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[ 平成28年 6月定例会本会議-06月14日 ]

 

◆中村耕一君

質問の前に、4月に発生いたしました平成28年熊本地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
初めに、長岡開府400年事業について伺います。
元和4年、1618年、堀直竒の跡を受けて牧野忠成公が長岡に入封し、6万2,000石の城主となり、長岡藩がスタートしました。
三河地方、現在の愛知県豊川市より牧野氏の国がえと一緒に移動してきた家臣団は、記録によれば武士が約二百余人、足軽が六百余人に上ります。
家族も合わせると3,000から4,000人の人たちが長岡に移ってきたと言われています。
当時の人口規模で、この大移動は長岡の言語や風俗、生活習慣を一変させ、また気風などの精神志向も大きく変えたことは想像にかたくありません。
牧野氏による長岡藩は、県内でも最も長く安定した政権として続き、常在戦場、質実剛健な長岡市民の気質の基礎は、この牧野氏の影響によるものが大であると思います。
北越戊辰戦争での壊滅的な被害、また第2次世界大戦の際の長岡空襲と2度の大きな戦災から不死鳥のように立ち上がり、さらには幾多の災害にも負けなかった長岡市。
長岡開府から400年の佳節を迎える今、その歴史的背景を学び、再確認をし、長岡市をさらに大きく発展させるきっかけとなるような意味のある400年祭の開催を願い、何点か質問をいたします。
初めに、今からおよそ100年前の大正6年、当時の市民の手により盛大に300年祭が開催されました。
令終会はじめ、篤志家の方々の思いを受け、互尊文庫や蒼柴神社周辺の悠久山公園を整備するなど、その後の長岡市にとり大きな転換点となる300年祭であったと言われています。
あれから100年、戦後の経済成長の恩恵を享受し、上越新幹線、関越自動車道など高速道路網を基幹として、長岡経済は大きく発展してきました。
その発展の要因の1つに300年祭があったのではと考えられます。
そこで、300年祭では具体的にどのような事業が行われたのか、そしてそれがその後の長岡市にどのような影響を与えてきたとお考えか、お伺いをいたします。
このほど長岡開府400年PR冊子「越後長岡ROOTS400」が出版されました。
すばらしい冊子であり、開府400年に向けていよいよ始動したという感がありますが、長岡開府400年事業の取り組み状況は現在どのようになっているのかをお伺いいたします。
さて、市民協働が長岡市の大きな特徴です。
市民の間では、開府400年に市は何をしてくれるのか、自分たちがどうかかわることができるのかと期待し、あるいは何年も前から準備をしている人たちもあると聞きます。
さまざまな団体の思いもあり、市としての取り組みの方向性を知りたいと考えるのが人情です。
本年いよいよ実行委員会を立ち上げて具体的な取り組みの検討が始まると認識していますが、開府400年を市はどのようなスタンス、考えで迎えるのでしょうか。
そして、いかに市民協働の活動を促していかれるのかをお伺いいたします。
その中でぜひお考えいただきたいのは、広く市民に啓発をし、市民総参加の意識醸成をすべきであるということです。
開府当時、現在の長岡市域が全て長岡藩だったわけではありません。
ややもすると、長岡藩なんて関係ないと思っている地域、市民もあるかもしれません。
しかし、精神性などの大きなベースは長岡藩に負うものであり、全市域で祝うイベントとすることにより、全長岡市が一体となって先達の残してくれた大事な資産を次の100年に引き継ぐ節目とすることができると考えます。
一方、長岡市の成り立ちに大きな影響を与えてきたものの1つとして、信濃川があります。
今から10年前、ある企画で稲川明雄氏と豊口協氏による対談がありました。
そこで語られていた長岡城と信濃川の関係に対する認識は実に斬新的でした。
戦いのための城であるなら山の上に建っているが、長岡城は平地にあった。
それは、里におりてきたときに信濃川を一番押さえられる場所だから川岸に城ができたというのです。
信濃川を通して大陸貿易を考えていたから長岡のまちをつくったのではないか、それが長岡のお城ではないかということでした。
鉄道や高速道路ができる前、川は交通のかなめで、信濃川沿いに人の交流、あるいは文化の交流が生まれ、さまざまな歴史が刻まれてきました。
長岡は、当時北前船で栄えていた新潟町から多くの知識を得ており、これが信濃川の長岡に与えた大きな役割だったと言われていたのです。
私個人も牧野氏の質実剛健の気風とこの信濃川を通して外の世界に目を向くという2つの大きな特徴によって醸成されてきたのが長岡人の気質ではないかと考えています。
その意味で、400年の節目の今、このような歴史的背景を大切にして、次の100年につながる本物の長岡を練り上げることに挑戦をしていくことが大事だと思っています。
地方創生の今こそ、長岡市の原点をしっかり見詰め直し、未来につながる大きな節目と捉え、長岡藩開府400年を祝賀し、その歴史から多くのことを学び、後世へ継承していく意義を込めたイベントであってほしいと願います。
そう考えれば、開府400年というチャンスを一般的な式典と人並みのイベントを開催して終わるだけでは実にもったいない話であります。勇気と希望にあふれていた100年前の人たちに勝るとも劣らない事業展開を望むものです。
そのため、400年事業は本番の年だけではなくて、前後の年も含めて、できましたら東京オリンピックまでを目指しての中期的な取り組みで、市民だけの祝いにとどまらず、全国に、そして広く世界に長岡を発信し、産業振興、観光、インバウンドにもつなげる大きな起爆剤とするべきであると思います。
具体的な事業については、これから官民挙げてつくり上げていくべきものでしょうから細かいことには触れませんが、個人的には100年前に整備し、古くなってきている互尊文庫や悠久山公園の整備、桜の植樹や北前船のネットワークを活用したイベント、花火や時代行列、歴史めぐりを活用したインバウンドなどが思い浮かびます。
本年より官民挙げて本格的に事業をとり進めていただきたいと思うものであります。お考えをお伺いいたします。

