介護用おむつの支給事業を始めよう!
「介護はおむつに始まりおむつに終わる」。実の母親を数年間、自宅で介護されたご婦人からこんな言葉を聞きました。
「おむつは、まず漏れないこと。漏れたとたんに寝間着やシーツも交換をしなくてはならない。介護する側にとっておむつはとても大事」ともおっしゃっておられました。
北九州市が行った調査によると、おむつを使用するようになってからの変化としては「体の不自由」や「物忘れがひどくなった」などの症状があげられ、おむつ使用に関して困っていることについては「ごみ出しが大変」や「経済的に負担である」が高い割合となっています。
状況によっては、安易なおむつ使用により介護を受ける高齢者の自尊心を傷つけ、認知症の悪化や要介護度の進行を招いてしまう恐れがあります。
本当におむつが必要なのか、回数を減らせないか、おむつが正しく着けられているのかといったことを見極める専門性が現場では求められているのではないでしょうか。
そこで、本年9月15日の定例会において、名古屋市における高齢者排せつケアの重要性を明確に位置づけたうえで、例えばおむつの品質やつけ方など専門家のアドバイスや支援も併せて受けることのできるような本市独自の介護用おむつ支給事業の開始を提案しました。
健康福祉局長からは、来年度からはじまる次期・介護計画策定のなかで検討する旨の答弁がありました。
現在、介護福祉施設などに入所している方は、保険制度から介護施設に支払われる保険給付のなかにおむつ代が含まれているため、介護用のおむつ代を一切負担していません。介護保険制度の導入・充実によって、介護用のおむつ代に関しては介護施設等に入所している方の負担は軽くなりましたが、在宅介護に対するこうした負担軽減策は何ら整理・検討されないまま今日に至っていることが問題だと感じます。
全国の政令指定都市や東京23区のほとんどで介護用おむつの支給事業が行われています。愛知県下でも多くの自治体で実施している支給事業を名古屋市でも当然、実施すべきなのです。