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真の国際人は自らの国の文化を知り、
その国固有の芸術を誇りに思っている。
自らの国の文化を世界に誇ることのできる
日本人の育成に力を入れるべきだ。

元・高等学校の国語教員である私には、美術や文学に造詣の深い友が多い。しかし、その友人たちと話していても、日本の伝統芸能が話題になることはほとんどない。それほど伝統芸能は私たちと縁遠いものになってしまった。残念なことである。

大倉流太鼓方・筧鉱一先生は、毎年、名古屋能楽堂で、児童・生徒を集めて、狂言や能、平曲などを見せたり、舞台体験をさせたりする企画を行っている。私は、満席の会場を拝見して、地元芸術家の日本文化継承に対するエネルギーに感銘を受けた。

その一方で、多くの伝統芸能に関わる芸術家は老齢の域に達しつつある。それゆえに私は訴えたい。日本文化を知らない国民を育てている愚に気づき、自分の国の文化を世界に誇ることのできる日本人の育成に力を入れるべきだと。

文化芸術振興基本法の前文には、こうある。

「文化芸術は、(中略)それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中にあって、自己認識の基点」となると。

真の国際人は自らの国の文化を知り、その国固有の芸術を誇りに思っている。経済が低迷しているからといって、否、そういう時こそ基本法の精神を蔑ろにしてはならない。手遅れにならないうちに、伝統芸能を次世代につなげる施策を多角的に講ずべきだ。その先頭に立っていきたい。

(「伝統芸能を次世代に――国際化社会における自己認識の基点とは?」より)