木下写真-本会議9 月議会 議案外質問  木下優
1 特別支援教育について
(1)守山養護学校高等部産業科の現状と課題
(2)名古屋市特別支援連携協議会の設置
2 成年後見制度の利用促進について

1特別支援教育について
(1)守山養護学校高等部産業科の現状と課題

名古屋市立守山養護学校産業科は、知的障害の程度が比較
的軽度な生徒に、一般企業等への就労を目指した職業教育を
中心とした教育を行うため、大きな期待の中で、ようやく平
成23年度守山養護学校高等部に設置された学科でありま
す。同じ目的を持つ学校として先に単独設置されていた県立
高等特別支援学校とは組織形態などは異なりますが、高等特
別支援学校に準ずる職業教育が行われています。
平成29年度で産業科は設置7年目を迎えました。その間、
決して十分と言えない施設環境の中で、生徒が社会で活躍で
きる姿を思い浮かべながら一つ一つ手探りで進めていき、希
望する生徒全員が一般就労するなど、社会へ送り出すことが
できています。これは、名古屋市教育振興基本計画にもあり
ますが、障がいを抱える生徒の社会的自立にも大きく寄与し
ています。県立の高等特別支援学校卒業生の一般就労の実績
に全く引けを取らないくらいの素晴らしい結果を出すこと
ができたのは、生徒の努力、保護者の協力、企業の理解、そ
して守山養護学校の教職員の皆さんの努力のたまものであ
ります。
そんな中、平成33年度には守山養護学校の狭隘化を解消
するために校舎が増築され、そこで産業科の生徒が学ぶとお
聞きしています。また、私が本年2月定例会の代表質問でお
尋ねした名古屋市立高等特別支援学校の開設時期について
は、5年後である平成34年度を目途に開設と明‘快な答弁を
いただいておりますが、そうした点も踏まえ現状の産業科の
課題についてお尋ねしていきたいと思います。

産業科のように名古屋市に今までなかった職業教育に特
化したカテゴリーの教育の土台を築くには、大変な努力が必
要であります。
実績のある県立高等特別支援学校とは異なり、企業とのパ
イプ等が全くなかった本市の産業科が名古屋市を中心とし
た各企業とつながりをもつまでには、大変な苦労があったと
思われます。生徒が実際に就職に至るまでには、生徒と企業
のマッチングを見極めながら、数年をかけて実習をさせても
らうようなシステムを構築し、企業との良好な関係づくりに
努めてきたと聞いています。
また、産業科の教育においては、企業のニーズを把握し、
就労に必要な力を身に付けられるよう指導に様々な工夫が
こらされてきたのは言うまでもありませんが、こうした地道
な取り組みの積み重ねが、生徒の一般就労への体制づくりの
土台になりつつあります。
守山養護学校産業科がこれまで積み上げてきた企業との
連携や実習のシステム、指導方法等は、今後、開設予定の高
等特別支援学校にも、活かしていただく必要がありますが、
そのためには、産業科で実績を重ねた教員が高等特別支援学
校で、改めて力を発揮できるよう今後の人事異動にも十分な
配慮が必要だと考えます。この点について教育長の見解をお
尋ね致します。

次に、5年後を目途として開校を目指していただいている高
等特別支援学校は、名古屋市に新たに作られる職業教育に特化
した単独の学校として、大きな期待をするものであります。そ
のため、これまで以上に職業教育の内容を充実させると共に、
最新の施設整備を取り入れるなどして、障害のある生徒の職業
自立の推進を図るための教育内容の充実や教育環境の整備をお
願いしたいと考えます。
一方、高等特別支援学校が設置された際に、守山養護学校
の学科として産業科が残るということであれば、2つの組織
が併存することになり、多くの就労先が重なることが予測さ
れ、競争が激しくなるばかりで、どちらの一般就労も立ちゆ
かなくなるという心配があります。そのため、産業科を高等
特別支援学校に移行することが適切ではないかと考えます。
そこで、高等特別支援学校における教育や施設整備の充実
をどのように図っていくのか、高等特別支援学校が開校する
際には、産業科はどうなるのか、併せて、教育長のご見解を
お伺い致します。

