決算特別委員会 審査第2日① 福祉費
9/11(木)から大田区議会平成26年第3回定例会が始まっており、9/29(月)より決算特別委員会が始まりました。
審査第3日の10/1(水)の午前、款別質疑「福祉費」におきまして、心のバリアフリーの取り組み、障がい者総合サポートセンターでの情報コーナー、障がい疑似体験の実施展開、シルバー人材サポートセンターでの高齢者の特技活用など質問・提案いたしました。
冒頭では、この夏に話題となったアイス・バケツ・チャレンジと、その感想を述べられた「車椅子ウォーカー」代表の織田友理子さんのブログを紹介いたしました。
以下のとおり質疑の内容を掲載いたします。
※写真クリックで、Youtube動画が見れます!(14分49秒)
この夏、バケツに入った氷水をかぶるというパフォーマンスの動画がインターネット上に多く投稿され話題となりました。
アメリカではじまったアイス・バケツ・チャレンジというもので、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)・ALSの治療薬の開発や研究の費用を支援する運動として世界的に広まったものです。
氷水を頭からかぶる様子を撮影して、その動画をインターネットの交流サイトで公開するか、100ドルをALS支援団体へ寄付する。あるいはその両方を行なうか選択する。
そして、次にやってもらいたい人を3人指名し、指名された人は24時間以内にいずれかの方法を選択するというルールで、この仕組みにより次々と広がっていきました。
日本でもソフトバンクの孫正義会長やiPS細胞研究所の山中伸弥所長が氷水をかぶり大きな広がりを見せました。
しかし、運動が拡大する中でパフォーマンスの奇抜さを競うような動きもあり、この運動に対して売名行為のためで難病支援につながっていないのではないかといった賛否も論じられ、私もチェーンメールと同じような仕組みではないかと違和感があったのですが、ある女性のブログを読んでその考えが変わりました。
バリアフリー情報を専用チャンネルで紹介する「車椅子ウォーカー」の代表であり、全身の筋肉が萎縮していく難病である、「遠位型ミオパチー」患者である、織田友理子さんの8月24日のブログです。
一部、紹介させていただきますが、そこにはこう綴ってありました。
私は違う病気ですが、
このチャレンジを知った時
面白いこと考える人がいるな~☆
すご~い!!!
さすがアメリカ!!!
さすがALS!!!
と大絶賛してしまいました♡
しんみりした感じではなくて
楽しんで協力してくれる。
最高じゃないですか~☆
賛否両論ありますが、
せっかく氷水をかぶったのに
かぶってくれた人に対して
そのこと自体意味がない
みたいな意見には、
少しだけ「んっ?!」と思います。だって、もし
遠位型ミオパチーで
そんなことしてくれたら
毎日毎日泣いちゃうほど嬉しくて
勇気づけられて元気になりますもん。
氷水かぶってくれるだけでも!
病名言ってくれるだけでも!
