3月27日(月)、当初案件及び誓願・陳情を審議するため開催されました、「大阪市会交通水道委員会」に、党大阪市会議員団の岸本栄副委員長(住之江区選出)と辻義隆議員(東住吉区選出)とともに臨ませて頂きました。
私の方からは、議案第44号「大阪市交通事業の設置等に関する条例を廃止する条例案」、議案第45号「大阪市交通政策基金条例案及び」、第46号議案「大阪市市長直轄組織設置条例の一部を改正する条例案」の最終的な委員会での採決にあたり、「交付税措置について(交通局関係)」について、約20分にわたり質疑に立たせて頂きました。
既に、3月28日の大阪市会本会議にて採決され、賛成多数をもって可決成立いたしておりますが、以下、質問項目に沿って、大要次のとおりご報告いたします。
Q1(交付税措置の連絡について)
総務省から交付税措置の継続について電話で回答があったとのことであるが、いつ・誰から連絡があって、誰が受けたのかお聞きする。
A1(交通局 有馬民営化推進室長)
3月22日(水)の午前9時に、総務省公営企業経営室長から私宛てに電話連絡があり、かねてから総務省に対して要望していた地方交付税措置の継続について、「株式会社化プランの内容を前提として、交付税措置を継続する」という回答をいただいた。
Q2(文書回答の必要性について)
市長は9月23日に文書で要望を出されているが、普通であれば有印の公文書であるので、文書回答があって然るべきと思う。
ましてや合計で1,100億円もの金額の件である。
先ほど、自民会派からも質問があったが、当然、政府から文書で回答をもらうべきと考えるが、市長のご認識を伺う。
A2(吉村市長)
回答の形式については、総務省から「文書での回答は予定していない」とお聞きしているが、昨年9月に私の名前で要望書を提出している点から、文書で回答をいただけるよう、改めて総務省に対して依頼する。
Q3(文書回答の時期)
いつまでに文書回答をもらうと考えているのか。
A3(吉村市長)
文書回答を速やかにいただきたい旨を、総務省に対して依頼する。
Q4(交付税措置の継続について)
政府の交付金措置にあたっては、大阪市が株式を100%持つという前提で地方交付税措置が継続されるということであると考える。
仮に、大阪市がなくなって特別区となった場合、交付税措置が継続されなくなるおそれもあると思うが、どのように考えているのか、市長のご見解をお伺いする。
A4(吉村市長)
今回の地方交付税措置の継続の要望は、総務省において、引継ぎに関する「基本方針」や「株式会社化プラン案」、また任期中は株式は売却しないという私の答弁をベースにご検討・ご判断いただいたものであり、特別区になった場合(また、株式を売却した場合)といった仮定の条件における地方交付税措置については、検討・回答をいただいていない。
今後、具体的な案が明確になった場合には、改めて検討・要望をしていくことになると考えている。
Q5(民営化プランとの整合性について)
さきほどの答弁からすると総務省の回答からは、この「株式会社化プラン」を前提に交付税措置は平成54年度まで継続する予定になっていると理解できる。
ならば「株式会社可化プラン」は、交付税措置の継続という点では株式会社化の時点から概ね25年間は大阪市が存続することを想定していることになると思われる。
一方で、市長は特別区への移行を目的に法定協議会の設置に関する議案を上程されているが、「株式会社化プラン」との整合性をどのように考えておられるかお聞きする。
A5(吉村市長)
今回の総務省からの回答は、「株式会社化プランの内容を前提として」ということであり、その前提となった株式会社化プラン案には「100%大阪市出資の株式会社を設立する」とお示ししている。
一方、特別区設置に向けたいわゆる法定協議会の設置については、現時点では設置されていない状態であり、あらゆる事務や財産処分の取扱いについて、具体的に決定したものがない。
仮に、特別区を設置することになった場合は、事務や財産処分の取扱いについて整理が行われることとなり、交付税措置について検討・要望を行っていくことになるものと考えている。
Q6(民営化にかかる市長の決意について)
最後にお尋ねする。
議会において長年にわたり議論を続けてきたバス事業・地下鉄事業の民営化であるが、路面電車の営業開始から110年以上もの長い間、市民が築き上げてきた貴重な財産であり、わが会派としても、これからも事業として維持・発展して、市民の生活や大阪の発展のためにはどうあるべきか、ということを熟考してきた。
昨年の3月市会では、市バスを大阪シティバスへ譲渡するにあたっては、路線・運行回数・運賃などは原則として少なくとも10年は譲渡時の水準を維持することなどを申しあげた。
また昨年9月13日には「地下鉄民営化に関する提案・要望」として「株主である大阪市への配当を将来的にも確保すること」など8項目の提案・要望を行い、それ以降の交通水道委員会や決算特別委員会の場で確認をしてきた。たとえば敬老パス制度については、現在の本人負担3000円を新会社が販売促進費的なものとして負担するという大阪市の考え方も示された。
またわが会派以外からも、数多くの申し入れ・提案・要望があったところであり、それらに対する方向性も示されたところである。
市長におかれては、民営化後の交通事業が、決してサービスダウンになったり、何よりも安全性が低下したりすることのないようにし、議会のこれまでの議論を十分にふまえて、株主としての権限を発揮して、市民・利用者に喜ばれる民営化を目指していただかなければならない。
この際、民営化にあたり、市長のご決意をお伺いする。
A6(吉村市長)
交通事業の引継ぎ・株式会社化については、長きにわたりご議論をいただいている。それは、市民の貴重な財産であり、また、大阪にとって極めて重要な役割を果たしている都市インフラ・公共財である交通事業の将来について、様々な観点から慎重な検討が必要であったからであると考えている。
検討を深めていただくなか、議会からは、安全性の確保・サービス水準の維持・発展が必要不可欠であることを基本として、様々なご提案・お申し入れをいただいてきた。
自民会派からの12項目、公明党からの8項目のほかにも、これまで議会からいただいたご意見を改めて確認し、それらを確実に実行に移すことで、市民生活の向上や大阪の発展にさらに貢献するバス・地下鉄にしていく。
そのために株主としての監理を確実に行っていく。
以上のとおり、質疑を執り行い、採決の結果、最終的にわが会派として原案に賛成し、委員会としても賛成多数をもって可決しました。
4月16日
西 のりひと
3月22日(水)、当初案件及び誓願・陳情を審議するため開催されました、「大阪市会交通水道委員会」に、党大阪市会議員団の岸本栄副委員長(住之江区選出)と辻義隆議員(東住吉区選出)とともに臨ませて頂きました。
私の方からは、議案第44号「大阪市交通事業の設置等に関する条例を廃止する条例案」、議案第45号「大阪市交通政策基金条例案及び」、第46号議案「大阪市市長直轄組織設置条例の一部を改正する条例案」に関わって、「民営化後のグループ会社の考え方について(交通局関係)」、「府域一水道の進め方について(水道局関係)」、「適切な資産管理の推進及び持続可能な料金設定について(水道局関係)」及び、「駅におけるエレベーターの複数ルートの確保について(交通局関係)」の4項目について、約46分にわたり質疑に立たせて頂きました。
以下、質問項目に沿って、大要次のとおりご報告いたします。
【交通政策基金について】
Q1(交通政策基金の活用範囲について)
先日の交通水道委員会では、武委員から市民協働型のコミュニティバスについて質疑されていた。
交通水道委員会では、毎回のようにコミュニティバスの運行要望に関する陳情が寄せられている。
各区で運行していた福祉バスのなかには、乗合バスとして、必要な許認可を得ずに運行していたため、監督官庁の指摘を受けて廃止した例もあるが、正式に乗合バスとして運行すれば、運行委託や停留所の設置に多額の費用がかかるので、現状では各区では対応できないようである。
