スマートシティ会津若松 視察
2019/07/23
2011年3月11日、東日本大震災から8年。福島の皆様のご苦労を思うと胸が詰まります。せめて、福島へ行くということで、復興のお手伝いができればと思っております。
さて、福島県の西部に位置する会津地方の中心都市・会津若松市へ視察に参りました。
同市は、2011年12月に復興計画を策定し、2012年から「スマートシティ会津若松」の推進を掲げており、そのスマートシティ構想を実現するため、会津若松市・会津大学・地元企業・地元に拠点を持つ大企業による産官学連携の団体「会津若松(現・会津地域)スマートシティ推進協議会」を立ち上げ、事業を推進しており、国からも大いに注目されています。会津若松市では国や市が行政サービスや健康づくりなどにIT(情報技術)を活用する実証実験を進めていらっしゃるので、どのような分野で、どのようなITの活用が可能なのかを学ぶため視察に伺いました。
まず、市役所は、市政120年の風格を示す、本庁舎に感動しました。
ステンドグラスのはめ込まれた、階段を上り、会議室へ。
会津若松市が、スマートシティに取り組まれたきっかけは、震災後、国から復興予算がつき、また、企業からの復興支援があったこと、そして、ITに特化した公立会津大学があり、その卒業生たちが地元で就職できるよう受け皿を作りたいということがあったようです。
もともと地方都市の人口減少は、深刻であったところに、震災があったことから、東北地方の都市において、人口減少を食い止めることは、大きな課題なのですね。
さて、スマートシティ会津若松ですが
ICTをツールとして、様々な分野でICTを活用しています。
たとえば、一つの地図の中に、道路の情報、人口分布など、行政が持つ異なった分野のデータを落とし込んで、それらの相関関係がわかるようにしています。
また、「アナリティクス人材の育成」ということに着目して事業を進めていらっしゃいます。これは、会津大学の協力が大きいのかなと思います。
※アナリティクス人材:大量データの解析などを行い、実生活のなかでそれらを生かす人材
これは、今後とても役に立つ、伸びる分野ではないでしょうか。
例えば、同市では、観光客用にフリーWi-Fiを提供していますが、これを解析することで、観光客がどういうアプローチで会津若松に来ているかを分析し、的確な、広告を行うということをされています。
また、これらの中心にあるのが、「都市OS」という考え方です。
様々なデータを分野横断的に収集・整理し提供する「データ連携基盤」(都市OS)を軸に、地域住民等に様々なサービスを提供し、住民福祉・利便向上を図る
行政が持っているデータ、民間が持っているデータ、個人のデータなどデジタルデータを都市OSを介して、各アプリケーションに生かしていく。
このとき、セキュリティはというと、都市OSに載せるデータは、個人と紐付けせず、ただのデータとしてインプットされるので、個人情報に触れることはないということでした。
現在、内閣府がスーパーシティ構想として進めています。
私が、誤解していたのは、行政の様々な事務事業をこれに乗せて行き、電子行政を目指すのかなあと思っていたのですが、行政データは、そこで完結させるということのようです。
その上で、安全な形で、情報として、多量のデータを解析して、生かしていくということでした。
これらの事業の中心的な役割を担っていらっしゃるのが、アクセンチュア・イノベーションセンター福島の中村彰二朗センター長です。報道関係にも活発に出られて、スマートシティについて語っていらっしゃいます。
市役所から数分歩いたところに、今年4月にオープンした、ICTオフィスビル「スマートシティAiCT(アイクト)」があります。こちらも、共有部分だけ見学させて頂きました。
偶然、中村センター長が、お客様に説明をされているところで、全面オープンなフロアーでお仕事をされていました。
満員電車で、都内のオフィスに通うことを考えると、こちらの方が通勤の疲労が軽減されるのではないかと思います。また、土地も広々しており、すぐ近くに鶴ヶ城が見えます。
市の方のご配慮で、鶴ヶ城も見学させて頂きました。
お城を出て、どうやって駅に行こうか迷っていたら、まちなか周遊バスに「あかべぇ」がやってきました。周遊バスに乗ると、レトロな七日町通りの町並みも見ることができました。
日帰りでしたが、大変充実した視察となりました。
ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。