<調査背景>

 空き家対策は平成22年9月の第3回定例議会で、区議会公明党が議会としてはじめて抜本対策の必要性を提案し、私も平成24年2月に開催された第1回定例議会で条例制定の必要性を改めて提案させていただきました。

 また他会派の議員の方からも同様の指摘・質問が出るようになり、墨田区では今年度から有識者や建築の専門家、弁護士、老朽木造家屋が集積地域の代表、区議会議員の代表からなる「墨田区空き家対策検討委員会」を設置。私も会派の代表として委員となり、今まで4回にわたって現地視察・審議を重ね、条例制定に向けた議論を重ねてきました。

- 墨田区の空き家の現状 -

  • 木造空き家戸数(住宅統計調査)・・・2800戸
  • このうち何らかの空き家対策が必要なもの・・・250棟  

<調査の目的>

  • 今年6月の第2回定例議会で空き家等の適正管理に関する条例が提出される予定
  • 現在区で検討している条例では23区初となる行政代執行についても入れ込む予定
  • 行政代執行については、条例で定めている自治体もあるが、実際、実施した自治体は秋田県の大仙市のみ
  • 代執行に伴う要件・根拠・プロセス、所有者と関係、空き家条例制定後の現状について調査が必要

<視察の内容>

  1. 条例制定の背景・経緯について
  2. 条例の位置づけ
  3. 自治体、市民、地域、所有者などの役割について
  4. 条例の効果について
  5. 空き家等に関する危険排除のフロー図
  6. 空き家管理システム
  7. 空き家対策に関する国土交通省のワーキンググループとしての提案

  参考資料

  • 空き家に関する市民アンケート調査票と集計結果
  • 空き家実態調査票と集計結果
  • 空き家危険度判定調査票(外観用)
  • 建築物の不良判定(建物の内部調査を含めた詳細判定)の運用プロセスと判定報告書
  • 行政代執行までの処理フロー
  • マスコミ記事

活発な質疑応答に対応する進藤総合防災課長(写真右)

<主な質疑応答>

Q1.有者が判明しない空き家に対してはどうするのか?

A1.所有者の行方不明や所有者不明の場合は、地域住民に影響が与えそうな場合のみ緊急対応(該当箇所の囲い込み等)を実施。基本的には所有者が確定するまで徹底調査を行う。

Q2.空き家除去の補助金(最大50万円)を活用した除却=11件で、自主解体=67件なのは何故か?

A2.条例制定時には補助金制度はなかったが、その効果は大きく、除却・解体が大きく進んだ。秋田県では空き家条例を制定自治体では、補助金制度のあるなしに関わらず同じような成果が出ている。あくまで条例制定により除却が進んだと理解している。また補助金の交付には所得・資産などに要件があるため、補助対象外のケースもある。そのため件数に開きが出ていると認識している。

Q3.空き家への立ち入りはどのような権利を有する職員が実施しているのか?

A3.市長が担当職員に立入調査権を付与している。但し建物立入検査の場合は、所有者または所有者の代行(身内等)の立会いが大前提としている。

Q4.行政代執行の判断等については、「市長協議」となっているが、有識者や法律家など入っているのか?

A4.入っていない。市長を中心に関係所管の部課長で協議して決定している。いわゆる第3者評価方式はとっていない。定期的な実態調査(外観の目視チェック)、立入調査、建築士による専門化判断などのプロセスを経て、所有者に助言・勧告・指導、場合によっては公表を行っている。こうしたプロセスの中で管理がされておらず、地域に与える危険性が極めて高い物件について行政代執行の判断を行っている。(現在の実績1件、今後の執行予定が2件)

Q5.空き家台帳を作成する上で、固定資産台帳等の情報が必要な場合、どうしているのか?

A5.固定資産台帳から目的外使用で情報を入手している。東京の場合、固定資産情報については都が保有しているが、空き家対策ワーキンググループの一員でもある足立区は「空き家で危険な物件」について、都から固定資産情報を提供してもらえるように申請していると聞いている。

Q6.空き家管理システムは独自に開発したのか?開発軽費は?その効果は?

A6.税務課の路線価システムを活用して空き家管理システムが出来ないか業者に提案し、発注した。開発費は260万円。このシステムのおかげで約1400件の空き家の管理がスムーズかつ効果的に進んだ(2ヶ月で完了)。写真情報、地図情報もあり、地域を「交えた対策検討会でも役に立った。

Q7.建物に抵当権が設定されている場合、除却はスムーズにいったのか?

A7.今までのケースで土地と建物の所有が別というケースはない。その為、建物に抵当権が設定されていても老朽化した空き家を除却した方がその後の土地活用にも有効なので、抵当権保有者からのクレーム一切ない。

<視察の感想>

 大変、参考になりました。

 特に①所有者立会いのもと、建物の立入調査、②建築士など専門家による不良判断審査(住宅地区化医療法施行規則第1条に基づく)報告書の実施の2点については、その有効性を強く感じました。現在、本区で検討している処理ルーチンの中には所有者立会いの下での立入調査や法に基づく専門家による不良物件の審査判定報告などは入っていません。所有者参加のもと、こうしたプロセスを踏んでいくことは、所有者への意識付けにもつながり、ひいては所有者による空き家の適正管理に誘導できるきっかけになると感じました。

 墨田区の空き家の課題は、大仙市と異なり、

  1. 建物の権利がふくそうしている(借地権や共有権利者など、土地・建物の所有が異なる)
  2. 都市部なので、住宅用途の固定資産税の軽減額が大きく、老朽建築物でも存置される
  3. 建築基準法に抵触する敷地形態のため、建て直しの許可が出ず、更新できない
  4. 所有者に年金暮らしの世帯も多く、除却費用などが捻出できないケースもある

といった特性があります。これらをしっかり踏まえ、墨田区にとってより効果のある条例にしていくために、区だけではなく、国や都にも様々働きかけを行う必要性も感じました。

ネットワーク政党の強みを活かして、しっかり取り組んでいきます。

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