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[ 平成25年 9月定例会本会議-09月11日 ]


◆中村耕一君

通告いたしました2つの項目につきまして、一括方式にて質問を行いますので、よろしくお願いいたします。
過日開催された国際オリンピック委員会の総会で、2020年の夏季オリンピック大会とパラリンピック大会の開催地が東京に決定をいたしました。
その決定が日本列島を駆けめぐった8日の朝には、大きな期待と喜びが爆発しました。
7年後に向けて、スポーツ振興だけにとどまらず、経済面にも、そして何よりも私たち一人一人の心に明るい希望のともしびがともったと言っても過言ではないと思います。
スポーツの持つ力を実感させられた次第です。
国では、スポーツ行政を一元的に担うスポーツ庁の創設に向けて本格的な検討に入るようですし、今後さまざまな強化策が打ち出されてくると思います。
本来ならば、オリンピックに向けた長岡市のスポーツ政策をお聞きしたいところですが、決定が通告後でございましたので、今回はスポーツ人口の裾野を広げるための総合型地域スポーツクラブの育成についてお聞きをいたします。
日本のスポーツに関する主な政策を見ますと、前回の東京オリンピックに向けてのスポーツ環境の整備として、1961年にスポーツ振興法ができました。
その後、大きな動きはありませんでしたが、2011年夏、超党派でスポーツ基本法案がまとめられ、議員立法でスポーツ立国戦略の実現を目指したスポーツ基本法が制定されました。
スポーツ基本法の前文には、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利と明記されています。
私たち多くの日本人には、スポーツというと、学校の運動部を思い浮かべ、歯を食いしばってやるもの、一部の人がやるものというスポーツ観が定着をしています。
本来スポーツは、みずから体を動かしたいとき、いつでも、どこでも楽しめるものであり、生涯にわたって心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠なものであります。
日本人の平均寿命は世界一となりましたが、医療技術の進歩に頼っての世界一ではなくて、健康で長生きをする健康寿命こそが求められており、健康づくり、スポーツという観点からのまちづくりは、今後非常に大きな、重要な施策の1つになると考えております。
かつてスポーツをやりたい人には、学校あるいは企業の中で部活動という活躍の場がありました。
しかし、近年は学校現場の部活動維持の難しさや企業の経営体力の厳しさの中で、期待に応えられておりません。
その中で、スポーツ人口の裾野を広げる取り組みとして、総合型地域スポーツクラブがスポーツ基本計画に明記をされました。
総合型地域スポーツクラブは、これまで学校やいろいろなスポーツ団体、行政に多くを依存してきたシステムを地域住民が主体となって運営し、規模や活動内容はさまざまですが、幅広い世代がそれぞれの体力や希望に合わせ、多種目のスポーツを楽しむことができるのが大きな特徴です。
これは学校や企業依存の活動基盤から地域住民主体の活動基盤への構造改革と言えると思います。
長岡市では、既に平成20年3月に長岡市スポーツ振興基本計画を制定するなど、スポーツ政策に対し先進的であると私は評価をしております。
初めに、近年のスポーツ事情を受けまして、国のスポーツ基本計画の中にある総合型地域スポーツクラブの理念を市はどのように認識しているのかをお伺いします。
小学校の部活動は、2002年の完全学校週5日制導入が転機となり、文部科学省が地域に子どもを返そうと打ち出し、多くの部活が学校を離れました。
また、現在は中学校でも少子化による生徒減少、体育指導者の減少などにより、全ての部活動のメニューをそろえることは難しく、学校で希望するスポーツを行うのが難しくなっています。
その環境からでしょうか、日常的にスポーツにかかわる人が減り、近年では子どもの体力の低下も指摘をされております。
平成24年の文部科学省の全国体力・運動能力、運動習慣等調査によると、特に中学生女子の約3割が1週間の総運動時間が60分未満で、ほとんど運動しないという深刻な実態が報告をされております。
総合型地域スポーツクラブを育成する大きな意義の1つに、社会人の受け皿だけではなくて、このようなスポーツの機会のない子どもたちに放課後の時間や休日にスポーツに親しむという環境をつくっていくことがあると思っております。
さらに、長岡市でも高齢者が介護の要らない自立した日常生活を続けるために健康づくり教室などを積極的に推進しておりますが、介護予防の場としても必要と思います。
平成24年7月現在、全国で3,396のクラブが活動しております。
長岡市でも幾つかのクラブが活動を展開しております。
総合型地域スポーツクラブは、あくまでも地元地域の意向を中心に、その熱意に支えられている部分が大きいと言えます。
既に立ち上げ、活動している先行のクラブは、そういう意味で今後の発展のモデル的な位置づけになると言えるでしょう。
そして、その活動が充実し、魅力あるものに成長することが総合型地域スポーツクラブへの市民の理解と拡大につながってくると考えます。
そこで、お伺いします。
既に長岡市内で活動しているそれぞれのクラブの特徴と活動実態、その課題についてどうお考えでしょうか。
また、今後の市内の他地域への展開をどのように考えているのかをお伺いします。
さきに述べた全国で活動を展開する3,396のクラブなどに共通する課題として、財源、指導者、活動場所の確保の問題もあるようです。
クラブを立ち上げはしたものの、その後この問題に直面をして、活動が衰退していったクラブも多いようです。
総合型地域スポーツクラブは、今後のスポーツ振興の大きな核となる存在であり、このスポーツクラブが市内に拡大していくことを願っております。
最終的には一つ一つのクラブが市の支援を必要とせず、自立したスポーツクラブとして成長していくことが健全なクラブ発展のためには必要です。
しかし、生涯スポーツの場としての総合型地域スポーツクラブを市民が認知し、さらに広がっていくためにも、既にスタートしているスポーツクラブが健全に育ち、軌道に乗るまでの間は行政によるサポートも欠かせないものと考えています。
