11/11.三鷹市コミュニティ・スクールについて、視察に伺いました。
この日、東京は寒かったです。
以下、メモです( ..)φ
1.コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)とは
- コミュニティ・スクールは、学校と地域住民・保護者が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」に転換するための仕組み
- この制度を導入することにより、地域ならではの創意や工夫を生かした特色ある学校づくりを進めていくことが期待できる
2.コミュニティ・スクールの要件
- 「学校運営協議会」 を設置していること
- 「学校運営協議会制度」は【地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の5】 (H16制定)に基づく制度で、主に3つの機能がある
- 教育委員会が、学校や地域の実情に応じて学校運営協議会を置く学校を指定
- 校長が作成する学校運営の基本方針の承認をすること(必須)
- 学校運営について、教育委員会又は校長に意見を述べることができること
- 教職員の任用に関して、教育委員会に意見を述べることができること
- 三鷹市では3つの機能をすべて付与
3.これまでの経緯
三鷹市は地域コミュニティの育成を基盤とした行政運営が早くから定着。
昭和49年
- 全国初のコミュニティ・センターとして、大沢コミュニティ・センターが完成
昭和50年代
- 各住区にコミュニティ・センターが誕生
- 住民自治の気風の上に、コミュニティ・スクールの取り組み
平成18年
- 「にしみたか学園」開園
平成21年
- コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫校の全市展開
平成25年
- 学校支援ボランティア年間延べ10,000人を突破
- 平成27年度実績は16,823人(登録は700~800)
- 講習会の開催でマンパワ増員を図り、裾野を広げている
4.三鷹市コミュニティ・スクールの特徴
<三鷹市の学校教育の理念>
- 質の高い教育をどの学校においても保証する (義務教育9年間に責任を持つ)
- 地域全体で「共に」子どもを育てる
<三鷹市自治基本条例>
- 保護者、地域住民等の学校運営への参加を進めることにより、地域の力を活かし、創意工夫と特色ある学校づくりを行う
- 学校を核としたコミュニティづくりを進める
<三鷹市立小中一貫教育校>
- 小学校15校、中学校7校を7つの学園に編成
- 1学園は概ね中学校1校と小学校2校
5.学校運営協議会の実際
- 委員は学校長が推薦し、教育委員会が任命
- 元・現保護者(5割)、地域協力者、学識経験者、住民協議会、地域健全育成団体、民生児童委員・保護司、同窓会、学校など (30人程度/学園)
- 委員は学園内の各小中学校から選出され、学園全体の委員を兼ねる
- コミュニティ・スクールの2つの機能
- コミュニティ・スクール委員会での協議を通した「学校運営への参画」
- 全体会:1回/月
- 部 会:1~2回/月
- 教育ボランティア等、学校教育への支援による「教育活動への参画」
- 学園内では教員の相互乗り入れが可能
- 教員の人事権は東京都
- 単位PTAは各小学校のみに関与
6.コミュニティ・スクールによる効果、インパクト
- 小学校・中学校とも学力の向上が顕著
- 中学生の不登校出現率が激減
- 小中学校教員の授業交流が児童・生徒に安心感をもたらし、学習意欲の向上につながった
- 小中学校間の交流は児童に中学校への憧れと期待を、生徒に事故有用感を与えた
- コミュニティ・スクールの活動を通じて保護者・地域の学校への理解が進み、教育活動への協力体制が広がった
三鷹市では住民自治を促す行政運営が早い時期から行われており、その一環としてコミュニティ・スクールの取り組みがあります。とは言え、当初は混乱もあったようです。
最初のコミュニティ・スクール「にしみたか学園」の開園から10年が経ち、三鷹市の義務教育学園はすっかり「我が町の学校」として定着している様子。人の定着も良いようです。
かつて視察の折、京都では学制発布以前から住民によって「番組小学校」が建てられ、住民自治で学校教育が行われていたと伺いました。コミュニティ・スクールは地域と学校を結び付け、再生させる優れた一つの手法であると思いました。
地域には、学校・教育への協力を惜しまない熱心な支援者がたくさん存在します。コミュニティ・スクールは、そうした善意と協力をしっかり受け止め、活かす仕組みだと思います。