《第2款 総務費》

 総務費に関連して、六郷地域力推進センターを軸とした地域ネットワークの基盤づくりの方向性と、区の防災備蓄材に対する情報共有についてお伺いさせていただきます。

 去る2月2日、多くのご来賓の方々に見守られて、六郷地域力推進センターの開所式が盛大に執り行われました。

 この施設には、六郷特別出張所・さわやかサポート・子ども家庭支援センター六郷が入ることから、地域と行政がしっかり連携し地域住民へのサービス向上や福祉・情報交流など、地域拠点施設として今後の展望に大きく期待が寄せられています。

 一方で、第一京浜国道に面する立地から、大規模自然災害発災時における防災拠点として、又、帰宅困難者への情報提供サイトとしての運営に対しても十分にその機能を発揮できる施設であると思います。六郷地域にとってはまさに城のような建物が完成しましたが、反面、国道に面した場所に『六郷地域力推進センター』の看板が設置されていないため、来所者へのアピールが弱いといったような残念な点が多少ありますが、六郷地域の一住民として今後の同センターの展望に期待をするところであります。

               

 ①はじめに、この六郷地域力推進センター設立の基本コンセプトについて、あらためて区の見解をお聞かせください。

              

⇒理事者答弁『六郷地域力推進センターは、地域課題解決を総合的に図る複合施設として整備いたしました。

 地域振興や防災の拠点としての役割を担うほか、高齢者・子育て支援の施設では高齢者の相談ん、介護予防事業、子育て相談、子どもの一時預かり事業など、さまざまなサービスが提供できます。各施設が情報共有と連携を密にして、迅速かつ的確にサービスを提供することによって、区民の安心安全を確保してまいります。

 また、様々な主体による地域力向上の取り組みを支援いたします。区民同士が連携・協働できるような集会施設の設置により地域活動をサポートするほか、1階の区民ギャラリーなど誰もが立ち寄れる憩いの空間を生かして地域情報なども提供し、区民とともに地域課題の解決を進めてまいりたいと考えております。』

                

 地域の中には様々なコミュニティーが存在します。

 それは、介護の分野であったり、子育ての分野であったり、文化・芸術・仲間づくり・社会奉仕・スポーツ等々、組織だっていなくとも住民の数だけコミュニティーが存在するといっても過言ではないといえるでしょう。それらのコミュニティーの存在には、小さな趣味のグループであれ社会貢献を目指したグループであれ、そのグループが設立に至るまでには様々な目標があったと思います。もし、その目標を共有することができれば、大田区が目指す地域力の向上につながり、自ずと暮しやすい町・災害に強い町が形成されていくものと思います。

 私は昨年末より地元町会の皆さまと一緒に、大田区の事業である「ふれあいパーク」活動のお手伝いをさせて頂いております。週二回の早朝公園清掃のほか、平日の日中は婦人部の皆さんによる花壇の整理、月一回のミーティングなど、少人数ではありますがゆっくりとしたペースで活動をしています。私がこの活動に参加を始めて約3ヶ月が過ぎ、朝の公園清掃を終えた後に皆さんでコーヒーを飲みながらの短時間の談笑や、近隣住民の方々や学校に登校する小学生との朝の挨拶など、小さなことかもしれませんが「これが地域なんだな」と感じる場面が多くなってきました。

 この輪を少しずつ大きくしていけば、例えば高齢者の見守りであったり、地域内企業とのつながり、さらに教育機関との連携や防犯への取り組みなど様々な地域コミュニティーが形成されていくのではないかと思うところであります。まさに、こういった展開は「ふれあいパーク事業」における一つの目標であるのではないでしょうか。

 緑に関連して、平成25年3月に提出された『グリーンプランおおた推進会議報告書』には、平成23年から取り組んできた「グリーンプランおおた」に基づく施策を様々な角度から検証し、「おおた未来プラン10年」に掲げる施策の充実への提案がなされております。この報告書の巻末には「今後の検討課題」としていくつかの意見が記載されています。例えば、“地域力をいかした活動(ふれあいパーク、おおた花街道等)における、幅広い団体や企業の参加促進”、“区民同士が容易に助け合うことができる仕組みづくり(コーディネーターの養成等)”などであります。

