松阪市議会議員  松岡つねお(まつおか つねお)

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☆「包括ケア」提言のポイント!

新聞社記事・WEB記事 / 2014年8月29日

♫公明新聞:2014年8月25日(月)より…転載

◇お答えします 「包括ケア」提言のポイント <1>

迫る超高齢社会を地域の絆で支え合う

公明党の地域包括ケアシステム推進本部(本部長=桝屋敬悟衆院議員)は7月31日、政府に対し、同システム構築に向けた政策提言をしました。提言のポイントをQ&Aで解説します。

問題意識の背景は?

Q なぜ今、地域包括ケアシステムの構築が必要なのですか?

A 最も人口が多い1947~49年前後に生まれた世代(団塊の世代)が、2025年には75歳以上となり、医療と介護の需要の急増が見込まれています。厚生労働省では、25年の75歳以上の高齢者人口は2179万人(全人口の18.1%)に上ると推計しています。こうした超高齢社会に対応するために、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを、高齢者が地域の中で一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」を、全国的に構築することが求められているのです【イラスト参照】。

 Q 社会保障給付費の増大も指摘されています。

 A 政府は社会保障財源を安定的に確保するために、消費税率引き上げを柱とする、社会保障と税の一体改革を進めています。この財源を活用して社会保障制度の維持・強化を進めることにしていますが、持続可能な制度とするためには給付の重点化や効率化も避けて通れない課題です。 そこで、高齢者自身がセルフケア(健康管理)に努めるとともに、必要な支援やサービスを選択・利用しながら、要介護状態にならないよう予防にも取り組める体制を、計画的に整備する必要があります。 一方、6月には、在宅で医療と介護のサービスが受けられる環境を整えることなどを柱とする医療・介護総合確保推進法が成立しました。同法では今年度、都道府県に約904億円の基金を創設。この基金を使って都道府県は、同システムの構築に向けた、さまざまな環境整備を進めることになります。公明党の提言では、基金に充てる財源を毎年しっかり確保することを強く求めています。

 Q 一口に「地域包括ケアシステムの構築」と言っても地域差があるのでは?

 A その通りです。都市部と農漁村部では高齢者を取り巻く環境が大きく違うように、地域の実情に即した取り組みが必要です。こうした問題意識から、党推進本部では全国の地方議員との意見交換や、現地調査などを精力的に重ねてきました。地域の医療・介護などの公助、共助の体制整備とともに、自助、互助の体制強化を含めたシステムの構築に向け、国民運動として展開していく必要があると考えます。地域包括ケアシステムとは、言葉を換えれば、支え合いと共生社会の実現であり、地域の絆を再構築することです。だからこそ、地域に根差した公明党の取り組みに期待が寄せられています。

♫公明新聞:2014年8月26日(火)より…転載

お答えします 「包括ケア」提言のポイント<2>

国家戦略でイメージ向上させ、提供体制を柔軟に設定

人材、サービスどう確保?

 Q 公明党の「地域包括ケア」提言では人材確保の必要性を強調しています。

 A 今、介護人材を養成する専門学校などでは定員割れが進んでいます。2012年度の介護職員数は約150万人ですが、25年度には250万人が必要とされ、100万人も不足すると見込まれています。しかし、介護職に対するイメージを聞くと、「夜勤などがあり、きつい」「給与水準が低い」など、マイナスイメージが上位に挙げられています【グラフ参照】。公明党はかねてより介護職員の処遇改善を訴え、賃金アップにも取り組んできましたが、超高齢社会を目前に控えた今、さらなる処遇改善を進めるとともに、介護人材の確保は国家戦略として取り組むべきだと訴えています。

 Q 具体的な提案は?

 A 学校教育の中で介護の仕事の深さ、尊さを学んだり、現場での体験学習を進めるなど、介護の仕事に興味を見いだせるような取り組みを求めています。また、イメージアップを図るために、テレビドラマで介護人材を取り上げることや、ヘルパーの名称を「ケアサポーター」に変更するなど、大胆かつ斬新な提案をしています。さらに、高齢者の外出支援や生活支援の要望などに元気な高齢者が応え、その活動実績に応じてポイントを付与して現金や商品に還元できる「ボランティアポイント」の普及なども申し入れました。このほか、リハビリ専門職は地域包括ケアを支える重要な人材です。提言では、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚療法士(ST)らに加えて、鍼灸マッサージ師なども活用すべきだとしています。

 Q 提言でいう「基幹的サービス」の拡充とは?

 A 要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通して訪問による介護・看護を連携して行う「定期巡回・随時対応型のサービス」や、デイサービスを中心に利用しながら、必要に応じてショートステイや訪問介護を受けられる「小規模多機能型居宅介護」、さらに在宅医療を支える訪問看護などを例示しています。これらのサービスは、地域包括ケアシステムを支える基幹的な役割を担うものですが、自治体ごとにサービス提供体制に大きな格差もあります。今後、サービスの普及啓発を図ることが必要です。

Q 今後、新しい地域支援事業も始まります。

A 医療・介護総合確保推進法に基づき、介護の必要度が低い要支援1、2の人向けの訪問・通所介護を、市町村事業に移すことになりました。現行のサービスに加え、多様な要望にも応えることが可能となります。サービスの設定に当たっては、自治体の実情に応じた柔軟な設定が求められます。このほか提言では、認知症高齢者の増加に対応するために、高齢者の資産管理などを行う成年後見制度についても、市民後見人の育成や活動を支援する体制の整備促進などを訴えています。