ところで、産業科は職業教育に特化した専門的な教育を
実施する教育の場として、一つの学校に匹敵するほどの役割
を果たしていると考えており、産業科の教務主任や学年主任
に位置づけられている教員を主任手当等の対象とするよう、
私はこれまでも指摘してまいりました。
本年度、愛知県から名古屋市に県費負担教職員に関する権
限移譲がなされたことに伴い、産業科の教務主任や学年主任
の位置付け等が、本市の実態に合わせてきちんとなされるこ
ととなったと聞いております。また、産業科には進路担当教
員の配置もなされたと聞いており、大変喜ばしいことだと思
います。
しかし、産業科の就労を希望する生徒全員が、今後も就職
できるようにするには、さらなる職場開拓や仕事の定着のた
めの支援等、進路指導体制の充実を図ることが大切だと考え
ます。そこで、産業科の進路担当教員も主任として位置付け
ることが必要だとおもいますが、どのように考えているのか、
教育長にお伺いします

(2)名古屋市特別支援連携協議会の設置

平成25年文科省から出された教育支援資料の中においては、
教育分野において、障がいのある子どもや保護者への相談・
支援にかかわる医療、保健、福祉、教育、労働等の関係部局
や関係機関の連携協力を円滑にするためのネットワークと
して、「特別支援連携協議会」を設置することが必要である
と示されています。
こうした中、本市の保護者団体からも「教育は教育関係者
だけでということではなく、当事者団体や福祉関係者とも深
く連携して取り組んでいただくこと」を強く要望されている
と伺っております。
「特別支援連携協議会」の主な役割として、「相談・支援
のための施策についての情報の共有化」「相談・支援のため
の施策の連携の調整や連携方策の検討」「関係機関が連携し
て乳幼児期から学校卒業後までを通じて一貫した支援を行
うための体制づくり」などがあり、いずれも障がいのある子
どもへの支援の充実には欠かせないものであると考えます。
今後、名古屋市に高等特別支援学校の設置がなされること
から、企業をはじめ関係機関との連携の必要‘性は、ますます
必要となると思われます。また、特別支援教育へのニーズの
高まりや適切な合理的配慮の提供にあたっては、これまで以
上に、当事者団体との連携も重要だと思われます。
名古屋市全体の特別支援教育を充実させるためにも、「名
古屋市特別支援連携協議会」設置は必要だと考えますが、こ
のことについてどう考えておられるのか教育長の見解をお
示し下さい。

