5月28日に東京ビックサイトで行われている「環境展」に行ってきましたのでレポートを掲載します。
遮熱性舗装
車道や駐車場などの表面に遮熱性樹脂を塗布する工法です。効果を比較するためのブース内での展示実験では、路面の表面温度に10℃以上の差が表れていました。塗装の耐用年数は、車の交通量によって差があるものの、概ね5年程度とのことでした。塗布コストは、約4~5,000円/㎡。塗装がはがれても効果を持続させるためアスファルトそのものに遮熱性塗料を練り込むタイプはないのか尋ねたところ、高コストのため商品化には至らなかったそうです。
塗装の主目的であるヒートアイランド現象を抑制するためには広範囲にわたって塗布しなければならないため、課題も多いと感じました。一方で遮熱性塗料を塗布することで舗装の耐久性が向上するため長寿命化できるメリットもあります。また快適性を向上させるねらいで、歩道や公園など人体への影響に配慮した塗布場所を選定すれば効果があると考えます。まずは市営の駐車場などに塗布してみることも必要かもしれません。
太陽光発電システム付ストックコンテナー及びバイオトイレシステム
仮設ハウスに太陽光発電システムを組み合わせ、災害時の水や食料を一定の室温で保管できるストックコンテナーが展示されていました。室内照明だけでも発電が可能でコンテナー室内は24℃に保たれています。
展示品では400人分の食料(棚置きで3,600食分。床置なら1,000人分も備蓄可能)が備蓄されていました。年間を通じて一定の室温であれば、お米や小麦粉なども備蓄が可能となります。従来の備蓄品に加え、他の選択肢が大きく広がることになります。
また特徴として空き地があれば電気配線の必要がなく、すぐに利用が可能である点が挙げられていました。防犯カメラも設置可能であり、温度管理も含め遠隔操作することができるそうです。
町内会ごとに防災倉庫が整備されれば、市民の安心感は飛躍的に高まると考えます。近年、大きな問題となっている空き家を更地にして設置する方法なども検討する必要があるかもしれません。
バイオトイレシステムについては、水を絶えず循環させながらタンク内の微生物が排せつ物を分解することで汲み取りを不要とするものです。絶えず水洗トイレの水が流れ続けている状態で臭いは全くないとのことです。写真のトイレは、6人が使用し続けるサイズで、汲み取りは全く不要となるそうです。水を循環させるための電源は屋根部分のソーラーパネルで供給するので、前述のストックコンテナー同様、設置すれば即利用が可能となります。バリアフリーにするためにはタンク部分を埋設することで対応可能とのことでした。
仮設トイレ、シャワー室など
綺麗な仮設トイレを求める声に答えるかたちで開発された商品。注目すべき点は車イスでの使用に配慮した多目的トイレです。スロープユニットを格納することができ、組み立ても一人で可能とのことでした。スロープの角度も考えられており、車イスでもスムーズに上ることができます。加えて室内空間も大変に広いうえ、使いやすくて清潔感がありました。
他にも、オムツ室付トイレやプロパンガスを接続して温水シャワーを浴びることのできるシャワー室付トイレなどバリエーションも豊富にあります。内装は洗練されており非常に快適に使用することができます。例えばマラソン大会などの大規模イベントや災害時に必要とされる商品であると感じました。ちなみに価格は一台150万円~となっています。
どうしてもトイレネタが多くなってしまいますね。