 

◎市長(森民夫君)

ただいまの中村議員の御質問でございますが、私は開府400年事業に臨む基本的な姿勢についてまずお話をしたいと思います。
初代の長岡藩主が長岡城主となってから平成30年に400年を迎えるわけでございまして、歴史的な節目となりますが、この年をどのようにお祝いするかということは、御指摘のように大変重要な節目だろうというふうに思います。
昨年でしたか、一昨年でしたか、高田の開府400年に行ってまいりましたけれども、しっかりと上越市も高田開府400年をお祝いしておられたのを大変私印象に残っております。
長岡のまちは、申すまでもなく戊辰戦争と長岡空襲と2度にわたる戦禍の中から立ち上がってまいりました。
また、近年では7.13水害、中越大震災などのたび重なる大災害の中からも立派に復興を遂げてきたわけでございますけれども、それはひとえに米百俵の精神、まちづくりは人づくりであるという精神がしっかりとこの長岡市に根づいていたということではないかというふうに思います。開府400年を迎えるに当たり、まちの歴史、文化、伝統を改めて見詰め直して、子どもからお年寄りまで全ての世代が長岡への愛着と誇りを高める、これは非常に大事なことだと思いますし、またふるさと長岡の魅力を広く国内外に発信するチャンスであるとも考えているわけでございます。
現在実行委員会においてどのような事業を実施するか検討を進めているところでございますが、悠久山公園の整備とか、あるいは北前船のネットワークを活用した物産展なども当然検討の対象になってくるというふうに思います。
また、藩政当時の長岡藩領と現在長岡の行政区域については、議員の御指摘のとおり必ずしも同じものではありませんが、しかしむしろ信濃川という大動脈に一種の、現代で言えば高速道路があって、また新潟の港は長岡藩領だったわけでございます。
そういうことから考えますと、経済的には今の長岡市の領域をもっと大きく越えていたという面もあるわけでありますから、地域を挙げて400年をお祝いしていただけるような体制をつくることが大事だなというふうに思っております。
全ての世代、それから11の個性あふれる地域が団結して、次の100年へのバトンを次の世代を担う子どもたちに手渡していくと、こういう精神で取り組んでいきたいなというふうに思っております。
また、そのときに非常に大事になるのが、300年祭のいろいろ実施した事業を考えますと、やはり市民が参加をする、行政だけではなくて市民が総参加するような体制をどうつくっていくかということも課題になるというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございまして、残りの御質問につきましては地方創生推進部長からお答えをさせていただきます。

 

◎地方創生推進部長(渡邉則道君)

私からは、市長答弁以外の御質問についてお答えをいたします。まず、開府300年事業についてでございます。
今からおよそ100年前の大正6年に長岡開府300年祭が開催をされました。
産業振興を主軸に置きまして、市民総参加でさまざまな事業が展開をされました。
官民協働主催による記念式典が行われたほか、地元企業が中心となって県内の物産販売を行う新潟県郡市連合物産共進会などが10日間にわたり開催されまして、県内外から12万人もの人々でにぎわっておりました。
また、武術大競技会、複葉機による飛行大会など、市内各所でさまざまな催しが盛大に行われました。
市民の盛り上がりの面では、駅前や市中に装飾門が建てられ、仮装して市中を踊り歩く仁和賀や山車が出され、市民総出でこの記念すべき年を祝ったことが記録に残されております。
このほか、篤志家など、市民により悠久山公園や互尊文庫が整備されるなど、官民一体で多くの取り組みがなされました。
このように、300年祭は近代都市長岡の力量を全国に発信する一大事業であり、現在まで続く市民協働によるまちづくりや長岡の経済、産業の発展に大きく寄与した300年祭であったと認識をしております。
次に、開府400年に向けたこれまでの取り組みについてお答えをいたします。
平成25年、26年度に、長岡藩主牧野家第17代当主牧野忠昌氏をはじめ、歴史や市民活動など各分野の関係者から構成される長岡開府400年記念事業検討懇談会を開催いたしました。
懇談会では、さまざまな御意見が出されました。
「市民協働、人材育成の原点を伝えたい」、また「合併して大きくなった長岡市を挙げての取り組みが必要だ」、「100年後に何を残せるのかという未来志向の視点が大切だ」といった御意見をいただきました。
また、議員から御紹介のありました機運醸成のためのPR冊子として「越後長岡ROOTS400」をこのほど発行し、市有施設に配置するほか、国内姉妹都市や越後長岡ふるさと会など、長岡と関係の深い市外、県外の方々へもお配りしております。
今後も平成30年まで定期的に発行いたしまして、市内外に向けての情報発信と機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