しかも、ALSだけでなく他の難病も
と付け加えて下さっている方も
いらっしゃいますね^^
難病に一瞬でも思いを馳せてくれている。
はず。
といった内容です。
実際に、このアイス・バケツ・チャレンジで、アメリカのALS協会には、3週間で昨年同期比9倍の約1560万ドル(日本円にして約16億円)、日本ALS協会には2週間で通常の4.5年分に相当する2747万円が集まったとのことです。
実際に寄付金が集まったことはもちろんのこと、この運動を機に、他の難病についても理解が広がるきっかけになったのではないかと思います。
このような障がい、難病というものは、私たちはまだまだ知らないことが多すぎると思いますし、障がいを持っている方は、少しでも理解してもらいたい、知ってもらいたい、といった思いがあるのではないでしょうか。
前置きが長くなりましたが、障がいには、目に見えるものから見えないものなど、さまざまあり、少しでもその困難な状況を知ること、理解することが「心のバリアフリー」の第一歩ではないかと思います。
そこでお伺いいたしますが、
(質問①)
現在、大田区において「心のバリアフリー」に対して、どのような取り組みがされてますでしょうか。 また、今後どのような計画、予定がありますでしょうか。お聞かせください。
(回答①:福祉管理課長)
区は、おおた未来プラン事業に掲げる「ユニバーサルデザインのまちづくり」を推進するため、「大田区ユニバーサルデザインのまちづくり基本方針」を策定し、障がい者団体、区民活動団体、交通事業者などから構成される「おおたユニバーサルデザインのまちづくり区民推進会議」を設置し、施設やまちなみの点検や心のバリアフリーの普及啓発などに取り組んでまいりました。
心のバリアフリーの取組みとして、これまで、小中学校の総合的な学習の時間に、区民団体との協働で、障がいのある方ご本人やご家族による講話、白杖・車いすなどの疑似体験を、行ってまいりました。
平成25年度は、29の小中学校、2,348名の児童・生徒を対象に実施いたしました。また、区職員向けに、入区2年目の職員を対象として、障がい者理解の研修を実施しました。
区民推進会議の中で、区民への理解・啓発をさらに進めるべきとの方向性が示され、「心のバリアフリーハンドブック」を作成、平成26年3月に発行しました。 このハンドブックは、小中学校の総合的な学習の時間に副教材として活用していただくほか、今年度から新たに取り組む「地域向け講習会」においても活用していく予定です。併せて、出張所など窓口での配付も進めております。
このような取組みを通して、区民の障がいのある方への理解を広げ、困っている人には自然と支援の手をさしのべたり、障害者スポーツなど障害のある方の頑張る姿が健常者の励みになるような、互いに支えあえる、人にやさしい地域を築いていきたいと考えております。
最近ではNHK教育テレビの番組で、障がい者が登場してのバラエティ番組や手話講座、パラリンピックなどによる障がい者スポーツ選手など、メディアでも普通に障がい者の姿を目にする機会も多くなってきております。 大田区の福祉施設のお祭やイベントなどで地域の人たちとの交流、障がい者と健常者との交流が行なわれておりますが、
(質問②)
来年出来上がる(仮称)障がい者総合サポートセンターにおいては、イベントはもちろんのことですが、日常的にこのような交流は行なわれていきますでしょうか。
(回答②:障害福祉課長)
3月に開設される障がい者総合サポートセンターは、障害のある人もない人も集える「拠点」として考えております。 委員お話の日常的な交流につきましては、1階の喫茶コーナーにおいて、就労移行支援事業の利用者の訓練や障がい者施設の自主生産品の販売を行う予定でいます。 喫茶コーナーは、どなたでもご利用いただけますので、障がい者の方との日常的な交流ができると考えております。 また、F地域交流支援部門」では、障がい関連の各種講演会やパラリンピツクに向けてのイベント開催などの交流を通して、区民の方だちと障がい当事者の方だちと直接ふれあう機会をつくってまいります。
(質問③)
(仮称)障がい者総合サポートセンターの2F、居住支援部門の中には、障がい関連情報コーナーが設置されますが、それはどのような内容のものになりますでしょうか。 冒頭で取り上げたような、一般的に知られていないような障がいや難病などについて、知ることはできますでしょうか。
(回答③:障害福祉課長)
3月に開設される障がい者総合サポートセンターの2階には、居住支援部門がございます。 二ちらには「障がい関連情報コーナー」を設け、来館者が自由に検索できるパソコンなども配備する予定です。 また、障がいにかかわる書籍も所蔵し、自由に閲覧していただく二とができます。 併せて、障がい者総合サポートセンターのホームページなどでは、障がい関連情報など積極的に発信していきます。 この様な取り組みを通して、障がい者の方への情報保障や、広く区民に対して、障害の理解、啓発を行ってまいります。
