ボイスアクション
認知症対策 省庁横断で
参院予算委員会は14日、安倍晋三首相らが出席して「社会保障・国民生活など」をテーマに集中審議を行い、公明党の長沢広明参院副幹事長が質問に立った。
長沢氏は、自公政権が介護職員の処遇改善を進めてきた経緯に触れながら、さらなる改善を要請した。麻生太郎財務相は「処遇改善の進捗状況を踏まえて、必要な財源を確保しつつ適切に取り組む」と答弁した。
続いて長沢氏は、2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になるとの予測を受け「認知症になっても安心して暮らせる社会モデルを確立するべきだ」と力説。昨年策定された省庁横断的な国家戦略「新オレンジプラン」に基づき、地域の見守り体制構築や認知症教育の普及、詐欺被害の防止などをさらに推進するよう主張した。
65歳未満で発症する若年性認知症では、早期発見へ相談先の周知を促した。さらに、家計の担い手が発症した場合の就労支援に関しては、スタッフが患者の会社を訪ねて就労継続の助言などを行う東京都若年性認知症総合支援センターの活動に言及しながら「政府としても就労支援の一層強化を」と訴えた。
塩崎恭久厚生労働相は、事業主への助成金や、患者の職場定着を支援する専門員「ジョブコーチ」、身近な地域で相談に応じる「障害者就業・生活支援センター」などの支援策を挙げ、「徹底して広報し、こちらからも出向いて利用を図りたい」と述べた。
一方、長沢氏は、関係府省庁で構成する認知症対策の連絡会議について「開催が年1回では不十分だ」と迫った。安倍首相は「会議を積極的に活用する」と表明。認知症高齢者による列車事故で家族に損害賠償責任がないとした最高裁判決を念頭に「認知症の方による事件・事故にどのように備えていくのか、実態把握の方法などを検討させたい」との考えを示した。
このほか長沢氏は、体への強い衝撃で脳脊髄液が漏れ、頭痛などを引き起こす脳脊髄液減少症について質問。同症に有効なブラッドパッチ療法が4月から保険適用となるものの、18歳以上の症例を基に診断基準が作られているとして、厚労省の研究事業に小児の症例を加えるよう求めた。塩崎厚労相は「来年度は、小児の脳脊髄液減少症を対象とする研究を優先的に採択することとしている」と答えた。
また長沢氏は、同症に対する交通事故の自賠責保険の支払い状況を確認した。石井啓一国土交通相(公明党)は「12~14年度では136件、155件、124件と推移している」と報告。同症に関して保険会社などに指導・情報提供を行っていることも説明した。公明新聞:2016年3月15日(火)付掲載
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ボッチャ
児童福祉司 増員可能に
急増する児童虐待に対応するため、政府は来年度から児童虐待の相談や指導などに当たる児童福祉司の配置基準を改め、増員する方針を決めた。厚生労働省は先月23日、人件費に使える地方交付税を増やし、児童福祉司の増員を促す考えを示した。
児童虐待相談対応件数と児童福祉司数の推移児童福祉司は現在、地方交付税措置において、人口170万人当たり36人を配置できる経費が計上され、全国に2934人(2015年度)いる。今回の基準見直しにより、来年度には算定基準が39人に引き上げられ、最大で約230人増える計算になる。
全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数は8万8931件(14年度)で、1999年度と比べると、7.6倍に増加。相談内容で最も多いのが心理的虐待で、半数近い43.6%を占めている。
児童虐待の相談件数が年々増える中、児童福祉司1人当たりの負担が大きくなっているのが現状で、心理面に配慮したより専門的な知識や技術を備えた相談体制の拡充が求められている。
公明党は、児童福祉司の増員に関して、93年から国会質問や提言などで児童福祉司の算定基準の見直しを繰り返し要望。また、保育所や学校に虐待の早期発見と児童相談所への通報を努力義務とした児童虐待防止法の成立をリードし、児童虐待防止対策を推進してきた。
公明新聞:2016年3月15日(火)付掲載