そこで、各区のコミュニティバスの運行に必要な財源に交通政策基金を活用すれば現状の課題の解決策になるのではないか。
A1(交通局自動車部自動車事業担当課長)
お尋ねの各区のコミュニティバスといった独自の移動手段を必要とする際には、これまでも各区の判断に委ねてきたところである。
一方で、今回設置のための条例案を上程している交通政策基金については、事業引継ぎ後もバス・地下鉄の経営の安定化を図り、安全・快適にご利用いただけるよう、安全対策やサービス改善施策などに関する臨時的、投資的な経費に充当するものと位置付けており、今後、基金を所管することとなる都市交通局において、その目的に沿って要綱等を定めていくこととなる。
Q2(バス運行の積極的な事業展開について)
コミュニティバスを運行する場合、ターミナル駅への接続や、様々な施設へのアクセスの利便性を考えると、一つの区の中で完結する路線よりは、複数区にまたがる路線設定を行う方が利便性が向上し、採算性もよくなると考えられる。
東京の墨田区では、全国的にも有名な東京スカイツリーを起点に、区内の観光スポットや生活施設を結ぶ、区内循環バスを3ルート運行している。
昨年、941万人もの外国人旅行客が大阪を訪れており、今後も増加が予想される海外からのインバウンド需要を取り込むことは、大きなビジネスチャンスであると思う。
民営化後、大阪シティバス㈱は、市バスから引き継いだ路線の維持に専念するだけでなく、積極的な事業展開を図るべきだと考える。
民営化後の大阪シティバスで、観光地を結ぶループバスの運行といったことも考えるべきだと思うが、交通局の考えをお聞きしたい。
A2(交通局 西野企画担当部長)
「バス事業引継ぎ(民営化)プラン(案)」においては、大阪シティバス㈱の経営方針として、
・引継いだ路線・サービスを維持する。
ことは勿論のこと、
・高齢者や外国人観光客の対応のための昼間時間帯の増便
・他バス事業者との共同運行など、市域外への路線拡大
のほか、
・営業所などのスペースを有効活用した物販等、附帯事業の展開
などを掲げ、持続的な自立経営を実現していくこととしている。
路線の維持・拡大また、会社の成長のためには(ご案内のあった東京都墨田区の事例も参考にしながら)年々増加する海外インバウンドのお客さまのほか、地域のお客さまをもターゲットにできる輸送サービスの企画・設計は重要であることから、機会を逸することなく様々なサービス展開により事業が図れるよう十分に研究してまいりたい。
Q3(交通政策基金の使途及び財源について)
それでは、最初に戻って交通政策基金について、市長にお聞きしたい。
先ほどの質疑では、基金の使途については、安全対策やサービス改善施策などに関する臨時的、投資的な経費に充当するということで、今後、基金を所管することとなる都市交通局において、設置目的に沿って要綱等により定めるとのことであった。
基金を設置するなら、その使途についてはもっと明確にしておくべきであると考えるがいかがか。
さらに、この基金は、最初に現在地下鉄が保有している関西電力株式の時価相当額を積み立て、様々なサービス改善などに要する経費に充当し、使い切った時点で終わりなのか。または、新会社の配当などを積み立てるなどにより、継続的に運用するつもりなのか。
使途と財源、この2点について市長のお考えをお聞きしたい。
A3(吉村市長)
基金については、市民生活に必要不可欠である都市インフラとしての交通サービスを維持・向上させ、本市における交通政策の推進を図るため設置するものである。
まず、使途については、先ほど理事者からの答弁にあったとおり、安全対策やサービス改善施策などに関する臨時的、投資的な経費に充当するとしており、地下鉄・バスそれぞれのプラン(案)に「バス事業における施設の設置・改良」「BRT社会実験における準備」といった例を掲げた。
また、財源については、委員からご紹介があったとおり、まずは地下鉄が保有している関西電力株式の時価相当額を高速鉄道事業会計から拠出し、積み立てることとしている。
基金の積み増しのための財源について、現時点では具体に想定しているものはないが、これら基金の使途や財源については、都市交通局の立ち上げ後、より具体的に検討していく過程において、地下鉄・バスのサービス拡充につながるものとなるよう、今後、議会のご意見を十分踏まえながら進めてまいりたい。
Q4(基金残高の考え方について)
先ほどの市長の答弁では、基金の積み増しのための財源について、現時点では、具体に想定しているものはないとのことであった。
それでは、最初に積み立てた額を使いきった段階で、基金の残高がゼロになることも可能性としてあり得るという理解でいいのか、市長に確認したい。
A4(吉村市長)
繰り返しになるが、先ほども答弁させていただいたとおり、交通政策基金の運用開始後の積み増しのための財源について、現時点で想定しているものはないが、都市交通局が所管することとなる大阪市域内のバス・地下鉄に関連する総合的な交通政策は、将来の社会情勢に対応し変化することが求められるものであることから、基金についても同様にその時々に応じてあり方を検討していくこととなると考える。
意見
将来の社会情勢に対応し変化により、基金についても同様にその時々に応じてあり方を検討していくこととなるとのことで、しっかりと議会との議論を踏まえるべきであることを申し添えそえて質問を終わる。
3月25日
西 のりひと
【駅におけるエレベーターの複数ルートの確保について(交通局関係)】
Q4-1(2ルート以上整備されている駅の数)
かつて決算委員会でも質疑させて頂きましたが、「地下鉄駅におけるエレベーターの複数ルートの確保」についてお尋ねする。
エレベーターが1基しかなく地下鉄に乗ろうとしても遠回りしてエレベーターを乗りにいかなければならない場合がある。
現在、地上に上がるエレベーターが2ルート以上整備されている駅はどの程度あるのかお聞きすると、108駅中59駅でしか2ルート以上のエレベーター整備が進んでいないとのことであった。
では、交通局としては今後新しいエレベーターの整備に関してはどのように考えているのかを改めてお聞きする。
(参考)
・ 108駅:交差駅は同一駅としてカウント(心斎橋、四ツ橋は別扱い)
・ 現在、設計および施工開始している駅は整備済みとカウント
・ 地上に改札口がある駅は整備済みとカウント(駒川中野、ポート東、天下茶屋など)
A4-1(交通局 鍋島鉄道バリアフリー企画担当課長)
現在、エレベーターの整備については、すでにワンルートは整備されているものの、既存のエレベーターをご利用いただく場合にエレベーターが駅の端に設置されているなど、ご利用が不便な駅について、一定の基準を満たす駅を対象に経路の改善に取り組んでいる。
現在は、大阪港、弁天町駅など6駅で7基のエレベーター整備の設計や工事を実施している。
エレベーター整備に関しては、これまでは、毎年1~2駅程度を新規の整備として取り組んできたが、委員ご指摘の大阪港駅のように、工事の入札にかけるもののなかなか落札する企業が現れず、工事の開始が遅れるといった事態が発生することが多いことなど課題である。
Q4-2(整備事業のスピードアップについて)
今後は、条件がすべて整った箇所から順次整備を進めていくとのことでありましたが、どのようなスピードで進めていくのかが肝要かと思います。
先ほども申しましたが、私が決算委員会で取り上げたのが平成23年であった。
その際要望した、大阪港駅にも2ルート目のエレベーターの計画があるが、平成25年度から取り掛かって、ようやく昨年工事に着手したところである。
聞くところによれば、工事を入札にかけるものの、なかなか落札に至らず時間がかかったとのことであった。
せっかく計画的に進めて行こうとしてもこのようなことで数年遅れていくようでは困りものである。
今後、民営化すれば、よりスピードアップして整備に取り組むことができるのでしょうか。
A4-2(交通局 大矢鉄道統括部長)
