災害廃棄物処理計画について
昨日の総務環境委員会において『災害廃棄物処理計画(案)』についての議論が交わされました。この計画案において、本市が示した「南海トラフ巨大地震」の被害想定に基づく災害廃棄物の送料推計は、なんと最大790万トン。そして、これらの災害災害廃棄物を仮置きするスペースは約250haという広大なスペースを必要とすることが明らかとなりました。
仮置き場の詳細は、被災現場で解体・撤去した災害がれきを搬入し、一時保管・粗選別を行う場所(一次仮置き場:1ヶ所あたり約0.3haの広さが必要)が約100ha程度、一時仮置き場の災害がれきを中間処理し、焼却施設、最終処分場や再利用先等へ搬出する場所(二次仮置き場:1カ所あたり約30haの広さが必要)が約150haほど必要で、あわせて約250haのスペースが必要となる計算だ。よりイメージしやすく、この広さを具体的なものに置き換えれば、一次仮置き場は小学校の校庭程度(0.3ha)が330カ所以上、二次仮置き場は「ナゴヤドーム6個分(約30ha)」の広さの仮置き場が5カ所ほど設置できるスペースが必要となる。これは大変なことだ。今回は災害廃棄物にかかる必要スペースのみを割り出したにすぎないが、震災時には、このほか様々な目途でスペースの活用が想定されている。たとえば発災直後においては、近隣住民の一時避難の場所として、自衛隊やDMATなどの活動拠点、緊急物資の集配拠点、復旧・復興時においては重機や資機材の保管場所として、そして避難所生活が長期化すれば、応急仮設住宅の設置など、発災後の各フェーズ(段階)ごとに様々な目途で利用されることが想定されています。市当局としては、平常時に市有地等(公園・緑地・グランド等)のオープンスペースのうち、一定以上の面積のものを対象候補地としてリストアップし、発災後、被災状況にあわせて他の利用用途と調整し、適切な場所に仮置き場を設置するとの方針を示しましたが、発災直後の混乱期に、局間でニーズが競合するオープンスペースの利用調整を円滑に行うことができるのかとの課題は残ります。あわせて不足するであろうオープンスペースの確保をどのように図っていくのかも重要であると言えます。
昨年度、私は名古屋市会本会議にて、震災時における『オープンスペースの利用調整計画』を策定しておく必要性を訴え、今年度と来年度の2カ年にわたり策定される運びとなりました。本計画を策定し、オープンスペースの利用に関する事前のルール設定や優先順位を選定しておくことは、より早く救急・救命活動や支援活動に着手するうえでも大変重要であると考えます。計画の早期策定が待ち望まれます。
あわせて、昨日の委員会でも指摘させていただきましたが、オープンスペースの利用調整に関しては、市有地のみならず、国・県・近隣市町村などの公有地も含め検討していくこと、またスペースの確保という観点からも民有地の活用も検討するよう要望いたしました。
写真は8月10日付 中日新聞に掲載された記事です。