松阪市議会議員  松岡つねお(まつおか つねお)

安心・安全・希望の松阪目指して!

⭐️社説-聖教新聞…より転載!

未分類 / 2015年8月6日

東西冷戦が終わり、21世紀を迎えようとした時、多くの人々は「戦争の世紀」にピリオドが打たれると思ったにちがいない。しかし、迎えた新世紀は「9・11」同時多発テロで幕を開け、悲惨な争いは、今なお世界の各地で続いている。
 22年前、1993年のきょう8月6日、池田名誉会長は小説『新・人間革命』の執筆を開始し、冒頭にこうつづった。
 「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない。平和こそ、人類の進むべき、根本の第一歩であらねばならない」――広島の原爆投下から48年のこの日、人類の進むべき根本の道を示し、恒久平和実現への叫びを放ったのである。
 「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とは、ユネスコ憲章の前文にある有名な言葉だ。
 戦争の惨禍をなくすには、政治も外交も大切である。だが、全ては「人の心」に平和のとりでを築くことから始まる。ところが、その根幹がなおざりにされてはこなかったか。
 『人間革命』も『新・人間革命』も、主題は「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」である。
 仏法は、万人が等しく「仏」の生命をそなえていると説く。それは「生命の尊厳」の支柱となる法理である。そして、現実生活のなかで「仏」の生命を涌現させ、慈悲を体現していくことが人間革命である。つまり、私たちの進める運動とは、生命の開拓作業であり、まさに「心の中に平和のとりで」を築くことにほかならない。
 起稿の日、名誉会長は長野研修道場で、インド・ガンジー研究評議会議長のN・ラダクリシュナン博士と、「『魂の力』は原子爆弾よりも強い」というマハトマ・ガンジーの信念について語り合った。
 無名の民衆が世界中で友の幸福を願い、励まし合う創価学会の姿を、今日まで見続けてきた博士は、「世界平和のために、結束して行動する民衆に潜在する無限の力を証明した」と称賛を惜しまない。
 いかに遠回りに見えようとも、確かなる平和の道は、草の根の民衆が、何ものにも勝る「魂の力」を蓄えていく以外にない。
 今年で広島の原爆投下から70年を迎える。この時にあたり、『新・人間革命』を胸に刻み、人々の心に「平和のとりで」を築く誓いを新たにしたい。