携帯料金の引き下げ/比較しやすいプラン設定も重要
今や国民の8割以上が保有する携帯電話。その料金引き下げを促す改正電気通信事業法が先週成立し、今秋までに施行されることになった。
改正法では携帯電話会社に対し、スマートフォンなどの端末代金と毎月支払う通信料金を分離する料金プランの設定を義務付けるとともに、いわゆる「2年縛り」や「4年縛り」と呼ばれるような、利用者を不当に囲い込む契約も禁止している。
これにより、利用者は料金の比較や携帯会社の変更がしやすくなり、値下げ競争が促されると期待されている。
国会での動きに呼応するように、携帯大手のNTTドコモとKDDI(au)は、6月から提供を始める新料金プランを相次いで発表した。改正法の施行前から、事業者間の“サービス合戦”が始まっていることは歓迎したい。
ただ、改正法の狙いは「低廉で分かりやすい料金・サービスの実現」である。他社との違いを比較しやすいシンプルなプランでなければ、利用者が自分に合った最適な選択をできるようになるかは分からない。
両社の新プランに対しても「適用条件などが複雑で分かりにくい」といった声が聞かれる。利用者に対する丁寧な説明が欠かせないのは当然だが、携帯各社には分かりやすい料金プランの設定に向け、一層の努力を求めたい。
今後、注目されるのは、端末代金の値下げが進むかどうかだ。従来は通信サービスとのセット販売で端末代金を割り引く方法が主流だったが、これが禁じられるため、通信料金は値下げが見込まれる一方で、端末代金は現状よりも高くなる可能性がある。
利用者がそれぞれのニーズに応じた端末を購入しやすくなるよう、携帯各社は知恵を絞ってほしい。
家計支出に占める携帯料金の割合は年々、増えている。日常のコミュニケーション手段として定着し、災害時にも情報収集や家族らとの連絡などに役立つ携帯は、国民の生活インフラと言っても過言ではない。
公明党は、これからも利用者の声に耳を傾け、誰もがもっと手軽に好みの携帯を使えるような環境づくりに、引き続き取り組んでいく。2019年05月18日 公明新聞2面転載