次に
2 成年後見制度の利用促進について

成年後見制度は平成12年に創設された制度ですが、認知
症、知的障害、精神障害等によって判断能力が十分でない方
が不利益を受けないようにするため、その方を援助する人を
家庭裁判所が選任し、法律面や生活面で支援する制度であり
ます。
少子高齢化が急速に進む中、高齢者の人口増加による認知
症高齢者の増加に伴って成年後見制度の利用者数は年々増
加しており、平成28年末時点における全国の利用者数は約
20万人となっています。
しかしながら、制度の利用対象となり得る、認知症高齢者、
知的障害者、精神障害者をあわせた数が約900万人と推定
されるのと比べると、成年後見制度の利用が進んでいるとは
言い難い状況であります。
認知症高齢者は現在、全国に約500万人以上いると推計
されているところでありますが、いわゆる団塊の世代が75
歳以上に達する平成37年には約700万人、65歳以上の高
齢者の5人に1人にまで増加すると予測されています。
また、障害者は認知症高齢者と異なり、親亡き後も含めて、
長期間に渡る支援が必要となりますが、障害者白書によると、
知的障害の方は平成17年には約42万人だったのが、平成
23年には約62万人となっており、6年間で約20万人増加
しています。精神障害の方についても、平成20年には約290
万人だったのが、平成26年には約360万人となっており、
6年間で約70万人増加しており今後も増加傾向が続くこと
が予想されています。
このように、今後ますます成年後見制度の利用が必要な方
が増加すると見込まれているのであります。
また、成年後見制度の担い手である成年後見人等に関して
は、制度開始当初は本人の親族が就任するケースがほとんど
でありましたが、徐々に親族以外の第三者が選任されるケー
スが増加し、現在は親族が約3割、親族以外の第三者が約7
割という状況になっており、高齢者の単身世帯や夫婦のみ世
帯が増加する中で、第三者後見人の必要‘性はますます増加し
ていくものと考えられます。
このような状況の中、平成28年4月に「成年後見制度の
利用の促進に関する法律」が成立し、翌月の5月に施行され
ました。
この法律が制定された背景には、認知症、知的障害その他
の精神上の障害があることにより財産の管理や日常生活等
に支障がある人たちを社会全体で支え合うことが喫緊の課
題であり、成年後見制度がこれらの人たちを支える重要な手
段であるにもかかわらず、十分に利用されていないという状
況があるのであります。
成年後見制度の利用が進まない原因については、後見人の
職務は財産管理や契約などの法律行為の代理が中心となり、
本人の生活の質の向上より財産をできるだけ減らさないよ
うにすることに重点がおかれ、本人がメリットをあまり実感
できないこと、後見人に医療同意や死後事務を行う権限が与
えられていないこと、後見人をつけた方には医師や弁護士、
公務員などの資格は認められないといった権利の制限がさ
れること、後見人による財産横領の不正事件が後を絶たない
ことなど、いくつか指摘されているところであります。
また、国においては、法の制定を受け、平成29年3月に
成年後見制度利用促進基本計画を閣議決定し、この基本計画
を勘案して、市町村においても基本計画を策定することが求
められているところであります。
国の基本計画では、①利用者がメリットを実感できる制
度・運用への改善、②権利擁護支援の地域連携ネットワーク
づくり、③不正防止の徹底と利用しやすさとの調和の3点
がポイントとして挙げられています。
1点目については、財産管理だけでなく、意思決定支援や
身上保護も重視すること、適切な後見人等の選任、後見開始
後の柔軟な後見人等の交代等の環境を整備すること、適切な
後見人を選任するための診断書の在り方の検討を行うとし
ています。
2点目の地域連携ネットワークづくりでは、権利擁護支援
が必要な方の発見と早期からの相談、後見人等を含めたチー
ムによる本人の見守り、地域連携ネットワークの中核機関の
設置等を市町村に求めています。
3点目については、地域連携ネットワークやチームでの見
守り体制の整備による不正防止効果に期待しつつ、後見制度
信託に並立・代替する新たな方策の検討を行うとされていま
す。
名古屋市においては、これまでも成年後見制度の利用にか
かる費用の助成を実施したり、平成22年に成年後見あんし
んセンターを開設して成年後見制度の広報啓発や市民後見
人の養成等に取り組んだりしています。
しかし一方で、成年後見あんしんセンターの相談件数は年
間約1,600件程度で停滞しており、市長申立ての件数も平成
26年度の127件をピークに伸び‘悩んでいるであります。ま
た、成年後見あんしんセンターが市民後見人をこれまでに
145人養成してきたものの、受任に至ったケースが44件に
とどまっていると聞いています。
成年後見制度の利用が必要な方が制度を適切に利用でき
るよう、さらなる普及啓発を進めるとともに、今後の成年後
見制度利用者の増加に対応できるよう、弁護士や司法書士だ
けでなく、行政書士・社会保険労務士などを初めとする多様
な専門職や法人、市民後見人が担い手として活躍できるよう
家庭裁判所や各専門職団体との連携を強化すべきであると
考えますが、名古屋市として、現在、どのような課題認識を
持ち、今後、取り組んでいくのか。また、成年後見制度利用
促進法や国の基本計画を受け、いつまでに市としての基本計
画を策定するつもりなのか。健康福祉局長のご所見をお伺い
します。

答弁
1、特別支援教育について
(1)守山養護学校高等部産業科の現状と課題
・開設を予定しております高等糊リ支援学校におきましては、これまでの産業
科での一般就労の実績や実習のシステム、教育内容等を活かしてまいりたいと考
えております。そのためにも、産業科教員の経験や専門性を活かせるよう、本人の希望、能力や適性を的確に把握し、適材適所の教員の配置に努めてまいりたいと考えております。
・高等特別支援学校の教育内容や施設設備につきましては、大学教授や障害者
就労に関わる専門家で構成する「特別支援学校における教育の在り方検討会」
を本年度4回開催し、就労に結び付くコースの設定、授業科目や指導時間数、必
要な施設整備について、ご意見をいただきながら検討を進めているところでご
ざいます。
守山養護学校産業科の在り方につきましては、高等特別支援学校の構想を考
える中で、十分に検討してまいりたいと思います。
・守山養護学校産業科においては、これまで、県の定数上、進路指導専任の教員
を配置することができず、進路指導担当者は学級担任を兼務しておりました。
本年度の権限移譲により、名古屋市の実情に合わせた教員配置が可能となっ
たため、産業科にも進路指導を専任とする進路指導担当教員を加配し、産業科
生徒の就労に向けての企業訪問等を充実させているところです。
今後は、高等特別支援学校の開設を見据え、新たな就労先の開拓や適切な進
路先の選択、保護者とのきめ細やかな連携等、これまで以上に企業連携や職業
教育の必要性が増してくるため、進路指導担当教員を、進路を取りまとめる進
路担当主任と位置付け、さらなる進路指導体制の充実を図ってまいりたいと考
えております。
・守山養護学校産業科が開設された平成23年度より、名古屋市における職業
教育を充実させるため、年に2回程度、障害者の就労に係る関係機関・専門家で
構成される職業自立推進運営委員会を開催してまいりました。そこでは、就労
に結び付く教育の在り方や特別支援学校の教育内容についてのご意見をうかが
ったり、求人状況等について情報共有するなどの連携を行ったりしました。
高等特別支援学校の開設に向け、障害のある子ども及び保護者のニーズに応
え、新たなネットワーク作りやさらなる連携の強化が必要であると認識してお
り、来年度、文部科学省が示しているところの特別支援連携協議会を設置してま
いりたいと考えております。

