こんな事絶対におかしい!
10万円の特別定額給付金の申請で、給付金の支給対象基準日は4月27日だが、5月に入ってから亡くなれた方の息子さんからの訴えだ。
長年自宅で介護をしてこられたが、世帯が別だったために、世帯主に給付される制度となっている同給付金は、亡くなると同時に請求権利が無くなってしまう。しかも自治体から申請書類が送られてきたのは亡くなってから1週間以上後だった。
同様の事例は全国でも数多くあり、厚労省のコールセンターにも多くの問い合わせがあるという。
いくら「そういう制度になっていますから・・・」と説明されても納得出来るものではない。
こうしたご相談は特別定額給付金だけではない。
重度の肺気腫の持病を持つために、自ら申し出て休業された方は、雇用調整助成金の給付対象にはならない。
このコロナ禍の中、7月に出産予定日を迎える方は、家族全員でピリピリした日常を過ごし、ギリギリまで働く予定をしていた仕事も早々に休職したが、子育て世帯への臨時特別給付金の対象にならない。もちろん生まれてくる子どもは特別定額給付金の対象にもならない。
結婚式の披露宴など、ホールスタッフとして派遣されるお仕事をする方は、個人事業主ではないため持続化給付金の対象にならない。
一方で、派遣元に登録されているだけで雇用されている訳ではないので雇用調整助成金や休業支援金の対象にもならない。
他にも、僅か数パーセント減収率が違うだけで対象にならなかった方や、対象業種から外れたために給付が受けられなかった方、そもそもこんな額でどうしょうしようもないと訴えられた方など、数え上げたらきりがない。
こうしたご相談をお聞きして、それぞれに何とか方法は無いものか、国会議員などと連携を取ったり、市独自で支援できないか要望などをしてきたが、こうした議論をする中でいつも出てくるのは、限られた原資の中で何処かで線引きをしなければならないという話だ。
どこで線引きをするのかは難しく、ともすると大きな不公平感が生まれる。
今回、コロナ対策として設けられている制度や特例は、通常では考えられないほど可能な限り対象を広げて拡充されている。
それでもなお、ご相談を頂いた皆さんは、コロナ禍の中でそれぞれに困窮しておられるので、本当にこころ苦しい。
せめてもの救いは、少なくても相談者ご本人には、10万円の特別定額給付金をお届け出来ているという事ぐらいだが、それさえも決して充分なものとは言えない。
もし、これも一律給付できていなかったらと思うと、本当に居たたまれない思いになる。
また、せめてこういう思いをしておられる方がいるという事を広く知って欲しいとも思う。
誤解の無いように申し添えておくが、単純に政府が悪いとか、政策が悪いとか、声高に批判するために言っている訳ではない。
ある意味、無責任な批判だけなら誰にもできるだろうが、将来への負担の在り方も考えた上で、どこで線引きをするかというのは、簡単に結論が出せる話ではない。
その意味で、せめて今出来ることは、こうした状況の中で複雑な思いをされている方がおられる事を知っていただくことであり、その思いを忘れないでいる事ぐらいだろうと思う。
ひとり親家庭の税負担を軽減するための「寡婦控除」は、配偶者と離婚・死別した場合に限定され、未婚のひとり親には適用されていなかったが、公明党の長年の主張によって、昨年の12月に、ようやく、20年度与党税制改正大綱で、年間所得500万円以下であれば、婚姻歴や男女を問わず所得税は20年分から35万円、住民税は21年度分から30万円の所得控除されるようになった。
さらに、今年1月には、未婚のひとり親に、児童扶養手当に一律1万7500円が上乗せされた。
(14年度与党税制改正大綱に、公明党の主張を踏まえ、寡婦控除を未婚のひとり親に適用することが検討事項に盛り込まれ、15年10月には、公営住宅に入居する際に受けられる優遇措置の対象に、未婚のひとり親を追加。18年には、未婚のひとり親を寡婦控除の対象とみなして保育料などを軽減する「みなし適用」も全国一律の制度となった。その上で、18年12月、年収204万円以下などの要件を満たす未婚のひとり親を21年度から住民税非課税にすることで与党合意。さらなる対応についても「20年度税制改正で結論を得る」としていた。)
政治に温かい血液を流すというのは、こうした取り組みのように、思いを忘れない事ではないだろうか。
今の自分に何が出来るのか約束する事もできないので、言い訳のようにも感じるが、敢えて書き残すことぐらいはしておきたいと思う。
最後に、だらだらと長文になりましたが、お読みいただいた事に感謝いたします。本当にありがとうございました。