特にスタッフ等の人的な支援は必要と考えますが、長岡市としては支援をどう考えているか、具体的にどのような支援ができるのか、お聞かせください。
以上で総合型地域スポーツクラブについての質問を終わりますが、今後の長岡市のスポーツ力向上のための御答弁を期待しております。
続きまして、市営住宅の管理運営について伺います。
公営住宅の建設は、大都市圏において、戦後の深刻な住宅不足への対応策としてスタートし、地方から都市へ人口流入が続いた高度成長期に全国で多くの公営住宅が建設されました。
長岡市においても、高度成長期に続く昭和40年代後半から50年代において、多くの市営住宅が建設されてきました。
当時は、核家族の子育てサラリーマン世帯が入居し、年齢とともに所得が上がることによって、最終的には市営住宅を出て、持ち家を構えるというのが1つのモデルとして考えられていたと思います。
しかし、40年以上経過した現在、人口減少が始まり、住宅総数は総世帯数を上回っており、民間住宅には空き家がふえています。
当初考えられていた住みかえのステップとしての市営住宅の役割は、一時居住からついの住みかへと変化をし、初期に建設された市営住宅では入居者の高齢化が課題となっております。
市営住宅は、公営住宅法の規定に基づいて、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸をしています。
それゆえに、シルバーハウジングの団地を除けば、特段の高齢者対策を行っているわけではありません。
しかし、老朽化の進んだ、バリアフリーとは無縁の市営住宅に入居している高齢者は日常生活に苦労し、入居者同士のつながりも希薄となり、日々の生活に不安を覚えておられる方々もおられます。
今後のことを考えると、何らかのてこ入れも必要かと思います。
市当局は、市営住宅の高齢化をどう認識しているのか、そして何か対応していることがあれば、お伺いをいたします。
市営住宅の管理については、今後ますます進む高齢化や単身者の増加にあって、一層きめ細かな管理運営が求められていると考えています。
打開できる方法はないものかと情報収集、研究を行ってきましたが、私たちの会派でことしの5月に、指定管理者が管理運営を実施している神奈川県の大和市を視察してまいりました。
大和市は、平成20年4月より市営住宅に指定管理者制度を導入しています。
導入により、市直営時と比較して効果的、効率的な管理運営が図られているとの説明を受けてきました。幾つかの事例を紹介しますと、まず週1回、全施設を巡回点検しています。
定期巡回により施設のふぐあい箇所を早期に発見し、対応することで施設の延命化が図られています。
そして、コールセンターによる24時間、365日対応の住民対応を行っています。
これにより、夜間、休日を問わず、住民からの苦情、要望に対応できる体制が確立をしております。
また、単身高齢者の方が多く入居していることから、安否確認等の見守り体制についても力を入れておりました。
さらに、市と連携しながら家賃滞納者への対応も行っています。
滞納者に対して、夜間訪問による納付指導や督促の実施、また年度末には市と指定管理者が合同で滞納者を訪問し、納付指導をしているそうです。
市と綿密に協議をし、効果的な納付指導をした結果、現年度分の収納実績は99.4%にもなっているようです。
大和市では、公営住宅法で指定管理者が実施することのできない入居者の決定、家賃の決定、家賃の減免の決定などの固有業務以外は、全て市と連携しながら指定管理者が行っております。
経費も市の直営時の平成19年度の実績額が5,275万円であったのに対し、指定管理者導入後の平成20年度の実績額は4,597万円で、678万円の縮減ができているそうです。
市の職員の負担も激減し、経費も少なく済んでいる。
つまり経費を削減した上で日常業務はきちんと行われ、付加価値として24時間対応のコールセンターや見守りサービスなどが実現しているわけです。
当初、市営住宅は公に対する安心感が重要であり、民間に任せて大丈夫なのかとの懸念もありましたが、逆に前向きな攻めの管理が住民に安心感を与えていったようで、うまく機能しているなと感じた次第です。
ここで長岡市の現状について2点質問を行います。
市営住宅に関して市民の方から寄せられる声の中で大きいのが、長期間空き状態になっている部屋があるのにどうして貸せないのかということへの不信感です。
待っている人がいるのだから、あいている状態を短縮し、一日でも早く待機者に入居してもらう迅速な処理が必要と思います。
以前に住んでいた人が退去してから新しい人が入居するまで、どの程度の期間が必要なのでしょうか。
中には長期にわたり空き部屋になっている場合もあるようですが、それはどのような要因によるものか、伺います。
次に、家賃の収納状況について伺います。
長岡市の家賃滞納状況は、どのようになっているのでしょうか。
収納率、滞納者数、滞納金額、そして3カ月以上滞納している人の人数を伺います。
また、滞納解消のためにどのような対応をしているのかも伺います。
さて、大和市の指定管理による市営住宅の管理運営を幾つか紹介してまいりました。
正直なところ、市営住宅については指定管理者制度がなじむものかと心配をしていましたが、実にスムーズな運営がされていると感じました。
特に一般業務以外にコールセンターによる24時間、365日対応や見守り等の住民に寄り添った工夫をしているところに民間活力を生かすことの意義を感じています。
そこで、伺います。指定管理者制度ができたとき、長岡市でも多くの施設で導入をされています。
しかし、市営住宅については導入をしませんでした。
それは、どのような理由によるものでしょうか。
今回視察した大和市の場合は、長岡市とは市営住宅の形態も違いますし、同じことが当てはまるとは思いません。
しかし、全国のほかの自治体を見てみても、市営住宅の指定管理者制度を導入しているところはふえてきております。
今回の大和市はほんの一例ですので、ほかのケースも研究してみる価値はあると思います。
これからの時代に対応した付加価値のある市営住宅管理実現のため、多様化する住民ニーズに対応し、より効果的、効率的に対応するため、民間の能力、知恵を活用する市営住宅の指定管理者制度導入についての考え方を伺い、私の質問を終わります。

