人口減少、少子高齢化の克服へ―。公明党の人生100年時代構想本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)と党経済再生調査会(会長=上田勇同代理)は24日、首相官邸で安倍晋三首相に対し、政府が年内にまとめる新たな政策パッケージなどに対する提言をそれぞれ提出した。構想本部は「人づくり」への投資として、0~5歳児の幼児教育や私立高校の無償化などを要請。経済再生調査会は「生産性革命」に向けて、中小企業・小規模事業者の事業承継税制の抜本的拡充などを求めた。両提言に安倍首相は「鋭意検討する」と応じた。
構想本部の提言は、(1)「子育て・教育にかかる費用負担の軽減」(2)「いつでも学び直しができる環境整備」(3)「全世代型の社会保障への転換」―の3分野から成る。
席上、石田本部長は、政府が教育費負担の軽減などを含む経済政策パッケージの財源の一部として産業界に3000億円程度の拠出を求めていることに関して「中小企業に配慮を」と力説した。年収590万円未満世帯を対象とする私立高校授業料の実質無償化の実現に向けては「特段の配慮を」と要請。安倍首相は「今、一生懸命考えている」と応じた。
提言のうち、「子育て・教育負担軽減」では、幼児教育無償化について「就学前における全ての子ども」を対象に「質を確保しつつ、着実に進める」と明記。3~5歳児は「障がいサービスや認可外保育施設、預かり保育を利用する子どもを含む」、0~2歳児は「保育の受け皿を整備し、待機児童を解消するとともに、無償化を実施する」とした。
待機児童解消を進める「子育て安心プラン」や「放課後子ども総合プラン」の前倒しのほか、多子・中所得世帯にも配慮した大学進学支援策、高校生等奨学給付金の拡充なども要請。
「学び直し」では職業訓練やリカレント教育の充実、「全世代型社会保障の転換」では社会的孤立を防ぐ取り組みなどを求めた。
経済再生調査会の提言では、経済の好循環実現へ向け、国内企業の99.7%を占め、地域の経済と雇用を支える中小企業での生産性革命が不可欠と強調した。
特に、経営者の高齢化が進む中小企業の事業承継の支援強化を求め、相続税や贈与税の納税猶予に必要な雇用確保要件の緩和などを訴えた。革新的なサービス開発に取り組む企業に対する「ものづくり・サービス補助金」の拡充も主張した。
また、トラック運送業において、荷物の積み降ろしなど運賃と区別されるべき料金を荷主が確実に支払うよう国が定めた新たなルールを周知徹底する必要性があると指摘。建設現場でのドローン(小型無人飛行機)の早期実用化など、情報通信技術(ICT)の導入推進も求めた。
24日の衆院厚生労働委員会で公明党の桝屋敬悟氏は、消費税率10%への引き上げによる増収分の使い道が見直されることに関して、増収分を使った施策として既に予定されている低年金者への加算や介護保険料の軽減強化に触れ、「まずは約束してきたことを確実にやるべきだ」と主張した。加藤勝信厚労相は「増収分を活用して実施する考えに変わりはない」と表明。答弁を受けて桝屋氏は、これらの前倒し実施を促した。
また桝屋氏は、消費税率引き上げの延期や12月に取りまとめられる新たな政策パッケージを踏まえた社会保障制度改革の全体像を、早急に示すよう求めた。加藤厚労相は「それらも含めて、工程の全体を示す必要がある」と応じた。
桝屋氏は「医療・福祉の現場は人手不足が深刻。抜本的な対策を」と指摘し、福祉人材確保に関する国の指針の見直しなども訴えた。
11月12日夕刻から千葉市に向かいました。日本肝臓病患者団体協議会(日肝協)の全国会議と交流会が行われておりまして、公明党の肝炎対策プロジェクトチームの座長として出席しました。
先の衆議院選挙支援の御礼と、今まさに大きな山場に差し掛かっている「肝硬変・肝がん患者の医療費助成」について、平成30年度予算の取り組みなどについて議論をさせていただきました。
C型肝炎も、B型肝炎も、新薬の開発が進んでいます。しかしながら、今回の交流会でも、日本肝臓学会の加藤先生から、たとえウイルスを除去できても、その後肝がんになる可能性は高く、ウイルス除去後のケアが大事との話しもありました。
やはり肝硬変・肝がんの皆さんの医療費助成の制度は是非とも必要と強く感じた次第です。30年度の予算では、肝がん患者への取り組みとして医療費助成制度も導入される見通しですが、重度の肝硬変患者への対応も要検討です。
引き続き取り組みを続けたいと決意しております。
11月12日(日)医療基本法シンポジウムに参加しました。このシンポジウムは、患者の声協議会など5団体が、医療本法共同骨子案を作成し、患者本位、相互信頼に基づいた医療を構築するため、医療の憲法ともいうべき医療基本法の策定を進めたいとして開かれたものです。
全国ハンセン病療養所入所者協議会の皆さんも参画しており、桝屋敬悟としても懐かしい方々にお目にかかりました。各党の代表者とともに議論に参加しました。
公明党は、浜四津代表の時代から、この医療基本法の制定に向けて共に行動してきたところですが、人口減少時代、超高齢社会の中で、我が国のこれからの医療の在り方を検討しなければなりません。
公明党としても、党内の議論を進めなければならないと強く感じた次第です。