新たなエレベーター整備については、昨年の決算特別委員会でお答えしたように、現在実施している耐震対策工事や津波浸水対策工事といった安全投資が一定完了する平成30年度以降は、投資額を今までの3倍以上と大幅に上積みして取り組んでいく計画である。
また、株式会社化後は公営としての制約がなくなることから、さまざまな契約手法の中から最善な手法を選択することで費用ロスと時間ロスを排除するとともに、発注単位や発注時期などを柔軟に設定することで、着実に工事を進めていく。
このように、株式会社化となることで、よりスピードアップしてエレベーター整備を行うことができると考えている。
要望2
利用者の皆さんにとりましては、大変待ち望まれているわけでありますので、是非ともスピード感をもって、早急な整備を宜しくお願いします。
以上で私からの質問を終わります。
3月18日
西 のりひと
【適切な資産管理の推進及び持続可能な料金設定について(水道局関係)】
Q3-1(浄水施設の資産管理について)
水道法改正に関連して、もう一点、「適切な資産管理の推進」についても確認しておきたい。
今回の法改正では、全国の多くの水道事業体が水需要の減少や水道施設の老朽化等の課題に直面する中で、将来にわたり水道事業を持続可能なものとするために、長期的な観点に立った水道施設の計画的な更新、さらには更新費用を含む水道事業の見通しの作成などといった事項を新たに水道法に明記するとしている。
大阪市においては、明治28年の創設以来、120年以上経過した歴史ある水道事業体であり、また保有する水道施設の規模も大きいといったことから、水道法の改正に先んじて水道施設の適切な資産管理に取り組んできたと思うが、ここで、長期的な視点に立った大阪市の資産管理の状況について、確認しておきたい。
先日の委員会では、水道事業会計に関する水道局長からの予算説明の中で、水道施設整備として浄水施設整備事業や配水管整備事業を推進しているとのことであった。
そこで、これらの事業を進めるにあたり、どのような資産管理の方針を定めているのかをお伺いしたい。
まず初めに、浄水施設からご説明願う。
A3-1(水道局 浄水場再編担当課長)
浄水施設の資産管理にあたっては、長期的な観点から施設整備の規模を確定する必要があり、将来の水需要に見合う施設能力へダウンサイジングすることとしている。
具体的には、大阪市の有する8つの浄水系統のうち、5系統の耐震化を着実に進めつつ、その進捗に合わせて残る3系統を段階的にダウンサイジングすることとしており、現在、庭窪浄水場1系浄水施設及び豊野浄水場浄水施設の耐震化を進めているところである。
そのうえで、土木構造物については、既存施設の鉄筋やコンクリートを採取し、施設の健全性を評価したうえで、適切な維持管理を図りながら、その延命化に努めている。
さらに、耐震化に際しては、既存躯体を活用した耐震補強と全面更新との経済比較を行い、優位な施設整備手法を選択している。
このように延命化を図りつつ、施設の健全性も踏まえて耐震化の整備手法を選択することで、整備費用を削減しつつ、浄水施設の耐震性及び健全性を確保することとしている。
また、機械・電気設備については、過去から定期的な点検整備を行うことで延命化を図ってきた実績などを踏まえて、設備毎に独自に使用可能年数を設定しており、これにより設備の健全性を確保したうえで、更新費用の削減に努めている。
このように、本市では、浄水施設に対して、ダウンサイジングの方針のもと、施設の構造調査等の結果を踏まえて健全性を確保しつつ、費用の削減も図ってきたところであり、今後についても、法改正の趣旨も踏まえ、引き続き、長期的な観点のもと適切に資産管理を進めてまいりたい。
Q3-2(配水管の資産管理について)
ただいまの答弁によると、浄水施設については、水需要とのかい離の解消を図るためダウンサイジングを進めることとし、さらに施設の構造調査等の結果を踏まえて延命化や整備を行うなど、費用の削減も図りながら適切な資産管理に努めてきているとのことであった。
では、続いて、市民への安定給水の確保のため重要な配水管について伺いたい。
水道局によると、大阪市の配水管の総延長は約5,200㎞とのことであり、この長大な施設について、将来にわたり、適切に維持することに加え、着実に耐震化を進めていかなければならないと考える。
そこで、配水管について、どのような資産管理の方針を定めているのか、ご説明願う。
A3-2(水道局 計画課長)
配水管については、当面は昭和30年代を中心に布設された耐震性に劣る鋳鉄管の早期解消を図るべく、管路更新に取り組むこととしている。
鋳鉄管の解消後においては、ダクタイル鋳鉄管が更新対象となるが、その資産管理にあたっては、経理処理で使われる法定耐用年数にとらわれず、管路がどのくらい使用できるかを技術的な検討により定めた、実質的な使用可能年数に基づき更新時期を決定するといった、アセットマネジメントの考え方を導入している。
具体的には、過去の水道管の事故事例から管体の外面腐食に着目し、過去から蓄積してきた約48,000件の土壌データを活用して、大阪市域を腐食が進みやすい土壌と一般土壌に区分した。
続いて、この2つの土壌ごとに、実際に埋設されたトータル約200件の水道管の管体サンプルから、管体が腐食により破損に至るまでどのくらいの年数がかかるかについて統計的に分析することで、実質的な使用可能年数を評価している。
本市では、耐震化の一環で管路更新に取り組む中、このように評価した使用可能年数をもとに、全体事業費の削減を図るとともに、長期的な視点から水道事業全体の収支も見据えたうえで、年間当たりの事業量を平準化することにより、計画的に管路更新を行うこととしている。
管路更新については、段階的にペースアップを図り、現在は、年間で約70㎞の管路を更新しており、大都市平均を上回る更新率となっている。また、管路の耐震管率は、平成27年度末で大都市平均並みの26.2%であり、今後については、経営形態見直しに係る実施プラン案において、約2,200㎞の管路を更新し、平成59年度の耐震管率70%を目指すこととしている。
このように、アセットマネジメントの考え方に基づき、水道管に対しても、約30年先までを見据えた長期的な視点に立った資産管理を行っており、法改正の趣旨も踏まえつつ、今後も着実に管路更新を行い、適切な資産管理を推進してまいりたい。
Q3-3(持続可能な料金設定について)
水道施設の資産管理を推進し、今後、浄水施設の耐震化や管路の更新などが予定されており、管路については、今後30年間で約2,200キロ相当の更新をめざしていくとのことであった。
そこで、この施設整備に対する財源、すなわち、水道料金についてお聞きしするが、今回の水道法改正案によると、水道料金については、もともと「能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし、公正妥当なものであること」という条文が規定されているが、「公正妥当な」の前に「健全な経営を確保できる」という文言が挿入される予定と伺っている。
健全な経営を確保できる水道料金とはどういうことかというと、厚生労働省の専門委員会が昨年11月に公表した報告書には、「将来にわたり水道事業を持続可能なものとするためには、長期的な見通しに基づいて水道料金を設定することが求められる」という記述がある。
ここで、大阪市について言えば、家庭用水道料金は、現在、全国の大都市で比較しても、また、大阪府内43市町村で比較しても、最も安価な水準になっており、それ自体は望ましいことであるが、将来の投資に多額の経費がかかることを踏まえた長期的な見通しのもとに持続可能な料金として設定されたものなのかどうかお伺いする。
A3-3(水道局 経営企画課長)
水道事業は、市民生活に1日も欠かすことのできない極めて重要なインフラであることから、水道局としては、安心・安全で良質な水を安定的に、公正な料金で提供することを、局の使命として認識しており、お示ししている局運営方針にも掲げているところである。