 

 ②そこで、この度誕生しました六郷地域力推進センターという名称からも、地域内の様々な活動についての情報交流や地域包括と連動したサークル活動の支援など、地域コミュニティーをトータルでマネージメントするような機能を是非望むところでありますが、この点について区の見解をお聞きいたします。

            

⇒理事者答弁『六郷地域力推進センターの地域活動への支援が実行性のあるものとするには、区と区民活動団体およびだんt内同士等さまざまな形の連携を進めていく必要がございます。

 そのためには、交流の機会、場の提供、それを地域力に結びつけるコーディネーターの役割・機能を果たしていくことが重要と考えます。

 今後、センター内各施設の連携を図るとともに、集会室等における活動を有効に結びつけ、連携・協働により地域力推進地区委員会を活性化し、地域課題解決に生かせるように努めてまいります。

 今後とも六郷地域力推進センターが地域住民が気軽に立ち寄り、つながっていけるような支援を進めてまいります。』

              

 大田区では平成21年に、それまでの「わがまち会議」を発展させ、区内18の地区に「地域力推進委員会」を設置いたしました。各推進委員会では、地域の団体や関係機関をメンバーに加え、活発な議論がなされていると伺っています。

 私の地元の六郷地区推進委員会では、平成23年度から防災や福祉などの4つの常任分科会を設置し、委員の発言機会の確保と小回りの利く体制を整えながら地域課題の改善に取り組んでおり、年度末には一年間の活動を『提案書』としてまとめているほか、昨年は『外に出る地域力』と称して、会議室を飛び出して各委員が地域を理解する活動を開始しているとも伺いました。

 しかしながら、こうした積極的な活動を推進しているにも関わらず、一般区民にはその内容がなかなか理解されていないように感じます。そのような中、地域力推進委員会の活動はセンターの設置に伴い、今後ますます注目され求められていくものと思います。

         

 ③そこで、地域力推進委員会がセンターの設置によって今後どのような活動を検討しているのか、また、その活動や取り組みをどのように一般区民へ周知させていくか、さらに、地域が意識を共有し問題解決へ向けてどのように取り組んでいくのか、それぞれについて区の見解をお伺いします。

          

⇒理事者答弁『地域力推進地区委員会は、各地区の自治会・町会、関係機関・団体による地域課題解決のための主要な話し合いの場となっており、地域力推進センター機能の重要な要でございます。

 加えて今後、地域力推進センターの関係機関や地域の諸団体が地域力推進地区委員会と連携を強化することによって、新しいアイデアも生まれ、地域課題解決がより早く円滑に進むものと期待されます。

 また、この地区委員会がより機能するためには、多くの地域住民の地域課題に対する理解、協力が必要です。そのための周知については、地域情報紙や出張所のいHPを活用することに加え、地域の会合などを利用して随時、地区委員会の取り組みを紹介し、地域住民全体で地域課題を解決する気運を盛り上げてまいりたいと存じます。』

                

 今定例会の開会挨拶で松原区長は、大田区の自治会・町会の高い加入率を挙げられた上で、『行政が本来持っている力と、区民のみなさんや地域団体等とが持っている力とを連携・協働して、大田区の地域力を作り上げていくという意識を高め、具体的な課題の解決を進めることができつつある』と述べられていますように、正しくその拠点として、地域の城として、この六郷地域力推進センターが大いに稼働していくことを願い次の質問に移ります。

               