◆中村耕一君

では、2つ目の項目に移ります。本日で発災から2カ月が経過しました熊本地震。
28時間以内に震度7の揺れが2度も起きたという特異な大地震でありまして、現地に大きな被害を出しました。
大津波と放射能に象徴された東日本大震災も未曽有の災害でしたが、今回の熊本地震は中越と同じく内陸型の地震ということで、市民にも再び地震に対する関心が高まっているところでございます。
そこで、本市の耐震対策について何点か伺うものです。
初めに、長岡市耐震改修促進計画について伺います。
中越大震災で被災した半壊以上の建物は、旧耐震基準である昭和56年以前に建設されたものが約8割を占めたことから、いかにして旧耐震基準の建築物の耐震性向上を促進するかが大きな課題となりました。
そこで、建築物の安全・安心を高め、大規模地震等が発生した場合でも建築物の被害を軽減する目的で、長岡市耐震改修促進計画が立てられました。
計画期間は平成20年度から昨年27年度までで、耐震化の目標を旧耐震基準の建築物の耐震化率を住宅や特定建築物は90%にすることを努力目標として取り組んできました。
計画終了の昨年度末でどのように耐震化率が向上したのか、お伺いをいたします。
また、その目標達成のために木造住宅耐震診断費助成制度、木造住宅耐震改修工事費助成制度、そのほか部分補強工事や防災ベッド、耐震シェルターの設置等への助成もあり、きめ細やかな施策がとられてきたと思います。
その利用状況と、それに対する本市の評価を伺います。
また、耐震改修促進計画の今後については、国・県の動向を見ながら検討したいということでした。
このたびの熊本地震により、再び耐震に対する市民の関心は高まっております。今後はどうするのか。
特に各種の助成は継続すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。
次に、学校施設の耐震化について伺います。
学校は、子どもたちが一日の大半を過ごす学びの場であると同時に、災害時には近隣住民の避難場所となるなど、地域の防災拠点としての役割も担うことから、学校施設の地震に対する安全性の確保は重要です。
公立小・中学校の建物本体の耐震工事は完了したと聞いております。
一方で、天井や壁材、窓ガラスや照明器具などの非構造部材の耐震対策は進んでいるとは言えないと思います。
文部科学省によりますと、公立小・中学校における昨年4月現在の非構造部材の耐震対策実施率は64.5%にとどまるということです。
今後は計画的に、また速やかに工事を進めていくように要望いたします。そこで、確認の意味で長岡市内の学校施設での耐震対策の現状をお伺いいたします。
さて、このたびの熊本地震では、指定避難所とされた体育館の天井材やガラス窓が落下して使えなくなるという問題が発生をいたしました。
指定避難場所に来た住民が体育館の中に入れなかったわけですが、馳文部科学大臣は先月、このことを重く捉え、これら非構造部材の耐震化を推進する方針を示しました。
長岡市も非構造部材に対しても積極的に耐震化に取り組んでいるところですが、特に窓ガラスについてはこれからではないかと思います。
指定避難所に限らず、学校施設には窓ガラスが多くあります。
教室等の窓ガラスの飛散防止対策は、災害時に子どもたちのけがを防ぐ目的とともに、避難経路の安全確保、また避難所になる体育館の対策等、学校の窓ガラスの飛散防止は重要であります。
地震だけでなく、最近は竜巻や突風などの被害も起こっております。いざというときのガラスによる被害をなくすために強化ガラスにかえるとかの飛散防止対策を進めるべきと考えます。
このような対策には予算も時間もかかりますが、とりわけ避難所となるべき体育館の窓ガラスへの対策は早急に進めていくべきではないかと考えます。お考えをお伺いいたします。
最後に、公共施設等総合管理計画について伺います。このたびの地震で、熊本県宇土市の市役所本庁舎は5階建ての4階部分が潰れるなど、半壊をしました。
庁舎は築50年以上が経過しており、震度6強程度の地震で大きな被害を受ける可能性が高いとの判断を受けておりました。
しかし、財政上の理由で後回しになってきた結果、このたびの地震で対策本部となるべきなのに機能しなかったのです。
公共施設には、いわゆる箱物と言われる建築物と道路、橋りょう、上・下水道、公園等のインフラがあります。
過去長岡市議会の中でも、箱物のあり方については何度も議論されてきたところでございます。
高度成長期に建設した箱物の多くが老朽化し、今後どうするかが大きな課題となっています。
しかし、生活保護などの民生費等が上昇し続ける厳しい財政運営の中で、いかに箱物の整備を進めていけるか、経費の平準化を進めていくことができるかがこれからの重要な取り組みになると思います。
公共施設等総合管理計画は、長期的な視点に立って箱物、それからインフラを含めた施設全体の管理に係る基本的な方針を定めるもので、今年度までに策定することになっています。
この計画をもとに、これから具体的な対策に移るわけです。
そこで訴えたいことは、管理体制の一元化の必要性であり、それをどう構築するかであります。
宇土市の市役所本庁舎の例を出すまでもなく、本当に必要なものは優先順位を決めて進めていかなくてはいけません。
現状では、公共施設は各部局ごとに管理されており、ややもすると声の大きいところが優遇される可能性も否定はできません。
どういう組織が司令塔となり、責任を持って計画の推進を担うのかを明確にしていく必要があると思います。
当局のお考えを伺います。もう1つ、スピード感とは対極にありますが、市民の理解を得るために時間をかけた展開も大切であると考えます。
必要なのはサービスであって、施設そのものではない。できるだけ公共サービスの水準を維持しながら、できるだけ施設の負担を引き下げるという考え方に立って、全ての施設のあり方を検討していかなくてはなりません。
市民に痛みを求めることもあるでしょう。
だからこそ、計画をもとに市民とともに問題意識を共有しながら、時間をかけて進めてほしいと思います。
どのように進めていかれるのか、お考えをお伺いいたします。

 

◎都市整備部長(安達敏幸君)

私からは、耐震改修促進計画に関する質問に対してお答えしたいと思います。
平成19年度に策定した当該計画では、平成27年度末の民間住宅の耐震化率の目標を90%としておりました。
これに対し、平成27年度末の耐震化率を推計しますと、約84%となります。
耐震化率は5年間で4ポイント上昇し、国・県を上回る水準で推移しております。
次に、平成20年度から始まった計画期間内の耐震改修の各種助成制度の利用状況でありますが、耐震診断につきましては514件、耐震改修につきましては部分補強も含めて117件となっております。
本来雪国の住宅は構造的に強固なつくりとなっておりますが、旧耐震基準の昭和56年以前の住宅には改修が必要なものも少なくありません。
所有者の高齢化や中越地震から10年以上経過したこともあり、改修実績はここ数年減少傾向にありますが、各種助成制度は住み続ける人にとって安全・安心につながる制度であり、耐震化推進に一定の効果があったと考えております。
次に、今後の計画についてであります。市の計画は、上位計画であります新潟県の計画を踏まえて作成することとなっております。この5月に新潟県の耐震改修促進計画が示されており、現在県の計画との整合をとりながら、平成32年までを計画期間とした現計画の改定版を作成中であります。
その中で、現在の助成制度については引き続き継続することを前提に、耐震シェルターなど部分的な改修を積極的にPRするほか、熊本地震を検証し、きめ細やかなニーズに対応することで、より使われる制度にしてまいりたいと考えております。私からは以上であります。