とりわけ、水道料金は、市民生活に密接に関わるものであることから、できるだけ長期にわたり、安定的に維持できることを念頭に、これまでも、料金改定の検討にあたっては、その都度、中長期的な視点から経営計画を策定したうえで、コスト削減を図りつつ、必要な更新投資やサービスが確実に行えるよう、健全経営の確保を前提とした料金水準について、市会でのご議論も踏まえながら、設定を行ってきたものである。
その例として、今般の経営形態見直しにかかる実施プラン案の作成や、平成27年10月に実施した料金体系の見直しに際しても、30年間という長期間について、まず、近年の水需要の減少傾向を踏まえた将来予測に基づき長期的な収入を見込むとともに、支出については、当該期間において一定想定される物件費など必要額を見積もったうえで、人員の見直しなどの経営効率化も織り込んで収支シミュレーションを作成したものであり、2~3年程度の短期間ではなく、長期的な視点を持って検討してきたものである。
したがって、委員ご指摘の持続可能な料金設定については、私どもとしても、常に念頭に置いてきたものであり、今般予定されている水道法改正の趣旨も踏まえ、引き続き、健全経営を確保できる、公正妥当な料金制度が維持されるよう、努めてまいりたい。
要望1
局の答弁にもあったとおり、水道料金は、市民生活に密着したものであり、目先の経営状況だけで料金設定をして、将来、必要な更新投資の経費がまかないきれずに急激な値上げとなるような事態は避けなければならない。
水道事業にとって大事なことは、安全で良質な水を安定的に安い水道料金で提供しつづけることであり、安心・安全のために必要な投資については、長期的な展望に立って、しっかりとこれを経営計画に反映しつつ、経営の効率化については、これまでの歩みを止めることなく取り組むことで、将来にわたって、適正かつ安価な料金水準を維持してもらいたい。
3月17日
西 のりひと
【府域一水道の進め方について】
Q2-1(広域連携の現状について)
次に水道局にお聞きする。
国では回復の兆しを見せ始めた経済成長の恩恵を地方や中小企業に着実に広げていくとして、成長と分配の好循環の実現のための生活密着型インフラ整備を推進している。
また、今、水道が直面する人口減少に伴う水の需要減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題に対応し、水道の運営基盤の強化を図るべく、まさに水道法の改正に向けた調整が進められているとことである。
主な改正点としては、「広域連携の推進」、「適切な資産管理の推進」、「官民連携の推進」、「指定給水装置工事事業者制度の改善」などであり、先月21日の交通水道委員会においても、我が会派の岸本委員が、この「指定給水装置工事事業者制度の改善」について、質疑を行ったところである。
そこで、私からもこの法改正に関連して、水道局に確認しておきたい点がある。
1点目としては、「広域連携の推進」についてであるが、地域の広域化に向けた取り組みをより一層進めるため、都道府県は、国の定める基本方針に基づき、関係市町村及び水道事業者等の同意を得て、水道基盤強化計画を定めることや、広域連携を推進するための協議会を設置できることを規定するなど、都道府県に広域連携の推進役としての責務が追加されるとのことである。
こうした広域連携の取組みについては、法改正の議論に係らず、当然、大阪府域全体としても、様々な取組みを進めてきたと認識するが、まずは、現状の大阪府における広域連携の基本的な考え方について、お聞きしたい。
A2-1(水道局 技術調整・事業開発担当課長)
大阪府における広域連携の考え方は、平成24年3月に府が策定した『大阪府水道整備基本構想』に示されている。
この基本構想は、府全域における地域水道ビジョンとして策定されたもので、目標年次を平成42年度としている。
基本構想では、『大阪市を除く府内市町村は、大阪広域水道企業団から用水供給を受けており、広域的な水道整備を一体となって進める必要がある。一方、大阪市は水源、取水から利用者への末端給水までの全てを自市で賄っており、将来の広域化へのプロセスも異なる』との考え方から、大阪府域を「大阪市」と「大阪市を除く府内市町村」の2つの区域に設定している。
その上で、この基本構想では、水道の広域化による運営基盤の強化を図るため、『府域においては、大阪市を除く全域に大阪広域水道企業団を通じた広域的な水道システムが整備されている』ことから、『大阪広域水道企業団を核とした府域水道の更なる広域化を推進する』とともに、将来的には、『大阪市を含む府域一水道を目指す』ことが、大阪府における広域連携の考え方として示されている。
Q2-2(大阪市が用水供給を行うために必要な手続きについて)
『大阪府水道整備基本構想』の中で、府域の広域連携の考え方として、将来的には、大阪市を含む府域一水道を目指すことが示されており、この基本構想が大阪府により策定されたことから、水道法の改正以前から、水道行政を担う府が大阪府域における広域化の推進役を果たす立場にあると考えられる。
これに対し大阪市も、かつて府域の広域化を進めるため府市統合協議が行われた際には、本市の安い水を市域外に送る案を提示したとのことですが、今でも、近隣都市などには大阪市の安い水を使うことを希望している所もあるのではないかと考える。
ただ、実際にはこうした水送りの議論は進んでいないように思う。
なぜ進まないのかということになるが、大阪市から恒常的に近隣都市へ水を送るには、その手続きを進めるにあたってのハードルが高かったと記憶している。
改めて、どのような手続きが必要となるのかお伺いする。
A2-2(水道局 計画課長)
大阪市からの受水を望まれる近隣都市に恒常的に水を送るには、水道法に基づき、用水供給事業の認可を取得しなければならない。
認可の申請に当たっては、『大阪府広域的水道整備計画』と整合をとるよう、水道法に認可基準として定められている。
この計画は、先ほどの『大阪府水道整備基本構想』を踏まえ、大阪広域水道企業団と受水市町村の広域的かつ調和のとれた施設整備、維持管理及び経営に関する基本方針を定めているものであり、大阪市の用水供給事業を盛り込むためには、当該計画を改定することとなる。
この手続きとしては、まず、受水を望む市町村が大阪府に対して計画改定を要請し、これを受け、大阪府は、府内42市町村と協議し、かつ府議会に諮ることとなる。大阪府と市町村の協議は、厚生労働省からの通達に基づき、市町村の意思を明らかにするため、各市町村に議会の同意を得るよう指導することとなっている。
大阪市による用水供給は大阪広域水道企業団の事業経営に影響すると思われるが、それを構成する府内42市町村との協議を整え、かつ府議会の同意を得ることで、『大阪府広域的水道整備計画』を改定できることになる。これにより、初めて、用水供給事業認可を申請することが可能となる。
Q2-3(現在の「府域一水道」への考え方について)
大阪市外への送水には、そういった手続きとして大阪府や府内42市町村の同意が必要であることは理解できた。
しかしながら、将来のことを考えると、企業団や府などとの関係に十分配慮しつつ、近隣市町村へ大阪市の安い水を送るなど、最終的に、「大阪市を含む府域一水道」を目指す必要があるのではないかと思う。
これまでの府と市による統合協議や企業団との統合を含め、「大阪府域の水道の一元化」は、府内市町村全ての将来目標であると考えるが、この点について、現在の水道局では、「府域一水道」は、どのように実現しようと思っているのか、大阪市の考え方を教えて頂きたい。
A2-3(水道局 経営改革課長)
委員ご指摘のとおり、「府域一水道」の実現は、府内市町村全ての将来目標であり、本市においても同様である。
過去には、大阪府と大阪市の水道事業統合協議、さらに大阪広域水道企業団と大阪市水道局との組織統合協議を行っており、こうした協議は、「府域一水道」に向けた一つのステップであった。