障がいへの知識だけでは無く、実際にその困難さを体験することによって、障がいへの理解もさらに深まっていくのではないかと思いますが、
(質問④)
そのような障がい疑似体験をより多くの区民が体験できるように、(仮称)障がい者総合サポートセンターセンターでの実施をはじめ、区内のイベントや防災訓練などで障がい疑似体験のブース出展など、積極的に展開されていってはいかがでしょうか。
(回答④:障害福祉課長)
障がいの疑似体験は、普段特別に意識することなく行っている体の動きや機能が制限された状態を実際に体験することにより、生活の中にあるバリアについて、さまざまな角度から考えてみようとするものです。 障がい者総合サポートセンターにおいても、車いすの試乗をけじめ、疑似体験用具などを活用するほか、障がいのある方、自身からの体験談を伺うなど、様々な機会を作り、広く障がいへの理解を進めてまいります。 また、障がい者総合サポートセンターの近隣にある新井宿福祉園では、大森第三中学校や入新井第二小学校との合同レクレーションなどで、交流を深めています。こうした取組みをモデルとしながら、今後、総合サポートセンターを発信拠点として、理解啓発を進めてまいります。 併せて、区内福祉施設の行事等でも車いすの体験試乗など、障害の理解への取組みを推進し、地域イベント等にも広げていけるよう前向きに検討してまいります。
続きまして、高齢者のお仕事、就業についての質問に移ります。 シルバー人材センターというと、公園清掃、区設掲示板へのポスターの貼付、駐輪場の自転車整備など、高齢者でありながらそれなりに体力を使う仕事のイメージがあります。
(質問⑤)
シルバー人材センターでは、具体的にどのような仕事があるのでしょうか。 お聞かせください。
(回答⑤:元気高齢者対策担当)
シルバー人材センターでは、委員お話のような仕事以外にも、襖障子の張り替え、植木剪定、着物の着付け、料理や裁縫、家事援助など、高齢者の技能や経験、知識を活かした仕事がございます。 平成25年度の仕事の受注件数は、ポスター貼りや自転車整備などの仕事に加えて、技術や経験を活かした多岐にわたる仕事を含めますと19,541件でございます。
(質問⑥)
シルバー人材センターに登録されている人数と男女比率を教えてください。
(回答⑥:元気高齢者対策担当)
シルバー人材センターの平成25年度の会員数は3,067名でございます。男女の比率については、男性62.5%1,918人、女性37.5%1,149人でございます。
(質問⑦)
シルバー人材センターの募集案内など、高齢者に向けての広報はどのように行なわれていますでしょうか。
(回答⑦:元気高齢者対策担当)
募集案内などの広報にっいては、広報誌「いきいき人生」を発行し、老人いこいの家、特別出張所、区民センター、さわやかサポート等に配布しております。 また、バスの中吊り広告による会員募集も実施しております。 さらに、11月から区本庁舎を始め特別出張所に設置されたデジタルサイネージ画面の電子掲示によるテロップの広報を開始する予定です。 区は、引き続き、公益社団法人シルバー人材センターの広報活動に、積極的に協力してまいります。
いまの高齢者の世代では、女性は結婚後に外で仕事をすることなく、主婦をされていた方のほうが多いのではないかと思います。 先ほど、シルバー人材センターの具体的なお仕事として、家事援助というものがありましたが、長年主婦をされてきた女性には、郷土料理や漬物づくりといった若い人には無い料理の技術や裁縫といった特技があるのではないかと思います。 そこでお伺いいたしますが、
(質問⑧)
高齢者の特技を生かした就業支援や活躍できる機会を増やすために大田区はどのようにお考えでしょうかでしょうか。お聞かせください。
(回答⑧:元気高齢者対策担当)
高齢社会が急速に進む中、高齢者の働く楽しみと生きがいを実感する社会をめざし、公益社団法人シルバー人材センターの公益性を生かすことが重要と考えております。 具体的に、高齢者の特技を生かす就業研修等の開催、会員の増加促進、就労の拡大、安全な就労の推進を図ってまいります。 区は、センターとの連携・協働を強化し、元気な高齢者の活躍を支援してまいります。
高齢者特有の特技を生かすことによって、働く楽しみ、友だちづくり、そして、生きがいにつながっていくのではないかと思います。
そのような高齢者の活躍のできる安全な就労の場をさらに拡大されていくことを要望いたしまして、大田区議会公明党、玉川英俊の質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。