 

◎市長(森民夫君)

総合型地域スポーツクラブに関する御質問でございますが、御指摘のように、長岡市総合計画後期基本計画及び長岡市スポーツ振興基本計画において、コミュニティを重視した地域住民の自主的、主体的な取り組みによるコミュニティスポーツクラブの設置を進めるという方針を打ち出しているわけでございます。
長岡市では、従来からコミュニティセンターを拠点にして、組織の中心となるスポーツ推進委員に子ども、成人、高齢者のスポーツクラブ等の代表が加わりまして、各地区の住民のためのスポーツ活動を自主的、主体的に運営をしてまいりました。
これは、国の目指す総合型地域スポーツクラブの考え方と基本的に同じ方向を向いている考え方だというふうに考えております。
少し大げさに言えば、長岡方式の総合型地域スポーツクラブというふうに考えているところで、そういう意味ではある程度歯車がかみ合っているといいますか、コミュニティセンターにもよりますが、望ましい姿にあるのではないかというふうに解釈をしております。
これは、国と同様に、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指すという点で総合型地域スポーツクラブの国の考え方と全く同じだというふうに認識しておりまして、今後ともこの長岡での取り組みを継続的に支援して、各支所にもコミュニティスポーツクラブの育成を図っていくように努力をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
残りの御質問につきましては市民部長から、また市営住宅の管理運営につきましては福祉保健部長からお答えさせていただきます。

 

◎市民部長(広瀬弘之君)

