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桝屋敬悟
m0403@ymg.urban.ne.jp

対談テーマ : 2060年「高齢者4割社会」 今 政治は何を決断すべきか(2012.03)

  

まやかしの年金改革案は混乱を招くだけ!

村田拓代(むらた たくよ)さん

●社会保険労務士

●全国労働保険事務組合連合会 前副会長

●山口県労働保険事務組合連合会 会長

  

  

 

 

 

 

■2060年「肩車型」

村田:1月下旬、国立社会保障・人口問題研究所は、2060年、50年後の日本の総人口は、今の3分の2に落ち込み、65歳以上の高齢者が4割を占めるとの衝撃的な数字を発表しました。 

桝屋:10人のうち4人が65歳以上のお年寄り。5人が15歳から64歳までの学生や大人。そして、14歳以下の子どもが1人という世代構成になると。

村田:2010年には生産年齢人口の2.8人で高齢者1人を支えていたが、2060年には1.3人で1人を支えることになります。50年前の1960年には11.2人で1人の高齢者を支えていましたから、100年間で支え手が10人も減る計算です。

桝屋:1960年が「胴上げ型」、2010年が「騎馬戦型」。そして2060年が「肩車型」。そのうえ特筆すべきは、日本の少子高齢化は、世界でも例を見ない猛スピードで進んでいるという事実です。

 

■日本の高齢化は諸外国の4倍のスピード

村田:日本の社会保障は、ここまで急速に高齢化が進み、人口が激減していくことを予測していたのでしょうか?

桝屋:早くから人口の高齢化、減少化は言われてきました。消費税や介護保険制度などの導入は、そうした社会に対応するものだったのです。しかし残念ながら、それを上回る猛スピードに追いつけないでいるのです。普通は100年前後かけて一国が高齢社会へと推移する。ところが日本の場合は24年、諸外国に比べると4倍のスピードです。

村田:社会保障制度の改革は不断の取り組みが必要です。しかし、だからといって今回の年金制度のように一から作り直そうとしたのでは大変な混乱が予想される。それは昨今の民主党の迷走ぶりが雄弁に物語っています。

桝屋:長い間、福祉の現場で働き社会保障分野の取り組みを続けてきた私としては、今の日本の社会保障制度は絶対に守るべきだと考えます。修正しながらやっていくしかない。そう覚悟を決めることです。その上で人口減少に歯止めをかける。

  

■日本の子育て予算は低レベル 

村田:人口の減少が続けば社会や経済の活力は失われていきます。これまで日本の政治は、選挙で票になる高齢者施策に予算を重点化し、子育て施策を軽視してきた歴史があるように思えてなりません。

桝屋:確かに日本の子育て関連の予算額は先進国でも低レベルです。そして、長引く不況や非正規雇用の増加を背景に、現役世代の危機が深刻化しています。経済的な理由で結婚できない若者や貧困に苦しむ子育て世帯の急増。現役世代に対する雇用対策と社会保障の拡充も真正面から取り組むべき課題です。

村田:汗水たらして働いても貧困から抜け出せないワーキングプア(働く貧困層)。今や働く人の3人に1人が非正規雇用者です。しかも若年層の割合が大きく、これでは少子化が加速するだけです。

 

■景気回復が最優先

桝屋:雇用対策や経済対策なくして社会保障制度は語れません。円高で大企業ばかりでなく中規模の企業までもが海外に移転を考えている。円高是正によって雇用対策を図ることです。そして時代にふさわしい福祉社会を確立していく。自助、共助、公助と言われますが、これからの急所は〝共助〟です。地域全体で弱者を支えていける仕組み。ここにも心を砕いて参ります。

村田:よく分かります。一刻も早く国会に戻ってもらいたい。国会は今、福祉のスペシャリストである〝桝屋敬悟〟を必要としています。                           (完)

 

 

 

 

 

 

今の制度を守る。そう覚悟を決めることです!

桝屋敬悟(ますや けいご)

●前衆議院議員(対談当時)

●元厚生労働副大臣(対談当時)

●党中央幹事、中国方面議長、山口県本部代表