藤井聡内閣官房参与の「国民所得を80万円増やす経済政策」を読みました。要旨は、『消費増税の延期と同時に、年間10〜20兆円規模の徹底的な財政政策を展開してデフレ完全脱却を果たし、それを通して600兆円経済(=国民平均所得80万円増)を実現するとともに、財政健全化を果たし、それ以降は持続的な財政と成長を目指しでいく』というものです。その実現のためには、所得ターゲットを財政政策で行うと政府がコミットすることとあわせ、「出口戦略」(①期間を3年限定②デフレ脱却の基準の事前設定③早期終了も想定)、「ワイズ・スペンディング」(賢く使うの意味:短期的投資ではなく、テクノロジーや人材・教育、インフラ、まちづくりなどの長期的投資を中心とする)の原則を堅持することが必要であるとしている。さらに、デフレの鬼っ子である「緊縮思想」や「公共事業不要論」を払拭する必要があることから強い政治決断が不可欠であると締めくくっている。安倍総理は、「日本経済再生に必要な、具体的かつ実践的な提案だ」と評価しており、日本の明るい将来を実現するための必読書と思います。