また、運営権制度活用における実施プランでは、これまでの統合協議の経過をふまえると、組織統合による広域化は、自己水源を含む資産の譲渡などが課題となることから、府内各市町村にとってハードルが高いものと考え、運営会社においては、組織統合ではなく、市の保有する取水から給水までのトータルシステムによる事業運営ノウハウを最大限活用し、府内水道事業の「運営」の一元化を目指すこととしている。
具体的には、市が設立した運営会社において、民間経営の自由度を活かし、子会社等と連携して、各市町村のニーズに応じた業務を順次受注していくことにより、将来的に府内水道事業の運営を一元的に担うこととしている。
Q2-4(「運営」の一元化のメリットについて)
ただ今の答弁では、運営権制度のもとで「運営」の一元化をめざすとのことであったが、組織統合による一元化であれば、施設の統廃合や人員削減など、メリットはわかりやすいが、「運営」の一元化に取り組むとした場合には、府域の水道事業体、ここでは運営を委託する各市町村となるが、どのようなメリットがあるのか。
Q2-4(水道局 経営改革課長)
現在、末端給水を担う水道事業者の多くは、技術や事業運営のノウハウの継承が大きな課題となっており、こうしたなかで、今後の施設更新、安定供給に対処する上では、市が培ったトータルシステムの事業運営のノウハウを、より柔軟に活用できるようになることは、大きなメリットであると考えている。
また、「運営」の一元化は、浄水場などの水道資産は各市町村が保有したまま、さらに、水道料金は各市町村が自ら決定することも可能となることなど、実現性の高い取り組みとしてのメリットがあると考えている。
Q2-5(「運営」の一元化と府域一水道について)
組織統合による一元化は、自己水源を含む資産の譲渡など、各市町村にとってハードルが高いことから、これに先立ち、運営権制度の活用のもとで、ひとまず「運営」の一元化に取り組むことは、市町村がそれぞれで料金を決めることもできるということになりますので、確かに各市町村にとっては取り組みやすいかもしれない。
しかしながら、本来、「府域一水道」は、府内同一料金とか、同一のサービスといった点を目指す趣旨であるのにも関わらず、そういった点では、一歩遠のいてしまっているという印象を受けてしまうが、この点は如何か。
また、こうした「運営」の一元化について、市長として、どのように各市町村へ働きかけていくべきと思っているのか、市長のご見解をお伺いする。
A3-5(吉村市長)
私自身は、水道事業の抜本的な改革、そして広域化の議論の原点に、「府域一水道」があると思っており、全ての市民・府民にとってベストな水道を作ることで、安全・低廉な水を安定的に供給することを目指すべきと考えている。
「運営」の一元化は、市のもつ技術による府域への貢献を柔軟かつ円滑に行える、より現実的な手法として考えており、組織統合とはアプローチの違いはあるものの、効率化のフィールドを広げることでは目的は同じであり、「府域一水道」に向けたプロセスであることには変わりがない。
したがって、「運営」の一元化は、組織統合を遠ざけるものではなく、むしろ促進にも資するものと思っており、府内事業体の運営の効率化やサービス水準の平準化を図るなど、「運営」の一元化に向けた取り組みを積み重ねていくことで、将来的には、料金水準の統一や組織統合も含めた「府域一水道」につながるものと考える。
府内市町村は、水需要の減少と技術継承の問題に直面しており、将来にわたり事業持続性を確保していくためには、大阪市のもつ技術・ノウハウは必ず役立つはずであり、需要は確実に存在している。
一方で、運営を一手に担うためには、大阪市としても受け身ではなく、真に求められるものは何かといったニーズの把握に努め、相手方の信頼と理解を得ながら、自ら貢献できることを積極的に働きかける必要がある。
水道局ではすでに、他都市への技術支援、連携で多くの実績をあげており、それらを府内全域に広げ、府内市町村全ての将来目標である「府域一水道」へ向けた取り組みを積極的に進めたいと考えている。
意見3
ただ今の市長のご見解では、水道局の想定している「運営」の一元化は、「府域一水道」に向けたプロセスのひとつであること、また、この積み重ねにより府内のサービス水準の平準化を図り、料金水準の統一に向けた取り組みを進め、「府域一水道」につなげていくこと、さらに、水道局のこれまで取り組んできた技術支援、連携の実績をもとに、府内各市町村に対し積極的に働きかけていくとのことであった。
いずれにしても、大阪市は大規模事業体が果たすべき役割として、府内各市町村のメリットも考えながら、府内各市町村の将来目標である「府域一水道」に向け、可能な取り組みを進めるべきであると思うう。
また、さきほどの局の答弁では、大阪市が周辺都市に水を送るに際しては、大阪府広域的水道整備計画を改定するにあたって、府及び府内全市町村の同意が必要であるとのことであったが、こうした他都市からの受託も含めて、実質的な連携を行おうとする場合には、お互いの協力と理解が必要だと思われる。
一方で、今回の水道法改正案では、広域連携の推進に当たり、都道府県が「水道基盤強化計画」を定めたり、市町村による協議会を設けることができるとされており、広域化に対する府の役割の重要性が増すものと思われる。
これらのことを考え合わせると、広域化の推進に当たっては、関係する自治体全てが自らの役割を認識して、理解と協力の下に主体的に取り組むことが重要であると言える。
大阪市においても、何ができるかを念頭に置きながら、他の市町村としっかり連携を取りつつ、広域連携の強化・充実に努めて頂きたいと思う。
3月16日
西 のりひと
3月8日(月)から13日(火)まで、平成29年度予算案並びに当初案件を審議するため開催されました、「大阪市会交通水道委員会(予算委員会)」に、党大阪市会議員団の岸本栄副委員長(住之江区選出)と辻義隆議員(東住吉区選出)とともに臨ませて頂きました。
委員会審議4日目の3月10日(金)、私の方から、平成29年度予算案及び、議案第44号「大阪市交通事業の設置等に関する条例を廃止する条例案」、議案第45号「大阪市交通政策基金条例案」、第46号議案「大阪市市長直轄組織設置条例の一部を改正する条例案」及び、平成28年議案第106号「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」に関わって、「民営化後のグループ会社の考え方について(交通局関係)」、「府域一水道の進め方について(水道局関係)」、「適切な資産管理の推進及び持続可能な料金設定について(水道局関係)」及び、「駅におけるエレベーターの複数ルートの確保について(交通局関係)」の4項目について、約46分にわたり質疑に立たせて頂きました。
以下、質問項目に沿って、4回に分けて大要次のとおりご報告いたします。
【民営化後のグループ会社の考え方について(交通局関係)】
Q1-1(交通局の外郭団体の現況について)
本市では、これまで、基本的には外郭団体を整理統合する方針で進めてきたのではないかと思うが、交通局においては、「地下鉄事業株式会社化(民営化)プラン」にも掲げているように、不動産・ホテル事業、高齢者・子育て支援事業、健康関連事業などの、新たな事業への積極進出図るうえで、民営化後は、地下鉄新会社も、子会社も含めたグループ経営というものを他の鉄道事業者も行っているように進めていくべきではないかと思っている。
そのうえで、まずは、現在の交通局の外郭団体の現況についてお聞きする。
A1-1(交通局外郭団体担当課長)
現在、当局が所管する外郭団体は、大阪シティバス㈱、㈱大阪メトロサービス、大阪地下街㈱の3団体である。
大阪シティバス㈱は、大阪市交通事業のバス事業に特化した会社として、運転、運行管理、整備を一体とした安全対策、規律遵守の徹底に取り組み、民間バス事業者との競争力を向上させ、本市交通事業の効率的運営に寄与することを目的としている。
主な営業内容は、コスト縮減のための受託事業として、市バス住之江・鶴町・酉島営業所における管理の受委託に関する自動車営業所管理業務、自主事業として、IKEA鶴浜行バス及びUSJ行バス運行、貸切バス事業を行っている。
