バックナンバー 2015年 12月

 12月17日最終日 全議案採決されました。市役所新庁舎建設の債務負担行為を含んだ平成27年度補正予算案は、10対9のわずか1票差で原案通り可決されました。
 総務文教委員会では私を含む5名が修正案(市庁舎北向き南端建設案を盛った債務負担行為の削除)に賛成し、原案賛成者は2名で、修正案が可決されました。私は、市庁舎の建設を優先するという池田市長の政治決断を支持するものの、市民会館の建設は10年先以降となる原案に反対しました。以下の理由からです。
 理由は、広い現在の敷地に、① 厳しい財政上の理由から当分の間、市民会館はそのまま使用する。② 仮庁舎をつくらず、新庁舎完成まではそのまま現庁舎を使用する。この二つの制約のなかで、結果として、南端に空いている駐車場にしか建てるスペースがないなかでの建設案になっており、積雪時、凍結時の事を考えると北側の市民会館を解体し、そこに南向き玄関で建てることが40年50年使用していくことを考えるとベストであること。市の当初の案でも、市民会館解体後、まる5年間は他の施設で代替し、我慢することとなっていたこと。音楽関係団体ほかの方々も我慢すると言ってくれていること。これらを勘案し、当初の案のとおり、市民会館を解体し、そこに新庁舎を建設する。市民会館は10年先以降などとしないで、できるかぎり早く建設できるようにすることを主張しました。そのために、財政シミュレーションを詳細・緻密に行い、市民会館建設のために、いったいどこまでの借金が可能なのか、いくら足りないのかを明示すること。そして自主財源の確保のために全力を傾注すること。例えば、現在全国的に注目されているふるさと納税を活用できないか。本中野市でも非常に好調に集まっており、過去の一般質問でも何回かにわたり使途を特定して募集することを提言しているが、故郷のふるさとホールを建設するため、ふるさと納税をお願いします。と全国に募集してみたらどうか。と討論を行いました。
 しかしながら、本会議での採決状況は前述のとおりでありました。
 原案が可決された以上、今後の行方を見守りたいと思っていますが、市民会館とても耐震上の問題がありますので、先ほど述べた財源確保策等を詰める中で、10年先などと言わないで、できるかぎり早く建設することを引き続き訴えていきたいと思っています。
 なお、共産党議員からの、国に対する意見書提出の議案が3本出されましたが、以下の反対討論を行いました。3本とも可決されてしまいましたが、いつもは、採決の結果、反対は私一人という状態でしたが、今回は複数の反対者がいたことがせめてもの救いでありました。
議第1号 オスプレイの飛行訓練の中止等を求める意見書について
議第2号 安全保障関連法等の廃止・撤回を求める意見書について
議第3号 TPP交渉に関する意見書について
 議第1号、議第2号及び議第3号について、一括して反対討論を行います。
 まず議第1号ですが、要望事項は、「オスプレイの国内配備をやめさせ、飛行訓練を中止すること」とありますが、現在、既に沖縄に配備され、今後、本土の横田基地に配備されようとしています。国は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、高い性能を有するオスプレイが我が国に配備されることは日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、アジア太平洋地域の安定に資する。としており、国内配備はどうしても必要であるとしています。
 こうした中にあって、横田基地周辺の自治体は、「地元自治体や周辺住民に対して更なる具体的な説明や迅速かつ正確な情報提供を行うことはもとより、周辺住民の生活に支障をきたすことが無いよう、徹底した安全対策と環境への配慮を講ずること」などを盛り込んだ意見書や決議が相次いで採択されています。また横田基地の北側に位置する埼玉県基地対策協議会は、防衛省に対し、関係自治体及び住民の理解が得られるよう十分な説明を行うことを要請しています。
 このように、周辺の自治体の皆さんは、防衛政策上の必要性を一定に理解しつつ、徹底した安全対策を求めている。というのがおおかたの意見ではないでしょうか。また、すでに配備をされている沖縄では、「日本の安全保障は国民全体で考えてもらいたい。沖縄は戦前、戦中、戦後と十分すぎるぐらい国に尽くしてきた。もう勘弁してほしい」とも訴えられています。沖縄が担ってきたこの役割、苦しみを分かち合って欲しいとの訴えとも取れます。皆、国内配備に対する不安、不満を背負って、呻吟しています。