 

◎教育部長(若月和浩君)

私からは、学校施設の耐震化についての質問にお答えいたします。
本市では、校舎などの構造体、屋内運動場等のつり天井や照明装置などの耐震改修工事を27年度で全て完了いたしました。
引き続き、国の基準により改修が必要となる5校の校舎内のつり天井について耐震化を進めてまいります。
次に、窓ガラスの飛散防止対策についてですが、議員がおっしゃるとおり、校舎等の窓ガラスの飛散から子どもたちの安全を確保することは重要であると認識しております。
特に避難所となる運動場につきましては、本市では既に多くの学校で強化ガラスなどを使用し、対応しております。
未対策の屋内運動場につきましても、今後国の動向を見きわめながら、大規模工事等の中で窓ガラス飛散防止対策を検討してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

 

◎財務部長(野口和弘君) 

私からは、公共施設等総合管理計画についての御質問にお答えいたします。
公共施設等総合管理計画は、議員からもお話がございましたように、市が所有いたします建物だけでなく、道路などのインフラも含めた全ての公共施設等について長期的な視点に立ち、分野ごとに今後の管理に関する基本的な方針を整理するものであります。
本市では、今年度中の策定に向けまして、昨年度から作業を進めているところであります。
計画の策定に当たりましては、副市長をトップとし、関係する部局長で構成する市有施設保全推進会議を中心に、部局を横断する体制で取り組んでおります。
計画策定後においても、計画の進捗を全庁的に管理する体制を整えることが重要であることは、議員御指摘のとおりであります。
したがいまして、計画の円滑な進捗に向けて、部局を超えた全庁的な管理体制について現在設置している市有施設保全推進会議を基本にしていくことも含め、今後十分検討してまいりたいと考えております。
次に、計画の推進に当たり、どのように市民の理解を得ながら進めていくのかということについてでありますが、計画の内容について市民の皆さんにお知らせし、人口減少社会に対応するための公共施設等のあり方に対する認識というものを共有していただく必要があると考えております。
また、計画に基づきまして具体的な取り組みを進めていく際にも、市民の皆さんの理解を得ることが大切であるというふうに考えております。
そのため、どのような形で市民の皆さんと認識を共有しながら進めていくのがよいのか、他市の事例等も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 以上であります。

 

[ 平成28年12月定例会本会議-12月06日 ]

 