 次に、区の防災備蓄材に対する情報共有について質問をさせていただきます。

 議会や委員会において、近年の集中豪雨対策として土のうの有効性について数々の質問がなされてきました。

 議会では平成24年第4回定例会において深川議員が、又、平成25年10月の決算特別委員会では玉川議員が質問に取り上げております。特に、昨年7月の集中豪雨で浸水被害を受けた上池台地区では、自治会・調布まちなみ維持課・特別出張所が連携をして、水災対策に取り組んでいるとお聞きしました。この上池台地区では、新たな被害に備えるために都市計画道路区画内に土のうを常時集積し、必要なときに地域住民が持ち出せるようになっていますが、他の区内地域においては、区民からの要望を受け委託業者が配布する仕組みになっていると思います。

 大田区地域防災計画【資料編】では、水防・震災対策資器材の現状として、第1支隊から第4支隊の4隊で、つまり大田区全体で土のうの合計が980袋と記載されております。区内における上下水道の整備に伴い、集中豪雨を受けても床下・床上浸水の被害が少なくなってきたとはいえ、半地下の構造を持つ住宅や地下駐車場などの件数から察しても、この980袋という数字は必ずしも十分とは思えません。

                

 ④このような備蓄状況を前提として、集中豪雨に対してまず、区民が取るべき自助・共助の行動について、本区(防災課)が進める方針をお伺いいたします。

              

⇒理事者答弁『近年、ゲリラ豪雨をはじめとする集中豪雨が多発しており、区民の皆様には普段から家屋の浸水などへの備えに留意していただく必要があると考えております。

 区民が取るべき行動について、区としてすすめる方針ですが、まず、自助・共助として、家屋の特徴や地域の地形等を知った上で、ハザードマップによりどのような災害が想定されているかを正しく認識していただくことが大切です。

 次に、防災チェックブックなどで水災に備えるべき実践的行動の周知啓発を図ってまいります。

 その上で、自治会・町会の皆さまにも水防工法の訓練への参加を推進いたします。

 さらに、雪谷地区など、実際に水害の起こる地域には、梅雨や台風シーズンには、土嚢の準備や簡易水防工法を訓練に取り入れるよう啓発いたします。

 区では、昨年の7月23日の上池台地区の集中豪雨を踏まえ、都下水道へ下水処理拡充の申し入れを行ったほか、浸水家屋で使用する水中ポンプの導入を検討しております。

 今後、区民の水害に備えた自助・共助の行動をさらに支援していくために、各自治会・町会の皆様が災害を意識し、水害時の行動が実践できるよう、積極的な情報提供と水防訓練を合わせて進めてまいりたいと考えております。』

                  

 先日、品川区の荏原町駅周辺に伺ったとき、遊歩道や公園敷地内にうず高く積まれた土のうを目にして大変に驚きました。

 早速、この土のう置き場について品川区防災課にお尋ねさせていただいたところ、品川区では区内48ケ所の置き場に概ね100~300袋の土のうを集積していて、区民が必要と思われるときに自由に持ち出せるようになっているとのことでした。この管理は道路課が行っていて、定期巡回の際に点検して補充などを行っているそうです。この情報は、品川区のホームページにも公開されており、置き場の住所・目標となる建物名称・集積個数のリストとともに、その位置がマークされた地図がリンクされていました。

 品川区防災課に、この置き場を設定した背景について確認させていただいたところ、過去の水害情報や地形などを検討し設定したとのことでした。そこで、品川区の浸水ハザードマップを見てみると、過去の浸水実績や浸水時の水の深さなどが表記されている地域に、48ケ所の土のう置き場の多くが設定されていることが見て取れ、品川区と地域住民の災害に対する自助・共助・公助の取り組みは、本区においても大いに検討していくべきであると感じました。

 

 ⑤そこで、大田区でも前段に申し上げた住宅事情や過去の浸水被害の実績なども鑑み、又、各町会・自治会へのニーズ調査を行ったうえで、区内の公園などへの土のう置き場設置を検討してはどうかと考えますが、区の見解をお伺いいたします。

                

⇒理事者答弁『従来から、台風等の水害が予想される場合には、区民から要望をいただき、まちなみ維持課にて、土のうを配布してきたところです。H25年度は約2,600袋を配布いたしました。

