バックナンバー 2011年 1月 10日

広島県呉市・広島市の視察報告の最後に広島市の平和施策におけるクロスセクション事業について報告いたします。

【視察背景】

<平和>

 東京スカイツリーで国際観光都市を目指す墨田区。完成すれば世界中から大勢の観光客が訪れる事になると思います。しかし、単に観光都市という事だけでなく、墨田区の歴史を辿れば、先の第2次大戦で東京大空襲で最も被害が多かった地域であり、その歴史的背景の中から、墨田区の恒久平和に関する使命は重いと私たち公明党は考えています。

 世界で唯一原爆を投下された広島県や長崎県や、唯一の地上戦が展開された沖縄県には、戦争の犠牲者を追悼し、二度とこうした悲劇を繰り返さないことを誓い合い、世界へ平和を発信する平和記念資料館、記念公園などが設置され、世界中から大勢の方々が訪れています。

 しかし、残念ながら東京都には東京大空襲の記録を保存・展示し、お亡くなりになられた10万人もの皆様を追悼し、不戦への誓いを新たにできる公的施設や場所はありません。

 スカイツリー完成までに、「国際平和都市・すみだ」の構築が必要と考え、平和政策先進自治体である広島市の視察となりました。

<クロスセクション>

 クロスセクション事業とは行政の縦割りの弊害を打ち破るべく、広島市が市長提案で新たに組織内に敷いたシフト。具体的には縦割りの行政組織に、いわば横串ともいうべき、関係しあう部課が統括・連携できるセクションを「クロスセクション事業」として平成20年に立ち上げたのです。

 例えば墨田区でも「高齢者」に関する課だけでも、高齢者福祉課、介護保険課、保険計画課、国保年金課、区民生活課など、様々またがっており、それぞれの課は必要に応じて連携は取り合うものの、時には連携が遅れたりなどで区民にご迷惑をかけることもあります。

 こうしたことを改善する為、広島市が実施したクロスセクション事業が参考になるのではと考え視察しました。

【視察目的】 

  1. 平和施策事業がここまで大きく予算化され、推進できる背景について・・・市民理解など
  2. 携帯やワンセグ等を活用した平和と観光の情報ガイド「広島p2ウォーカー」の実施体制について
  3. 「平和都市・すみだ」を目指す上で、効果的な施策や事業展開について
  4. クロスセクションの組織、予算、事業実施体制について
  5. その成果について

 

2020ビジョンキャンペーン

【視察内容】

  1.  人類史上最初の原爆被害を受けた広島は、核兵器廃絶と恒久平和実現に向けた世界の「ヒロシマ」となった。この使命は戦争体験世代から戦争を知らない世代へ明確に受け継いでいく為に、「ヒロシマ」における平和施策事業は市民と行政の一体事業との認識がある。故に中に深く、外に拡がる平和施策を展開できる。
  2. 現在、広島市が主宰し、世界150カ国、4467都市が参加する国連NGO団体である平和市長会議が中心となって、2020年までに核廃絶に向けた「2020ビジョンキャンペーン」を展開している。広島市の単独事業であり、国からの支援はなし。墨田区も是非、力を貸して欲しいとのこと。
  3. 「広島P2ウォーカー」は、2010年春から事業展開。初年度のみ総務省のユビキタス事業から補助金が中国放送に交付され、市からの金銭的支援はなし。それ以外はが中国放送の地域貢献事業として、運営協議会を立ち上げ展開。
  4. 「平和都市・すみだ」を目指すなら、単独ではなく、他の地域や様々な団体との連携を先ずは進めるべき。広島市は、広島市、広島県、長崎市、長崎県の各行政、各議会の8者協議会で平和施策を進めている。
  5. クロスセクション事業は7事業(平和、男女共同参画、高齢者、障害者、こども施策、エネルギー・環境、里ライフ創造)。主管局の局長が中心となり、スタッフは各課長。各課ごとの自発的連携体制から1ヶ月に1回以上は会議をする事が義務ずけられ、総合的な企画力が向上するだけでなく、スピーディーに対応できるようになったとの評価。いわば行政内の事業に沿った事業運営に関する改革なので、クロスセクション事業で単独の予算というものは特になし。
  6. 平和クロスセクションでは、教育委員会と観光課、平和推進課が協力し、他県の子ども達が修学旅行で平和祈念資料館や平和施策を学んだ後、議事堂を使い「子ども平和議会」を開催するなど、今までにない取組みが反響を呼んでいるとのこと。

【視察所感 】

 視察を始める前に担当課長の方から、「何故、今回、平和施策のクロスセクションを視察しようと思ったのかお聞かせ下さい」と言われ、上記で綴ったような私の考えを述べました。すると課長が「わかりました。私も平和施策のクロスセクションの総括課長について間もないですが、クロスセクションについても、平和施策についても、できる限りしっかりお話させていただきます!よろしくお願いします。」と丁寧なご挨拶を戴いた。今まで様々な場所に視察に行きましたが、「何故、うちの視察に来たのか、何が聞きたいのか」と真剣に聞かれたのは初めてでした。その後、課長はわざわざ作成してきた資料だけでなく、自身の感じた事なども含め、丁寧に、熱く答えてくれました。本当に感謝します。「何としても結果を出さないといけない」と決意しました。 

  1. クロスセクション事業は本当に参考になりました。縦割りの弊害を無くす上で極めて有効だと感じました。今後の議会の中で取上げて行こうと思います。
  2. 平和施策については、焦らず一歩ずつ環境を作っていくことが大切だと感じました。先ずはネットワーク政党の強みを活かし、近隣自治体議員とも連携して環境整備を進めてまいります。
  3. 平和市長会議に23区で加盟しているのは、13区。大変残念なことに、東京大空襲であれほど被害のあった墨田区は未だ加盟していません。この点は1日も早い参加を区長に強く申し入れていく決意です。
  4. 市長のリーダーシップがいかに大事か感じました。クロスセクションも、2020ビジョンキャンペーンも秋葉市長の提案。市長のリーダーシップが大きく行政を変えると感じました。今年は区長選もあり、区長候補にこうしたビジョンがあるのかどうか、きちんと見極めていく必要があると感じると共に、自治体の一方の立法権限がある議会としてももっと力を付けていかなくてはならないと痛感しました。

 終了後、平和施策クロスセクションの事業である平和記念資料館で開催する「子ども達の平和の絵コンクール作品展に行ってきました。どれも力作であり、広島市だけではなく、海外からの作品があったのも驚きました。

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