◆中村耕一君 

通告に従い、市長の政治姿勢及び市政運営について質問をいたします。
初めに、去る10月16日の市長選挙におきまして激戦を制し、当選を果たされました磯田市長に対し、心からお祝いを申し上げます。おめでとうございました。本日4番目の登壇ということで質問もだいぶかぶるところもございますけれども、予定どおり進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
深刻な人口減少問題と少子高齢化、東京一極集中の加速により、地方は高齢化が進み、大都市との格差が広がっており、当長岡市も例外ではありません。
その流れに歯どめをかけ、将来にわたって活気ある地域づくりを目指す地方創生の取り組みが急がれています。
本市でも「長岡リジュベネーション~長岡若返り戦略~」が策定され、いよいよ地方創生の本格的な実行段階へと移ってまいりました。
そこで、今後の市政運営について何点か伺うものであります。
初めに、市民との対話についてお伺いいたします。市長は、選挙期間の後半、そして市長就任に当たっての職員への挨拶の中で、「市民の皆さんの声に耳を傾け、市民の皆さんと話し合い、考え、行動する」と語り、市民とともにとの決意を力強く述べられました。
対話の中にこそ市民協働があるという発言だと理解をいたしました。
先日、NHKの番組で小林虎三郎が取り上げられていました。戊辰戦争の敗戦後、長岡藩は全ての民がぎりぎりの貧困生活を送っていました。
そこに三根山藩からの救援米が百俵。これでおなかが満たされると多くの民が喜びました。
ところが、小林虎三郎は学校をつくりたいと訴え、まちを二分する議論になったのです。
小林虎三郎は、今の空腹を満たすことよりも未来のために人をつくりたいと理解を求めました。
厳しい食糧事情であっても、民に胸襟を開いて語りかけ、苦しさを共有し、未来の希望に向けての思いを一つにすることができたからこそ、藩が一丸となり、本格的な復興が始まってきたのだと思います。
それこそが今につながる長岡市の市民協働の原点ではないでしょうか。
市長の訴えの中にそのような姿勢と覚悟を感じましたが、これまで市民の声というと、市民窓口や市長への手紙などによるものが主だったと思います。
市長の言われる「市民の声を聞く、話し合う」ということは、口で言うほど簡単ではないと思います。
今後は具体的にどのような手法で市民との対話の場をつくっていくお考えでしょうか、市長のお考えと決意をお伺いいたします。
さらに、さきの米百俵の故事のごとく、市民協働を実現するための要件は情報の公開であり、情報の共有です。
市民の一番の関心は、納めた税金の使い道ではないでしょうか。だからこそ、行政サービスに幾らコストがかかり、将来どのくらいの負担が見込まれるのかを示す財政の見える化が必要だと思います。
それにより無料に見えるものにも実はこれだけお金がかかっている、そういうふうに市民にお知らせすることができ、そこで初めて借金をしてまでそんなサービスをする必要はない、あるいは必要なサービスだから皆で負担するのも仕方ないという判断ができるようになります。
市民と現状を共有しながら新しいまちづくりに進むためには、財政の見える化が必要だと思います。
既に総務省からは、全国の自治体に2017年度までにICTを活用した固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を求める通知が出されています。
複式簿記は現金の増減だけでなく、自治体の資産や負債の残高、増減の理由もはっきりするため事業の費用対効果が数字で明らかになり、全国に先駆けて複式簿記を採用した東京都では、財務諸表の活用で総額1兆円もの隠れ借金を発見し、解消することができたそうです。
市民と課題を共有するための前提として財政の見える化を積極的に推進し、政策に活用していく必要があると思います。
統一的な基準による地方公会計の整備に向けた取り組みの現状と活用について、市長のお考えをお伺いいたします。
次に、活力ある地域経済について伺います。
人口減少、自治体の持続可能性の危機が指摘される今、多様なライフプランを将来にわたって描ける地域社会の構築が必要であり、その基盤である地域経済の再興が不可欠です。一定の収入が得られ、結婚し、無理なく子育てできる社会とも言えましょう。
そのためには、生活をするための働く場としての産業が地域の中に存在し、そこで安定的に収益を確保していくことが必要です。
その意味で、中小企業支援についてはさらなる支援に取り組む必要があると考えます。
市が推進役となり、仕事をつくり、成長を押し上げるため、産・官・学・金の連携により新製品の開発や新分野進出など地元事業者の支援を図り、さらに事業承継についての相談体制やマッチング支援などを強化すべきと考えます。
特に長岡市は3大学1高専を有し、その連携によって大きなイノベーションを起こす可能性を秘めていますし、市当局もこれまでそのようにアピールをしてきたところでございます。
そこで、具体的に3大学1高専との連携、地場産業の支援など長岡版イノベーションをどのように行うのか伺います。
あわせて競争力強化と情報発信の進め方について伺います。
地域経済が活性化することで女性や若者が住みたくなるまちとなります。
女性や若者が集まれば持続可能な地域社会となりますし、地域経済の発展を支えるイノベーションにも女性や若者の視点が必要です。
地域に生まれ、地域で教育を受け、働き、子育てをし、地域に暮らす人という意味の生活者に焦点を当てて、市民一人一人の持つ力を最大限に発揮し、希望に応じて活躍できる社会基盤を強固にすることが今後の地域の活力と持続的な成長を生み出すことになります。
女性、若者の活躍を推進するには、子育て支援はもちろん、育児・介護休業などを取得しづらい職場風土や長時間労働を前提とした勤務形態からの脱却を進めることが重要です。
有給休暇や育児介護休業等の取得率の向上、テレワークなどの時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を推進するため、職場の意識改革を促し、職場内の支え合いによって育児や介護を抱える労働者にやさしい働き方モデルの構築が求められていると思います。
今こそ働き方の改善を断行すべきと考えますが、女性、若者支援を長岡市ではどのようにお考えなのかをお伺いいたします。
次に、支え合いの共生社会について伺います。我が国の65歳以上の方が総人口に占める割合、高齢化率ですが、2013年には25.1%で4人に1人でしたが、2060年になると39.9%で2.5人に1人になると推計されています。
人口減少が続く中にあっても高齢者はふえており、結果、社会保障費も年々ふえ続けています。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年を見据え、それぞれの地域でふえ続ける医療・介護ニーズにどう対応していくのかが大きな課題となっています。
高齢で病気を抱えていても、今生活をしているその場で人生を全うすることが求められているのではないでしょうか。
長岡市は、市内の基幹3病院を中心に、医療に関しては他市よりも恵まれています。
