大田区議会議員  玉川 ひでとし (公明党)

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平成30年 第1回定例会 一般質問①

交流 勝海舟 国際都市 地域振興 地域行事 大田区議会 政策 教育 施設調査 現場調査 環境 観光振興 議会 / 2018年2月23日

1.洗足池について

本年2018年は、明治維新150年ということで、NHK大河ドラマでは、「西郷隆盛」を描いた「西郷どん」の放送が始まり、すでに第七話まで話が進みました。

わたしも録画予約をして、毎週楽しみに見ております。

この「西郷隆盛」に大きな影響を与えた人物として外せないのが「勝海舟」であり、本区では、全国初となる(仮称)勝海舟記念館の整備に向け、周辺の環境整備が進んでおります。

洗足池公園内のバリアフリー化やベンチの設置をはじめ、平成29年度は大森第六中学校の擁壁の改修や道路の拡幅が行われ、今後は旧管理事務所を公園利用者の休憩所として整備する計画もあります。

洗足池

ご存知の通り、洗足池は「勝海舟」がその畔に別邸を構えるほど愛したという魅力のある景勝地であり、本年、生誕135年を迎える版画家の「川瀬巴水」もこの「千束池」の風景を描いており、さまざまな整備により、地域の名所としての魅力がさらに増していくことになり、大変感謝しております。

さて、この洗足池を囲った形となる「洗足池公園」ですが、

洗足池案内図

早朝はラジオ体操で多くの人が集まり、朝からランニングや散歩をする人たちが訪れ、読書をしたり、ランチをしたり。

週末は洗足池のグラウンドで少年野球チームの子どもたちの元気なかけ声が飛び交います。

先日の日曜日も地域の小学生を対象とした洗足池マラソンが第30回として開催され、500名近くの子どもたちが参加され、にぎやかな1日となりました。

洗足池マラソン大会

春は満開の桜で花見の名所となり、ゴールデンウィークには「ガーデンパーティ」、5月には池月橋で「春宵の響」が開催され、夏は「灯籠流し」、「ほたるの夕べ」、秋はお祭りでにぎわい、紅葉が終わり冬を迎え、梅の花が咲き始め、野鳥の撮影が盛んな季節となります。

樹木の葉が無くなり、野鳥の姿が見つけやすくなるからだそうです。

現在、洗足池駅前、中原通り沿いにある洗足風致協会事務所のテラスでは、「野鳥写真展」として地元住民の野鳥愛好家の方が長年にわたって公園内で撮影されてきた野鳥の写真の数々が展示されています。

野鳥写真展 洗足池公園の野鳥

確認された野鳥は94種類にもなり、洗足池には、さまざまな野鳥が訪れています。

その中で一番の人気の野鳥は、「水辺の青い宝石」と呼ばれる「カワセミ」であります。

カワセミ

まさにいまこの時期には、洗足池公園の水生植物園に野鳥愛好家の方たちが集まり、三脚を立てて望遠レンズの付いたカメラを構え、カワセミが現れるのを待っています。

水生植物園野鳥愛好家

カワセミが現れると水辺の木の枝にとまり、エサとなる池の中の小魚を探します。

小魚をみつけると、ホバーリングから、水面に向かってダイブして、池の中の小魚をキャッチし、口にくわえたまま、また木の枝に戻ります。


そのダイビングするときの姿、美しい青色に輝く体が水面に映えるシーンを撮影しようと、多くの野鳥愛好家が集まるわけです。

kawasemi

Photo by Kazuyuki Watanabe

Photo by Kazuyuki Watanabe

Photo by Kazuyuki Watanabe

そこに集まる方たちから多く耳にするのが、「野鳥の姿が年々減ってきている」との声であります。

さらに「野鳥のエサとなる小魚などがいなくなっているのが原因ではないか」との声も聞きます。そこでお伺いしますが、

(質問①1-1)

このような洗足池の自然環境の変化を本区はどのように認識していますでしょうか。お聞かせください。


<回答①1-1:環境整備部長>

区内の貴重な自然環境を保全し、その変化を把握していくことは重要であると認識しております。

区は毎年、区の主要なポイントの水質を調査し、3年に1度、水生生物調査において、定期的に鳥類や魚類等の確認を行っております。

洗足池については、年間を通じて水質の大きな変化はなく、平成25年度から 28年度にかけて、野鳥全体の確認数が若干増えておりました。

また、洗足池は区の自然観察路「池のみち」のコースの一部となっており、 今年度はNPOや区民の皆様とともに洗足池の生物調査を行いました。

調査結果は、来年度以降に区ホームページにも掲載してまいります。

今後もこれらの調査を継続し、自然環境の変化の把握に努めてまいります。

 