 こうした感情が渦巻いている状況下から今回の意見書を見ると、「長野県には自衛隊・米軍演習場がないにもかかわらず、オスプレイの訓練空域にされ、事故も起きかねない状況が生まれ、県民生活や長野県の観光等にも重大な影響を与えることが懸念される。」とあります。自衛隊・米軍演習場があるのであれば訓練はやむを得ない、あきらめてくれ とでも言いたいのでしょうか。
 まず自分の中に受け止めて、悩みに悩みながらの過程を経た対応ではなくて、ただボールが壁にあたってはね返るだけのような対応を私は信用できません。
 要望するのであれば、飛行訓練による周辺住民への影響等について、責任をもって詳細に説明するとともに、全国各地で行われる飛行訓練について、関係自治体の意向を十分尊重して対応するよう求めるべきではないでしょか。
 次に、議第2号についてはこれまで何度も反対討論をしてきました。できるだけダブらないように討論したいと思います。意見書では、「圧倒的多数の憲法学者、また内閣法制局長官経験者、最高裁判所長官経験者が安全保障関連法案を「違憲」と断じた。」とあります。
 私は違憲ではないと強く主張するものですが、憲法学者と政治家との立場の違いについて述べたいと思います。政治家ひいては政府の最高責任者たる内閣総理大臣を含めて、国民を守るという責任があります。憲法学者にはその責任がありませんので、自分の信念にしたがって好きなことを述べていいわけです。今回の平和安全法制の整備を違憲と断じた小林節慶応大教授は国会でこうも述べています。「政治家というのはそれぞれ現実と向き合っています。ですから、国会にもたくさん法律家たる政治家がおられますけれども、その方たちは政治家として言動をしておられますよね。だから、やはり必要優先の議論をなさる。それに対して、過去、現在、未来にわたって一貫した法治国家でなきゃいけないという点から法制局の方たちもお話しするし、我々も、我々は、逆に言えば、利害を超えた世界の、坊主みたいなものでありまして、大学というところで伸び伸びと育ててもらっている人間ですから、利害は知りません。ただ条文の客観的意味はこうなんですという神学論争を言い伝える立場にいるわけです。
 それは当然参考にしていただかなきゃ困るので、事実として、そうか、神学でいくとまずいんだ、ではもとから変えていこうというふうに政治家が判断なさることはあると思うんですね。
 そういう意味で、我々は字面に拘泥するのが仕事でありまして、それが現実の政治家の必要とぶつかったら、それはそちらで調整なさってください。我々に決定権があるなんてさらさら思ってもいません。問われたから、我々の流儀でお答えしたまでのことでございます。」とこのように述べています。
 要するに、学者の判断と政治家の判断が違っていい。利害を考慮した現実的な判断と利害を超えた神学的な世界とは自ずから違うとおっしゃっているわけです。国民の生命、自由及び幸福追求に対する権利を守るという責任感の上からの今回の法整備であります。合憲であるという憲法学者も大勢いることも付け加えておきたいと思います。
 次に、意見書では、「安倍内閣は、歴代内閣が堅持してきた日本国憲法第9条の解釈の一線を踏み超えた。」と言っておりますが、踏み越えてはおらず、従来の憲法解釈との論理的整合性を保っており、9条のもとで許される自衛権の限界を定め、これ以上の解釈をするのであれば憲法改正しかないと明確に定めました。意見書で述べている「日本が武力攻撃を受けていない時に他国のために武力を行使する集団的自衛権の行使は許されていない。」との文言は、まさのそのとおりであり、今回の法整備にあたっても、そのような集団的自衛権は認めていませんのでご安心ください。
 そもそも、この意見書は、提案者、賛成者ともに共産党議員であります。意見書では、第9条を守るため、立憲主義を守るため、そして、日本がなすべきことは平和外交であると述べております。野党であっても、単なる一政党であっても平和外交をすることができます。近隣諸国と、また同じ共産国とどのような平和外交を現実に進めてきているのでしょうか。ただ言葉だけが漂っているだけでは外交は前進しません。また、第9条に唯一反対した政党が共産党です。このことは意外にもあまり知られていません。昭和21年の国会で憲法改正案が審議された際、共産党議員全員が反対しました。野坂参三議長は「現在の日本にとってこれは一個の空文に過ぎない」「我々はこのような平和主義の空文を弄する代わりに、今日の日本にとってふさわしい、また実質的な態度を取るべきである。」と述べております。