それでも広い市域にあっては医療・介護に不安を抱える高齢者が多くいますし、合併地域においてはその不安も大きいと思います。その不安解消のためにも、住みなれた地域で医療・介護、生活支援などのサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムの拡充が求められています。
さらに、昨今大きな課題となっている認知症の患者については、厚生労働省の推計で65歳以上の7人に1人、2025年になると5人に1人になると言われております。
行政と地域が協力して認知症患者と家族をサポートする体制をつくることが喫緊の課題となっていると思います。
認知症サポーターの養成や認知症の行方不明者が出たときにも、外回りの業務を行う業者と連携し、早期発見・保護につなげるなどという住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることを可能にする地域を目指すべきであります。
また、認知症対策として他市に先駆けて初期集中支援チームの活動が開始されましたが、一層の充実が必要です。
そこで、本市の地域包括ケアシステムと認知症対策についての現状と、今後はどのように取り組まれていくのかをお伺いいたします。
介護保険、国民健康保険料の負担をこれ以上ふやさないために、健康面で支障がなく、元気に日常生活が送れる健康寿命を延ばすことに力点を置くべきと考えます。
ボランティアや地域活動などを通して社会とかかわり、支え合いの社会づくりに貢献できる期間を延ばす、幾つになっても健康を維持しながら元気に働き、地域への貢献も果たしていく生活を送る、そうした人々が主役の地域社会の構築が求められています。
そこで、柱となるべき政策が多世代健康まちづくり事業のながおかタニタ健康くらぶになるのではないでしょうか。
この健康くらぶは、子どもから高齢者まで多世代にわたる方々が気軽に楽しく簡単に健康づくりに取り組める会員登録制のくらぶであり、健康づくりをサポートしています。
ウオーキングや健康セミナーへの参加、健康診断の受診など、健康的な取り組みを行うとその頑張った成果に応じて最大で約2万5,000円分の長岡市共通商品券や飲食券、お役立ち健康グッズ、長岡産農産物などと交換することができるなど、楽しみながら健康になれる仕掛けになっています。
健康くらぶも立ち上がりから2年が経過をいたしました。現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
次に、長岡市の教育についてお伺いいたします。教育の目的は、子どもの幸福にあります。
子どもたちの幸せになる力を引き出すことが重要であり、それは子どもたちが本来持つ無限の可能性を開くことだと思います。
子どもたちの豊かな人間性や社会性を育むために、実際に体験することほど貴重な場はありません。
子どもたちが本物に触れる機会をつくる重要性は増しており、それにより子どもたちの学びはより豊かなものになります。
その意味で本市の「熱中!感動!夢づくり教育」の取り組みは評価できるものですし、今後も積極的に取り組んでいくべきと考えます。
一方、いじめの問題やそれに絡む自殺など、教育とは真逆な悲しいニュースが後を絶ちません。
いじめはいじめたほうが100%悪いという考え方をあらゆる機会に訴えていただきたいと思います。
また、もし仮にそのようなことが起こってもすぐに適切な対応ができるように、いじめ、不登校の子どもたちに対する学校の相談体制の強化や安心して学びを再開できる環境づくりが求められています。
また、義務教育が終わってからのひきこもり等の支援を行うことも必要と考えます。
いじめや不登校の問題に関して、相談・支援体制の強化をすることに対するお考えを伺います。
また、子どもたちの教育を学校現場でのみ完結することなく、学校、家庭、地域が連携して地域とともにある学校への動きも全国で広まっているようです。
教員の仕事も激務ですし、万能ではありません。地域の力、視点をかりて子どもたちの学力向上やいじめ等に対応するなどの開かれた視点も今後は必要と思います。
地域連携の現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
近年、障害のある子と障害のない子がともに学ぶことを目指すインクルーシブ教育が注目を浴びていますが、障害のある子どもたちが十分な教育を受けられる環境づくりを進める必要があります。
早い段階から継続的に適切な教育や支援をすることでその子の持つ能力を伸ばせるようにするとともに、保護者の不安を解消し、安心して子育てできるようにすることが重要です。
そのためにも乳幼児期から就労期まで適切な情報の共有、引き継ぎ等による一貫した支援・相談等を行える仕組みが必要であり、長岡市が現在進めているすこやかファイルを活用した支援体制は評価できるものと考えております。
長岡市の一貫した支援・相談体制の現状と今後の進め方について伺います。また、インクルーシブ教育についてのお考えをお伺いいたします。
最後に、防災・減災の地域づくりについて伺います。日本各地で想定を超える大規模な自然災害が発生し、甚大な被害が相次いでおり、防災・減災対策が喫緊の課題となっています。
壊れてからでは遅い。老朽化した道路や橋といったインフラの事故は、市民の日常生活に影響を及ぼすばかりか、生命すら脅かしかねません。
特に高度成長時代に建設された道路や橋りょうなど社会インフラの老朽化は進み、事故の発生や災害時の危険性が増しており、市民の命を守るためにも補修・更新といった対策が急務です。
しかし、本年4月の熊本地震の際、熊本県宇土市役所では本来ならば対策本部となるべき市役所の庁舎が半壊。
本庁舎は51年経過をして老朽化が著しく、建設を検討していたやさきのようでした。
これも予算の関係で後回しにされてきた現実があるようです。本当に必要なものは安全・安心な地域づくりのために着実かつ速やかに防災・減災対策を進めていかなくてはなりません。
国土強靱化基本法にのっとり、道路や橋りょう、上・下水道など社会インフラの長寿命化、老朽化対策が着実に推進されてきていると思います。
引き続き社会インフラの総点検を進めながら、計画的な補修・修繕、耐震化等が求められます。
昨今の社会インフラ整備にとって大事なのは、頻発化、激甚化する自然災害に備えるための防災・減災を前提として進めることだと思います。
本市のそれぞれの計画の進捗状況はどうでしょうか。また、今後も計画的に確実に進めていくべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。
また、ソフト面の防災対策として、自主防災会の着実な組織化と訓練の実施などで地域防災力の向上を図ることが求められています。
長岡市では中越市民防災安全大学を共催し、体系的な防災教育を学ぶ場を設けたり、自主防災会の事例報告会を行うなど積極的に推進していると評価をしています。
しかし、まだまだ地域、町内によっては温度差があり、特に避難所の運営等についてはいま一歩のように感じております。
子どもや女性、高齢者や障害者が避難所生活でつらい思いをすることがないような体制を強化することが求められています。
地域防災力の向上について、現状と今後どのように進めるのかをお伺いいたしまして、質問を終わります。

