バックナンバー 2012年 5月 31日

 こんにちは。おおこし勝広です。

先週、スカイツリーが開業し、週末を迎えました。

大勢の来訪者で大変混雑し、スカイツリー周辺では様々な課題も出てきたとの報道もありました。

観光が進展する中で、出てくる光と影。

以前よりある程度の問題は想定していたとはいえ、この影の部分をどう改善していくのか、今後の行政区の課題だと思います。

現場の声を吸い上げ、しっかり調査する必要があると感じました。

 

 さて、最近、主に知的障がい者の福祉施設で工賃アップのために、

自発かつ積極的に様々な取り組みを行っているNPO等に伺い、お話を伺っています。

 上記の写真は、栃木県足利市にある指定障害者支援施設こころみ学園です。

 この学園は墨田区の「手をつなぐ親の会」の皆様とも交流があり、

大山会長からも「是非、見学したほうが良い」とアドバイスを頂いていたこともあり、視察に伺いました。

 現在、この学園では94人の知的な障がいを持った方が職員とともに寝食をともにして、

ブドウやしいたけの栽培、ワインの醸造などに携わっています。

 こころみ学園は、昭和33年、中学校の特殊学級(現在の特別支援教育)の教員をしていた故川田昇氏が、

知的障がい者の自立支援のために私財を投じて山を購入。

 傾斜38度の急斜面に子ども達と一緒にブドウ畑を開墾。

昭和43年、川田氏が同敷地内に補助金なしで「こころみ学園」を設立し、

障がい者と職員がともに生活し、ブドウやしいたけを栽培しながら共生のための様々な施策を展開。

当初は出来たブドウなどを都庁などに売りにいっていましたが、生の果物は傷みやすく、

そのままでは販路や販売時期も限られることから、ワイン作りをスタート。

ただし、「社会福祉法人が酒税を支払うのは問題」との指摘を受け、

昭和55年、親御さんたちが出資し、(有)ココ・ファーム・ワイナリーを設立。

昭和59年に醸造認可がおり、本格的なワイン作りがスタート。

 開園20年を超えた現在では、沖縄サミットや洞爺湖サミットで各国首脳を迎えた晩餐会で飲まれたり、

また都内の有名デパートに置かれたりなど、現在では年間16万本を生産しているとのこと。

 今では国内的に有名なワインとなり、地元足利市のワイナリーは、

GWや夏休み時期、年1回の収穫時期等はワインを求める大勢の観光客が訪れる名所となっています。

 学園生たちは、雑草取りや原木の手入れ、瓶の洗浄やコルクかすの目視チェックなど

ブドウ・しいたけ栽培、ワイン醸造の各過程で発生する作業や、

学園の食事作り、清掃といった学園運営など、それぞれの得意分野で働き、大きく貢献しています。

 来訪者も大勢訪れ、「ワイン、おいしかったよ」等と声をかけられることが、

学園生にとって大きな希望、誇りになっているとの話を伺いました。

 「もっとワインを造りたいが現状の人数では、今の本数が精一杯」と学園事務局長。

ココファームでの収益の一部は学園に寄付され、毎年学園生一人あたり5~6万円の収入になっているとのこと。

自助努力により、障がい者の生きがいをつくり、収入アップに繋がっている事例として大変参考になりました。


 もう一つは北海道・栗山町のNPO法人栗山町手をつなぐ育成会

 NPO法人栗山町手をつなぐ育成会・ワークセンター栗の木は平成14年に開設。

地元産の小麦を使って、パンを作り、障がい者の生きがいづくり、工賃アップ、地域との交流を推進しています。

理事長の坂本武氏(上記写真左から1枚目の右側)は、「栗山町産の素材にこだわり、添加物をできるだけ使わないように一つひとつ丁寧に焼き上げるパンです。

栗の木健康パンは、多くの人に食べてもらい、パンが施設利用者と地域住民をつなぐ『福祉のパン』を目指しています。

また、パンの製造販売事業を通して、行政から与えられる福祉だけではなく、施設利用者と利用者の親・家族や地域の人たちと基本理念の具体化、実現化を協働で進めていく実践を心掛けています。

「収益を上げるには、目的に叶うこと」「パンが売れることは、福祉の輪を広げていく」というテーマをもとに日々作業を行っています」と。

 また理事長はパン作りだけでは、日持ちもしないし、販売エリアが限定され、工賃アップに繋がらないとして、

パン以外で流通ルートに乗せられる商品作りに着手。

その結果、誕生したのがスティックブラウン(左写真)というお菓子。

小麦を取り出した後の小麦かす(ふすま)は主に家畜の肥料等に使っていたが、

これで香ばしいお菓子を作成。

 大変、評判がいいことから、自費で北海道・東京と商品発表会に出展。

その際、農山漁村資源開発協会の目にとまり、同会主催の明治神宮収穫感謝と食の集い(新嘗祭)に、スティックブランがデザートに採用され、

その後、都内にある北海道のアンテナショップ・道産子プラザ(池袋)でも販売されるようになったとのこと。

障がい者の工賃もスターと当初は0円でしたが、毎年徐々にアップし、今では月2万2000円(H22年現在)に。

坂田理事長いわく「月5万円の工賃をめざして頑張ります」と熱く語っていました。

 障がい者福祉における支援も、様々あると思いますが、

こうして懸命に自助努力を行っている団体・法人にしっかり手をさしのべ、その努力の果実が大きく実るような施策になっているか

しっかり点検していかなければならないと強く感じました。

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