 さらに、共産党は護憲政党と自称し、この意見書でも「日本は、立憲主義を政治の根本原則としており、この原則において、憲法に反するいかなる立法も政治も政策も許されるものでない。」と述べております。しかしそう言いながら、憲法で定めている天皇の国事行為たる国会召集に一貫して欠席しているのはなぜなのでしょうか。憲法第7条では、「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」として、第2号に「 国会を召集すること。」と定められています。この天皇の国会開会宣言の場に一貫して欠席するというのは、憲法を尊重するという立憲主義に反するのではないでしょうか。憲法を守る、9条を守る と言っていますが、その落差・矛盾をどのように説明するのでしょうか。
 次に、議第3号について、意見書では、要望事項として、「衆議院及び参議院の農林水産委員会での決議が遵守されない場合は、協定の署名・発効を行わないこと」として遵守されない場合は とソフトに言っておりますが、趣旨説明の部分では、「政府は、衆議院及び参議院の農林水産委員会の決議を遵守せず、—」と断言しています。遵守されているのかいないのかまだはっきりしていないとみているともとれるし、そうではなく、すでに遵守していないと断言しているようにもとれます。まずこの矛盾を指摘しておきたいと思います。
 関税と貿易に関する国際交渉は、ガットそしてWTOの多国間・多角的交渉、また、FTAによる2国間交渉、そして今回のTPPの地域間交渉により進められてきました。守るべき分野は守りつつ、大きな方向性としては関税障壁を低くするための交渉が行われてきました。今回のTPP 交渉、12カ国それぞれの自国事情 即ち 攻める分野、守る分野を抱えながらのギリギリの交渉であったと思います。大筋合意を受けて、協定の署名・批准が各国において行われていくことになっています。日本において守るべき分野は守れたのかどうかを検証するとき、その相手国にとっては、攻めるべき分野であり、一方、日本が勝ち取った分野は、相手国にとって守れたのかどうか検証することになっていると思われます。交渉権限の委任を受けた各国代表が、もはや決裂しかかったぎりぎりのせめぎあいの中でこぎつけた大筋合意であった推察するところです。
 こうした中にあって、私はその合意を尊重したいと思います。今まで交渉途中にあっても自国の主張が通らないのであれば、交渉撤退すべきという意見もありました。交渉というものは、自国の利益を確保しつつ、他国の主張をも理解しながら合意点を探るという姿勢がない限り前に進みません。先ほどの議第1号のところで述べたとおり、投げかけられたボールを何の逡巡もなく反射板のようにただ投げ返すだけであってはならないと思います。結果として相手の主張が受け入れられないとしても、そこに葛藤の坩堝(ルツボ)があってしかるべきというのが私の信念であります。大筋合意を尊重しつつ、その内容を精査・検証しつつ、攻めるべきところは的確に手を打ち、守るべきところはきちんと国内対策を講ずるというのが基本的なスタンスではないでしょうか。
 事実、今回の交渉結果を受けて、JAグループは次のような声明を発表しています。即ち、「政府は、何よりもまず、合意内容と我が国農業に与える影響を精査したうえで、生産者に対する十分な説明を行うとともに、生産者の不安の声に真摯に耳を傾けるべきである。そして、生産現場の生の声をくみ取った上で、将来にわたって、多様な地域・品目の農業生産を担う家族農業経営・法人・集落営農等をはじめとする農業者の「再生産」が可能となる万全な経営安定対策を措置しなければならない。また、消費者・国民の理解と支援のもとに、国内生産基盤の回復をはかり、収益力の向上や競争力の強化、国産農畜産物の付加価値の創出などに向けた息の長い農業政策を早急に具体化する必要があり、そのための積極的な投資が、地方経済にも好循環をもたらすよう、国は責任を持ってこれを実現しなければならない。そして、食の安全・安心や食料安全保障を求める消費者・国民の期待に応え、食料・農業・農村基本計画に掲げた食料自給率目標の達成に取り組むことが政府の責務である。ついては、農業者の所得向上、農業生産の拡大、地域の活性化の実現に向け、生産者が将来展望をもって取り組むことができるよう、以下の政策の実現を強く求めるものである。—-」として、以下具体的な政策提言を行っています。私はこれが筋だと思っています。意見書として国に提出するのであれば、きちんとした対策を講ずることを求めるべきであって、「協定の署名・発効を行わないこと」という旧態以前とした、後ろ向きの意見書を提出すべきではないと強く主張しまして反対討論といたします。

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