 

◎市長(磯田達伸君)

中村議員の御質問にお答えしたいと思います。
初めに、市民との対話について御質問がございました。
当然ではありますが、私自身が率先して市民の皆様のところに出向いて市民の皆様の生の声をお聞きしたいと思っております。
そのことは、かたい思いであります。
そして、職員が庁舎から外に出て、市民の皆様のところに出向いて、市民の皆様と一緒に考え、そしてそれを自分の部署に持ち帰って自由闊達な議論をし、政策を立案してそれを私に積極的に上げるような仕組み、そういう職場風土をつくっていきたいというふうに考えております。
よくPRとか広報というふうなことを申します。
政府や私ども行政が市民、国民に対していろいろな政策について情報提供する、あるいは呼びかける、あるいは場合によったら説得する。
広報というふうに言いますが、実はPRの中には広報・広聴の広聴の部分が含まれているわけでありまして、言うだけではなく、伺う、聞くというのがセットでなければ本当の広報、PRとは言えないわけであります。
そういう意味では、市の職員はいろいろな仕事がありまして、窓口、またいろいろな手続等で毎日市民の皆さんと向き合っている職員が大勢いるわけですが、そういう職員はおそらく大きなチャンスを毎日もらっているのではないかなというふうに思っています。そういう仕事の中で、市民の皆様の声や思いや悩みや苦しみや場合によったら夢とか、そういうものもいただきながら仕事をしている。
それが職員の中でどういうふうになっているのかというのが私は非常に今気になっているところでありまして、ぜひそういうものを職場の中で声を上げて出してもらいたい。
それで、出すことによって自由闊達な議論が行われ、それが政策になっていくことが本当に私としては望むところだというふうに思っております。
行政と市民の関係をしっかりとつくっていくためには、広報とともに広聴、聞くことが大切だということを職員に本当にわかってもらい、職員の一人一人が広報マンであることを私はお願いしてまいりたいというふうに思っております。
そういう意味では、職員の意識改革をしっかりやっていくということが市民との対話の基本ではないかなというふうに考えているところであります。
なお、市長への手紙などにつきましても、これまでどおり市民の皆様からいただいた貴重な御意見、御提案として受けとめさせていただき、活用させていただきたいと考えております。
いずれにいたしましても、市民の皆様の声を聞く姿勢を市の組織全体で大切にする市政運営を心がけてまいりたいと思っております。
次に、長岡版のイノベーション、技術革新について申し上げたいと思います。
申し上げるまでもなく、地場産業の技術集積と3大学1高専の知の集積、これは当市の貴重な財産であり、強みであります。
これまでも3大学1高専と連携しながら産業振興を進めているところでありますが、この知の集積をもっと有効に活用していくことが可能ではないかと考えております。
3大学1高専の研究成果と地元企業の技術力、そして金融機関の資金力を活用しながら画期的な新技術・新製品の開発につなげていく。
これが一朝一夕にできるとは考えておりませんが、将来に向けて長岡の産業の新たな可能性を追求していくためには、この長岡版イノベーション、技術革新の実現が不可欠でありまして、積極的に挑戦していく所存であります。
イノベーションの実現に向けて、まずは大学にどのような技術シーズ、種、ネタ、資源があるのか、地元企業とのマッチングの可能性はどうか、さらには市場動向なども含め、長岡版イノベーションモデルの芽出しに向けた検討、議論に着手しているところであります。
いずれにいたしましても、長岡の産業のさらなる成長、発展を実現するために、イノベーション、技術革新の観点をしっかりと取り入れながら、地元企業、地場産業を全力で支援してまいります。
残りの質問につきましては、財務部長、商工部長、福祉保健部長、教育部長、技監、危機管理監からお答え申し上げます。

 

◎財務部長(野口和弘君)

私からは、財政の見える化についてお答えいたします。まず、統一的な基準による地方公会計の整備に向けた取り組みの現状でございますが、平成28年度決算から統一的な基準を適用した財務書類を作成し、公表することを目指して準備を進めております。今年度はそのための基礎資料として必要となる固定資産台帳の整備をはじめ、統一的な基準を適用した際の貸借対照表や会計基準の作成作業などを進めております。次に、統一的な基準による財務書類の活用についてでございますが、複式簿記の導入によりまして、現金の増減だけでなく、資産や負債の状況のほか、減価償却費や引当金といった将来的に発生する行政コストなどの正確な把握もできるようになります。また、他市との比較や今より詳しい財政分析も可能になることから、新たに得られる財務情報を予算編成や行政評価あるいは公共施設マネジメントなどに有効に活用していきたいと考えております。なお、議員御指摘のとおり、市民協働を進める上で情報の公開と共有は重要なことでございますので、統一的な基準の適用でより明らかになる財政状況や財務情報をわかりやすく市民の皆さんにお示しする方法についても十分検討してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

 

◎商工部長(森山建之君) 

私からは、まず地場産業の競争力強化と情報発信についてお答えいたします。
本市は、地元企業の新技術・新製品開発や製品のブランド化を促進するため、企業ニーズに即した多様な補助制度による支援を行っており、開発した製品が全国シェアでトップクラスになるなど、大きな成果を上げてきたものと考えております。
今後も3大学1高専との連携を深めながら、新技術・新製品開発をしっかりと支援することで地元企業の競争力強化に努めてまいります。
次に、情報発信につきましては、地元企業のすぐれた技術や製品を広くアピールするため、国内外の展示会等への出展を積極的に支援しております。
先月、タイで開催されたASEAN最大の機械系見本市に初めて共同出展しましたが、長岡の企業の精密な加工技術を駆使した製品等が海外の企業から注目され、評価されたと聞いております。
今後もこうした出展支援やインターネットあるいはユーチューブなど、さまざまな媒体、手法を通じて地場産業の高い技術力を積極的に発信していきたいと考えております。
続きまして、女性、若者の活躍を支える支援についてお答えいたします。
現在、市内企業では人材不足が顕著化していることから、限られた人材を有効に活用することが重要であり、そのためには女性や若者など誰もが働きやすい環境づくりや多様な働き方の実現に向けたワーク・ライフ・バランスの取り組みが喫緊の課題であると認識をしております。
このため、今年度市では企業経営者を対象としたワーク・ライフ・バランス講演会の開催や各企業への専門相談員の派遣を行っているほか、女性活躍や若者の職場定着を目的としたセミナーを開催するなど、企業における働きやすい職場づくりを推進しております。
今後とも企業における職場環境の改善や、女性や若者が活躍できる社会環境の整備に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

 

◎福祉保健部長(水澤千秋君)