平成29年1月1日現在の非常勤役員を含む役職員数は、運転手を含め458名である。
㈱大阪メトロサービスは、本市交通事業の地下鉄事業に特化した会社として、安全の確保はもとより、お客さまに利便性の高いサービスを提供するとともに、株式会社として機動性、専門性を発揮し、より効率的な経営に努めることで、地下鉄事業のコスト縮減及び経営基盤の強化に寄与することを目的としている。
主な営業内容は、当局からの受託事業として、地下鉄の一部駅における駅業務、遺失物等取扱業務、定期券等発売業務、自主事業として、ICカード事業、広告代理店事業、保険代理店事業等を行っている。
平成29年1月1日現在の非常勤役員を含む役職員数は、178名である。
大阪地下街㈱は、市内ターミナル地区における地上交通の混雑を緩和し、歩行者の安全を確保するとともに店舗を付設して地域社会の発展に寄与することを目的とした会社である。
主な営業内容は、ホワイティうめだ・コムズガーデン・なんばウォーク・NAMBAなんなん・あべちかの5地下街における店舗の賃貸や宝くじ販売等を行っている。
平成29年1月1日現在の非常勤役員を含む役職員数は、129名である。
Q1-2(交通局所管外郭団体の推移について)
現在、交通局所管の外郭団体は、大阪シティバス㈱、㈱大阪メトロサービス、大阪地下街㈱の3団体でありますが、過去には他にも外郭団体があったように記憶している。
現在まで交通局所管の外郭団体がどのように整理統合されていったのか、またその推移はどうか。
A1-2(交通局外郭団体担当課長)
平成10年3月末現在で、当局所管の外郭団体として、㈶大阪市交通事業振興公社、交通サービス㈱、大阪バス振興㈱、大阪運輸振興㈱、㈶大阪市交通局協力会の5団体が存在していた。
平成10年4月には、大阪バス振興㈱を解散し、交通サービス㈱と大阪運輸振興㈱の2社に統合再編して、外郭団体は4団体となった。
平成18年11月には、㈶大阪市交通局協力会に変わる株式会社として、㈱大阪メトロサービスを設立した。
平成19年4月には、㈶大阪市交通事業振興公社を解散し、交通サービス㈱と大阪運輸振興㈱の2社に再編して、3団体となった。
平成24年4月には、交通サービス㈱を解散し、㈱大阪メトロサービスに統合して、2団体となった。
平成26年4月には、大阪運輸振興㈱の社名を大阪シティバス㈱に変更した。
平成27年6月には、大阪地下街㈱について、建設局から当局へ所管換えを実施して、3団体となった。
Q1-3(外郭団体の整理統合方針について)
外郭団体の整理統合の推移は分かった。
では、交通局としてどのような方針でこれら外郭団体の整理統合を進めてきたのかお聞きする。
A1-3(交通局外郭団体担当課長)
当局が所管する外郭団体のこれまでの整理統合の方針については、
平成10年4月に、受託事業をより効率的に実施できる経営体制を確立し、複数の団体で実施されていた類似業務を整理統合するため、大阪バス振興㈱を解散し、交通サービス㈱と大阪運輸振興㈱の2社へ統合再編
平成18年11月に、大阪市監理団体評価委員会の提言や市政改革基本方針を受け、駅売店事業等の営利事業を行う㈶大阪市交通局協力会は、財団法人という形態よりも株式会社の形態の方が適切であると判断し、同法人を株式会社化することとし、㈱大阪メトロサービスを設立
平成19年4月に、地下鉄関連、バス関連事業のそれぞれ事業別に再編するため、㈶大阪市交通事業振興公社を解散し、地下鉄関連事業は交通サービス㈱、バス関連事業は大阪運輸振興㈱に再編
平成24年4月に、経営の効率化や経営基盤の強化を図るため、同じ地下鉄事業の補完機能を担う外郭団体の重複する業務を整理統合するため、交通サービス㈱を解散し、㈱大阪メトロサービスへ統合により進めてきた。
なお、大阪地下街㈱については、開業後半世紀を経過する地下街施設の大規模リニューアルの資金調達のため経営基盤の強化が必要であったこと、一方、当局地下鉄事業では、地下街などと隣接した大阪の地下を「グランド・リニューアル」することが防災面からも利便性からも重要であることから、当局が中心的な株主として、事業連携を行い、地下空間のさらなる安全・安心、地下のまちづくり、地域経済の活性化に寄与していくため、平成27年6月に、建設局から株式の有償所管換えを実施したものである。
Q1-4(新たなグループ会社の設立の考え方について)
只今の答弁で、これまで、単に外郭団体の数を減らすためだけに統廃合を行ってきたわけではなく、それぞれ意味合いがあって外郭団体を減らしていったという歴史があるということが分かった。
それならば、民営化後は、地下鉄新会社は経営の自由度も高まることから、必要であれば、今よりもグループ会社を増やしていくということもできるのではないか。
地下鉄新会社は、当然、現在の外郭団体を活用しつつ、新たな子会社等グループ会社を設立して、グループ経営をしていくべきであると考えるが、交通局は地下鉄民営化後、グループ経営のための既存の外郭団体の活用、新たなグループ会社の設立についてどのように考えているのかお聞きする。
A1-4(交通局 小川総務部長)
当局所管の外郭団体である大阪シティバス㈱、㈱大阪メトロサービス、大阪地下街㈱については、地下鉄事業民営化時に、本市が地下鉄新会社へ株式を現物出資することとしていることから、地下鉄新会社の子会社となる。
一方、本市においては外郭団体見直しの方針により、外郭団体を新たに設立するには本市総務局との協議及び大阪市外郭団体評価委員会への意見を聴くなど、必要な手続きを踏む必要があることや、外郭団体は本市の行政目的又は施策の達成のために必要最小限のものとされていることから、現在、外郭団体を新たに設立するには高いハードルをクリアしなければならない状況である。
これまで、外郭団体は当局事業のローコスト化のためのアウトソーシングが主な役割であったが、地下鉄事業民営化後のグループ会社は、それに留まらず、専門性や収益性などの観点から、活用しなければならないと考えている。
このようなことを実現していくためには、民営化後には、経営の自由度が高まることから、地下鉄新会社の効率的な事業運営と併せてグループ会社の再編・創設を検討し、これらを活用してグループ全体として、機動的、戦略的経営に臨む必要があると考えている。
Q1-5(民営化後のグループ経営について)
交通局は、大阪市の一組織であり、公営企業として制約もあるなかで、他鉄道事業者が行っているような、子会社も含めたグループ経営による成長戦略というものを描くことができなかったと思う。
しかしながら、民営化後は、引き続き何らかの本市の関与は受けるわけではありますが、民間鉄道事業者として、鉄道事業だけにとらわれない、広域的な事業展開も可能になるのではないかと思っている。
交通局として、民営化後には、どのようなグループ経営をしていきたいと考えているのか、交通局長の思いをお聞きする。
A1-5(交通局 塩谷交通局長)
民営化後のグループ経営を展開するうえで、一番重要なキーワードは成長・発展であると考えている。
今後、新たなグループ会社を設立して事業を展開していく以上は、ローコストオペレーションのための単なるアウトソーシング会社を設立しても意味がなく、鉄道事業のノウハウ、専門性をしっかりと蓄積し、グループ外からも業務を請け負えるような企業にしていかなければならないと考えている。
また、民間鉄道会社のように鉄道事業本体だけでなく、鉄道事業以外の事業も積極的に展開させていくことが、鉄道事業本体も含めグループ全体の成長・発展に繋がるものだと考えている。
例えば、関西の私鉄の中では、不動産事業、歌劇やプロ野球球団などのエンタテイメント・コミュニケーション事業、ホテル事業、旅行事業など鉄道事業以外の事業において、鉄道事業の数倍もの利益を稼ぎ出している事例もある。
また、JR九州では重点戦略の一つに「新たな事業と九州外エリアへの挑戦」を掲げており、新聞報道等によると関西地域においてビルを購入し、マンションに建て替え、周辺を開発する計画を発表するなど、九州だけに留まらず、全国を視野に入れた広域的な事業展開を行っている。
