「空き家・空き店舗・空地をどうするか」を受講させていただきました。講師は早稲田大学社会科学総合学術院の卯月盛夫教授で、都市計画法とまちづくり条例の肝とも言える市民参画の重要性について講義を拝聴しました。

               

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  都市形成に大きな影響をもたらす法と条例について、1888年に都市計画法が制定されてから129年が経過し、1952年に「町つくり」という言葉が取り上げられるようになってから65年が経過し、現在では各自治体における独自のまちづくり条例の制定が通例となっているなか、この都市計画法とまちづくり条例の大きなギャップが生じていると言われている。それは、『市民主体』であるかどうかと卯月教授は述べられています。

 卯月教授が掲げる「まちづくりの定義」では、まちづくり条例に市民主体の意見がどれほど取り入れられているかが重要であり、それは言い換えれば条例で認められている「市民が提案する権利」を行使しているかどうかということ。

 この市民参加型のまちづくりでは、1,告知権、2,聴聞権、3,質疑権、4,提案権、5,決定権の5つに市民の行動が分類され、4,の提案権に対し行政は専門的な知見を与え、より充実した提案・対案を市民に求めるという支援が重要となる。

 通常、空き家・空き店舗・未利用地は『負の遺産』と言われるが、こうした市民参画の基盤をしっかりと整備をし、ニーズとシーズのマッチング、さらには運営支援をすることによって、市民、地域主体のまちづくりに資する運用が可能となってくるとのこと。

                

 その事業例を幾つか紹介下さいました。

 そのうちの一つ。横浜市の「さくら茶屋」です。横浜市では、『ヨコハマ市民まち普請事業』を新たに立ち上げ、市民主導による地域活性化事業につき、¥500万の補助金を支給することに。

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 これに事業を活用した「さくら茶屋」は、元教員や企業を退職された方々の他、地域ボランティアの方々で構成されており、地元にある閉店した中華料理屋をリメイクした高齢者の憩いの場の提供を主に、地域コミニティーの向上を図るものでした。

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 運営していくうちに、利用者から様々な要望が寄せられ、中には、宿題がなかなかできない小学生や学力が不振な子どもに対し、元教員のボランティアスタッフが「朝塾」を開設するといった市民主体だからこそ出来る柔軟な運営に感銘しました。

                  

 「負の遺産」と言われる空き家・空き店舗などを有効に活用するための多くのヒントを得ることが出来ました。今後も研鑽を深め、大田区の空き家対策に活かしていきたいと考えます。

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