運動会
17期任期満了
後発医薬品の普及 医療従事者への情報提供さらに
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及率について、2020年度末までに80%以上に引き上げる新たな目標を厚生労働省が示した。17年度末に60%以上という従来の目標の大きな変更である。官民を挙げて、普及策を加速させていきたい。
後発薬は、先発薬と成分や含量が同等で、先発薬の特許権が消滅した後に別の製薬会社が製造・供給している。研究開発費用が抑えられるため価格は安くなり、患者の薬代の負担減につながる。増え続ける医療費の抑制も期待できる。
欧米諸国では後発薬の活用が進み、米国は約90%の普及率を誇る。ドイツ(約80%)やイギリス(約75%)でも普及率は高い。一方、日本では調剤薬局に調剤報酬を加点するなどの推進策が効を奏し、約47%までに上昇しているが、それでも欧米に比べると水準は見劣りする。
後発薬の認知度は徐々に高まっているが、品質や効果、副作用への不安を解消できず使用しない医療従事者も少なくない。厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会の調べでは、院外処方箋を発行する医師のうち、約2割が後発薬を積極的に処方しないと答えている。
厚労省は、後発薬の有効性や安全性が担保されている点について、一段と説明責任を果たす必要がある。併せて、後発薬の使用状況を細かく調査して実態を把握すると同時に、医療従事者に使用するメリットなど必要な情報も積極的に提供してもらいたい。
欧米では、さまざまな取り組みを進めた結果、普及率が上昇した。米国では、政府機関が後発薬と先発薬の効果が同じであることを証明する判定結果を公文書(オレンジブック)に掲載して年1回発行、医師や患者に情報を分かりやすく伝えている。
フランスでは、医師や調剤薬局が後発薬を使用した場合に報奨金を設ける一方、患者が後発薬を拒否して先発薬を希望した場合は、一定の実費負担を定めるなど、積極的な使用に結びつくような制度を定めている。
欧米の取り組みも参考にしながら議論を進め、普及目標達成への道筋を付けるべきではないか。公明新聞:2015年5月28日(木)付掲載
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自転車は安全第一で!
自転車で危険な運転を繰り返す人への罰則が6月1日から強化される。改正道路交通法の施行により、酒酔い運転など14項目の悪質運転危険行為で複数回摘発されると、自転車運転者講習の受講が義務付けられる。
危険行為をした運転者は、警察官から指導・警告を受け、従わない場合には交通違反切符を交付される。違反切符が3年間で2回以上交付されると、都道府県公安委員会から3カ月以内に自転車運転講習を受けるよう命じられる。
講習は14歳以上が対象で3時間。自分の運転がいかに危険だったかを気付かせ、改善を促す。受講するには、手数料として5700円(標準額、都道府県ごとに金額は異なる)を用意し、運転免許試験場や県警本部など指定された会場へ行かなければならない。講習を受けないと、5万円以下の罰金が課せられる。
自転車運転者講習の流れ悪質運転危険行為の中にある安全運転義務とは、ハンドルやブレーキを正確に操作し、周りの状況に応じて他人に危害を与えない速度と方法で運転をしなければならないというもの。具体的には、▽スマートフォンの操作や音楽を聞きながらの運転▽傘差し運転▽2人乗り▽他の自転車との並行運転―などで注意を欠き、事故を起こした場合が違反になると想定されている。
罰則強化の背景には、交通事故全体に占める自転車事故の割合が2割程度で高止まりしていることや、自転車事故の死傷者の6割超が信号無視などの法令に違反していることがある。自転車事故で被害者に後遺症を負わせた結果、数千万円の損害賠償が課された判例などを踏まえ、深刻な事故を抑制する狙いもある。併せて警察庁は、自転車保険の加入も勧めている。
自転車の安全利用に関して公明党は「自転車等の利用環境整備推進プロジェクトチーム」(座長=高木美智代衆院議員)が2011年12月、政府に対して緊急提言を提出。現在も自転車保険の加入率向上や自転車が安心して利用できる環境の整備、地域での安全運転教育に取り組んでいる。公明新聞:2015年5月26日(火)付掲載