こうした民間鉄道事業者が展開するグループ経営の良い部分を学ぶとともに大阪市という大都市の交通ネットワークの中心的な役割を担う地下鉄、バスを運営する地下鉄新会社の強みを活かし、「大阪から元気を創りつづける」という企業理念に基づき、かつ職員一人ひとりのやる気を引き出すような企業グループとしての成長戦略を打ち出していきたいと考えている。
意見1
只今局長からの答弁をお聞きし、経営の多角化によって新しい大阪の企業グループへと成長する可能性を追求したいとの姿勢は率直に評価したい。
株式会社になるのが目的なのではなく、大阪市民はもとより、ひいては利用者の皆さんのための民営化でなければならないことを申し添えておく。
3月14日
西 のりひと
2月21日(火)午後1時より、第2委員会室にて開催されました、「大阪市会交通水道委員会」に、党大阪市会議員団の辻議員(東住吉区選出)と岸本栄副委員長(住之江区選出)とともに、会派代表として出席させて頂きました。
今回の委員会は、議題として、今市会にて上程されました付託案件、議案第44号「大阪市交通事業の設置等に関する条例を廃止する条例案」、議案第45号「大阪市交通政策基金条例案」及び、議案第46号「大阪市市長直轄組織設置条例の一部を改正する条例案」に加えて陳情書5件の審査について審査を行いました。
付託案件の審査を経て、議案第44号~議案第46号については、いづれも多数となる意見がまとまらず、その日の採決は見送られました。
一方で、陳情第13号、陳情第19号、陳情第20号、陳情第23号及び陳情第24号については、いずれも継続審査となり、議題外については、当会派から、岸本議員が指定給水工事事業者制度について国の動向に触れつつ、本市における実態について質すとともに、指定給水装置工事事業者制度に更新制が必要であるとの主張をいたしました。
私からは、付託案件に関連して質疑をさせて頂きましたので、以下のとおり概略をご報告いたします。
【市営交通事業民営化について】
Q1(条例が廃止された場合の未着手の地下鉄計画路線の条例上の位置付け)
まず「大阪市交通事業の設置等に関する条例を廃止する条例案」についてである。
この、いわゆる廃止条例案は、設置条例自体を廃止する、ということであるが、設置条例には、交通事業の事業計画ということで「高速鉄道事業 計画路線 9路線 153キロメートル」と書かれている。
この中には未着手の計画路線が含まれていると認識しているが、設置条例が廃止された場合、この未着手の計画路線の条例上の位置付けはどうなるのか、又、この未着手の計画路線は、大阪市として将来的に整備すべきものであるということで条例化されているものと認識しているが、交通局が株式会社化された後は、大阪市としてどの部局がどのようにかかわっていくのか。
A1(交通局経営管理部鉄道事業企画担当課長)
「大阪市交通事業の設置等に関する条例」については、大阪市として設置する高速鉄道事業、自動車運送事業及び中量軌道事業の3事業について規定しているものであり、交通局はこの条例に基づき交通事業を営んでいる。
この間の市会における民営化の議論の中で、この設置条例が廃止されると、未着手の地下鉄計画路線の条例上の位置づけがなくなってしまうといった懸念があったことから、「大阪市鉄道ネットワーク審議会」を設置し、「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について諮問し、事業化の方策が審議され、平成26年8月に審議会から答申が出されたものである。
交通局が株式会社化された後については、大阪市域内の地下鉄・バスに関連する総合的な交通政策を推進する都市交通局が、交通局がこれまで担当してきた地下鉄・バスに関する公共交通ネットワークの考え方を引き継ぐとともに、「大阪市鉄道ネットワーク審議会」からの答申を踏まえ、未着手の条例路線が国の次期答申に盛り込まれるよう、新会社と連携しながら取り組んでいくこととしている。
Q2(バス路線の引継ぎについて)
次に、バス事業に関しては、設置条例では、「保有車両1,350両」となっているが、路線については書かれていない。一方で、バス路線については、引継ぎに関する基本方針の中の「引継ぎに際して大阪シティバスに求める事項」において「路線、運行回数、運賃などは原則として少なくとも10年は引継ぎ時の水準を維持する」としている。
これを受け、大阪シティバスとしてバス路線をどのようにしていくのか、また、大阪市としては、どの部局がどのようにかかわっていくのか、改めて確認したい。
A2(交通局民営化推進室自動車事業担当課長)
現在の市バス事業の全てを引継ぐ大阪シティバス㈱は、ひとにやさしい市営交通の精神を承継し、将来に亘り、市民・お客さまに持続的・安定的にバスサービスを提供するという使命を果たしていく。
中でも、独立採算により事業運営を行う事業性のある路線は、増収につながるサービス向上等にも積極的に取り組み、大阪シティバス㈱の経営基盤の強化を図ることで成長につなげていくものである。
一方、民間事業者並みのコストでも採算性の確保が困難であるが、市民生活に必要不可欠な路線である「地域サービス系路線」については、本市が責任を持って補助を行い、維持していくこととしている。
なお、新たに設置する都市交通局と大阪シティバス㈱が「バス運行にかかる協議体」を設け、
・市民、お客さまのニーズの共有
・路線・サービスの維持・向上に向けた協議・調整
を行い、必要な路線の維持とより良いサービス提供を目指し、継続して取り組むこととしている。
いずれにしても、引き継いだ路線・サービスを原則として少なくとも10年維持することはもちろん、本市の補助によって維持する路線と大阪シティバス(株)が事業者として自立経営していく路線を明確にするなど「官と民の役割分担」のもとで、より一層のサービス向上や効率性の追求により、大阪市域全体のバス路線を維持・発展させていく責務を果たしていく。
Q3(関西電力株の時価相当額の決定方法について)
次に、大阪市交通政策基金条例案についてお尋ねする。
基金については、関西電力株の時価相当額を積み立てることとなっているが、先ほど多賀谷委員から、その金額の決定方法について質問があったところである。
これについては、廃止条例案可決後、交通局からの提案内容を確認していきたいと思う。
私が今日確認しておきたいことは、その金額決定後の時価の変動にどう対応するのかという点である。
時価は毎日変動するので、いつかの時点で決めたとしても、その後に下落する可能性があるが、その場合でも差額は補填されるのか、交通局の考えを聞く。
A3(交通局民営化推進室 西野企画担当部長)
今回、ご審議をお願いしている各条例案を可決いただければ、株式会社化に支障のない範囲でのできるだけ直近に、一定期間の平均額をお示しし、ご議論いただきたいと考えている。
基金の金額規模については、
・基金の使途・目的が達成できるか
・株式会社化にあたっての資金処理が適切に行えるか
といったことを考慮し、金額設定後は、時価の上下変動は影響させないようにしてまいりたい。
Q4(デューデリジェンス業務の状況について)
先ほど、新たに設置される都市交通局の業務内容についての質疑があったが、新会社への事業引継ぎに関する実務については引き続き交通局が担うことになると思う。
大阪市としては、事業実態を熟知している交通局が行っていることには異論はないが、新会社に引き継ぐ資産のデューデリジェンスについては、交通局だけではなく第三者の目を通してしっかりと確認していく必要があると考える。
デューデリジェンス業務については、これまでどのように取り組んできたのか、また、平成30年4月に株式会社化するのであれば、平成29年度はどのように業務を進め、いつ頃に引き継ぐ財産が確定するのか。
A4(交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)
地下鉄事業を株式会社化するにあたっては、現物出資する資産について、民間企業会計ベースでの価額査定を行い、財産の内容・数量とその価額を確定する必要があることから、デューデリジェンスを実施している。