カワセミは、きれいな水辺を好んで生息する鳥なので、カワセミの姿があるかないかが一つの環境のバロメーターにもなるようです。

カワセミは野鳥なので、鳥獣保護法により飼育することはできませんが、壁などに巣穴を掘って、そこに棲みつくようです。

かつては巣穴にヘビが現れてカワセミのヒナが食べられてしまうことがあり、その巣穴を保護する柵を本区で設置したことがあるようですが、

(質問②1-2)

現在のカワセミの保護対策の状況についてお聞かせください。


<回答②1-2:都市基盤整備部長>

洗足池は、平成元年度に東京都から大田区に移管される頃までは、市街化の進展や下水道の普及に伴う池への流入水の減少、それに伴うアオコの発生などにより水環境が悪化し、生物の少ない池でありました。

そこで、平成3年に区で池の浄化施設を整備し、継続的に池の浄化対策や池への流入水を増やす取り組みを進めてまいりました。

その結果、水質等の水環境は改善され、その結果、多くの野鳥が集うようになりまして、十数年前からは水辺の鳥のシンボルともいえるカワセミが頻繁に見られるようになりました。

議員のお話にありました巣穴の保護対策は、数年前に区民からのご要望を受けて、池東側の水生植物園付近にあった巣穴を守るために、公園管理の一環で行ったものです。

区といたしましては、洗足池を水辺の野鳥の宝庫として守り育てていくためには、さらなる池周辺の環境改善に取り組んでいく必要があると考えており、そのことがカワセミの保護対策につながると考えています。

そのために、今年度は池の水質や水量などの池全体の水環境を把握するための基礎調査をまず実施しております。

さらに、来年度は野鳥を含めた池の生物詳細調査を予定しているなど、今後の水辺環境改善のための具体策検討に向けた基礎データの収集に努めているところです。

 

野鳥がいなくなってきているのは、エサとなる小魚などがいなくなっているからだとすると、その小魚たちはどうしていなくなってきているのか。

「外来種などによって食べられてしまっているのではないか」といった声も聞きます。

今年の1月3日、正月3時間スペシャルで、「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」といったテレビ番組が放送されたこともあり、「一度、洗足池の水を全部抜いてみて、生態系を回復させたらいいのではないか」との声も多くいただくようになりました。

このテレビ番組は昨年1月からさまざまな自治体が協力して今まで6回放送されており、視聴率も2桁を超え、いまでは多くの地域から応募が寄せられているとのことです。

この「かいぼり」と呼ばれる池の水を抜く大まかな手順は、

排水装置で池の水を下水道や池に接続されている用水に流して、魚や水の生物を動けなくする。

次に、本来その土地に住んでいない外来種の動物や生物を食い荒らす特定外来生物を捕獲・駆除する。

そして数日間、池を干上がらせてヘドロから窒素を排出し、きれいな水を入れて完了

といったものであります。

そこでお伺いしますが、

(質問③1-3)

この池の水を抜く「かいぼり」を洗足池で行う事は、予算的なものではなく、池の構造や技術的なものとして可能なものでしょうか。

また、「かいぼり」を行った場合、どのようなメリット・デメリットが考えられるでしょうか。お聞かせください。


<回答③1-3:都市基盤整備部長>

洗足池は、これまでの公園整備の中で池周囲の護岸や水門の改修整備を進めた結果、池の構造的には一時的に水を抜くことは可能であると考えています。

しかし、洗足池は面積約4ヘクタール、水量約6万立方メートルの規模の大きな池であります。

このため、池の「かいぼり」を実際行うには、その手法を含めて、平成19年度に小池公園で実施した実績を踏まえた更なる構造的な検証や技術的な検討が必要であると考えます。

また、「かいぼり」を行った場合のメリットとしては、池の水質改善効果はもとより、洗足池公園全体の生物環境の改善が期待できること、特にブラックバスやミシシッピアカミミガメなど、池の生態系を乱していると思われる外来種の淘汰によりまして、洗足池本来の生物環境が取り戻せることが考えられます。

そして、デメリットとしましては、池の水の復元に時間を要することによりボートなどの公園機能やイベントへの影響が考えられます。

さらに、水を抜く期間が長かった場合には、周囲の地盤への影響や池内の生物への影響なども想定されます。

 

仮に洗足池で、この「かいぼり」が実現した場合には、多くのボランティアの手が必要になることと思いますが、地元の子どもたちを中心に、多くのボランティアを集めることで、大田区民に洗足池への愛着をさらに深めていくことができると思います。

