重症心身障害児デイサービス事業について視察
2017-01-16
名古屋市にある全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワーク 様へ、三鷹市・武蔵野市議会公明党7人で視察に伺いました。
全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワーク;http://www.jyuday.net/
理事長が熱く語って下さいました。
医療的ケアの必要な重症児の親(多くの場合母親)は、寝る暇もなく子どものケアにあたっている。入所施設は、とても少なく入りづらいこと。また、施設が本人にとってベストであるとはいえないことなどから、なんとか、重症児の親子を助けたいということで
「なければ創ればいい」として、今の事業を立ち上げ、拡大し、現在は、全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワークも立ち上げ、全国からの問い合わせにボランティアで応じ、重症児のデイサービスの拡大に尽力されていらっしゃいます。
重症児支援は、報酬の単価は高いのですが、現在の法律は、事業者に対する報酬が、出来高制です。ですので、予約していた方が体調不良で休むと報酬は出ません。しかし、職員は勤務しているので、人件費が負担となってしまうそうです。そこで、キャンセル待ちなどをあらかじめ募っておいて、欠員がないよう工夫されているそうです。
最初に、理事長が ふれ愛名古屋 を立ち上げられた原点の施設 natsu を見学致しました。
未就学児が数人ゆったりとお昼寝していて
わきで、子どもたちに、プラネタリウムを楽しんでもらうため、準備をされていました。
また、ここのトイレは、青空いっぱいのトイレでした。
子どもたちは、ほとんど上を向いている状態なので、陳腐な壁でなく、青空にしたのだそうです。
隣のお部屋は、小学生以上で、放課後デイサービスです。
特別支援学校まで、迎えに行き、ご自宅に送迎もして下さるそうです。
それだけでも、どれほどご家族は助かるでしょう。
私たちを、駅に迎えにきてくださったバンは、座席は3つしかなく、真ん中に大きな空間がありました。重症の子たちは、座ることもできない場合が多いので、車いすの背もたれなどの傾斜が緩やかです。そのぶん、広いスペースが必要のようです。
引き続き、全国重症心身障がい児デイサービス・ネットワークの事務所がある、satsuki と mei
も見学させて頂きました。
私たちが行く2日前は、積もるほどの雪が降ったせいでしょうか、この日も、2人の方が急に休まれていました。
こちらの施設では、マンツーマンなので、ベットに柵はありません。
2階の事務所で、やる気さえあれば、重症児デイサービスは、できる!ということ。また、創ることが必要であることを、理事長の熱いメッセージとともに伺いました。
今後は、「地域生活支援拠点」を設立していく構想だそうです。
本来なら、行政がやらなくてはいけないことかもしれないのですが、ないことを嘆くのではなく
「ないなら創る!」
すばらしいと思います。
そして、理事長が一貫しておっしゃっていたのは、「この子たちに救われるんです」ということでした。理事長は、事業の失敗などから一時は自殺まで考えるほど追い詰められたことがおありだそうですが、この子たちの笑顔や成長がうれしくてしょうがない。その歓びのエネルギーで困難に立ち向かわれていらっしゃるように思いました。
また、障害者雇用もされているそうですが、うつ病で障害者としていらした方が、子どもたちに係る中で、自身の存在意義に気づき蘇生され、うつ病を克服し別の会社に就職されたりもしているそうです。
重症の子どもたちが、生きていることをうれしいと思い
そのご家族が、安心して日々が送られる
そういうプラスの連鎖を創っていかなくてはいけないのですね。
皆様ありがとうございまました。