具体的には、民間企業会計基準に基づく資産の評価を実施し、固定資産台帳の整備をしているほか、資産の実在性の確認を実施している。
これらの業務は、公募型プロポーザルを経て決定した監査法人に委託して、作業の実施及び価額の精査をしている。したがって、監査法人には、第三者として外部専門家の視点から、客観的に資産の評価や実在性の確認をしていただいているものと認識している。
廃止条例案を可決いただければ、平成29年度は、
・ 平成28年度以降に新たに取得した資産の台帳整備
・ 貯蔵品などの流動性のある資産の確認
・ 普通財産の評価
などを引き続き監査法人に委託し、年内を目途に現物出資財産の整理を行う。
以上をもって私からの質疑を終了いたしました。
2月22日
西 のりひと
12月8日(木)午後1時より、第2委員会室にて開催されました、「大阪市会交通水道委員会」に、党大阪市会議員団の辻議員(東住吉区選出)と岸本栄副委員長(住之江区選出)とともに、会派代表として出席させて頂きました。
今回の委員会は、議題として、陳情書3件の審査に加えて、継続審査となっている、議案第103号「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の引継ぎに関する基本方針の策定について」について審査を行いました。
継続案件の審査を経て、議案第103号については、いづれも多数となる意見がまとまらず、その日の採決は見送られました。
一方で、陳情第106号、陳情第112号、陳情第122号については、いずれも継続審査となり、議題外については、当会派から、辻議員が老朽水道管の更新にあたっての国からの補助金の在り方について、吉村市長を招聘しての質疑を行いました。
私からは、継続審査中の、議案第103号に関連して質疑をさせて頂きましたので、以下のとおり概略をご報告いたします。
【地下鉄民営化プランについて】
Q1(敬老パスの本人負担金について)
我が会派からの地下鉄民営化に関する8項目の要望・提案の内容については、地下鉄民営化プラン(案)【改訂第2版】において、種々反映されていると認識しているが、いくつか気になる点があるので確認させて頂く。
まず、敬老パスについてであるが、民営化プランの17ページの「(2)今後のサービス改革」のところで触れられているが、ここでは、敬老パスの本人負担金年間3,000円について、「民営化後の新会社が対応を検討」とされている。
先日の公営・準公営企業会計決算特別委員会では、わが会派の岸本委員の質問に対し、市長が「3,000円の相当部分においては、新会社が、積極的な意図を持って、例えば販売促進費用のようなもので、会社として負担するということはあると思っている」、「株式会社が負担するという意味において、年間3,000円の負担をなくすことができる」と答弁されていたが、今回のプラン(案)では、「対応を検討」となっており、一歩後退させたような印象を持つ。
そこで、本人負担の年間3,000円については民営化後の新会社が負担し、本人負担を廃止するということでいいのか確認する。
A1(交通局経営管理部経営企画課長)
今回のプラン(案)における「民営化後の新会社が対応を検討」の主旨は、先日の公営・準公営企業会計決算特別委員会に於いて、市長が答弁されたとおり「3,000円の相当部分においては、新会社が、積極的な意図を持って、例えば販売促進費用のようなもので、会社として負担するということはある」そういう意味において、「年間3,000円の負担をなくすことができる」ということであります。
このように、敬老パスの年間3,000円の本人負担については、民営化後の新会社が販売促進的な費用として負担することにより、この負担はなくせるものと考えている。
Q2(配当金について)
次に株式配当金について確認したい。
株式配当金については、収支見通しとして60ページに「毎年、税引後損益の23.81%の配当金を見込む」と記載しているが、この「見込む」とはどういう意味か。
見込んでいるだけでなく、しっかりと確保して頂きたいが、どのように考えているのか確認する。
A2(交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)
配当金については、東京メトロの配当性向を参考にしたものであり、収支見通しの算定条件として「毎年、税引後損益の23.81%の配当金を見込む」と設定している。
私どもとしては、輸送の安全を確保した上で、民営化により経営の自由度が向上し、経営力を強化することで、スピーディなサービス改善や多様な事業展開が可能となるものと考えている。
社会経済情勢の変化などのリスクにも対応しながら、安定的に利益を生み出すことで、最終的にはプラン(案)に掲げる配当性向について23%以上である23.81%を確保していきたいと考えている。
Q3(エンジョイエコカードについて)
次にエンジョイエコカードについて確認したい。
エンジョイエコカードの24時間券化については、先日の公営準公営決算特別委員会において、我が会派の永井委員から、実現に向けて是非とも前向きに取り組んで頂きたいと要望したが、改訂第2版では、「導入に向けた検討」となっている。この点、交通局としてどのように考えているのか確認する。
A3(交通局経営管理部経営企画課長)
当局のエンジョイエコカードを利用開始時点から24時間有効とすることで、利用開始時間からその日の終電時間までという、現状の1日の利用可能時間の長短が解消されるというメリットがある一方、当局において実施する場合は、バスでの対応や相互直通他社での対応が必要となり、そのためのシステム改修の影響範囲が大きく、実施のタイミングを計る必要があるなど、解決すべき課題がある。
こうした課題はあるものの、先行して導入している東京メトロでは概ね好評を得ていると聞いており、引き続き、東京メトロでの発売状況や利用状況を注視するとともに、課題の解決に取り組みながら、実現に向けて検討することとしている。
Q4(安全に対する投資計画について)
次に安全に対する投資計画について確認したい。
安全投資計画の内容について、前回の民営化プランでは、投資計画の表の右端に各項目の詳細な内容が記載されていたが、改訂第2版では、その記載が何故か省略されており、分かりにくくなっている。
安全投資は、経営形態に関わらず取り組むべきものであり、その観点から、投資計画の内容は前回と同様に各項目を詳細に記載すべきであると思うが如何か。
A4(交通局鉄道統括部鉄道技術担当課長)
安全投資は、輸送の安全確保を最優先とする鉄道事業の根幹を成すものであり、民営化後も変わるものではなく、平成30年度からの5年間で約1,070億円を投じ、確実に進めることに変わりはない。
今回の改訂第2版では、安全投資の表の表現については、国への安全投資の報告に沿った項目で整理し、その概要を併記した。
しかしながら、詳細な内容が省略されているとのご指摘を踏まえ、前回の民営化プランと同じように主な工事内容を別枠で記載し、よりわかりやすいものとしたい。
Q5(プラン案の修正について)
以上、民営化プラン(案)改訂第2版で気になった点についてお聞きし、確認したが、それぞれ答弁頂いた内容を、今後、どのように民営化プランを修正して、明記するのか確認する。
A5(交通局 有馬民営化推進室長)
先ほど答弁した
・敬老パスの年間3,000円の本人負担について、民営化後の新会社が販売促進的な費用として負担し、本人負担をなくすこと
・新会社が配当性向23%以上を確保していくこと
・エンジョイエコカードの24時間券化の実現に向けて検討していくこと
・安全関連投資計画の各項目の詳細内容を記載すること
の4点について、基本方針案をご判断いただくにあたり、プラン案の表現を修正する。
※ なお、本案件に関して、陳情第106号にも関係する、「ホームドアの設置」に関して、わが会派の岸本委員から質疑を執り行いました。
12月12日
西 のりひと