それでは、私からは、支え合いの共生社会についての御質問にお答えをいたします。
まず、認知症対策についてでございますが、これはできるだけ早期の対応や予防が重要となります。
そのため、認知症の方や御家族同士の交流、相談の場であるオレンジカフェの開設や御質問にもありましたように、医療機関の早期受診や介護サービスにつなげるための認知症初期集中支援チームの設置、また介護予防教室の実施など、さまざまな取り組みを行ってきております。
今後は、各地域包括支援センターでの認知症地域支援推進員の育成やオレンジカフェの増設など、各地域での相談・支援機能をより強化していきたいと考えております。
また、地域包括ケアシステムにつきましては、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるための仕組みづくりとして、医療・介護関係者の多職種連携交流会の開催や在宅医療・介護情報をタブレット端末で共有するフェニックスネットの構築などを行ってまいりました。
こうした取り組みによって、在宅医療・介護に携わる関係者の連携が大きく進みまして、より安心して在宅生活ができる環境になってきていると考えております。
今後の方向性としましては、これらの取り組みをさらに拡充するとともに、高齢者の通いの場であるはつらつ広場や介護予防サークルなどを広めることにより、健康づくりや介護予防にも一層力を入れていきたいと考えております。
次に、多世代健康まちづくりの事業につきましては、食と運動の両方に着目をし、楽しみながら健康づくりを進めることで健康寿命を延ばすことを目的とした取り組みでございます。
具体的には、民間のノウハウを活用した健康くらぶやこの健康くらぶと連動した市内全域での健康づくりセミナー、さらには保育園児と保護者を対象にした食育講座などを開催し、多世代にわたる健康づくりを展開しておりまして、くらぶ会員も着実にふえております。
今後は各地域の健康セミナーに加え、企業向けのセミナーの開催などによりまして現役世代にも直接働きかけてまいります。
また、長岡市が長年にわたって独自に培ってきたコミュニティ活動の場を生かしまして健康づくりと介護予防事業との効果的な連携を図り、より多世代にわたる事業拡充に取り組んでまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

 

◎教育部長(若月和浩君)

私からは、長岡市の教育についてお答えいたします。
議員から評価していただきました長岡の教育の重要な柱である「熱中!感動!夢づくり教育」につきましては、引き続きしっかりと進めてまいります。
市では、いじめや不登校などの子どもの支援について、長岡市いじめ防止基本方針に基づき、いじめに対応するとともに、子どもふれあいサポートチーム等の活用により不登校などの諸問題への対応を徹底し、子どもたちが安心して通える学校づくりを進めております。
学校では、日ごろから児童・生徒の様子の確認、相談活動を確実に行っております。
また、いじめが発生した場合には、軽微であっても機を逃すことなく、組織を挙げて丁寧に対応しております。
今後も教育委員会と学校とで連絡を密にとり合い、児童・生徒一人一人の心に寄り添った支援を充実してまいります。
次に、学校と地域の連携についてお答えいたします。
これまでも市では、学校や地域、児童・生徒の実態等に応じ地域と連携し、地域の力を生かした教育に取り組んでまいりました。
全ての学校に地域住民や保護者から成る学校評議員会があり、学校運営についての意見交換を行っております。
さらに、民生・児童委員との懇談会や講演会、PTAなどからの意見を受け、地域との連携を深めております。
学校と家庭、地域が連携し、総ぐるみでふるさと長岡を愛する子どもに育ててまいりたいと考えておりますので、今後も着実に取り組みを進めてまいります。
次に、障害のある子どもへの支援についてお答えいたします。
市では、就学前から特性に応じた適切な支援や対応を行い、子どもが本来持つ可能性を最大限発揮できるよう各園や各学校に相談員を派遣し、家庭や専門機関と連携しながら支援の記録としてすこやかファイルを継続活用し、途切れのない支援体制を整えております。
今後も幼・保・小・中の連携を円滑にした切れ目のない支援を進め、障害のある子どもたちをしっかりと支援してまいります。
最後に、インクルーシブ教育についてお答えいたします。市では、インクルーシブ教育システムを障害のある子どももない子どもも可能な限りともに学ぶ仕組みと捉えており、できることはみんなと一緒に、苦手なことは自分に合ったやり方で学ぶことができるよう多様な学びの場を整えております。
今後も全ての子どもの可能性を引き出し、伸ばす教育が各校で主体的に行われるよう支援してまいります。
私からは以上であります。

 

◎地域政策監・技監(中野一樹君) 

私からは、インフラの長寿命化対策についてお答えします。
議員御指摘のように、国土強靱化にはその基盤となるインフラの長寿命化対策が重要であると認識しております。
長岡市では、橋りょうやトンネル、下水道等の長寿命化計画を策定し、これまでの壊れてから直すという対症療法的な対策から予防保全的な対策にシフトし、事業を進めているところであります。
特に橋りょうは国が点検を義務づける前に点検調査を完了し、県内でいち早く事業に着手いたしました。
現在、全体計画87橋のうち、既に26橋の予防保全工事に取り組んでおります。
さらに、下水道は全国的にも屈指の速さで長寿命化計画を策定し、県内では一番最初に事業着手いたしました。
現在、全体計画のうち、約60%が対策済みもしくは対策中でございます。
また、トンネルについても既に点検調査が終了し、計画的に工事を実施しているところでございます。
今後も既存インフラを長く、賢く使うために、計画に基づき長寿命化対策を着実に進め、市民生活の安全・安心の確保に努めてまいります。以上でございます。

 

◎危機管理監・政策監・新エネルギー政策監・危機管理防災本部長(金子淳一君) 

最後に、地域防災力向上のための取り組みについてお答えをいたします。
当市では、中越大震災で学んだ教訓の継承や地域の防災リーダーを育成するため、中越市民防災安全大学を平成18年度から開講しているほか、自主防災会の育成、活動の活性化のために中越市民防災安全士会及び中越防災安全推進機構との連携のもと、専門アドバイザーの自主防災会への派遣を行うなど、長岡市独自の地域防災力の向上に取り組んでいるところでございます。
議員御指摘の避難所の円滑な運営につきましては、過去のたび重なる災害の経験から培われてまいりました避難所の運営のノウハウを今回の熊本地震の被災地支援に生かしてまいりましたが、その重要性に鑑み、町内会や自主防災会の役員などを対象として開催しております防災活動事例発表会や自主防災会の防災訓練を通じて周知と実践に努めてきております。
今後も御指摘の点に留意しつつ、日本一災害に強いまち長岡の実現を目指し、地域防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

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