私からは、長岡市の現状と今後の方向性及び行政としての育成支援策についてお答えいたします。
初めに、長岡市の現状と今後の方向性についてでございますが、長岡市において総合型地域スポーツクラブとして新たに育成、設立された団体は、長岡工業高等専門学校と連携して学校施設や周辺施設を活動の拠点とした長岡蒼柴スポーツクラブ、会員数255人、川口地域の長岡かわぐちスポーツクラブ、会員数179人、山古志地域の総合型スポーツクラブY─GETS、会員数140人の3団体でございます。
これらの団体は、トライアスロンやパークゴルフなど、地域の特色を生かした種目を取り入れるとともに、多種目、多世代、多志向の健康スポーツプログラムを、地域、学校などと連携を図りながら活動を展開しております。
また、今後の展開といたしましては、本年度末に中之島地域及び寺泊地域において新たな総合型地域スポーツクラブの設立を予定しており、現在その準備を進めているところでございます。
その他の支所地域においても、地域の実情が異なることから、地元住民の意向を大切にしながら、順次総合型地域スポーツクラブの設立を図っていきたいと考えております。
なお、現在の3団体の課題は、議員も御承知のとおり、設立から間もない草創期において、自立した運営体制の確立及び安定した経営の構築を図ることであると認識しております。
次に、行政としての育成支援策についてお答えいたします。
今ほど申し上げました課題の、自立した運営体制の確立に必要な人員の確保及び安定した経営の構築に必要な財政基盤の確立を図るため、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業を活用し、本年7月から、その役割を担う活動支援員を3団体に対し各1名配置しております。
国が推奨する総合型地域スポーツクラブは、市民スポーツの振興、生涯スポーツ活動の推進並びに健康寿命の延伸において有効な手法の1つであります。
今後設立される総合型地域スポーツクラブにおきましても同様にスポーツ協会やスポーツ推進委員と連携を図りながら、設立や運営に伴う指導、助言をはじめ、さらなる担い手の育成など、支援策を講じていきたいと考えております。

 

◎福祉保健部長(水澤千秋君)

それでは、私からは市営住宅の管理運営についての御質問にお答えいたします。
まず最初に、入居者の高齢化をどう認識しているかについてでございますが、長岡市における公営住宅入居者全体のうち、高齢者世帯の割合は28.5%となっております。
これに対しまして現在の長岡市の高齢化率は26.4%でございますので、若干高目ではありますが、全体としましては公営住宅入居者に高齢者が特別多いという状況ではないと考えております。
しかしながら、個々の団地を見ますと、高齢者世帯の割合が多いところもございますので、こうしたところへの対応といたしましては、高齢者入居者の生活支援を行うシルバーハウジング事業の導入をしましたり、また共用廊下や階段に手すりを設置するなど、高齢者の方からも安心してお住まいいただけるような対応、配慮をしているところでございます。
次に、退去から次の入居までの期間につきましては、一般的には返還の届け出から2カ月程度となっております。
これは、退去者による原状回復のための修繕やその後の新規入居のための修繕工事などに要する標準的な期間でございます。
ただし、待機者の事情により入居の順番を見送る場合もありまして、その場合には次の待機者との調整が必要となりますので、結果的に次の入居まで三、四カ月かかってしまうというような事例もございます。
次に、家賃の滞納状況についてでございますが、平成24年度末現在で市営住宅の家賃収納率は89.6%、滞納者数は全入居者中約8%の137人、そのうち3カ月以上の滞納者数は84人でございます。
また、滞納額は約3,900万円となっております。
滞納者に対しましては、電話、訪問、面談による納入催告のほか、滞納月数に応じた文書による催告や連帯保証人に対する納入者への納入督励要請などを行って、収納に努めております。
最後に、指定管理者制度の導入についての御質問でございますが、長岡市においても平成17年度に公の施設への指定管理者制度の導入を検討する際に、市営住宅に関しましても導入の適否を検討いたしました。
その結果、市営住宅については法律上、入居者決定、家賃決定、家賃減免決定など、市の固有業務の範囲が広く、また入居希望者への丁寧な対応のためには入居相談から入居決定までの手続を一貫して行う必要がありますので、民間に委ねられる業務が限定的であると判断されました。
また、夜間、休日における設備修繕の緊急対応業務など、個別の業務につきましては既に民間に委託しておりますので、現時点では指定管理者制度の導入はしていない状況でございます。
今後の市営住宅の管理運営のあり方につきましては、少子高齢化や単身者の増加などによるニーズの変化に対応したきめ細かな対応がますます求められてまいります。
そうしたことから、指定管理者制度も含めまして、民間のノウハウの活用について引き続き研究してまいりたいと考えております。

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