医療的ケア児への支援について
この度の、名古屋市議会6月定例会において「医療的ケア児への支援策について」質問いたしました。
近年の医療技術の進歩等により、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な子どもが増加しております。
私は先日、緑区を中心に活動しておられる重症心身障害児および医療的ケア児をもつお母さんたちのサークル「カラフルクローバー」さんと懇談をさせていただく機会をいただき、子育てに関する切実なご要望、ご意見を聞かせていただくことができました。
あ母さんたちからは、
「NICUを出て在宅に移行する際、何をどうしてよいのか、誰に相談したらよいかもわからなかった」
「就園について検討する際、区役所での対応が保護者任せすぎる。自分で探してくださいと言われても探せない」
「今の状態では育休一年で復帰しなければならないママにとって、ハンディのある子を授かったら仕事を諦めなければならない」
「名古屋市の保育園では受け入れが少なく、保護者が一緒に通うことが条件になってしまう。そうなると母親の負担が大きく働くの辞めざるをえない。一日中拘束されて家事すらできない。精神的にツライ」
「保健センター、区役所、療育センター、病院などの連携が取れていないからバラバラで、情報の錯綜がおきてしまう」
「福祉サービスについて情報がなく、サービスを受けられなかった」
などなど、ほんの一部にすぎませんが、お母さんたちと医療的ケア児への支援が待ったなしの状況であることが、ひしひしと伝わってまいりました。
厚生労働省の調べによると、医療的ケア児を介護する家族の負担感について、「負担感がある」「やや負担感がある」で約8割、場合によっては睡眠を断続的にとらなければならないなど、休息を取ることが困難な状況がうかがえ、ご家族へのサポートも急務であると言えます。
こうしたことを背景に、国は平成28年「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」において、地方公共団体に対し、医療的ケア児が必要な支援を円滑にうけることができるよう、保健、医療、福祉等の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずるよう努めなければならないとし、医療的ケア児を法律に規定することにより、適切な支援を行っていく方針を示したところであります。
今回の質問に対し、子ども青少年局長より
「医療的ケア児が安心して日常生活を送るためには、その心身の状況に応じて、保健、医療、障害福祉だけでなく、保育、教育等における支援も重要であることから、(中略)年内を目標として、協議の場を設置できるよう調整を進めていく」
「医療的ケア児とその保護者を支援を進めていくためには、医療的ケア児を取り巻く実態を把握することが必要であることから、地域資源に関する調査など、医療的ケア児の実態把握に向けた調査を今年度から始めていく」
「医療的ケア児が必要な支援を受けながら安心して暮らしていけるよう、支援を総合調整する『医療的ケア児コーディネーター』についても、できる限り早い時期に配置できるようしっかりと検討を進めていく」との答弁をいただきました。
最後に副市長からも
「介護される保護者の方々に寄り添いながら、子ども青少年局を中心に関係各局が一層の連携を図り、一丸となって支援の推進に努めてまいります」とのあたたかいお言葉もいただきました。
今後とも、医療的ケア児とママさんたちへの支援が、より具体的な施策として展開されるよう、私自身が、子どもたちとママさんたちに寄り添いながら頑張ってまいりたいと思います!