記念館が建つ、「勝海舟」が愛した洗足池をきれいにすることに関わったということが、将来、大きな誇りになるのではないでしょうか。

このようなロマンを持ちつつも、現実的にできるものなのかどうか、しっかり分析して、見極めていかれることをお願いしておきます。

 

さて、洗足池の自然環境に続いて、周辺の環境について伺ってまいります。

洗足池駅前の中原街道に架かっていた歩道橋が撤去され、早くも1年以上が経過しました。

洗足池駅前

洗足池駅を降りて、中原街道を渡ってスムーズに洗足池に行くことができ、非常に便利になったと感じています。

昨年の花見の時期や、10月9日の池上線開通90周年記念イベントのフリー乗車デーのときなど、歩行者の信号が赤になっても中原街道を渡りきれないぐらいに数多くの人たちが横断歩道を渡る姿を目にいたしました。

しかし、その反面、洗足池の反対側となる商店街や洗足流れの方面へ向かう人たちが、狭い歩道を往来する姿が対照的でした。

洗足池駅 ガード洗足池駅 ガード
改札を出てから一旦、線路の下をくぐって行かなければならず、洗足池駅 洗足流れ側
洗足流れ側の自転車駐輪場のあたりに改札口があれば便利なのにと感じました。洗足池駅 洗足流れ側

現在、東急池上線の池上駅では、駅舎改良や構内踏切の解消などを目的とした駅ビル開発が進められておりますが、

(質問④1-4)

洗足池駅および駅周辺の将来像について、大田区はどのような形を描かれていきますでしょうか。お聞かせください。


<回答④1-4:まちづくり推進部長>

洗足池周辺は、水と緑の豊かな自然環境と(仮称)勝海舟記念館として開館予定の歴史的建造物や歴史的記念碑など、自然と歴史の豊かな地域資源を有するエリアでございます。

区はこの間、洗足池周辺の優れた景観を保全し、さらに景観づくりを推進するために大田区景観計画における「景観形成重点地区」の指定に向けて取り組んでまいりました。

また、「おおた都市づくりビジョン」では、洗足池周辺と馬込、池上を含めた「まいせん」地区のまちの将来像として、「歴史・ 文化・自然の回遊が楽しめる、区民や来街者を惹きつけるまち」としております。

さらにビジョンでは、洗足池駅周辺の今後対応すべき課題として「洗足池駅周辺と洗足池公園の一体的整備」を掲げており、地域特性を踏まえた駅周辺の魅力あるまちづくりが求められています。

駅および周辺の整備は、地域住民や事業者の方々との連携・合意が必要であり、区はビジョンで掲げたまちづくりの方向性を踏まえ、今後、関係者・関係機関と協力し、それぞれの果たすべ き役割に応じて取り組んでまいります。

 

今後、勝海舟の記念館をはじめ、遠方から洗足池を訪れる人たちは、東急池上線やバスを利用して、洗足池駅を下車してアクセスするのは当たり前のことと思いますが、ここだけではなく、洗足池を中心にエリアを広げて、大岡山、北千束、長原、石川台の4つの駅からも洗足池にアクセスさせることを考えてみてはいかがでしょうか。

それぞれ商店街や緩やかな坂道などがあり、洗足池まで歩いて行くことは散歩道としても魅力があるものと感じています。

そこでお伺いいたしますが、

(質問⑤1-5)

それぞれの駅から洗足池へ向かうサイン表示や途中に休憩できるベンチの設置など、検討してみてはいかがでしょうか。

大田区の考えをお聞かせください。


<回答⑤1-5:都市基盤整備部長>

洗足池公園では、(仮称)勝海舟記念館の整備を契機として、新たに観光の観点も含めた、水と緑を生かしたさらなる公園の魅力アップに向けた取組みを進 めています。

そのためにも、議員ご提案のような洗足池公園を中心としたエリアでの回遊性を高めていくためのサイン整備や、散策休憩スポットの整備なども今後の重要な検討課題であると考えています。

サイン整備については、現在、洗足池を含めた桜のプロムナードの散策路サイン整備に向けた取り組みを進めていますが、平成31年に予定している、(仮称)勝海舟記念館の開設を見据えて、周辺駅周辺の観光案内サイン整備などに ついても、今後関係部局と連携した取り組みを進めていく予定です。

また、それぞれの駅からのアクセスルート途中での休憩できるベンチの設置については、既定の水と緑のネットワーク構想を踏まえて、途中にある公園などを活用した設置の可能性について、今後検討してまいります。