 上池台地区のように比較的広範囲に道路冠水が予想される場合には、現地備蓄が効果的なことは言うまでもありませんが、一般的に高齢者を含む区民の方が公園などの備蓄場所から個人宅へ土のうを運搬することは、重量と運搬手段の点で課題があります。

 当面、ご要望のあった場合に区が配布する方法は、継続していきたいと考えておりますが、様々な条件を考慮した場合に、公園等の備蓄が効果的と判断できる場合もありますので、今後、十分に精査していきたいと考えております。』

                  

 ここまで、品川区の土のう置き場を例に挙げて、公助における防災器材の情報整理・公開の役割について述べさせて頂きました。

 大田区においても、区内の防災器材の情報については『わがまち防災マップ』として各町会ごとに公開されております。しかし、昨年の第3回定例会において防火水槽の設置数や場所を例に挙げて私から質問させていただいたように、その時点において運用にはまだ多少の課題が残るものでありました。

 地域住民の自助・共助を支援するために、より正確な情報の整理と公開は必要不可欠であり、それを可能とするためにも地理情報システム・GISを活用した防災対策の構築を訴えさせていただきました。

 

⑥平成26年度 予算の概要には、総合防災力強化事業として「わがまち防災ネットシステムの導入」として518万の予算が計上されていますが、このシステムの導入によって今までの課題がどのように向上するのか、まず、平時における活用についてお聞かせください。

            

⇒理事者答弁『わがまち防災ネットシステムは、地図情報システムGISを活用し、街頭消火器や消火栓、避難所等の防災資源情報を地図上に表記するなどして防災上活用するもので、インターネットを通じて広く公開する予定です。

 平時における活用についてですが、昨年、「自助」「共助」の取り組みの重要性をご理解いただくための取り組みとして自治会・町会に配布しました「わがまち防災マップ」では、現状と地図の標記が一致していないという欠点について、田村委員からもご指摘をいただきました。

 このシステムを導入することにより、その点の改善を図り、防災資源の位置などに相違がある場合に、防災課でデータを修正し、正しい情報が反映できるようになります。

 また、様々な防災資源情報の中から区民が利用目的にあった情報だけを抽出し地図を作成、印刷することも可能となるよう検討しております。

 これにより、「地域防災力向上まちなか点検事業」をはじめ自治会・町会での防災活動にも活かされるものと考えております。

 さらに、自宅のパソコン、スマートフォンやタブレット端末での活用もできることから、いつでも、どこでも容易に防災情報に触れる機会を提供でき、若い世代を含め、幅広い区民への防災意識の普及が可能となると考えております。』

            

 ありがとうございます。

⑦では次に、このシステムの災害発災時における活用についてお聞かせください。

            

⇒理事者答弁『区内で発生した火災や倒壊家屋等の被災状況を、職員がスマートフォンやタブレット端末で投影し、災対本部に送信することにより、被災現場がどのような状況になっているかを映像で把握することができる仕組みづくりを考えております。

 これにより、災対本部での災害対策方針の迅速な決定につなげることができ、災害時に区民の生命を守る態勢作りに役立ててまいります。

 また、開設された学校防災活動拠点となる避難所や一時滞在施設への案内や、支援物資の配給情報なども提供できるようにすることで、学校防災活動拠点と特別出張所や本部とをつなぐ情報ツールとして活用することも検討しております。』

              

 ありがとうございます。

 昨年、地図情報システム・GISを活用した災害対策や「わがまち防災マップ」の機能向上を訴えさせていただきましたが、これに対して、ただいまご答弁頂きましたように直ぐに検討を開始し、対応を進めてくださった区の姿勢に深く感謝いたします。

 おおた未来プラン10年(後期)のトピックスの第一に『東日本大震災と新たな被害想定を踏まえ、総合防災力を強化します』とありますように、本区おいてはさらなる地域力の充実・防災対策の拡充の推進を要望させていただき質問を終わります。

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