答弁
2、成年後見制度の利用促進について
・成年後見制度は、認知症や障害などによって判断能力が不十分となり、一人では契約や財産管理などを行うことが難しい方の生活を支える制度として、なくてはならないものであると認識しております。
・本市では、成年後見制度の利用を促進するため、後見人へ支払う報酬等の助成のほか、成年後見あんしんセンターを設置し、市民からの相談への対応や、関係者への研修、市民向けシンポジウムを開催して、成年後見制度の普及促進を図るとともに、新たな担い手として市民後見人の養成に取り組んでおります。
しかしながら、認知症高齢者数が毎年増え続けている中、成年後見あんしんセンターの相談件数は、平成26年度以降横ばいで推移しており、成年後見制度の利用が必要な方に十分活用されていない状況にあると考えております。成年後見制度の利用が必要な方を適切に制度利用につなげていくため、福祉関係者へのさらなる普及啓発などの取り組みを充実する必要があると認識しております。
・一方、平成28年5月に成年後見制度利用促進法が施行され、平成29年3月には成
年後見制度利用促進基本計画が閣議決定されたところでございます。法や基本計画において、市町村計画の策定や支援の必要な方を地域のネットワークの中で発見し、早期に支援できる体制づくり等が求められております。
・計画の策定に向けて、平成30年度には、本市の現状をしっかりと把握し、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会をはじめとした多様な専門職団体、法人後見を担う団体等や家庭裁判所と協議を進め、平成31年度を目途に計画を策定してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いします。

要望
特別支援教育について
先ほど教育長の答弁で、現在の産業科については今後、高
等特別支援学校が開設をしたときには今の産業科はなくな
り高等特別支援学校に一本化されると私は認識を持ちまし
た。生徒の一般就労を進める上からも重要です。しっかり取
り組んでいただきたい。
また、産業科の開設当時から振り返ると、この7年間、教
員の先生方には主任手当もなく頑張っていただきました。本
年度より権限移譲され、今回、新たに来年度は進路担当主任
として位置づけられるとお聞ききしホットしています。あり
がとうございました。しかし、もっと早く取り組むべきであ
ったと強く感じています。毎年100%の一般就労を実現して
いる教員の皆さんです。きちんとその労に報いていけるよう
これからもよろしくお願いいたします。
また、教育長から、高等特別支援学校の教育内容や施設設
備について専門家からの意見をいただいて検討しているとい
う答弁をいただきました。
 私も以前、京都市の特別支援学校を視察したことがあり、
そこでは、食品サービスというコースがあって、地域の人々
も利用できるような喫茶サービスや焼き菓子の製造、販売と
いうようなことをやっていました。生徒が接客や販売を通し
て苦手な人との交わりを通して大切なコミュニケーションの
取り方を勉強しているのです。私は感動しながら大変興味深
く視察をさせていただきました。
 他では会社のオフィスと同じような設備の整った実習室や、
介護用ベッドや移動式の入浴器があり、介護施設の一室かと
思うような実習室を整備している学校もあると聞いています。
 本市でも、ぜひ、先進校を参考にして、いやそれ以上の学
校を作っていただきたいのであります。現場で働く教員も必
死になって生徒のために頑張っています。名実ともに一般就
労日本一を目指し「さすが名古屋」と言われる高等特別支援
学校になるよう心から願っています。

要望ですが、
今回の成年後見制度の利用促進については、成年後見制度
が認知症、知的障害、精神上の障害がある方を支える重要な
手段であるにもかかわらず十分に利用されていない現状を
憂えて質問させていただきました。
時あたかも昨年、国が法律を作り、「成年後見制度利用促進
基本計画」を策定し、今回の質問は本市にとってもぐっとタイ
ミングではなかったでしょうか。
 答弁の中で「平成31年度を目途に計画を策定してまいりま
す」と明言していただきありがとうございました。しっかり
と取り組んで下さい。
 また、計画の策定では弁護士だけでなく司法書士、行政書士、
社会保険労務士など専門職団体にも十分活躍できるように協議
していただくことを要望して私の質問を終わります。
ありがとうございました。

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